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SEOと文字数の関係とは?ロングコンテンツが上位表示されやすい理由について解説
今回は、SEOとコンテンツ文字数の関係について、根拠となる事例を交えて紹介します。
目次
文字数はSEOに関係があるの?
近年、オウンドメディアやキュレーションサイトでも6,000字や1万字というロングコンテンツを見ることが多くなりました。特に上位に上がってくるWebサイトの多くが文字数を増やしています。常に上位表示されるWikipediaは、人物個人についてでも1万字以上。グループ歌手や憲法、歴史についてでは2~3万字を超えるものもあります。
では、文字数と上位表示に何か関係はあるのでしょうか。
結論から言えば、関係ありません。
現在、Googleの評価基準に文字数の規定はありません。評価されるのは、「ユーザーが求めている情報かどうか」「有益な情報を提供できているか」などの内容です。例えば、Twitterでは1回のツイートで投稿できる文字数は140字ですが、検索エンジンで上位に上がってくる場合があります。また、コトバンクやWeblioに代表される辞書系Webサイトでは、数百文字のWebページの数多くが1位を獲得しています。
さらに興味深い例として、アメリカ海軍天文台のWebページであるマスタークロックを紹介します。
マスタークロック:たった254文字の簡易なWebページ
マスタークロックとは、時間計測の基準となる指標で、アメリカ海軍天文台はこのマスタークロックをWebページとして公開しています。
マスタークロックのWebページでは、ただ時間が刻まれているだけです。ヘッダーやフッターだけでなく、リンクすら見当たらない非常にシンプルなページです。しかも、
文字数はたったの254字
にもかかわらず、このWebページは百個以上のキーワードでランクインしており、毎月1000回以上のトラフィックが発生しているというのです。
この事例を紹介したSEOスペシャリストとして有名なサイラス・シェパード氏は、以下のようにツイートしています。
× 文字数はランキング要因ではない。
〇検索クエリに対して満足な回答
ユーザーの満足 > 文字数
マスタークロックのページの獲得キーワードを調べると「official us timeclock」といった、正確な時刻を知りたいというニーズが散見されます。その観点から言えば、間違いなく当該ページは完全無欠にニーズにこたえているといえるでしょう。
この事例からもわかる通り、どれだけ情報量を詰め込んでいるか(文字数が多いか)ではなく、どれだけ適切に検索ユーザーの疑問にこたえられているのか、が重要なのです。
「ロングコンテンツはSEOに強い!」とされる理由
一方で、上述したように文字数の多いロングコンテンツが上位表示されやすい傾向にあることもまた事実です。
スマホやタブレットなどモバイル端末の普及で、ユーザーは縦のスクロールが苦ではなくなっています。しかし、そこまで長いコンテンツが評価されるのはなぜなのでしょうか? その理由を探っていきます。
キーワードや共起語が多い
ロングコンテンツがSEOにとって有利だといわれる大きな理由は、ロングテールアクセスが増えるという点です。コンテンツの文字数を増やすと単語数も多くなり、短い文章よりもキーワードや共起語を多く含むことができます。
もちろん、キーワードの含有数の多さが上位表示と直結しているといっているわけではありません。単語数を増やすことでいくつかのキーワードを組み合わせた複合ワードが増加し、結果、ロングテールアクセスが増える可能性が高まるのです。
情報の網羅性がある
コンテンツ内で記載するテーマ・内容が多くなれば、その分ユーザーが求めている情報に当てはまりやすくなります。ユーザーはそれぞれ違った目的で検索しているため、全ての人を対象にしたコンテンツは作ることはできません。例えば、「SEO」というビッグワードで検索したユーザーが「SEO対策」について知りたいのか、「SEOとは」という基礎知識を求めているのかは、人それぞれ違います。
しかし、ユーザーの検索意図に当てはまりそうな情報が広く盛り込まれていれば、そのコンテンツを見ただけで問題を解決することができます。そして、ニーズに応えられる多くの情報を盛り込むためには、必然的にロングコンテンツになってしまうこともあるでしょう。
画像や動画では評価されにくい
ユーザーにとってわかりやすいコンテンツであれば、画像や動画でも良いはずです。では、なぜ内容重視にも関わらず、文字数を増やすのでしょうか?
Googleのアルゴリズムでは、画像の中の文字や人の表情などを認識し、その情報を言語化して評価しています。コンテンツのトップ画やキャプチャを変更しただけで順位に変動があるのはそのためです。しかし、画像の意味や動画内容の判断・評価は完璧ではありません。そのため、画像や動画でわかりやすくしつつも、文字での解説やキーワードが重要視されるのです。
Googleの公式スポークスマンであるジョン・ミューラー氏は、2019年12月、海外の投稿型Webサイトredditにおいて、以下のようにコメントしています。こちらも参考になるでしょう。
「You always need textual content on-page, regardless of what other kinds of content you might have.」
→どんなタイプのコンテンツであろうとも、Webページには常にテキストが必要である。
How to tell Google that we are an Audio Website
ページの滞在時間
ユーザーニーズを満たしていることが前提になりますが、文字数の多いコンテンツはそれだけユーザーのぺージ滞在時間が長い傾向にあります。Googleは、いまのところ滞在時間を検索順位づけの評価基準にはしていません。ただ、ページ品質やアルゴリズム改良の参考にすることはあるそうです。
直接的なSEO効果は見込めなくとも、滞在時間が長いコンテンツは、必然的に直帰率が低く、内部リンクをたどるサイト回遊率も高くなります。滞在時間が短いまま放っておくのは賢明な選択とはいえません。
低品質なコンテンツ
2011年、Googleが行ったパンダアップデートは低品質なサイトの掲載順位を下げ、同時に良質なサイトの掲載順位をより適切に評価することを目的としてリリースされました。
Googleは以下のようなコンテンツにペナルティを与えて、サイトの掲載順位を下げることにしています。
- ユーザーに価値をもたらさない
∟自動生成されたコンテンツ
∟独自性、専門性がない
∟広告ばかりが目立つ - 他Webページからコピー、複製されたようなコンテンツ
- サイト内他コンテンツと内容が重複している
記事の文字数が極端に少ないと、上記の、たとえば「ユーザーに価値をもたらさない」コンテンツだとみなされてしまう可能性があります。しかし、そもそも、Googleの評価する「独自性がある専門的な記事」を書こうとすれば、文字数がかさんでいくのは当然のことかもしれません。
※ほぼ画像で構成されたページが上位表示されることもあります。Googleの画像認識AIの技術進歩と、画像そのものの情報がクエリにマッチしているためだと思われます。とはいえ皆様もご存じの通り、上位表示されるページは圧倒的にテキストが主体となっています。
網羅性の高いコンテンツでSEO効果を得るには?
SEOで検索上位を狙うには、上記でも紹介した「情報の網羅性」が大きな鍵を握っています。というのも、検索ユーザーのニーズに対して的確に答えていることがGoogleの評価基準の一つになっているからです。
では、情報網羅性の高いコンテンツでSEO効果を得るためにはどうすればよいのでしょうか。
まずは専門知識を身につける
ポイントは検索ユーザーの持っている疑問があなたのサイトで解決されるかどうかです。
2012年にGoogleが発表した「良質なサイトを作るためのアドバイス」では、コンテンツを作成する際に以下の項目を意識する必要性を説いています。
・記事に書かれている情報は信頼できるか?
Googleのウェブマスター向け公式ブログ_良質なサイトを作るためのアドバイス
・記事は専門家またはトピックについて熟知している人物が書いたものか? それとも素人によるものか?
・取り扱われているトピックは、ユーザーの興味に基づいて選択されたものか?
Googleにとって検索ユーザーは大切な顧客です。そのため、Googleは「ユーザーファースト」を謳い、検索ユーザーの疑問が解決しないようなサービスは評価しない方針を採っています。
したがって、コンテンツの発信者は、対策キーワードに関連する知識を事前に身につけておく必要があるのです。また、情報収集の手段としては書籍やWeb記事コンテンツ、SNSやYoutubeなどのサービスを活用することも効果的です。
検索ニーズに沿った見出しをもとにコンテンツを作成する
対象のキーワードで検索するユーザーの疑問は多岐に渡っています。そのため、その情報を網羅してコンテンツを作成していくには、関連する情報を抜け漏れなくリストアップし、見出しとして設定しておく必要があります。具体的な方法の一つとしては、ユーザーの検索意図を把握できるGoogleサジェストを活用して見出し案を作成することが効果的です
見出し案(記事構成案)、Googleサジェストについては以下ページにて詳しく解説しています。
一方で文字数を意識しすぎるあまり、ユーザーにとって不要な情報が多くなると、読了率や滞在時間が低下する可能性があります。そうなれば、結果としてSEO効果が見込めなくなるので、「質」をきちんと意識した見出し、コンテンツを作成していきましょう。
文字数を増やすうえでの注意点
情報を網羅したロングコンテンツを作っていく際には、ぜひ念頭に入れておかなければならない注意点がいくつかあります。ただ文字数を稼ぐために無意味なテキストを増やしても、当然ながら上位表示されることはありません。次の点を守って、高品質なコンテンツを作っていきましょう。
1ページ1キーワード(1テーマ)
1ページ1キーワード、あるいは1記事1テーマをなるべく守るようにしましょう。
近年、1ページ1キーワードにこだわる必要もないという意見もありますが、実際のところ、クエリとコンテンツの関連性を高めるためには、テーマがあちこちにぶれていない方が望ましいことに変わりはありません。情報網羅性はひとつのコンテンツにおける情報の多様性というよりも、専門性だと捉える方が良いでしょう。
ひとつのページにメインとなるキーワード(テーマ)が二つ以上含まれていると、ある特定の検索意図をもってページを訪れたユーザーを混乱させてしまう可能性があります(そもそも関連性が低いとして上位表示されないということもあります)。もしも「ダイエット 運動」というキーワードで記事を書く場合、運動以外のダイエットに関するテーマは最小限に抑えるべきです。「ダイエット サプリ」について言及したいのであれば、ほかのページで書くようにした方が無難でしょう。
可読性を高める
ユーザーニーズにこたえるようにクオリティを高めながらも、さらに記事の読みやすさ見やすさにこだわっていきましょう。ただ文字数を増やすのと、無駄な文章が多くなり、ユーザーの離脱を招きます。
また、誤字脱字、意味の通じにくい文章、目が疲れてしまうようなぎっしり詰まった行間、これらはユーザーが離脱してしまう原因として考えられるものです。誤字脱字や文章の間違いは、複数回校正を重ねることで減らすことができます。行間が詰まっていたり、文字だけがずらっと並んでいるように思われたら、スペースを挟むなり画像を載せるなりして対処しましょう。
ユーザーは全ての内容を最初から読んでいるとは限りません。ロングコンテンツの場合、自分が求めている内容の部分だけしか読んでいないという可能性があります。脈絡がなくただ長いだけのコンテンツでは、せっかく優良な情報を提供していても最後まで読まれる確率が低くなってしまいます。
ロングコンテンツを作成する際は、気になった見出しにとべる目次機能を上部につけたりして、ユーザーが読みやすい工夫をしましょう。
被リンク獲得を目指す
被リンクを獲得できるような読み応えがあって、ユーザーニーズを満たした可読性の高いコンテンツは、SNSでシェアされやすい傾向にあります(ただし、残念ながら、FacebookやTwitterなどのSNSにおける拡散にはSEO効果はありませ)。
とはいえ、検索エンジン並みのアクティブユーザーを誇るSNSプラットフォームの宣伝効果は凄まじく、一度爆発的にシェア・拡散されれば想像以上に多くの人の目に触れることでしょう。その結果、個々のサイトでの被リンクを受ける可能性が高まります。ナチュラルリンクは検索ランキングの評価に大きな影響があるので、つまりSEO効果につながることになります。
やみくもにただ文字数をただ増やすだけでなく、被リンク獲得につながるような、読み応えのあるロングコンテンツ・記事にしていくよう心がけましょう。なお、被リンク獲得については以下の記事で詳しく解説していますので併せて参考にしてみてください。
「被リンクを増やす方法「リンクアーニング」と被リンク獲得のポイント3つ」
競合コンテンツを調査する
コンテンツを制作する場合、必ず行うのが競合調査です。これは文字数を増やすうえでも、非常に参考になるプロセスといえます。
対策したいキーワードで上位表示されている競合他社のサイトやページを様々な手段を使って調査・分析しましょう。少なくとも検索結果の1ページ目に表示される競合サイトやページは読み込むようにしてください。同じ対策キーワードから、どんなテーマ、どんな文章、どんな展開でコンテンツを作り上げているのか参考にするのです。
検索結果の上位に表示されているということは、すなわちユーザーにもGoogleにも評価されているお手本にすべき記事だということです。学べることは多いはずなので、どんどん吸収していきましょう。
ツール活用:Keywordmap
競合がどれくらいの文字数でコンテンツを作り上げているか、ということもひとつの指標になります。しかし、たとえ検索結果の1ページ目だけ調べようと思っても、ひとつひとつのページの文字数を数えていくのは現実的ではありません。時間や工数を無駄にしないためにも便利なツールの使用をオススメします。
文字数をチェックするツールは数多く出回っておりますが、ここでは、文字数以外にも様々な情報を抽出できる、Keywordmap(キーワードマップ)の「競合コンテンツ分析」機能を紹介します。
対策したいキーワードを入力して順位データの取得をクリックします(なお、キーワードは最大で200個まで同時に調査することができます。ここでは「京都 観光」に関するキーワードを50個調査)。
すると調査した結果をExcelデータとしてダウンロードすることができます。
上図のように1位から10位までの各コンテンツの文字数、平均文字数がキーワードごとに一斉に抽出されます。
また、文字数だけでなく各上位コンテンツのURLや獲得しているキーワード、想定流入数も同時に抽出されます。別シートには上位コンテンツ(10位まで)のタイトルや見出し(h2~h4)も表示されているので、この機能だけで競合ページをある程度網羅的に調査・分析することが可能です。
このようにkeywordmapの「競合コンテンツ分析」機能を活用すると、競合がどれくらいの文量で対策しているのか、テーマは何か、そもそも勝ち目はあるのか、上位表示された場合どの程度の流入を見込めるのか、という貴重な情報が簡単に手に入ります。
なお、競合のキーワード対策について調べる場合は、こちらが参考になります。あわせてご覧ください⇒【SEO】競合サイトの対策キーワードを調査してみよう
まとめ:SEOに効果があるのは「文字数」よりも「質」
コンテンツ作成時の基準の1つとなる文字数ですが、こだわる必要はありません。長くするために同じ内容や表現が繰り返し出てきたり、支離滅裂な文章になってしまったりするなら、簡潔に結論を提示したほうがユーザーにとってわかりやすく評価もされやすいでしょう。
SEOの効果を考える場合は、当記事で解説した、
- 競合コンテンツの調査分析
- ユーザーの検索意図に則したキーワードや共起語の調査
- 1ページ1キーワード
- 可読性
などに留意して、Webサイトの構造など基本的なSEO戦略を盛り込み、ユーザーニーズに応えるようなコンテンツを作成しましょう。
詳しくはこちら
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