なぜSNSマーケティングは失敗してしまうのか?成功へのヒントを探る

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SNSマーケティング

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なぜSNSマーケティングは失敗してしまうのか

昨今、ソーシャルメディア(SNS)を活用したマーケティングが一般的になりつつある中、見込んだような効果が得られずに撤退してしまう企業が後を絶ちません。いったいなぜ、ソーシャルメディア、SNSを用いたマーケティングは失敗してしまうのでしょうか。

SNSマーケティングは、その有用性や成功事例ばかりが注目されがちですが、ここでは「なぜ失敗してしまうのか」という観点から光を当てることで、逆説的に効果の出るSNSマーケティングを考えていきます。

SNSマーケティング失敗の三つのパターン

SNSマーケティングの失敗ですが、大まかに以下の三つに分類することができます。

・戦略段階の失敗
・運用段階の失敗
・炎上

戦略段階の失敗は文字通り、SNSマーケティングを始めるにあたって戦略を練る段階での失敗を意味し、考えるべきことを怠っていたり、経るべき工程を省いている場合が多いです。そして、これは運用段階でもほとんど同じことが言えます。

少し特異なのが「炎上」です。いまや周知の事実であるネット上の炎上ですが、SNSが事の発端になることが多く、失敗の原因のひとつでもあります。さて、それでは各々について、「なぜ失敗するのか」考えていきましょう。

戦略段階の失敗

戦略を引いて実践、効果を検証して、改善するというのは、ソーシャルメディアだけでなく、Web、あるいはオフラインに関係なくすべてのマーケティング活動に必要なプロセスです。
すべての工程が欠かせないものではありますが、戦略段階での失敗は、後の施策全てに影響を及ぼしうるだけでなく、いざとなって挽回できなくなる可能性もありますので注意が必要です。

さて、SNSマーケティングの戦略段階では、以下のような失敗が起こりがちです。チェックしてみましょう。

目標・目的を定めていない

そもそもなぜ、SNSを用いたマーケティングを行おうとしているのか明らかにする必要があります。
特に確たる目的もなく、「競合他社もやってるし、話題だから」というような曖昧な理由で始めた多くのケースが失敗に終わります。

◆ポイント

目標は必ず設定しましょう。
自社のビジネスを成功させるために何が必要なのか、何があればいいのか、突き詰めて考えてから、目標を設定するようにしましょう。
たとえば、SNSマーケティングでよく設定される目標はーー

・ブランディング
・売上増加
・集客・リード獲得

などが挙げられます。
集客の増大を全体のゴールに設定した場合は相応のSNSマーケティング施策があり、それはブランディングや売上増加を目的とした場合とは、例えば作成するコンテンツから投稿頻度なども異なってきます。

KPIを設定していない

コンテンツを投稿し続けていても、それがどれくらいのユーザーに届き、どの程度の効果を生み出しているのか、常に把握していなければSNSマーケティングは成り立ちません。
言い換えれば、KPI(重要業績評価指標)を設定していないSNSマーケティングは失敗する可能性が高いです。

効果を検証するために必要なKPIですから、改善点を洗い出すためにも重要なのは言うまでもないでしょう。適宜、データをとりつづけ、施策の可否を問い続けなければなりません。

◆ポイント

KPIを設定しましょう。
もちろん、プラットフォームごとに設定するKPIは変わりますが、基本的には以下になります。

―投稿コンテンツ数(例、Twitter→ツイート数)
― フォロワー数
― インプレッション数(リーチ数)
― エンゲージメント数、あるいはエンゲージメント率
 ∟いいね
 ∟リツイート(シェア)
 ∟プロフィールクリック
― コンバージョン

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ターゲット(ペルソナ)を明確にしていない

これもすべてのマーケテイングにおいて当てはまるのですが、商品・サービスを届ける相手が明確になっていない状態は危険です。作成すべきコンテンツはもとより、次でも取り扱いますが、どのソーシャルメディアを活用すれば良いのかという判断すらも難しくなります。というのも、各ソーシャルメディアにはそれぞれ特徴があって、利用するユーザーの層もバラバラだからです。

◆ポイント

ペルソナを作ってください。
ペルソナとは自社にとっての理想の顧客増です。Webマーケティングとして、すでにペルソナを作っていても、SNSマーケティング用のペルソナを新しく用意する必要があります。自然検索に比べて、SNSやソーシャルメディア上では潜在的なニーズを発信するユーザーが多い傾向にあるので、ナーチャリングやコミュニケーションの方法も異なります。
なお、ペルソナの作り方は、別記事で解説していますので、併せてご覧ください。

適切なプラットフォームを選択していない

いまや周知の事実ではありますが、ソーシャルメディアにはそれぞれ独自の色・特徴があります。各ソーシャルメディアが固有に持つ世界観を無視したコンテンツの投稿は、訴求力を持たないばかりか、ユーザーの意向を無視している行為にほかならず、ネガティブな評価を受けてしまう恐れが多分にあります。

◆ポイント

まず、それぞれのプラットフォームの特徴やユーザー像を把握することから始めましょう。
その後、自社や自社の商材、関連するコンテンツを展開するべきなのはどのプラットフォームがベストなのか決めます。もちろん、ひとつだけに絞る必要はありません。親和性が高いと判断した場合は、複数のソーシャルメディアを活用した方が、効果は高まります。

リソースを確保していない

広告も含めたコンテンツの作成、投稿やその検証、改善、管理、スケジューリングなど、SNSマーケティングにおいて行わなければならない工程は多岐にわたります。それゆえ、実際に効果を得られるようになるまでは、リソースをつぎ込み、打つべき手はすべて打ったうえでPDCAサイクルをどんどん回していく必要があります。当然、普段の業務の片手間でできるものではありません。リソースを確保せずに、見切り発車で始めるSNSマーケティングは必ず失敗します。

◆ポイント

SNSマーケティングをすべて社内だけで行う場合、リソースは可能な限り確保してください。

SNSマーケティングが一人で回せない施策、というわけではありません。小規模で行い最低限の効果を得ることだけが目的であればそれでも構わないでしょう。ただ、ほかのWebマーケティングの施策と同様にROIを最大化しようと考えているのであれば、複数の担当者が、ある程度の工数を確保するのがマストです。運用体制を構築するために利用できるリソースを確保してください。

運用段階の失敗

SNSマーケティングに「これ」といった完全無欠の攻略法はありませんが、成功のために必要なポイントはあります。それがコンテンツの定期的な発信です。それゆえ、運用段階の失敗とはおもに、定期的にコンテンツを発信できなくなってしまうことが多いといえます。

SNSマーケティングにおける最も大切なことは、常にコンテンツを通してユーザーに接触し続けていることです。どんな目的を掲げていても、基本的にこの原則はSNSマーケティングの根幹なのは変わりありません。

この鉄則を念頭に置いたうえで、運用時に起こりうる失敗についてみていきましょう。

コンテンツがソーシャルメディアとマッチしていない

戦略上の失敗である「適切なプラットフォームを選択していない」にもつながることですが、作成したコンテンツが各ソーシャルメディアとマッチしていないと、SNSマーケティングから効果を得ることはできません。

ユーザーの検索意図を満たし、価値のあるコンテンツを届けるのではなく、自社の商材を紹介しているだけのコンテンツ(広告も含む)などを投稿し続けていると、ユーザーにネガティブな印象を植え付けてしまいかねません。
また、同時に各ソーシャルメディアが持つ世界観から著しくかけ離れたようなコンテンツも、ユーザーからの評価が下がる原因といえます。

◆ポイント

それぞれのソーシャルメディアに適したコンテンツを発信するようにしましょう。
たとえば、同じ商材を写した画像を二つの異なるソーシャルメディアで展開する場合、

・Twitter:分かりやすさ(理解しやすさ)を重視
・Instagram:美しさや独特さを重視

というふうに最適化すると、エンゲージメント率が高くなる傾向にあります。ユーザーにとって価値があることは大前提であり、そのうえで各ソーシャルメディアの特徴に合わせて親和的なコンテンツを作成、展開するようにしましょう。

ソーシャルメディアと投稿頻度がマッチしていない

FacebookやTwitterをはじめ、各種ソーシャルメディアをすでに活用している方にとっては当たり前のことかもしれませんが、投稿するペースは一定ではありません。

以下の図は、SNSマーケティングを支援する海外企業のDowSocialによる、各ソーシャルメディアの最適と考えられる投稿回数です。一日あたり、Twitterが6回、Facebookが2回、Instagramが1回となっています。

出典:How Often You Should Post On Social Media Platforms [Updated 2018]

投稿の頻度は高ければ高いほど効果的というわけではありません。Twitterを例に挙げてみましょう。基本的にすべてのツイートがタイムライン上に表示されことを考えると、あまりにも多すぎる投稿はユーザーの気分を害する可能性があります。フォローの機会はおろか、最悪の場合、スパムアカウントと判断され、二度とアプローチができなくなってしまう可能性もあるのです。

それゆえ、多すぎず少なすぎないペースを見つける必要があります。上の図を参考にしながらも、実際に運用しながら最適な投稿頻度を探っていくのが最も効果的です。

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広告が有効であることを理解していない

そもそもSNSマーケティングを導入しようとする前提には、「費用をかけずに集客したい、ブランディングしたい」という考えがあるのかもしれません。あるいは、広告を使うのであれば、ソーシャルメディアである必要がないと考えているのかもしれません。たしかに費用をかけずに目的を果たすことができれば、最高の費用対効果を得られるでしょうが、ローコストにこだわりすぎていては、いたるところで機会損失が発生してしまい、ビジネスの伸張に悪影響があります。

◆ポイント

SNSマーケティングを行う場合、広告費を予算に含めておくことを推奨します。
SNSはユーザーが自身の基礎情報を入力しているため、広告においてはターゲット設定の精度が高く、自社にとって優良と思しき見込み客にコンテンツを届けることが可能になります。検索クエリによって変化する検索連動型広告(リスティング)とは別の角度からのアプローチであり、ユーザーに自然な形で届けられます。

また、SNS広告は、フォロワーが少ない導入初期の頃に開始するのがオススメです。というのも効率よく自社や商品・サービスの認知度を高めることができるためです。

2019年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析

ソーシャルメディアに出稿される広告の総額は2019年時点で4,899億円を超え、インターネット広告媒体費全体のじつに29.5%を占めるまでに至っています。

PDCAサイクルを回していない

設定したKPIに合わせて効果を検証し、達成していない数値があれば対策方法を考え、改善していくような体制がなければSNSマーケティングは成功しません。

◆ポイント

認知度やブランディングといったKGIの計測は評価が難しいだけに、数値で明らかになるKPIを、施策が効果的に展開されているか確認するためにも必ず追わなければなりません。
大切なのは、常にモニタリングし続けることです。フォロワー数や、いいね、シェア・リツイートの数、インプレッション数などの経過を観察するようにしましょう。その結果、どこにボトルネックがあるのか判明すれば、投稿回数や広告の要否を判断することができるようになります。

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炎上

昨今、様々なメディアで取り上げられることの多い「炎上」
迷惑行為や不謹慎な発言、あるいは不祥事の発覚などによって、多くの苦言や批判に晒されている状態を、ネット用語として炎上といいます。

SNSマーケティングを行っていると、この「炎上」のリスクは常に付きまといます。常識的に考えれば、炎上はネガティブな事象であり、対応に忙殺されるだけでなく、ブランドに不可逆的な傷がつく恐れがあるので、極力避けなければなりません。炎上商法、炎上マーケティングなどといった、逆説的に認知を拡大する手法も取りざたされてはいますが、良い意味でのバズではないので、長期スパンで見ればデメリットしかありません。炎上はSNSマーケティング失敗の大きな要因のひとつです。

◆ポイント

発信するコンテンツは徹底的に精査しましょう。
自社がソーシャルメディアで投稿するコンテンツもそうですが、シェアやいいねをする情報にも厳格に取り扱わなければなりません。曖昧な噂程度の情報や、根拠のないデータ、特定の人間を不快にしかねないコンテンツは発信しないようにする必要があります。真偽を確認し、想像力を働かせて、投稿前は常に「これは本当に投稿して問題ないか」と問いかけるようにしましょう。

※政治や宗教、社会問題などに関する言及は幅広く拡散される可能性を持つと同時に炎上しやすい傾向にあります。

具体的な対策方法としては、ダブルチェックできる体制を整えると炎上リスクを抑えることができます。発信するコンテンツに不備や問題点はないか、二人以上で確認するようにしてください。

なお、企業の炎上事例や防止策については以下の記事が参考になります。
企業のSNS炎上について事例や対処方法と防止策まで解説

まとめ

「失敗は成功のもと」という言葉もありますが、ことビジネスにおける失敗は、取り返しのつかない状況を作り出す可能性を十分に秘めています。一方で、本記事からも分かるように、失敗を回避しようとする最大限の努力が、逆にSNSマーケティングを成功に導きます。

「何をしてはダメなのか」から施策を練るのは、本質的なマーケティングではありませんが、どの過程においても細心の注意を払って、不要なリスクは冒さないようにするのが、成功への一番の近道ではないでしょうか。

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