AI Overviews表示急増に伴うCTR変動調査【GEO・LLMO・AIO】

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CINCでは日本国内のBtoBサイトを対象としたAI Overviews表示によるCTRの変動調査を実施。

結果、上位表示されているページ群で有意にCTRが低下している傾向が見られた。

なお、生成AIやAI検索機能における現状とSEOに与える影響、ならびに「今後の対策方法」についてまとめた調査レポートを公開しました。以下から無料でダウンロードできます。

AI Overviewsの現状・調査の背景

2024年8月から日本での展開が開始されたAI Overviews(AIによる概要)はこれまで、一部のクエリでのみ表示されていたが、2025年3月のコアアルゴリズムアップデート(3/13~3/27)の展開と並行して出現対象のクエリ数が急激に増加している。

Google’s AI Overviews expanded greatly in three sectors – entertainment, restaurants, and travel – during the March 2025 core update.

“2025年3月のコアアップデート期間中、GoogleのAI Overviewsはエンタメ、レストラン、旅行の3分野で大きく拡大した。”

More queries in the entertainment, restaurants, and travel industries are triggering Google’s AI Overviews since the core update.

AI Overviewsの表示に対しては、主に検索結果の最上部に表示されるその特性上、CTRの低下やオーガニック経由のアクセス減少の要因となることが懸念されてきた。ゼロクリック検索行動が加速するという見方もある。[1]

さらに、Google CEOの発言や海外大手SEO支援企業の調査等で異なる結果が示されているなど、現状では情報も錯綜している。

In fact, if you put content and links within AI Overviews, they get higher clickthrough rates than if you put it outside of AI Overviews.

“実際、AI Overviewsの中にコンテンツやリンクを置いた場合、それを外に置いたときよりもクリック率が高くなるという結果も出ています。”

Tech / Google Google CEO Sundar Pichai on AI-powered search and the future of the web

We analyzed 300,000 keywords and found that the presence of an AI Overviews in the search results correlated with a 34.5% lower average clickthrough rate (CTR) for the top-ranking page, compared to similar informational keywords without an AI Overviews.

“30万のキーワードを分析した結果、検索結果にAI Overviews(AI概要)が表示されている場合、表示されていない類似の情報系キーワードと比較して、検索順位1位のページの平均クリック率(CTR)が34.5%低くなるという相関が見られました。”  

AI Overviews Reduce Clicks by 34.5%

こうした状況を踏まえ、日本国内のAI Overviews表示による、CTRへの影響を明らかにするため、本調査を実施した。

調査手法

調査では、AI Overviewsの表示対象クエリ数が上昇する直前と直後で、それぞれの期間における順位別のCTR(クリック率)平均を算出。

対象は日本国内のBtoBサイトかつ指名クエリを除外した自然検索クエリであり、以下の条件でデータを精査している。

  • 調査対象:日本国内のBtoBサイトにおける非指名検索クエリ
  • 調査対象期間:
    上昇前:2025年2月3日〜3月2日
    上昇後:2025年3月10日〜4月6日
  • 精査条件:標準偏差の4σ外れ値を除外したのち、クリック数が10未満のクエリを除外。最終的に114,391件のクエリを集計対象とした。
  • 集計方法:対象データの検索順位を小数点第1位で四捨五入し、1~10位の10区分に分類。各区分のクリック数の平均を算出した。

※標準偏差(σ):データの平均値に対する偏差と確率を関連付けたもの。

調査結果

調査結果は以下のとおり。

順位区分12345678910
before31.63%20.62%12.94%8.77%6.36%4.92%3.82%3.59%2.82%2.49%
after31.36%19.29%12.43%8.17%6.00%4.58%3.94%3.28%2.58%2.34%
差分-0.3pt-1.3pt-0.5pt-0.6pt-0.4pt-0.3pt0.1pt-0.3pt-0.2pt-0.1pt
順位区分12345678910
t値2.72515.5046.2486.9823.7522.012-0.7491.0651.1190.841
p値0.0060.0000.0000.0000.0000.0440.4540.2870.2640.401
有意差ありありありありありありなしなしなしなし

※t値:2つのサンプルの平均値に「統計的に意味のある差があるか」を判断する目的で使用される。t検定という統計手法で算出され、その値が大きいほど、2つのサンプル間の差が有意であると判断される。

※p値:検定結果が偶然に得られた可能性を示す確率。p値は小さくなるほど、有意である可能性が高くなる。

  • 1~10位のうち、7位を除くすべての順位帯でCTRの低下が見られた
  • うち1~6位の順位区分ではCTRが有意に低下している

なお、生成AIやAI検索機能における現状とSEOに与える影響、ならびに「今後の対策方法」についてまとめた調査レポートを公開しました。以下から無料でダウンロードできます。

まとめ

2025年3月のコアアルゴリズムアップデートに伴い急増したAI Overviews表示が、日本国内BtoBサイトの非指名自然検索CTRに与える影響を分析した。

全順位帯でCTR低下が見られ、1〜6位ではt検定で有意差を確認。すでに多くの調査結果で報告されている通り、AI Overviews拡大による上位表示ページのクリック獲得率低下が示唆された。

引用===
[1] What is a Zero Click Search? – SEO.AI

この記事を書いたライター
Keywordmap編集部
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