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コンテンツマーケティングの成功事例13選【BtoB・BtoC・海外】
コンテンツマーケティングを成功させるためには、自社の事業内容や、課題や、リソースの状況に応じて適切な戦略・戦術を考える必要があります。
この記事では、実際にコンテンツマーケティングで成果を上げている企業の事例を紹介します。「コンテンツマーケティングに取り組んでもなかなか成果が上がらない方」や「コンテンツマーケティングの実施を提案しても上司の合意が得られない方」は、他社の成功事例を参考にして、ぜひマーケティング施策に活かしてみてください。
目次
コンテンツマーケティングとは
コンテンツマーケティングとは、読者にとって価値あるコンテンツの継続的な発信を通して見込み顧客のニーズを育成し、最終的にはファンとして定着させることを目指す一連のマーケティング手法です。
コンテンツマーケティングの概要について、詳しく理解したい方はこちらの記事を読んでみてください。
「コンテンツマーケティングとは?意味から手法、企業の導入状況まで解説!」
一口にコンテンツマーケティングといっても様々な施策があります。自社の目的やリソース、および見込み顧客の購買プロセスの段階を踏まえて適した手法を選ぶことが重要です。
<コンテンツマーケティングの施策・手法>
- 記事コンテンツ
- SNS(TwitterやInstagramなど)
- ホワイトペーパーやeBook(ダウンロード資料)
- 動画コンテンツ
- 導入事例コンテンツ
- メールマガジン
- LP(ランディングページ)
- プレスリリース
- セミナーやイベント
それでは、コンテンツマーケティングを実際に成功させている企業の事例を見ていきましょう。
BtoBのコンテンツマーケティング事例5選
最初にBtoBの領域におけるコンテンツマーケティングの事例を4つ紹介します。各企業ごとに成功ポイントも解説しているので、自社の事業に活かせる情報を見つけてみましょう。
見込み客が知りたい情報を提供する『経営ハッカー』
サイト | 経営ハッカー |
ジャンル | 経営者目線の業務管理。会社設立、経営・戦略、経理・財務、人事・労務、上場準備、働き方改革等々。 |
成功ポイント |
|
運営企業 | freee株式会社 |
経営ハッカーは会計ソフト・人事労務ソフトの開発・提供を事業とするfreee株式会社のオウンドメディアです。「◯◯とは」という用語解説、および魅力的なインタビュー記事などで経理部や人事部などのターゲットになりうる潜在顧客の訪問を促しています。
▼用語解説記事の例(「内部統制システムとは」)
実際のページを開くと、会員登録へのCTAを置いているほか広告枠も設置してマネタイズしています。
他にも、運営会社freeeの製品と関連性の高くない「上場準備」、「働き方改革」といったジャンルのコンテンツを用意しており、短期的にCVへつながらなくとも、潜在的なターゲットである経営者や経営・人事担当者が興味をもつ分野のコンテンツを量産し、定期的に訪問してもらえるようなメディアになっているのが特徴的です。
また、当メディアが流入数の増加のために力を入れているのは、「SEO」であると考えられます。ユーザーニーズを盛り込んだコンテンツを多数作成し、SEO上難しいと言われるYMYL領域において、検索ボリューム数万のビッグワードでも上位を獲得するという成功をおさめています。
潜在顧客へ広くリーチする『サイボウズ式』
サイト | サイボウズ式 |
ジャンル | 働き方・仕事など |
成功ポイント |
| 運営企業 | サイボウズ株式会社 |
サイボウズ式は、グループウェアを提供するサイボウズ株式会社が運営しているオウンドメディアです。(※グループウェア…企業内の情報共有や管理業務、およびその効率化を目的としたシステムソフトウェア。)
特徴は、チームワークや働き方、組織のあり方について幅広いコンテンツを作っている点です。自社製品に関連するものは非常に少なく、読み物として面白い記事ばかりです。
「多様性」というキーワードの検索結果に表示される記事「多様性を「受け入れる」のは荷が重い。でも「そこにいる」と認めることならできるかも」、「週休3日」というキーワードの検索結果に表示される記事「週休3日制って、本当に実現できるんですか? 休息の専門家に聞いたら「1日ごとの行動計画が必須」だとわかった」などです。
これらの記事には、会員登録や資料請求などのコンバージョンにつながりそうなCTAは一切設置されていません。短期視点で購買を促すためではなく、長期にサイボウズという会社のファンを育成することに比重を置いていると考えられます。
自社ノウハウを惜しげもなく公開する『baigie(ベイジ)』
サイト | knowledge/beigie |
ジャンル | Web制作、コンサルティング、アプリUIUX、コンテンツ制作など |
成功ポイント |
| 運営企業 | 株式会社beigie |
Web制作を中心にBtoBマーケティングの支援をするベイジは、コーポレートページや情報発信メディア、社員のブログを中心に読者の悩みを解決できる質の高いコンテンツを発信しています。
ベイジのサイトにはWeb制作を中心に幅広く質の高い情報が公開されています。読者は思わず「自社のノウハウをここまで公開して大丈夫なのか?」と感じてしまうレベルで具体性を持ち、構造的にも整理されている点が特徴です。また白と黒を基調にしたシンプルな配色で読者が読みやすいデザインを採用しているのも一つの強みといえるでしょう。
また代表の枌谷さんをはじめとして、社員の積極的なTwitter運用も、全社ブランディングに加えてコンテンツを届ける上で欠かせない要素となっているように見受けられます。質の良いコンテンツと読み手に届けるための手段を持ち合わせていることがベイジの強みといえます。
書籍出版や研究レポートの発表を行う『WACAL(ワカル)』
サイト | WACUL TECHNOLOGY & MARKETING LAB |
ジャンル | デジタルマーケティング全般、研究レポートなど |
成功ポイント |
| 運営企業 | 株式会社WACUL |
サイト改善の施策提案から効果検証まで行える自動分析・改善提案ツール「AIアナリスト」を提供するWACULは、「WACUL Technology & Marketing Lab.」においてアカデミックなアプローチでBtoBを中心としたデジタルマーケティング領域の研究レポートを公開しています。
WACULはデジタルマーケティングの領域で最先端の知見を取り入れるべく、アカデミック分野とビジネス分野の両分野から顧問を迎え入れており、アカデミックとビジネス、テクノロジーとマーケティングの2軸で様々な研究活動を行っています。
研究レポートの一部として自社サイト内で公開されているデータは、施策を考えたり実行したりする上で多くの企業の参考にされています。また『BtoBマーケティングの定石』『デジタルマーケティングの定石』といった書籍出版も行っており、Web上に限らないコンテンツマーケティングに力をいれています。コンテンツマーケティングといわれるとWeb上の取り組みと考える方も多いかもしれません。しかし、WACULの成功事例を踏まえると、Web以外も含めて幅広い手法を頭に入れておくのが大事だと考えられます。
ローンチから半年で月間27万PV達成 『QEEE』
サイト | QEEE マガジン |
ジャンル | BtoB企業のビジネス上の課題全般 |
成功ポイント |
| 運営企業 | INTLOOP株式会社 |
QEEEはINTLOOP(イントループ)株式会社が運営しているBtoBビジネスの総合ポータルサイトです。
同社ではBtoBサービス特有の導入に至るまでの検討期間の長さから、見込み顧客との接触回数を増やすコンテンツSEOに特に力を入れており、数多くのキーワードで上位表示を実現しています。
実際に、ローンチから半年で月間27万PV・20万UUを達成し、オーガニック経由の会員登録数も200名以上獲得したそうです。
どのようにして成果を上げたのか、QEEE独自の戦略とその実践方法については、以下のインタビュー記事で詳しく紹介していますので参考にしてみてください。
『ローンチから半年で月間27万PV達成!BtoBの総合ポータルメディアのコンテンツSEO戦略とKeywordmap活用法を公開』
BtoBビジネスでコンテンツマーケティングが必要な理由や取り組むポイントについて知りたい方はこちらの記事もチェックしてみてください。
「BtoBのコンテンツマーケティングとは?成功事例や成果につながる進め方を解説」
BtoCのコンテンツマーケティング事例6選
続いてBtoCの領域でコンテンツマーケティンの成功事例を6つ紹介します。「自社の事業と共通する部分はどこか?」「どの部分を参考にできるか?」を意識しながら各企業の成功ポイントや具体的な取り組み内容を見ていきましょう。
コンテンツマーケティングの王道『北欧、暮らしの道具店』
サイト | 北欧、暮らしの道具店 |
ジャンル | ライフスタイル、ECなど |
成功ポイント |
| 運営企業 | 株式会社クラシコム |
こちらの記事では、販売している商品の具体的なCTAは一切ありません。スタッフの暮らしにまつわるエッセイと、美しい写真が掲載されています。お気に入りのものに囲まれることの心地よさをスタッフ自身が発信することによって、訪問者のニーズを育成します。例えば、おしゃれな食器を買おうとか、収納を工夫しようと思っていなかった人も、コラムや商品の説明ページにふれることによって、自分の中にあった「毎日ごはんを食べるときに好きな食器でごはんを食べたい」というニーズに気づくのです。
その後も多数のコンテンツに繰り返しふれるうちに、「朝ごはんをこの器で食べると楽しいかもしれない」、「うちのキッチンのこの作業動線は使いづらい。このワゴンを設置すればもっと快適に料理ができるかもしれない」という具体的な気づきから購買意欲が高まり、購入にいたる人が出てきます。まさにコンテンツマーケティングの意義を体現しているといえるでしょう。
また、ホームの記事一覧には「お買いもの」「読みもの」「SPONSORED」など、訪問者が記事を開かなくとも、どのような立ち位置のコンテンツなのかひと目でわかる表示がされるなど、ユーザーを優先するUIになっています。このような細やかな配慮はユーザーの信頼感を育成します。
SNSなどオウンドメディア以外のチャネルも人気
SEO上も大成功をおさめているにも関わらずSNSでも多数のファンを獲得しています。Twitterアカウント(2023年6月時点5万フォロワー)・Instagramアカウント(2023年6月時点128万フォロワー)も運営しているほか、You Tubeチャンネル(2023年6月時点チャンネル登録者数57万人)も絶大な人気を誇っています。
コンテンツマーケティングとは、オウンドメディアでの記事コンテンツ発信のみを指すのではありません。SNSで発信する投稿もすべてコンテンツです。北欧、暮らしの道具店のコンテンツは基本的に営業色は控えめで、決して押し付けがましくありません。美しい写真や、ユーザーの暮らし目線に立った文章で読者の知りたい情報を提供し、定期的に訪れたくなるメディアになっています。訪問回数に対する購入回数の割合が低くとも、訪問自体の頻度が高ければ、売上も連動して向上します。この一連の流れを体現している点が北欧、暮らしの道具店がコンテンツマーケティングのお手本と言われる由縁です。
圧倒的な情報量を提供する『キナリノ』
サイト | キナリノ |
ジャンル | ファッション、コスメ、生活など |
成功ポイント |
| 運営企業 | 株式会社カカクコム |
つづいて、株式会社カカクコムが運営するオウンドメディア キナリノの紹介です。キナリノはファッション、料理のレシピ、家計管理、断捨離・収納関連など、生活に関する幅広い情報を圧倒的なコンテンツ量で提供しています。そのコンテンツ数は圧倒的な量です。いったいどのくらい数が多いのでしょうか。
「site:」をドメインの先頭につけて検索すると、Google上にインデックスされているページのおおまかな数量がわかります。さきほどの経営ハッカーであれば、アドレスバー(URLが記載されている枠)に「site:https://keiei.freee.co.jp」と記入してEnterを押します。すると、経営ハッカー内のページ数は約2,730であることがわかります。
次に紹介するキナリノを同様に確認すると、なんとドメイン内に約31,500件のGoogleにインデックスされたページがあることがわかります(2023年6月時点)。
内部リンクを通してユーザーが関連情報を参照しやすい点と、SEO上ドメインパワーを強くする点がインデックス数が多いことのメリットです。
また、たんに記事数が多いだけではなく、一記事の情報量が非常に多いのも特徴です。この「手持ちのアイテムを見直そう。コスメの整理・整頓 20のポイント」という記事では、コスメ整理の具体的なポイントの記述はもちろん、紹介商品の購入ページへのリンクや関連動画を紹介しています。
つまり、キナリノを見れば、記事を確認したあとAmazonやYou Tubeで再度検索する必要がなく、使えそうな情報が一覧にまとめられている、という付加価値を提供しているのです。なにかを調べる際に、情報を深堀りする前にまずキナリノを確認する、という動作が固定化されているユーザーは一定数いると考えられます。
キナリノのマネタイズ
Keywordmapによると、キナリノの想定流入数は月間1000万を超えています。この1000万の流入を、広告表示、アフェリエイト、もしくは同社が運営するECサイトキナリノモールへの誘導などでマネタイズしています。
また、多くのメディアサイトのように、キナリノも会員登録を促しています。会員登録をするとキナリノに掲載されている記事のお気に入り登録ができます。雑誌をスクラップするように自分のお気に入り記事を記録しておくことができ、ユーザーが自分にとって有益な記事を見返しやすい仕組みになっています。また、メールアドレスなどの情報をキナリノに登録することで、キナリノを能動的に訪問しなくともメールマガジンなどで、時節に応じたコンテンツが届くようになっています。つまり、ユーザーのフェーズに応じて、提供されるコンテンツが変わるというわけです。
有益な記事コンテンツ⇒会員登録⇒メルマガなどのお得情報⇒ニーズを醸成⇒ECにて購買⇒ファンへ
ターゲットを絞って情報提供するタイプ『 t-news』
サイト | t-news |
ジャンル | 求人系 |
成功ポイント |
| 運営企業 | 株式会社トモノカイ |
t-newsは大学生にアルバイト・就職活動・留学・資格等の情報を提供する株式会社トモノカイが運営するオウンドメディアです。「バイト おすすめ」「大学生 バイト」などのキーワードで検索したときに、検索結果上にt-newsが表示されます。
サイト内では、t-newsの会員限定で提供されている有益な情報があると示唆することで、大学生に会員登録を促しています。
メディアサイト訪問者を自社事業へ誘導する
バイトの口コミや業務についての説明記事など、ターゲットが必要としている情報を提供する中で、アルバイト仲介事業への登録者を獲得しています。
こちらの記事「モニターバイトおすすめ7社!在宅・美容・テスト等!実際稼げるの?」では、モニターバイトの具体的な内容やメリットを紹介し、最後に登録へのCTAを置いています。この記事を読んでモニターバイトを実際にやってみてもいいな、と思った人が登録してくれる流れになっています。
他にも、具体的な店名や業態についての情報を必要としているユーザーがいることを想定したコンテンツも作っています。たとえば「吉野家 バイト」で検索したときにはこちらの記事「吉野家バイトの評判は?まかないは牛丼?バイト歴1年半の女子大生に本音を聞いてみた!」が3位(2023年6月現在)に表示されます。この記事では吉野家でバイトする際の具体的な業務内容やおすすめポイント、つらかったこと、男女比や研修についてなど、実際に吉野家でアルバイトをすることを考えている人が気になるであろう情報を提供し、記事内に吉野家のアルバイト募集を地域別に検索できるCTAを置いています。
また、t-newsはコンテンツの作成方法自体にも特色があります。メインターゲットが大学生なので、読者目線を担保するために、実際の記事コンテンツの執筆を大学生インターンが担当するという手法を取っています。
参考:オーガニックセッションは6カ月で1.3倍、対策キーワードの1~3位ランクイン数も5倍と右肩上がりに成長
自社サービスの見込み客を呼び寄せる『suumo』お役立ち記事
サイト | SUUMO |
ジャンル | 不動産・住宅の販売・売却・賃貸・リフォームなど |
成功ポイント |
| 運営企業 | 株式会社リクルート |
suumoはリクルートが運営する不動産総合ポータルサイトです。引っ越しを検討する際、あるいはTVコマーシャルなどで一度は目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
suumoはドメイン下でディレクトリ「https://suumo.jp/article/oyakudachi/」をオウンドメディアとして運営しています。こちらの記事「一人暮らしの部屋決定から引越しまでの準備とやることリスト」では、一人暮らしを開始する際にどのように準備を進めたらいいのか、という非常に具体的な情報を提供しています。そして、このような状況にある人は十中八九suumoの見込み客です。
ここまで直接的ではなくても、このオウンドメディアのディレクトリでは「システムキッチン」「間取り」「同棲」「断熱材」などのビッグワードで上位を獲得しているため、これらのキーワードに関する情報を必要としている人の中には、suumoのサービスの利用者になりうる人もいるでしょう。
このようなキーワードを検索してsuumoの記事を訪問し、さらに内部リンクから複数の記事を読んで引っ越しや不動産、住宅について理解を深めるうちに、自分のニーズとsuumoのサービスがマッチすることに気づき、賃貸物件やリフォームなどの仲介サービスページに移行する人が出てきます。
この住まいのお役立ち記事ディレクトリは、非常に多くの流入を獲得しています。その想定流入数に占める割合は、なんとsuumo全体の中でも賃貸情報ポータルページのディレクトリに次ぐ14%です。まず自社やサービスの存在を知ってもらうためにコンテンツマーケティングがいかに重要な役割を果たすのかがここからもわかります。
また、suumoは、住まいのお役立ち記事の他にも、同一ドメイン下で「マンションと暮せば」「suumoジャーナル」「suumoタウン」など複数のオウンドメディアを運営していて、今後もコンテンツから流入を獲得していこうという戦略が伺えます。
Google公式ブログのひとつ、Think with Googleのこちらの記事「オウンドメディアの記事はコンバージョンにつながるか? SUUMO が確かめた記事コンテンツの価値」では、suumoのWebマーケティングを担当している佐々木 彬弘氏自ら、コンテンツマーケティングの効果について検証しています。
美しい写真でファンを掴む『土屋鞄製造所』
サイト | 土屋鞄製造所 製品特集 |
ジャンル | 自社製品紹介 |
成功ポイント |
| 運営企業 | 株式会社土屋鞄製造所 |
土屋鞄製造所は高品質な革製品の製作・販売を手掛けるメーカーです。2010年代からコンテンツマーケティングで知名度を上げてきました。
自社サイトやSNSを通しての発信は、自社製品の購入を直接促すような営業色の強いものではありません。品質の高さを美術品のように紹介するコンテンツを作成しているのが最大の特徴です。こちらのページではバッグの製造工程を写真・動画・文章で紹介しています。この「スイカを運ぶバッグ」は2020年の夏に発表されました。バッグ自体の独自性もあいまって思わず見入ってしまうコンテンツになっています。さらに特筆すべきはその写真の美しさ、Webページのデザイン性の高さです。可視性の高さと世界観の構築を両立してファンを獲得しています
CTAはさりげなくシリーズ名の記載「ディアリオ」の部分から商品紹介ページにリンクするのみです。とても控えめで、決してその世界観やデザイン性を損ないません。このコンテンツの目的が、購買行動をうながすよりも、品質の高さの紹介、ひいてはファンの獲得に置かれていることが推測できます。
Webサイト以外のチャネル
土屋鞄製造所はそのほか、Facebook・Twitter・Instagramでも日常的に情報を発信しています。これらのSNSでの発信は、製品とはまったく関係ない投稿のほうが多いです。冷やしたラムネの写真、夕暮れどきの空の写真などです。
土屋鞄製造所はそのほか、Facebook・Twitter・Instagramでも日常的に情報を発信しています。これらのSNSでの発信は、製品とはまったく関係のない投稿のほうが多い傾向にあります。たとえば以下のような、冷やしたラムネの写真、夕暮れどきの空の写真などです。
そしてどの写真もやはり美しいです。このような投稿なら、タイムラインに流れてきたとしても、広告を見たときのように忌避を覚えることは限りなくすくないでしょう。
各種ソーシャルメディアやWebサイトのコンテンツとの接触は、直接的に土屋鞄の製品への購買意欲を喚起しないものが多いですが、一方でその企業名を目にする機会になっています。この接触機会の増加の効果としては、ブランディングや認知度向上が考えられます。普段これらのコンテンツに接触している人が新しいバッグが必要になったときや、友人へのプレゼントを考える時、土屋鞄製造所が選択肢として上がる素地をつくっています。
紙媒体と同じコンテンツを提供し、異なるマネタイズをする『Oggi.jp』
サイト | Oggi |
ジャンル | ファッション・コスメ・女性向けコラム |
成功ポイント |
| 運営企業 | 株式会社小学館 |
Oggiはもともと紙媒体の雑誌からスタートしたメディアですが、Webメディアも運営しています。ファッションやコスメ、健康や婚活など、広く女性向けのコンテンツを提供しています。
ユーザーが情報を得やすいサイト構造
サイトの特徴は、ページ内に内部リンクを多数設け、訪問者の興味関心別にサイト内を周遊させる導線が張り巡らされている点です。具体例としては「乾燥肌」「ファッション」「コーディネート」など、訪問したユーザーがその時知りたいことを軸にした情報一覧に簡単にアクセスできるように、ユーザー視点に立ったサイト構造になっています。
例えばこちらの記事「ハンサム派にもレディ派にもおすすめ! 秋の【大きめバックル】パンプス」では、このページを訪問した人は記事上部の#(ハッシュタグ)から「#コーディネート」「#シューズ」「#秋ファッション」など、その該当する各テーマの記事一覧ページへ簡単に遷移できるようになっています
元々が紙媒体のファッション誌で、出版社(小学館)が運営していることもあり、ECページへのリンクなどはありません。文章や写真も誌面同様美しく読みやすいです。またトップページの記事一覧にもハッシュタグが表示されていて、各記事を訪問しなくても直接一覧ページへ移動することもできます。
またトップページの記事一覧にもハッシュタグが表示されていて、各記事を訪問しなくても直接一覧ページへ移動することもできます。
この周遊させる仕組みは内部リンクといい、SEO上の施策の一つでもあります。読者が必要としている情報を探しやすい導線を設置していますが、その結果としてSEO上でも成果を出しています。
Oggi.jpは「脚痩せ」などの競合激しいキーワードで検索結果1位を獲得しています。このくらいSEOでも強くなれば、紙媒体のOggiという雑誌を知らない人も検索結果上から集客することができます。
マネタイズとしては、広告やPR記事を掲載する手法をとっています。情報提供のみのコンテンツには商品購買などへのリンクはありませんが、PR記事にはスポンサーリンクへのCTAが設けられています。
海外のコンテンツマーケティング事例2選
続いて海外におけるコンテンツマーケティングの事例を紹介します。自社の事業に活かせる気づきや学びが得られる事例は、必ずしも国内のものだけに限りません。グローバルな視点を持ちながら海外の成功事例を分析してみましょう。
幅広い学習コンテンツを提供する『HubSpot(ハブスポット)』
サイト | The Hubspot Marketing Blog |
ジャンル | コンテンツマーケティング、営業など |
成功ポイント |
| 運営企業 | Hubspot, Inc. |
営業活動やカスタマーサポート、インバウンドマーケティングなどを支援する統合型CRMサービスを提供するHubspotは、自社ブログ『The Hubspot Marketing Blog』の中で見込み顧客や既存顧客の悩みを解決できるコンテンツを公開しています。
Hubspotのブログでは、コンテンツマーケティングの基礎的な知識から売上につなげるためのより実践的なノウハウまで、カスタマージャーニーの全ての段階に当てはまる読者に向けた情報を発信しています。各記事の最後に無料の資料がダウンロードができるCTAボタンも設置されており、有益なコンテンツを通じた顧客獲得の仕組みは参考にしやすいのではないでしょうか。
スポーツファンの心を掴む情報を届ける『Fanatics(ファナティクス)』
サイト | Fanatic FORUM |
ジャンル | プロスポーツグッズの販売など |
成功ポイント |
| 運営企業 | Fanatics, Inc. |
Fanatics社はプロスポーツチームのグッズなどをオンラインで販売する企業です。同社では、「We are Fanatics」というオウンドメディアでコンテンツを発信し、自社商品の販売促進に活用しています。
大きな特長としては、主にスポーツに関するニュースコンテンツと、スポーツファンの心を惹くコラムコンテンツを並行して発信している点です。
ニュースコンテンツで試合と途中経過などを発信することでサイトへのアクセス数を増やし、コラムコンテンツでユーザーに興味のある情報を届けることでファンを増やす、というように目的に合わせてコンテンツの役割を分けています。
コラムコンテンツでは、一人のプロスポーツ選手のキャリアにフォーカスした特集といった読み応えのある記事を発信しています。
▼一人のメジャーリーガーの活躍の変遷を紹介する記事
出典:All Rise… Paying tribute to the Judge (Aaron Judge)
事例に学ぶコンテンツマーケティングの成功ポイント
ここまで11個のコンテンツマーケティングの成功事例を紹介してきました。各事例の成功ポイントも併せて理解できたと思います。しかし、他社の成功ポイントが自社に当てはまるとは限りません。企業ごとに成功ポイントが異なるのはいうまでもないでしょう。そこで最後に、今回紹介した成功事例に共通しているコンテンツマーケティングの成功ポイントを2つ解説していきます。
明確な目的を設定する
コンテンツマーケティングで成果を上げるためには、まず「自社で求めている成果とは何か?」といった目的をはっきりと言語化することが重要です。目的によって制作するコンテンツの種類や、届けたい読者層、サイトのデザインなどの要素を適したものにする必要があります。
例えば、『サイボウズ式』は長期的な視点でブランディングや認知度向上を掲げて読みがいのあるコンテンツを公開しており、『キナリノ』は売上獲得につながる豊富なコンテンツと購入ページへの導線を作っています。目的を決める際は、商品やサービス、ビジネスモデル、ブランドイメージ、企業の規模などを加味しながら自社の状況に近い目的を掲げている企業の成功事例を参考にしましょう。
読者に届ける手段を限定しない
コンテンツマーケティングは質の良いコンテンツを作るだけで成果を上げるのは難しいです。成果につなげるためには、読み手にコンテンツを届ける取り組みが欠かせません。
SEO対策で検索結果の上位を獲得することや、本記事で紹介した『ベイジ』のように社員が積極的にTwitterなどのSNSを活用して記事を届けやすくする取り組みなども検討できます。また自社にしかないナレッジが十分に溜まっている場合は『WACUL』のように書籍を出版する方法も検討できるかもしれません。良いコンテンツを作ることに加えて、「いかにしてコンテンツを届けるか」を忘れないようにしましょう。
PDCAを回せる体制を作る
コンテンツマーケティングは、制作したコンテンツを公開するたびに、毎回想定通りの成果が生まれるわけではありません。ときには、全く成果が出ないこともあります。
作成したコンテンツの質に問題はないか、コンテンツを届ける手法は正しいか、常に効果検証してチューニングしていくことにより、成果が最大化されます。
そのため、作成する体制だけを整えるのではなく、作コンテンツのパフォーマンスを振り返れる運用体制を予め整えておくとよいでしょう。
まとめ
冒頭では「コンテンツマーケティングは恋愛に似ている。お互いについて段階的に理解を深める」と述べました。当記事で紹介した事例に上がったサイトは、いずれもユーザーが必要としている情報とは何かを考えた上で、押し付けがましくなく自社のコンテンツを提供していると実感いただけたのではないでしょうか。
今回の事例から学べる、コンテンツマーケティングのポイントをおさらいしておきましょう。
<コンテンツマーケティングのポイント>
- 明確な目的を設定する
- 読者に届ける手段を限定しない
- PDCAを回せる体制を作る
詳しくはこちら
Keywordmapのカスタマーレビュー
ツールは使いやすく、コンサルタントのサポートが手厚い
良いポイント
初心者でも確実な成果につながります。サポートも充実!
良いポイント
機能が豊富で、ユーザーニーズ調査から競合分析まで使える
良いポイント