Googleで検索上位になるには何をすればいい?対策方法を解説
ではGoogleなどの検索エンジンにおいて検索結果の上位になるためには、どのような対策が必要なのでしょうか。知っておかなければならないのは、Googleという検索エンジンがどのようにページを評価しているか、についてです。
そこで今回は、評価の仕組みや、上位表示されるためには行うべき対策について、解説します。SEOにおける大切なお話なので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
Googleで検索上位になるための基礎知識
Googleで検索上位になるために必要なことは何でしょうか。
高品質なコンテンツや、検索エンジンが理解しやすいサイト構造、被リンクの数や分散性など、具体的な施策を挙げればキリがないですが、それらよりもまず必要なのは、Googleという検索エンジンを理解することであると断言できます。
しかしながら、Googleの検索エンジンを隅々まで理解しようとするとキリがありません。したがってなによりもまず、外せない要点を押さえるようにしましょう。要点とは、検索上位になるため(SEOのため)に知っておくべき本質的な基礎知識のことです。それは以下、3点に集約されます。
- Needs Met
- E-A-T
- UI・UX
これらは、Googleが公開している検索品質ガイドラインにも登場します。検索品質評価ガイドラインとは、Googleが採用している評価基準に則り、第三者が検索結果とWebページの品質を評価するためのマニュアルのようなものです。
検索品質評価ガイドラインでは、上記で挙げた「NeedsMet」、「E-A-T」、「UI・UX」に関して繰り返し述べられています。Google検索で上位になるためにはこの3点を高水準で満たしていることが重要であり不可欠だと考えられます。
それぞれ見ていきましょう。
Needs Met
Needs Met(ニーズメット)とは、「ユーザーの検索ニーズを満たしているか」という評価基準になります。少し補足して表現を変えると、「ユーザーの知りたいことに的確かつ分かりやすくこたえられているか」です。
検索品質評価ガイドラインにおいて、Needs Metは次のように言及されています。
There are many different kinds of queries and results, but the process of rating is the same: Needs Met rating tasks ask you to focus on mobile user needs and think about how helpful and satisfying the result is for the mobile users.
検索品質評価ガイドライン(Google General Guidelines)
Needs Metとは、クエリと結果にはさまざまな種類がありますが、評価のプロセスは同じです。NeedsMet評価タスクでは、モバイルユーザーのニーズに焦点を当て、モバイルユーザーにとって結果がどれほど役立つか満足できるかを考えるように求められます。
上記から、ユーザーのニーズに答えるだけでなく、モバイルユーザーの操作性も重要視されていることが分かります。他にも……
you to focus on mobile user needs and think about how helpful and satisfying the result is for the mobile users.
検索品質評価ガイドライン(Google General Guidelines)
モバイルユーザーのニーズに焦点を合わせ、その結果がモバイルユーザーにとってどれほど役立つか満足できるかを考えます。
とあるように、まとめるとNeeds Metとは、特にモバイルユーザーのニーズを満たせているか、ということが重視されているわけです。
E-A-T
E-A-Tとは「良いコンテンツとは何か」を定める指標のひとつで、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、 Trustworthiness(信頼性)の3つの言葉の頭文字から成り立つ、Google独自の造語になります。NeedsMetと同様に、検索品質評価ガイドラインにおいて、Webサイト(ページ)を評価するうえで重要な指標であると示されています。
専門性とは、そのコンテンツがある分野に特化しているのかという点を重視し、権威性とは、そのコンテンツについて誰(人・組織)が言及しているのかという点を重視します。また、信頼性とは、そのコンテンツ、Webサイトがユーザーにとって信頼できるものであるかどうかが重視されています。
なおE-A-Tは、YMYL(Your Money Your Life)と呼ばれるお金や健康等のジャンルについて言及する際は、特に重要視される指標です。これはYMYLジャンルのコンテンツによって、ユーザーが誤った情報を享受した場合に、ユーザーの人生に悪影響を及ぼす可能性が高いためです。YMYL系のページでは、E-A-Tは直接検索結果に影響する傾向にあります。
E-A-Tについては以下の記事で徹底的に解説していますので、あわせて参考にしてみてください。
「E-A-Tを徹底解説! SEOに重要な理由と高め方をガイドラインから読み解く」
UI・UX
UIとはユーザーインターフェースの略でユーザーにとってのWebサイト・ページの見た目や使いやすさを示し、UXはユーザーエクスペリエンスの略で文字通りWebサイト・ページを利用するユーザーの体験の質を示しています。
UI・UXは、ページの価値を、コンテンツの内容・品質だけでは測れないような、たとえばユーザーにストレスを与えない設計などを考える際に用いられます。いくら内容が充実した良質なコンテンツを作ったとしても、ユーザーにとって利用しづらいと思わせてしまうようなページでは、ユーザーにとって親切とは言えずページの価値は下がってしまいます。(具体的には滞在時間が短くなったり、離脱率が高まったりします。)このようなケースにおいて、UI・UXが見直されます。
なお、GoogleはこのUI・UXを合体させたような指標を設けており、これを「ページエクスペリエンス」と呼んでいます。
ページエクスペリエンスは以下の要素で構成されています。
- ウェブに関する主な指標(コアウェブバイタル)
- モバイルフレンドリー
- HTTPS
- 煩わしいインタースティシャル(広告)がない
UIを改善してUXを高めるためには、これらの要素は最低限満たすべきですが、そもそもページエクスペリエンスが検索順位を決めるシグナルとして検索アルゴリズムの中に組み込まれている点には注意が必要です。
また、検索品質評価ガイドラインにおいては、低評価を下すWebページの一例として、邪魔な補助的コンテンツや広告がユーザーのエクスペリエンスを損なっているようなページが挙げられています。
UI・UXをGoogleが重視しているのは明白であり、検索順位の決定に強く相関していると考えられるため、ユーザーの利便性を促進するためにも常に改善していくことが求められます。
検索順位を上げるための他要素
さて、上記で解説したNeedsMet、E-A-T、UI・UXの3点を高い水準で満たすことが検索上位になるための近道ですが、そのほかにも対策が望まれる要素がいくつかあります。必ずしも対策しなければならないわけではありませんが、知っておいて損はないため簡単に紹介します。
代表的なのが「クローラビリティの最適化」で、サイト・ページ自体が検索エンジンが理解しやすいものであるか、という点がポイントになります。クローラビリティをもう少し詳しく述べれば、Webページを検索結果に表示させるためにはたらく検索エンジンのロボット(クローラー)が、サイト内を巡回しやすくなっているかということを意味します。
また、「被リンク」も検索順位を上げるために有効です。なお、被リンクを獲得する最も効果的な方法は、上記で挙げたNeedsMet、E-A-T、UI・UXを高水準で満たすことです。
クローラビリティや被リンクについては後述します。さらに詳しく検索順位を上げるための要素について知りたい方は以下の記事を参考にしてみてください。
「SEOとは?キーワードやコンテンツ作成の考え方から内部・外部対策の方法まで網羅解説」
「SEOの内部対策マニュアル!基本から実践方法まで徹底解説」
検索上位になるための方法
検索上位になるための重要な3つの指標「NeedsMet」「E-A-T」「UI・UX」とその基礎知識について見てきました。では、実際に三つの指標を満たし、検索上位になるための具体的な方法について考えていきましょう。
検索上位になるために押さえておくべきポイント・行うべき対策方法が以下になります。
- ターゲットに向けたキーワードを選定する
- 検索意図(ニーズ)を満たしたコンテンツを作成する
- コンテンツの専門性を高める
- 定期的にリライトを行う
- ページ内SEOを行う
- 直帰率を下げる・滞在時間を延ばす
- 被リンクを増やす
- クローラビリティを改善する
- リスティング広告を出稿する
ターゲットに向けたキーワードを選定する
ページを作成する際に、どんなキーワードの(上位)検索結果に表示させたいか決める、いわゆる「キーワード選定」は、検索順位を上げるために最も力を入れるべき対策のひとつです。
キーワード選定は、必ず以下の3つのポイントを念頭におきながら、行われる必要があります。
- 自社の商品・サービス理解
- ターゲットユーザーの検索意図
- 検索結果の調査
自社の商品・サービス理解
自社商品・サービスの理解とは、文字通り自社商品の強みや特徴を理解し、市場の中での立ち位置を理解することに当たります。自社商品を深く理解していることで、自社のターゲットユーザーに届けるべき情報が明確になり、次の検索意図の調査にスムーズに進みます。
ターゲットユーザーの検索意図
キーワード選定における検索意図とは、ターゲットユーザーのニーズ・悩み・課題・知りたいことを意味します。この検索意図を調べることで、ターゲットユーザーが検索しそうなキーワードが洗い出されていきます。なお検索意図は、Googleの検索窓に表示されるサジェストや検索結果下部の「他のキーワード」などから読み解くことが可能です。
Googleサジェスト、Keywordmapでユーザーのニーズ・検索意図を調査
検索結果の調査
対策候補になるキーワードを洗い出したら、必ずそのキーワードで検索して、検索結果を見にいくようにしてください。対策キーワードによっては、上位表示されるためにどのようなページ形態が有利なのか異なります。
例えば、「ワンピース レディース」というキーワードであれば、ECサイトなどの商品一覧ページが上位に出てくる傾向にあるため、記事系コンテンツでの上位獲得の難易度は高いと考えられます。(なお自社サイトがECサイトであっても、競合がAmazonや楽天などの大手だと上位獲得の難易度は非常に高まります。)
一方で、少しキーワードを変えると検索結果が一変することもあります。たとえば「ワンピース レディース 夏 おすすめ」だと、上位に記事コンテンツが表示される傾向にあります。
このように検索結果で競合ページを目検でチェックし、自社サイトの形態で勝負できるかという観点から「キーワード選定」していくことも非常に重要になります。
このように検索結果で競合ページを目検でチェックし、自社サイトの形態で勝負できるかという観点から「キーワード選定」していくことも非常に重要になります。
検索意図(ニーズ)を満たしたコンテンツを作成する
冒頭のNeeds Metでも述べた通り、検索上位になるためにはユーザーニーズ(検索意図)にこたえられているかが非常に重要になります。したがって、ユーザーが何を知りたくて検索しているかを徹底的に調査・分析して、ページ・コンテンツを作成してください。
ユーザーがどんな情報を求めているのか知るためには、「検索クエリタイプ」の調査が有効です。検索クエリとはユーザーが検索した語句(キーワード)を意味し、また、検索クエリは以下の4つのタイプに分類されます。
- Knowクエリ
- Goクエリ
- Doクエリ
- Buyクエリ
それぞれで評価されやすいWebページの特徴が変わります。そのため、クエリタイプによって作成すべきコンテンツも変化します。それぞれ簡単に見ていきましょう。
Knowクエリ
例えば、Knowクエリの場合、「○○とは」といったキーワードが代表的になります。これは、検索した語句そのものについての情報を知りたいという意図になります。したがって、テキストや画像で疑問や悩みに回答するような記事型のページが向いています。
キーワード例:「SEOとは」「筋トレ 効果」「2023年 祝日」
Goクエリ
Goクエリは特定の場所やWebサイトへ「Go(いきたい)」といったニーズを持っています。特定の場所へのアクセス方法を地図などで説明したり、MEOなどが有効になります。また、指名検索(商品・サービス・ブランドなどの名前を直接検索する)もGoクエリに含まれます。
キーワード例:「区役所 場所」「新宿 ラーメン」「Amazon」「Youtube」
Doクエリ
Doクエリは、ユーザーは「Do(行いたい)」というニーズを持っています。これは、実際に○○を行う方法を知りたい、手順やコツを知りたいと言い換えることができます。したがってコンテンツを作成する際は、テキストだけでなく画像や動画を用いることでニーズを満たしやすくなります。
キーワード例:「魚 捌き方」「アクアパッツァ」「○○ 会員登録」
▼「魚 捌き方」で検索すると、手順や動画が上位に表示される
Buyクエリ
Buyクエリは、その名の通り「Buy(購入したい)」というニーズがあります。つまり、商品・サービスを購入したい、申し込みたいというニーズを満たす必要があるため、ページ・コンテンツを作成する際は、次のようなことに注意する必要があります。
すなわち、サービス・商品が画像などを用いて分かりやすく説明されているか、ユーザー(使用者)のレビューがあるか、安全に利用できるサイトか、購入・申込みまでの導線が明確で簡単か、などです。
キーワード例:「ヘッドホン ワイヤレス」「箱根 ホテル 安い」「レディース サマーニット」
なお、検索意図とクエリタイプについては、以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてみてください。
「検索クエリを徹底解説!調査・分析方法とマーケティングへの活用方法」
コンテンツの専門性を高める
検索上位になるためのページ・コンテンツ作成で重視すべきなのが、「専門性」が高いかどうかです。
先ほど触れた「良いコンテンツとは何か」を評価するE-A-Tは、3つの要素から成り立っていると述べましたが、その中で特に重要なのが「専門性」です。実際にGoogleが検索品質評価ガイドラインで以下のように公表していることからも推察できます。
高品質なページやウェブサイトには、そのトピックにおいて権威があり信頼できると認められるだけの専門性が必要です。
検索品質評価ガイドライン(Google General Guidelines)
コンテンツの専門性を高めるためには、そもそも扱う情報のテーマやジャンルに特化し、Webサイト・Webページの軸を明確にすることが重要です。別の言い方をすれば、テーマやジャンルに関係のないページは作らないし書かないということです。(たとえばドレスレンタルのサイトが、登山の方法について書かない。)それにより、どんな情報を扱っているサイトなのかユーザーから理解されやすくなるので、「ある特定のジャンルに詳しい専門家」というようなブランディングにも役立ちます。
また、自身の経験や取得したデータといったオリジナルの一次情報を掲載することで、専門性を高めることができます。
定期的にリライトを行う
定期的かつ継続的にWebページを更新すること、つまりリライトすることは検索順位を上げるために有利にはたらきます。
過去作成したページというのは、掲載した情報が古くなっていたり、ユーザーの検索ニーズが変化することによって、クエリに対する回答としてふさわしくなくなることが多々あります。また、公開したWebページの順位がずっと同じままということはなく、Googleの検索アルゴリズムが更新されたり、良質な競合ページが出現することで、相対的に検索順位が下がることも大いに考えられます。
このような理由から、定期的かつ継続的なWebページのリライトが推奨されます。
リライトは、ある特定の期間同士で比較して、順位が大きく下落していた場合に行われることが多いです。なお順位計測にはGoogleサーチコンソールやKeywordmapなどのサードパーティツールを用います。
Keywordmap:検索順位レポート
具体的なリライトの方法については、以下の判断材料を参考にしてみてください。
■検索順位は高いが、CTR(クリック率)が低いコンテンツ
検索順位が高いにもかかわらず、クリック数が少ない場合は、検索結果上に表示されるTDに問題があるかもしれません。魅力的なタイトルやディスクリプションになるように試行錯誤してみましょう。
※TDとは、title、descriptionの略。
■検索順位は低いが、表示回数、CTRが高いコンテンツ
上位ページに魅力的なコンテンツが無いパターンなどが当てはまります。力を入れることで、より大きなトラフィックを得られる可能性が高いです。検索順位の上昇に直結するタイトルを最適化したり、コンテンツの内容を深めていきましょう。
コンテンツに関しては、上位記事にあって自社記事にないようなテーマを追加する一方で、逆に上位記事にないオリジナルなテーマを載せると、検索クエリに対して情報が網羅され、競合と差別化させることができます。
さらにリライトについて詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
「リライトとは?記事コンテンツのSEO効果を高める方法」
Googleからの評価を上げるための「SEOチェックリスト100選」を確認して検索順位を上げる
ページ内SEOを行う
ページ内SEOも検索順位を上げるために非常に重要なポイントです。
ページ内SEOとは特に次のような対策を指します。
- タイトル(title)タグの最適化
- 見出し(h)タグの最適化
- 内部リンクを正しく追加する
- 画像にalt属性を追加する
- 構造化データでページをマークアップする
以上のようなページ内SEOを整えることで、Googleが理解しやすいページとなり、検索順位上昇に寄与する「クローラビリティ」が高まります。
ページ内SEOや、その対策方法について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
「SEOの内部対策マニュアル!基本から実践方法まで徹底解説」
直帰率を下げる・滞在時間を延ばす
ページの直帰率を下げる、および訪問者の滞在時間を延ばすことはUI・UXを改善することを意味し、検索上位になるために非常に重要になります。
GoogleによるとWebサイトの直帰率や滞在時間は検索順位に影響しないとされていますが、海外のSEO専門メディア「Backlinko」が調査した結果、両者と検索順位には強い相関関係があると判明しています。
Webサイトの直帰率を下げ、滞在時間を延ばすためには、いくつか方法があります。ページのデザインが古臭くなっていないか、文字が詰まって見づらくないか、といったユーザーの視認性に影響するものや、簡潔かつ分かりやすく情報が述べられているかといった文章の可読性に影響するものの改善です。
また、検索結果からランディングしたページのみで離脱されることが少ないように、Webサイト内を回遊してくれるようなリンクの導線設計を最適化も直帰率や滞在時間の改善に有効です。
被リンクを増やす
被リンクとは、外部のWebサイト上で貼られた自社Webページのリンクです。被リンクは明確なランキングシグナルであり、すなわち検索順位を上げるための非常に強い影響力を持っています。
ただし、検索順位を上げる効果があるのは、自然に獲得したナチュラルリンクだけです。リンクの売買といったGoogleが禁止している方法での被リンクは、スパムとしてペナルティの対象になるので注意が必要です。
被リンクを獲得する近道、かつ最も堅実な方法は検索ニーズを満たした高品質なコンテンツを制作することですが、そもそも自社ページを知ってもらうためにSNSといった検索エンジン以外のプラットフォームを活用するのも方法のひとつです。
また、被リンク掲載を目的とした営業「リンクアーニング」という方法もあります。以下の記事で解説していますので参考にしてみて下さい。
「被リンクを増やす方法「リンクアーニング」と被リンク獲得のポイント3つ」
クローラビリティを改善する
クローラビリティとは、Webサイトの巡回のしやすさを表す概念です。Webサイトを巡回するのは検索エンジンのロボット(クローラー)であり、この巡回によって検索エンジンはWebページを認識します(更新分の認識も含む)。なお、このロボットの巡回のことをクローリングと呼びます。
■検索順位が決まるまでの過程
- クローリング:検索エンジンのロボットがWebページを巡回
- インデックス:クローリングによって得られたWebページの情報が検索エンジンのデータベースに登録される
- 検索結果へ反映:検索アルゴリズムに基づいてWebページの検索順位が決定され、実際の検索結果へ表示される
上記からも分かる通り、検索順位を上げるためには、そもそも検索エンジンからクローリングされる必要があります。すなわちクローリングのしやすさを高める「クローラビリティ」の改善・最適化が求められます。
クローラビリティを最適化するには、Webサイト・ページ自体を検索エンジンが理解しやすいものにする必要があります。
たとえば以下のような方法が推奨されます。
- 適切なサイト構造(一般的には評価集約型のディレクトリ構造)
- 体系的、網羅的な内部リンクの敷設
- パンくずリストの設定
- robot.txtの設置
- sitemap.xmlの作成(Googleへの伝達)
- 低品質ページの削除・重複ページの正規化(noindexやcanonicalの設置)
クローラビリティの高め方については以下の記事で解説していますので、さらに詳しく知りたいという方は参考にしてみてください。
リスティング広告を出稿する
SEOではなくSEM(検索エンジンマーケティング)観点ですが、リスティング広告を出稿することで検索結果の上位に自社サイトのページを表示させることが可能です。どうしても自然検索での順位が上がらない場合は、リスティング広告も視野に入れてみましょう。
リスティング広告の場合、自然検索と異なり1クリックあたり費用が発生しますが、何としても上位を獲得したいケースでは有効です。なお、費用を掛ければ掛けるほど上位表示されやすいリスティング広告ですが、品質を高めることで費用を抑えながら上位を狙うことも可能です。
詳しくは以下の記事を参考にしてみてください。
「リスティング広告とは?費用の相場や運用のやり方をわかりやすく解説」
Webマーケティングは総力戦であるため、必ずしもSEOにこだわる必要はありません。予算が確保できるのであればリスティング広告も有効です。
検索上位になるために役立つツール
解説した検索上位になるための具体的な対策ですが、これらを実行に移していく際にぜひ利用したいのが、調査・分析のためのサポートツールです。
キーワード選定、コンテンツ制作、被リンク調査、直帰率や滞在時間の調査など、どれも人力だけでゼロから完結させるのはほぼ不可能です。また、ツールを利用することで成果に直結するだけでなく、膨大な工数を削減することも可能です。
実際に検索上位を目指すにあたって役立つツールを紹介します。無料・有料あわせて解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
Googleアナリティクス
Googleアナリティクスは、Google社が無料で提供しているWebサイト分析ツールです。自社サイトのアクセス状況を確認する際に用います。非常に便利なツールで、Webサイトを戦略的に運用している企業や担当者は、誰しもが利用しています。
チェックできる主な指標は以下です。
指標 | 説明 |
---|---|
セッション数 | ある期間内に自社サイトを訪れたユーザーの訪問回数 |
ページビュー数 | 自社Webページが閲覧された回数 |
直帰率・離脱率 | 訪問してきたユーザーが特定のページで離脱・直帰した割合 |
流入経路 | ユーザーがどこから自社のサイトにアクセスしてきたかという流入元(検索エンジン、SNS、メールなど) |
コンバージョン数 | 任意で設定した目標を満たした回数(例:商品購入、お問い合わせなど) |
新規とリピーター | 新たに自社サイトを訪れたユーザー、過去に訪れたユーザーがサイトに再度訪れた数。 |
デバイス | ユーザーがWebページにアクセスしたデバイス(パソコン、スマートフォンなど)。 |
Googleアナリティクスで、ユーザーのアクセス状況やコンバージョンをチェックし、自社サイトの課題発見に役立てましょう。たとえば、日、週、月など任意の期間でアクセスを比較することができるので、アクセスに増減があるページやディレクトリを洗い出して、ページの改修などを行ったりします。
※なお、Googleアナリティクスの現バージョンであるUniversal Analytics(UA)は、2023年7月にGoogleアナリティクス4(GA4)に移行する予定です。移行後は、現在のGoogleアナリティクスとは各所でかなり異なる仕様となるので注意が必要です。なお、UAからGA4へデータの引き継ぎはできないため、GA4の活用も併行して進めていくことが推奨されます。
Googleサーチコンソール
Googleサーチコンソールも、Googleアナリティクス同様にGoogle社が提供する無料ツールです。当ツールは端的に述べれば、Google検索とWebサイト・ページの接点に関する様々な指標をチェックすることができます。
- 流入キーワード
- クリック数
- クリック率
- 表示回数
- 検索順位
上記、5つの指標を任意の期間で調査することが可能なため、検索上位を目指すために自社サイト・ページを定期的に効果測定し、どのような点を改善すべきかが把握できます。
例えば、「流入キーワードが知りたい」、「検索順位が下落している」、「表示回数は多いが、クリック数が低い」、といったような疑問や課題に対し、その回答や原因を知ることができるため、SEOを推進していくための正しい選択をとることが可能になります。
また、他にも、被リンク、Webページ上のエラー(ページエクスペリエンスの問題点など)を知らせてくれたり、Googleにインデックスを促すための「URL検査」機能が特徴的です。
自社サイトの検索順位を上げるために必須のツールなので、ぜひ使いこなせるようになりましょう。
Keywordmap
- 定量データに基づくキーワード選定が可能
- 自社だけでなく競合サイトの調査・分析
- ユーザーニーズ(検索意図)の抽出
- 広告・市場の調査が可能
Keywordmapは、Googleのアナリティクスやサーチコンソールで分析可能な自社のみならず、競合他社のWebサイトの分析が可能なツールです。キーワードやその流入状況、リスティング広告に出稿しているキーワード・クリエイティブを、まるっと調査できることが強みです。
先行して成果を出している競合他社サイトのキーワード施策や、Google検索結果そのものを多角的に調査できるため、効果的なキーワード選定が可能です。また、ユーザーニーズや、実際の上位ページの共起語などを抽出できるため、高品質なコンテンツ・ページ制作を支援します。
Keywordmapは検索順位を上げるための様々な機能を備えたツールです。まずは無料トライアルで試してみましょう。
検索上位にならない要因とは
検索順位を上げるために押さえておくべき実践的な対策法、支援するツールを紹介しましたが、そもそもWebページの検索順位が落ちてしまうような状況・状態にある場合、いくら上記のような対策を行っても無駄になってしまう可能性があります。
そこで以下では、逆に検索順位が上がらない時の主な要因について解説します。検索順位がなかなか上がらない、という時にはどんなことが考えられるのでしょうか。
なお、検索順位が下がってしまう要因については以下の記事で詳しく解説していますので、あわせて参考にしてみてください。
「検索順位はなぜ下がったのか?SEOに役立つ原因の調査・改善方法」
ペナルティを受けている
ペナルティとは、Googleが定めるガイドラインに違反をしている、と判断された際に行われるWebサイト・ページの検索順位を下げる処置です。
ペナルティには手動ペナルティと自動ペナルティの2つに分けられます。
手動ペナルティとは、Googleのスタッフが実際にページを訪れて違反を目視した際に与えられるペナルティです。一方、自動ペナルティとは、Googleのクローラーが自動でスパムを検出した際に与えるペナルティになります。
解決方法に関しては、以下を参考にしてください。
■手動ペナルティの場合:Googleから送られてくるペナルティについて、内容を確認、修正し再審査のリクエストを行う必要があります。再審査のリクエストの結果が返ってくるには、約1週間程度の時間を要するといわれています。
■自動ペナルティの場合:検索順位に影響したGoogleのアルゴリズムのアップデート内容を確認し、それに合わせてWebページを改善します。※自動ペナルティはGoogleからの通達がありません。そのため、定期的に検索順位をチェックしておく必要があり、また検索アルゴリズムについても把握しておく必要があります。
なお、Googleペナルティやその対策方法に関しては以下の記事でさらに詳しく解説していますので、あわせて参考にしてみてください。
「Googleペナルティとは?順位下落の原因と解決策をみつける方法」
ページエクスペリエンスに問題がある
冒頭でも言及した通り、ページエクスペリエンスアップデートにより、ページエクスペリエンスは検索順位に直接影響するランキングシグナルとなっています。なお、パソコン・スマートフォンのどちらのデバイスも対象になります。
ページエクスペリエンスについては、Googleによって以下のように定義されています。
ページエクスペリエンスとは、ユーザーがモバイルまたはデスクトップ デバイスでウェブページで操作を行った際の、情報そのものの価値以外に関するエクスペリエンスの尺度となるシグナルのセットです。これには、ウェブに関する主な指標(ページの読み込みパフォーマンス、インタラクティブ性、視覚的安定性に関する実際のユーザー エクスペリエンスを測定する指標のセット)が含まれます。また、モバイル フレンドリー、HTTPS、煩わしいインタースティシャルに関するガイドラインといった既存の検索シグナルも、これに含まれます。
ページ エクスペリエンスの Google 検索結果への影響について
つまり、コンテンツの内容・質以外でWebページの重要なポイントだと考えられ、ユーザーの利便性に直接関係している指標です。詳しくは、「ページ エクスペリエンスの Google 検索結果への影響について」を参照してください。
低品質なページにnoindex設定をしていない
低品質なページはサイト全体に低評価を与え、サイト全体の検索順位を下げるおそれがあります。
低品質なページを、Googleは以下のように定義しています。
- コピーコンテンツ
- 重複コンテンツ
- 情報の少ないページ
- エラーページ
- 極端にサイト流入数が少ないページ
低品質なページは、Googleにインデックスされないように特殊なhtmlタグを設置して、noindex化を行いましょう。
noindex化は、以下のmetaタグを対象のWebページ<head>内に記述することで可能です。
<meta name="robots" content="noindex" >
noindexの設定については、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせて参考にしてみてください。
「5分で理解!noindexとは?設定方法やSEOにおける重要性について解説」
重複ページとみなされている
重複ページとは、自社サイトの複数のページが重複している内容だとGoogleにみなされてしまっている状態を指します。
たとえばパラメータ付のリンクなどで単一のページに複数のURLでアクセスできる場合や、商品の色が異なるだけでほぼ同じ内容の商品ページが複数存在する場合などが該当します。
自社サイト内で重複しているページがあると、それ自体が低評価原因にはならないものの、評価が分散してしまう可能性があります。そのため、どれかひとつのページをオリジナルと定め、そのページを正しく評価してもらうようGoogleに伝えなければなりません。これをページの正規化といいます。
正規化は、以下の(linkタグrel属性の)canonicalをオリジナルページおよび、重複しているページの<head>内に設置することで完了します。
<link rel="canonical" href="正規ページURL">
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検索上位を目指すうえでの注意点
最後に、検索順位を上げていくに当たって、理解しておかなければならない注意点について述べていきます。以下で紹介するポイントを理解することは、検索順位を上げるためにも、長期的にSEOと向き合うためにも必要なことです。
道半ばで施策を頓挫させて、工数を無駄にすることにならないように頭に入れておきましょう。
効果が出るまでに時間を要することを理解する
一般的に、ロボットがクローリングを行い、その後、Googleのデータベースにページが登録(インデックス)され、検索結果に表示されるという一連の流れは、ある程度の時間を要します。
また、ページによってインデックスされるスピードは異なり、早くて数日、一般的には数週間から1、2か月程度の時間を要するため、対策してすぐに結果が出なくても焦らず一定期間は待たなければなりません。
せっかく良質なページを制作しながら、上位が取れていないことに焦ってしまい、必要のない修正を行ってしまうのは避けるべきです。SEOは、効果が出るまで時間がかかる、ということは忘れないようにしてください。
日々変化するGoogleの検索アルゴリズムを理解する
Googleが検索順位を決める算定方法である検索アルゴリズムは日々変化しています。そのため、上述した対策を全て行ったとしても、アルゴリズムが更新されれば、また対策すべき項目が変化することもあります。したがって、アルゴリズム更新をモニタリングしつつ、その都度適した対策をとるようにしましょう。
その中でも、上述したNeedMet、E-A-T、UI・UXの3つの要素は、ユーザーの利便性に焦点が合っていて、かつGoogleのページ評価基準である検索品質評価ガイドラインで大きく取り上げられているため、今後も重要であり続ける可能性が高いです。
検索アルゴリズムを注視しつつ、NeedMet、E-A-T、UI・UXをしっかり満たせているかどうかを念頭に入れておきましょう。
なお、Googleの検索アルゴリズムについては以下の記事で詳しく解説していますので、あわせて参考にしてみてください。
「Googleアルゴリズムとは?検索アルゴリズムのアップデートを網羅解説」
検索順位はお金で買えない?
検索順位はいくらお金を払ったとしても、決して買えるものではありません。検索結果はあくまでも、Googleが定めた評価基準に乗っ取り、自動的に検索順位が決められます。(誰も、おそらくGoogle自身でも)恣意的に操作できるものではありませんので、そのような営業を受けて騙されないようにしましょう。
ただし、リスティング広告は入札単価によって検索順位が変わる場合もあります。品質スコアという広告評価指標との兼ね合いですが、どうしても検索順位を上げたいキーワードがある場合、高い費用をかけて広告出稿を行うのも1つの手段です。
リスティング広告については以下の記事を参考にしてみてください。
「リスティング広告とは?費用の相場や運用のやり方をわかりやすく解説」
まとめ:1分でわかる「検索上位になるための知識と方法」
検索上位になるために理解すべきポイントや、実践すべきポイントを紹介しました。おさらいしましょう。
検索上位になるためには、まず絶対に外せない要点を押さえるようにしてください。それは以下、3点に集約されます。
- Needs Met:ユーザーの「悩み・疑問・知りたい」に回答すること
- E-A-T:ページの専門性、権威性、信頼性を高めること
- UI・UX:ページの見やすさ、使いやすさを突き詰めること
上記3点を最短で満たしていくための主要な手段・方法が以下になります。
- ターゲットに向けたキーワードを選定する
- 検索意図(ニーズ)を満たしたコンテンツを作成する
- コンテンツの専門性を高める
- 定期的にリライトを行う
- ページ内SEOを行う
- 直帰率を下げる・滞在時間を延ばす
- 被リンクを増やす
- クローラビリティを改善する
- リスティング広告を出稿する
それぞれ、本文で詳しく解説しました。
全てを実践するためには時間も工数もかかります。しかし、検索上位になるということは、時間や工数をかける価値があり、ビジネスへ多大な好影響をもたらします。
もしも、SEOで納得のいく結果を得られていないのであれば、検索順位を上げるためにできることはすべて実践しているか、あるいは、自社のWebページの検索順位が上がらない原因をすべて潰しているか、この2点をしっかり確認することから始めましょう。
詳しくはこちら
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