インハウスSEOとは?メリットや必要な業務を事例とともに紹介
当記事ではインハウスSEOについて、様々な角度から光を当て網羅的に解説します。そもそもインハウスSEOとは何か、そのメリット・デメリットについて、さらにインハウスSEOを推進する場合に取り組まなければならない施策など。
自社でインハウスSEOを行うべきなのか、それは実現可能なのか、迷っている担当者向けの情報満載です。ぜひ参考にしてみてください。評価が高いページのニーズ・共起語含有率
また、Keywordmapを開発したCINCでは、ビッグデータを活用し、SEO戦略の策定から効果検証まで一気通貫で支援しています。Keywordmapを活用した内製化支援や常駐プランによるインハウスSEO支援も行っていますので、ご興味がある方はお気軽にご相談ください。⇒CINCのSEOコンサルティング・SEO対策代行サービス
目次
インハウスSEOとは?
インハウスSEOとは、自社内でSEO施策を行うことです。別名、SEOの内製化。もう少し踏み込むと、SEOを外部に依頼する(外注)するのではなく、自社の中で(すべての)SEO施策を行うことを指します。インハウス=組織内、SEO=検索エンジン最適化を組み合わせた言葉であり、どちらかというと集客施策の実践段階ではなく、集客戦略の立案段階で語られるケースが多いです。
改めてSEOを主力とした集客を行いたい、各SEO施策はコントローラブル性を重視したいなど、諸般の事情からインハウスSEOが選択されます。一方で、SEOや検索エンジンマーケティングにある程度知見がないと、そもそも自社がインハウスでSEOを行うべきか判断するのは難しいでしょう。
したがって、まずインハウスSEOが自社にとって必要なのかどうか取捨選択できるようになるための前提知識から説明していきます。
完全内製化・一部外注・完全外注の選び方
どのような体制でSEOに注力すべきかは、自社のリソースの状況やプロジェクトの目的によって変わります。SEOに注力する期間が限定的で定まっている場合や社内にSEOに知見があるメンバーがおらず、施策を推進できる状態にない場合は、すべてのSEO業務を外部に発注して委託するのが推奨されます。
一方で、事業成長に欠かせない施策であると捉え、恒久的にSEOに取り組み、社内にSEOのナレッジやノウハウを蓄積していきたいというニーズがある場合は、担当者をアサインし、インハウスSEOに取り組みましょう。
また、将来的にはSEOをすべて社内で実践する体制を整えたいものの、社内にノウハウがない、もしくは知見があるメンバーがいない場合は、一部を外部の企業に委託し、知見が溜まったタイミングで完全内製に切り替えるという方法もあります。
自社のリソースやSEOに取り組む目的を整理して、最適な手段に取り組みましょう。
インハウスSEOが向いている企業
社内においてSEOを実践する体制が整っている場合は、インハウスSEOに取り組むことが推奨されます。 では、SEOを実践する体制とはどのようなものなのでしょうか。インハウスSEOに向いている企業の特徴と合わせて見ていきます。
インハウスSEOに取り組むべき企業の特徴は以下の5つです。
SEO専任のメンバーがいる・アサインする予定
SEOで成果をあげるには、SEOのナレッジやノウハウを持った人材が必要不可欠です。たとえば、Googleアルゴリズムの変化やランキングシグナルへのアンテナ、競合サイトの施策状況、効果的なキーワード選定、効果検証といった専門的な施策を実行していく必要があります。そのため、SEO業務に時間を割ける主担当者をアサインしたり、複数名のリソースを当てたりできる体制を整えましょう。
会社としてSEOに取り組む重要性が認識されている
SEOは中長期的に取り組むマーケティング手法であり、Webサイトの集客や認知拡大、ブランディングに効果を及ぼすまでには、ある程度の時間がかかります。リソースを投下したからといって、一朝一夕で効果を得られるわけではありません。
したがって、「SEOは将来的に資産になる。中長期的に成果をもたらす施策である」と、担当者・意思決定者も含め会社全体として受け入れられている状態が、インハウスSEOを推進していく上では望ましいです。
SEOに注力する予算がある
中長期的にSEO施策に投下できる予算を確保できている状態が必要です。
SEOはメディア運用を行うメンバーの人件費、サーバー費用、サイト構築費用など経常的にコストがかかります。会社としてSEOの重要性を理解していたとしても、予算を割くことができなければ、継続的なメディア運営は不可能です。
一方で、SEOは広告などの一次的に予算を投下する施策と比較するとROIが高い施策でもあります。作成したコンテンツが資産となり、中長期的に集客に貢献するためです。ある程度の予算があれば、SEOを内製化する価値は十分にあるでしょう。
コンテンツの制作体制がある
SEOはコンテンツが肝であり、施策を成功させるためにはコンテンツを制作できる体制構築が必須です。数値やスケジュール管理をするディレクション担当を少なくとも1名、文章作成を担うライティング担当を複数名いる状態が必要です。また、今後は動画や音声などさまざまなメディアに対応しながら、コンテンツを作る重要性が高まっていくと考えられています。そのため、記事作成に限らず、幅広い形式のコンテンツを作成できる状態が理想でしょう。
Webマーケティングに取り組んでいる
すでにWebマーケティングに社内で取り組んでいる企業は、インハウスSEOの土壌が整っているケースが多いです。ペルソナ設計や市場分析など、各施策に共通するマーケティングの考え方や施策に対する認識が一定整っていると考えられます。そのため、インハウスSEOを軌道に乗せやすい体制があると言えるでしょう。また、すでに社内に存在しているコンテンツをベースにSEO施策に取り組めるため、メディア運用のハードルが下がり、スピード感を持って対応することができます。
インハウスSEOが向いていない企業
インハウスSEOに向いている企業があるからには当然、チャレンジしても成果が出にくいような企業もあります。
続いてインハウスSEOに向かない企業の特徴を見ていきましょう。
マーケティング、SEOの専任となる人材がいない
インハウスSEOの体制を一から作り上げる場合は、SEOに取り組む目的、目的を達成するための戦略、市場調査・分析、コンテンツ作成など多くの業務を行いながら、組織作りを行う必要があります。安定運用をするまで大幅なリソースを割く必要が出てきます。また、マーケティング戦略設計を行うためには一定の経験とノウハウが必要であり、未経験の担当者が1名で行うには知識をキャッチアップしながら進めることになります。そのため、担当者がリソースを割ける体制が整えられない場合はインハウスSEOは向かないと言えます。
経営陣がSEO・マーケティングの重要性を理解していない
SEOは成果が出るまで時間がかかる施策です。短期的な売上やリード数の獲得を目的に取り組んでしまうと、ストックコンテンツによる中長期的な効果を得られなくなってしまいます。
経営陣がSEOの成果について理解があり、マーケティング施策に投資する重要性を理解できている状態が大切と言えるでしょう。
予算がない
中長期的にSEO予算を確保できる状態でなければ、インハウスSEOは難しいでしょう。
メディアの立ち上げには、イニシャルコストがかかりますし、継続運用には人件費を含めたランニングコストもかかります。何より、成果が出るまでに時間を要する施策であるため、経営層に理解を求め、持続的に予算を確保し、腰を据えて施策に取り組める状態が必須です。
インハウスSEOのメリットとは?
インハウスSEOはそれなりに労力がかかりますが、その分、メリットも非常に大きいです。インハウスSEOで得られるメリットは次の4つです。
- 外注費を削減できる
- SEOノウハウが社内に蓄積
- 迅速な施策実行
- コミュニケーションが取りやすい
外注費を削減できる
SEOを外部に委託する場合は、コンサルティング費用を支払う必要があります。
依頼する施策の数、内容にもよりますが、月額費用は数十万~となる場合が一般的です。また、継続的に費用が発生します。インハウスでSEOに注力する体制を築けば、社内の人件費、販管費のみで対応が可能です。
SEOノウハウが社内に蓄積
成果はもちろん大事ですが、成果に向けて試行錯誤したプロセスも同等に大切です。
SEOはアルゴリズムの変化や競合サイトの施策の変化を察知し、PDCAを回し続けなければいけません。その際に、過去に取り組んだ社内ノウハウが羅針盤になる場合があります。
一方で、外注する場合はナレッジの共有は受けたとしても、試行錯誤しながら身につける実践的なノウハウは蓄積できません。やはり、社内に現場のナレッジ、ノウハウが蓄積できるという観点はインハウスSEOの大きなメリットの1つです。
迅速な施策実行
インハウスSEOは自社内で施策を完結できるため、緊急の対応が必要な事項やスピードが求められる施策に対応しやすいです。Googleの検索アルゴリズムのアップデートや、自動・手動ペナルティ、競合ページの台頭などで急に順位下降が生じる場合があります。外部に委託している場合、対応までに時間がかかる恐れがある一方で、社内のSEOチームでスピード感を持って対応できれば、集客数が改善するまでの時間を短縮でき、損失を最低限に抑えることができます。
コミュニケーションが取りやすい
インハウスSEOは社内メンバーで施策を進めるため、コミュニケーションコストが低いです。
ターゲットとなる顧客の解像度、施策の目的、市場の状況、会社の方向性などに対して、深いレベルの共通認識を持ったうえで施策に取り組めます。これは非常に大きいメリットと言えるでしょう。
インハウスSEOのデメリットとは?
一方、インハウスSEOにもデメリットがあります。
デメリットも含めて、対応できる状態が自社にあるか確認したうえで、SEOを内製化するかどうか検討することが重要です。見切り発車で成功できるほどSEOは簡単ではありません。
インハウスSEOのデメリットは次の4つだと考えられます。
- SEO専任者の採用・育成にコストがかかる
- 長期的なプランニングが必要
- 専門的な知識が得づらい
- 業務量が増える
SEO専任者の採用・育成にコストがかかる
当然ながらインハウスSEOには、SEO業務にリソースを割ける専任者をおく必要があります。SEOの最新トレンドのキャッチアップ、コンテンツ作成体制の構築、メディアの数値管理など、さまざまなタスクをこなせる担当者がいなければインハウスSEOは成り立ちません。そういった、専門家を採用するには多大なコストがかかります。また、専門的な知識やSEOの経験があるメンバーがいない場合は、社内のメンバーを育成することになります。しかし、高度かつ幅広い知識が求められるSEO担当者の育成には時間を要します。
長期的なプランニングが必要
中長期的な成果創出を想定したプランニングを行う必要があります。目標達成にむけて、いつ、どのタイミングで、どのようなキーワードを対策すべきか計画を立て、着実に実行します。明確にメディア運営の目標を描き、適切にディレクションできる状態を築くことはハードルが高いタスクであるため、大幅にリソースや工数を割くことにもなるでしょう。一方で、このプランニングを疎かにしてしまうと、施策を始めたは良いものの、計画が途中で頓挫してしまいリターンを得られないまま施策が終了してしまう可能性があります。
専門的な知識が得づらい
社内のSEO担当が収集できる知識や経験の範囲のみでしか対応ができないというデメリットがあります。外部のSEOエキスパートに依頼すれば、専門的かつ最新のノウハウを提供してもらえます。しかし、インハウスで対応する場合は、意識的に情報収集しなければ、知識のアップデートがなされません。
業務量が増える
専任のSEO担当者をアサインできない場合は、ほかのメンバーに既存業務としてSEO施策を担ってもらう必要があります。
SEO業務未経験者の場合は、知識のインプットから始める必要があり、スタート時には「学びながら走り続ける」ための工数を要します。また、当然ながら通常業務もこなしていく必要があるため、業務過多に陥ってしまう可能性もあるでしょう。
そのため、SEOの内製化に注力することを決めたら、最低でも一人以上はSEOの専任者をアサインすることを推奨します。
インハウスSEOで行う業務一覧
自社でメディア運営・SEOを行うには、さまざまな施策(業務)を着実に遂行する必要があります。
戦略設計からコンテンツの作成、コンテンツの改善までPDCAを回しながら継続的に運営することで、成果がでるのがSEOです。このパートではSEOで必須のタスクを紹介し、各施策の重要性をお伝えします。
1.戦略の策定
SEOに取り組む前に、自社サイト・メディアの運用戦略を明確に描きましょう。
メディア運営をする目的は何であり、目的達成のために必要なKPIが何で、どのような成果をあげ、施策を実行するのか道筋を想定することが大切です。実際、戦略構築が不十分なままSEOに取り組んでしまい、道半ばで施策をペンディングさせてしまう事例も少なくありません。SEOは中長期的な運用が前提となることを認識し、現実的な戦略を描きましょう。
当メディアであるKeywordmap Academyを立ち上げた際も、戦略策定を徹底的に行いました。以下のように市場における競合サイトのポジショニングの分析、流入数やCV数の想定数値の算出などを可視化して、メディアに関わるすべての社員に共有しました。
Webメディアの立ち上げについての相談を無料で承っています。興味のある方はお気軽にご連絡ください。
2.必要なスキルを持った人材の確保
人材の確保はインハウスSEOを成功させる重要な鍵の1つといっても過言ではありません。
自社メディアで必要な役割とスキルを洗い出し、人材の採用、確保を行いましょう。少なくとも、調査・分析と全体の指揮を執るディレクション業務、コンテンツを制作するライティング業務、コンテンツをチェックしたりアップしたりする編集業務を担うメンバーをアサインできると、安定した運用状態を保つことができます。
3.サイトの構築(立ち上げ、リビルド)
ゼロからメディアを立ち上げる場合は、サイトの構築を行います。
レンタルサーバーの確保、CMSの選定などSEOに取り掛かる前の土台作りです。特にCMSの選定は継続的なメディアの安定運用に欠かせない事項です。記事のアップ、デザインの調整などにかかる時間を短縮でき、また、CMSによってはSEOに有効な機能を多く持っているものもあり、円滑な運営を実現できるためです。
既に運用していないが立ち上がったサイトがある場合は、サイト構造やあらゆるトラフィックの状況を把握します。調査の結果、現行の検索アルゴリズムに適していない場合は、リニューアルも視野に入れ、SEOを推進するのに望ましい状態を構築します。
サイトの立ち上げに関しては以下の記事で解説していますので、併せて参考にしてみてください。
「オウンドメディアの立ち上げ方から運用まで成功事例から学ぶ」
「サイト構造でSEOアクセスを増やすための設計方法とは」
4.現状の確認
すでにWebサイトを運用している場合は、自社サイトの現状を把握します。
現状のセッション数、コンテンツ数、流入キーワードの数・順位といったトラフィックに関係する指標や、被リンク、内部リンク、ページスピード、構造化データ、コンテンツの質、サーチコンソールのエラーなどといったポイントを調査しましょう。
理想と現状のギャップを把握し、ギャップが生じている原因を特定、今後対策すべきSEO施策を整理します。
5.市場調査
自社にとってSEOで集客したい市場の調査を行います。具体的には検索市場の調査と競合調査です。
検索市場の調査とは、自社が集客したいキーワード領域で強いサイト(ドメイン)の特定、評価されやすいサイト・コンテンツ(ページ)の形式です。言い換えれば、「検索結果の徹底的な調査」です。参入する市場の特色を把握することで、勝ち筋を見出しやすくなります。
Keywordmap検索市場レポート:キーワードから検索結果上の様々なデータを抽出し分析できる。
検索市場の調査を経て、競合サイトの調査を行います。競合サイトの調査とは、検索結果上で競合となるサイトの施策状況を確認をすることです。すでに高い評価を得ているような競合サイトが行っている施策を参考にすることで、成果を出せる施策に最短でたどり着くことが可能です。
- 流入キーワード
- 流入キーワード数・順位
- サイトの想定流入数
- 強みを持つキーワード領域
- 評価が高いページのニーズ・共起語含有率
競合サイトの調査に関しては以下の記事で解説していますので、あわせて参考にしてみてください。
「競合サイト分析のやり方を解説!調査手順から便利なツールまで紹介」
6.KPI策定
SEOで成果を出すためには、適切なKPI管理を行う必要があります。定めた目標を達成するために必要となるKPIを策定しましょう。一般的にSEOのKPI設計はセッション数、ページビュー数などが設定されます。
■KPIに設定する指標例
- 流入キーワード数
- キーワード順位
- 記事アップ本数
- 記事リライト本数
- 被リンク数
- セッション数
- コンバージョン数
7.キーワード戦略
ターゲットユーザーの検索ニーズを考え、サイト全体で答えを提供できるようキーワード戦略を構築しましょう。例えば、クレジットカードに関するサイトを構築する場合を考えます。
上記のように「クレジットカード」と検索されて表示されるページを最上部に設定し、その下層で「クレジットカード おすすめ」に関するニーズに答える記事を作るのはもちろん、派生してニーズがあるキーワードを選定し、その回答となるような記事を作成していきましょう。
立ち上げ初期のメディアは、検索Vol.が大きいビッグキーワードでの順位獲得は難易度が高いです。まずは検索Vol.が少ないロングテールキーワードから対策していくことが推奨されます。
8.コンテンツ制作・ライティング
SEOの肝ともいえるのが、コンテンツ制作・ライティングです。そのため、Googleが評価しているコンテンツの傾向と検索ユーザーの検索意図・興味関心事を把握したうえで、コンテンツ作成に取り組める体制が必要です。
SEO担当者は全体のディレクションを担い、制作・執筆はコンテンツ制作チームに任せることを推奨します。ディレクションと執筆に役割を分けることで、安定的にコンテンツを生み出しやすい体制を構築できます。
なお、SEOに強いコンテンツ制作・記事作成に関しては以下の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
「SEOに強い記事の書き方を徹底解説!具体例でわかるSEOライティング」
9.被リンクを獲得する
検索順位を決める重要なランキングシグナルとして被リンクがあります。
被リンクとは、他社サイトで紹介された自社のWebページリンクを指し、サイトの有益性を評価する基準の1つです。
Googleから高い評価を得るためには、評価が高いサイトからリンクをもらう必要があります。被リンクをもらいたいサイトから評価される有用な記事を書くことは前提ですが、コンテンツをWebサイトのオーナーに売り込み、被リンクを獲得するといったリンクアーニングという施策があります。SEOを中長期的に取り組むうえでは、効果的な施策です。
「被リンクを増やす方法「リンクアーニング」と被リンク獲得のポイント3つ」
10.内部リンクを整備する
内部リンクとは、同じWebサイト上にあるページ同士をつなげるリンクです。内部リンクを適切に設定することで、Googleにページを認識されやすくなったり、サイト全体の評価が向上したりするなど、SEOに好影響をもたらす効果があります。
内部リンクは、おもに下記で設置します。
- コンテンツ(Webページ本文内のテキストや画像など)
- パンくずリスト
- ヘッダー(グローバルメニュー)
- フッター
- サイトマップ
関連テーマのコンテンツ同士をリンクさせたり、評価を集めたい重要なページにリンクを集約するといった意図を持ってリンクの設置を行うことがポイントです。以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてみてください。
「内部リンクとは?SEO効果がある内部リンク最適化のコツとポイントを徹底解説」
11.ページスピードを改善する
SEOにおける検索順位とユーザビリティ向上の観点から、ページスピードの改善は重要な項目です。
Googleにはページエクスペリエンスシグナルという指標があります。ページの読み込みパフォーマンス、インタラクティブ性、モバイルフレンドリーなどが含まれます。コアウェブバイタル(ウェブページのUX重要指標)もページエクスペリエンスに該当し、「LCP(Largest Contentful Paint)」「FID(First Input Delay)」「CLS(Cumulative Layout Shift)」の3項目があります。
ページの表示スピードに関する指標は「LCP」が該当し、ページ内の最も大きなコンテンツが表示されるまでの時間を評価します。ページが表示するまでの時間がかかればかかるほど、ユーザーの離脱は増加していく傾向にあります。たとえば、Googleの報告によるとページが表示されるのにたった3秒かかるだけで離脱率は32%増加し、10秒かかる場合は123%も増加するそうです。
画像・動画のデータ量の削減、不要なコード(javascriptなど)の削除といった対策を行い、LCPを2.5秒未満にするのが理想です。
12.スマートフォン向けに最適化する
Google検索では、現在モバイルファーストファーストインデックスがベースになっています。モバイルファーストファーストインデックスとは、Googleが検索順位を決める際に、パソコン用のページではなく、スマートフォン用のページの評価を使用するというアルゴリズムです。
つまりほとんどの場合で、SEOの対象は現在モバイルページが中心であるため、モバイルに最適化したページ(モバイルフレンドリー)の構築が大切です。最も推奨されるのは、ページを閲覧するデバイスに合わせて最適なデザインを表示するレスポンシブウェブデザインでのページの作成です。
詳しくは以下の記事を参照してください。
「モバイルフレンドリーとは?スマートフォン対応でSEO順位を上げるポイントやテストの方法を解説」
13.URLを正規化する(重複URLの統合)
同一サイト内に同一の内容のページが複数存在する場合は、URLの正規化を行う必要があります。これは、異なるページで同じコンテンツが存在することで、Googleの評価分散を防ぐためです。
評価してもらいたいコンテンツを、正規コンテンツとしてGoogleに認識してもらい評価を集約させます。正規化には、最も評価してもらいたいページに対し、rel=canonical属性を記述して対応します。
14.URLの階層を浅くする
SEOにおいて階層構造を構築することは重要です。
サイトURLにおいても同様ですが、階層を深くしすぎてしまうとGoogleのクローラーがページを認識しづらくなると言われています。そのため、できるだけシンプルに、階層数が少ないURLを構築しましょう。
15.対策後の検索順位チェック
コンテンツを公開した後は、対策キーワードの検索順位を定期的に観測します。
新規で公開したコンテンツやリライトを行ったコンテンツは、順位が安定するまで2~3か月程度かかります。また、順位が急激に落ちてしまった場合などは早急の対策が必要です。順位の変動をいち早く察知して改善に向けた動き(リライトなど)ができるように、検索順位を定期的に観測するようにしてください。
検索順位を確認する簡単な方法は、「実際に検索してみる」ことです。Webブラウザのシークレットモードを利用することで、閲覧履歴などに影響されない、検索結果が確認できます。
対策キーワードを1つずつ確認するとかなりの労力を要します。順位計測を簡略化したい場合は、順位計測ツールの活用をおすすめします。
Keywordmap検索順位レポート:登録したキーワードを毎日定点観測する
16.アクセス解析・効果検証
Webサイトのアクセス解析・効果検証を行いましょう。
セッション数やCV数といった指標のほか、Webサイトに流入してきたユーザーの行動を解析します。
たとえば、以下のようなポイントをチェックします。
- セッション数が多いページ
- 直帰率が高いページ
- どのページの滞在時間が長いか(短いか)
- ランディングしたページからコンバージョンにつながるページまで想定する遷移が行われているか
各指標を把握したうえで、ページやリンク導線の見直しなどを行います。なお、Webサイトのアクセス解析には、おもにGoogleアナリティクスを用います。
アクセス数を調べる方法については以下の記事で詳しく解説しています。
「アクセス数を調べる方法を解説!自社と他社サイトを調査する4つのツールを紹介」
17.リライト
公開して数か月経っても、上位表示(たとえば10位内)されないページはリライトを行いましょう。リライトは上位の順位を獲得できるページに自社ページの内容を改善する施策です。リライトの正攻法のひとつとして、対策キーワードで上位を取れているページと自社ページとの差分を確認し、ページの改善を行う方法があります。特に、情報の有用性、情報の網羅性、タイトル、見出し、共起語の差分を埋めることが重要です。
また、既に上位表示されているページでも情報が古くなっていたり、新しい情報がある場合もリライトを行いましょう。フレッシュネス指標といわれる、最新の情報が掲載されているページを上位表示させるアルゴリズムによって順位上昇に寄与する可能性があります。定期的に内容を見直し、ページを更新しましょう。
なお、リライトについては以下の記事が参考になります。
「おすすめリライトツール7選!無料から有料までSEOに効果的なツールを紹介」
「リライトとは?記事コンテンツのSEO効果を高める方法」
インハウスSEOに役立つツール
インハウスSEOを行う際は、ツールを活用すると効率的に運用することができます。
ここでは、必須ツールとおすすめツールの5つを紹介します。
Googleアナリティクス
- Googleが提供しているツール。無料で利用可能
- Webサイトのトラフィック状況(セッション数、PV数、訪問者数、離脱率など)を調査できる
- コンバージョンを計測可能
Googleアナリティクスは、自社のサイトへ流入してきたユーザーに関する調査をすることができるツールです。Webサイトのトラフィック状況を確認できます。ユーザーの流入元や属性、流入キーワード等の情報をもとにセグメント別の成果まで調査できるのが特長です。
Googleサーチコンソール
- Googleが提供しているツール。無料で利用可能。
- Webサイトの流入キーワードごとの平均掲載順位のほか、クリック率や表示回数なども確認できる
- モバイル対応やエラーの発生しているページなど、問題点についても指摘を受けられる
自社Webサイト・ページの流入キーワードとその流入キーワードの検索順位、クリック数、クリック率、表示回数がチェックできるツールです。他にも、Webサイトが抱える問題点に関して、アラートで通知をしたり、その改善案を提案してくれるなど、SEOには欠かせない定番ツールです。
Keywordmap
- キーワード戦略のためのデータがそろう
- 競合サイトのSEO分析が可能
- 記事・コンテンツ作成に必要なユーザーニーズ調査
- 検索順位の定点調査
競合調査、市場調査、ニーズ調査、およびキーワード調査からコンテンツ制作まで一気通貫で対応可能なツールです。世界最大級の日本語ビックデータを保有し、より精度の高い分析をすることができます。また、自社記事をコピペすることで、上位表示コンテンツと比較して抜け漏れているユーザーニーズや共起語を提示する機能もあるため、コンテンツ作成にも活躍する有用ツールです。
ahrefs
- 自社と競合サイトの被リンク獲得状況を調査可能
- 独自スコアでドメインパワーを可視化
- 海外ツール
ahrefsは世界的に有名な被リンクの調査・分析ツールです。世界最大級の被リンクデータを保有しており、競合の被リンク獲得状況を、どのようなアンカーテキストをもってリンクが貼られているのかといったレベルで可視化できるのが特長です。安価に活用できることから、SEOに注力する多くの企業で活用されています。
GRC
- 自社サイトの特定キーワードの検索順位を定点観測
- 競合サイトの特定キーワードの検索順位を定点観測
- Google、Yahoo!、Bingの検索順位を調査可能
Googleに限らず、Yahoo!、Bingまで検索順位を調査可能な検索順位チェックツールです。
自社サイトや競合サイトの特定キーワードの検索順位を定点観測できます。一定数、コンテンツを公開し、順位計測が必要になったタイミングで導入を検討してみましょう。
ラッコキーワード
- 制限付きでキーワードの無料調査が可能
- Googleに限らず、YouTube等の様々なプラットフォームのサジェストワードを調査可能
- 分かりやすいUIで初心者でも安心して利用可能
Googleに限らず、YouTube、Amazon等の様々なプラットフォームのサジェストワードを調査可能なキーワードツールです。サジェストワード、共起語などSEOで必須となるキーワードを抽出できます。
インハウスSEOを行う上での注意点
インハウスSEOを行ううえで気をつけたい注意点があります。実際に運用をすると、想像していなかった壁にぶつかります。ここでは、SEOを行う前に押させておくべき事項を紹介します。
施策の効果検証
意図をもって施策の効果検証を行いましょう。
SEOはさまざまな要素で順位の上昇、下降が生じます。例えば、複数の施策を同時平行で進め、順位が下降した場合、何が要因で順位変動が生じたのか特定できなくなってしまいます。その場合、クリティカルな改善施策を打つまでに時間がかかってしまいます。
そのため、施策と効果検証は目的を持っておこない、PDCAを回せる体制を整えましょう。
短期的な費用対効果で判断しない
SEOは中長期的に成果を生み出す施策です。コンテンツを蓄積することで、安定してリードを供給、読者との接点を生み出せます。一方、コンテンツの作成、改善など成果が生れる体制を築くまで時間がかかります。そのため、短期的な目線で見ると費用対効果が合わないという事象も生じるでしょう。短期的な目線では考えず、1年後、2年後といった中長期な観点で自社にメリットを及ぼすかといった観点で考えましょう。
インハウスSEOの成功事例
実際にインハウスSEOで成果を出している企業の事例を紹介します。SEOを内製化する際にポイントとなる運用体制や施策、成果などを参考にしてみてください。
夢見る株式会社
夢見る株式会社は「好きを学びに、社会とつながる機会を提供する」を企業ミッションとして掲げ、こどもたちが主体となって学ぶロボットプログラミング教室「ロボ団」を運営しています。
同社は多くのこどもたちに学習・教育の機会を提供するため、Webマーケティングに取り組んでおり、オウンドメディア「ロボ団ブログ」を運用しています。SEO・Webマーケティング未経験の担当者2名+ライターという体制で、運営開始から1年半でブログPV数47倍という成果を上げています。
SEOツールを活用しながら、キーワード選定、記事作成を自社で行い、着実に記事本数を増やした結果、大きな成果をあげました。また、完全インハウスで取り組んだため、ナレッジやノウハウが社内財産として蓄積されており、安定した運用の継続に成功しています。
参考:「SEO知識ゼロから検索流入を爆増、PV数を47倍にしたロボットプログラミング教室のKeywordmap活用術とは?」
Keywordmapアカデミーの事例
「Keywordmap ACADEMY」は当メディアであり、株式会社CINC(シンク)が運営している、Webマーケター向けの情報提供型ブログです。
Keywordmap ACADEMYはKeywordmapのリード獲得チャネルとして機能しており、ローンチから12ヵ月で月間PV数約25万、月間CV数は70倍を達成しています。SEOノウハウがあり、ライティング、編集ができるメンバーを専任者として据え、Keywordmapを実際に営業しているメンバーがライティングを行うという体制で運用しています。
まとめ
インハウスSEOについて、解説しました。
企業によってインハウスSEOが合う企業、合わない企業があります。自社のリソースや体制、SEOを行う目的を整理したうえ、インハウスSEOに取り組むべきか決定しましょう。
また、インハウスSEOにはメリット、デメリットがあります。あらためて、確認すると下記です。
■メリット
- 外注費の削減
- ノウハウを社内に蓄積
- 迅速な施策実行
- コミュニケーションが取りやすい
■デメリット
- SEO専任者が必要
- 長期的なプランニングが必要
- 専門的な知識が得づらい、付きづらい
- 業務量が増える
それぞれのポイントは、本文で解説した通りです。インハウスSEOに取り組むことで、自社にどのような成果をもたらせるかという観点で、考えてみると良いでしょう。
詳しくはこちら
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