企業のSNS炎上
SNSマーケティング

企業のSNS炎上について解説!事例や対処方法と防止策まで

「ネット炎上」は既に市民権を得た言葉といっても過言ではないでしょう。
誰かの発言や投稿がきっかけで起こるネット炎上ですが、SNS(ソーシャルメディア)が登場してからその件数は増えています。というのも、ソーシャルメディアは情報が連鎖的に共有され、広範囲に拡散する特徴があるため、炎上しやすい環境・状況が確立しているためです。炎上は個人に限ったことではありません。企業に降りかかる可能性も当然あります。

そこで今回はSNSにおける炎上の仕組と背景を解説し、企業の炎上事例、さらには対処法について考えていきます。

炎上とは?

SNSの普及とともに、日常的に目にするようになった「炎上」という言葉ですが、そもそも、どのような状態が「炎上」を意味するのでしょうか。まずは、「炎上」の定義となぜ起こるのかという背景について解説します。

炎上とは

炎上はネット上で特定のモノ・コトに関して誹謗中傷や非難が殺到している状態を指します。ネット炎上の件数は年々増加傾向で、特に拡散性の高いTwitterでの炎上が増加している傾向にあります。

炎上が起きる要因は以下の大別すると、以下の三つに絞られます。それぞれ見ていきましょう。

①SNSの誤操作
②商品・サービス上の過失
③不適切な投稿

①SNSの誤操作

SNSの操作を誤って意図しない内容を投稿してしまい、炎上につながるケースがあります。例えば、個人的に利用しているアカウントと企業の公式アカウントを間違えて、私的な内容を投稿してしまうなどが挙げられます。

②商品・サービス上の過失

商品・サービスやビジネスの不手際で炎上してしまうことがあります。
実際の店舗に問題があった場合や、お客様への対応、あるいは商品に企業側の過失があった場合、SNS上で指摘され、その投稿が拡散された結果、炎上につながってしまうことがあります。このようなSNS上以外の要因で炎上する可能性も頭に入れておきましょう。

③不適切な投稿

三つ目は投稿内容が不適切な場合です。
法的、倫理的、社会的に言及するのは控えるべき問題に関して、何も考慮せずに投稿を行うと、炎上してしまう場合があります。
特に政治、宗教、性や、あるいは災害や事故といったような時事問題についての投稿は、それ以外の投稿に比べて炎上する可能性が高いといえます。したがって以上のような個々人によって意見が分かれる内容についての投稿は、必要でなければまず控えたほうが無難でしょう。

炎上してしまった場合の対応方法

炎上してしまったら冷静かつ丁寧に対応します。初期対応を間違うと取返しのつかない状況に陥ってしまうこともあります。
ここでは対応方法を確認していきます。

落ちついて状況を把握する

炎上した際にまず行うのは、状況の把握です。
炎上も性質によりさまざまです。そのため、SNSでエゴサーチをしたり、検索エンジンを活用するなどして炎上範囲がどれほどで、どのような経緯で炎上したのか確認しましょう。

たとえば、Googleアラートで自社アカウントに関連するキーワードを登録しておくと、そのキーワードを含んだ検索結果(Webページ)が見つかった際に、メールで知らせてくれます。このように、あらかじめ情報収集ができやすい状況を作ることも大切です。

気を付けなければならないのは、対処療法として、とりあえず投稿を消したり、炎上原因を把握していないのに安易に謝罪や説明を行うことです。まずは、状況を正確に把握することから始めるのを徹底してください。

マニュアルに則り冷静に対応する

マニュアルに則り、冷静かつ迅速に対応します。炎上の原因を真摯に受け止めたうえで、責任の所在を明確にした対応を行いましょう。決して感情的にならず、誠実な対応を行いましょう。
※マニュアル作成については後述しています。

マニュアルがない場合

マニュアルがない場合は、冷静に1つずつ対処する必要があります。
まず、炎上したコメントに対応する必要があるか判断します。炎上に直接関わりのあるユーザーに対して連絡を取る場合は誠実な対応を心掛けましょう。自社にわずかでも責任がある場合は、真摯に受け止めたうえで、誠実に説明と謝罪を行うのが賢明です。

炎上を未然に防ぐの運用ポイント

炎上してしまった際の対応方法についてみてきましたが、そもそも炎上しないこと、させないことがベストです。
炎上する投稿には特徴があります。その特徴をしっかりと把握し、炎上が起きない運用を心がけましょう。ここでは炎上しやすいトピックと防止策を確認します。

事実が明確でない情報は発信しない

ネット上の情報は二次、三次情報であることが多く、信憑性が定かではない情報が多いです。また、その情報について投稿しなかったとしても、シェアやいいねなどを行い拡散に加担してしまうと、アカウントが発する情報だけでなく、アカウントそのものに信用がなくなってしまいます。そのため、SNSで取り上げる内容は信ぴょう性が確かな、一次時情報を扱いましょう。真偽が不確かな情報をいいねやリツイートするのも危険です。発信する際は、オリジナルの情報源まで根拠を探しにいく意識を持ちましょう。

企業として責任を持てない情報は発信しない

企業アカウントはキャラが立っていたとしても、あくまで企業・団体を背負って、発言していることを忘れてはいけません。企業はアカウントは組織の意見として受け取られます。ゆえに、個人の見解を持ち込んだり、議論の対象となる可能性がある内容への言及したりすることは避けましょう。また、他人のプライバシー・個人情報に言及するのも厳禁です。

政治やマイノリティ問題などセンシティブな内容に触れない

SNS担当者が気を付けたいトピックとして、以下が挙げられます。

・政治・思想についての個人的見解
・スポーツについての意見
・宗教について
・性について

それぞれの頭文字をとって4Sと呼ばれます。人によって意見が極端にわかれたり、アンチやファンがいたりする話題には極力触れないようにします。発信する際はこちらが伝えたい情報だけでなく、画面の向こう側にいるユーザーの気持ちを汲み取った上で内容を精査しましょう。

マニュアルを作成する

SNS運用で重要になるマニュアルは2種類あります。

1つは投稿ガイドラインです。
投稿のトンマナやルール、どのような投稿を行うか定めたマニュアルです。文体/表記/テイスト/段落・改行などのルールを定めましょう。

例)
●投稿頻度 5投稿/1日
●投稿時間 8:00 12:00 14:00 19:00 21:00
●トンマナ です。ます。調
●その他 タイトルは【】で囲う
●写真 画像形式:JPEG.PNG
●投稿確認フロー
担当者作成→上長確認※スプレッドシートで確認

2つ目は炎上対策マニュアルです。
炎上した際に、どのように対処するか定めたマニュアルです。対策フローなどを明確化する。炎上の報告フロー、対応部署などを明確にします。
メンバー内でSNS運用に対する姿勢を共有し、炎上リスクを回避します。また、仮に問題が発生しても、素早く対処できる体制が整います。

ダブルチェックできる体制を作る

SNSの運用担当者が1人で投稿を管理するのではなく、投稿内容が適切かどうか確認できる体制を整えましょう。お客様と直接コミュニケーションをとるSNSは発言内容や言葉選びのチェックを慎重に行う必要があります。担当者がお客様対応経験があればより望ましいです。

普段からブランディングに力を入れる

ユーザーのエンゲージメントが高いアカウントは、炎上時にファンからの助け舟が出される場合があります。このようなファンの対応は炎上を鎮静化させるきっかけになります。
しかし、一朝一夕で構築できるわけではなく、共感を生む投稿内容を継続して発信するなど労力が必要です。

企業の炎上事例

運用担当者のミスや社会の流れを読み間違えたなど、炎上する要因はさまざまです。
ここでは実際の炎上事例を確認します。

ウォルト・ディズニー・ジャパン公式アカウント

2015年8月9日(日)ウォルト・ディズニー・ジャパン公式アカウントが「A VERYMERRY UNBIRTHDAY TO YOU!」のメッセージが入った、アリスの画像と意訳した「なんでもない日おめでとう」というメッセージを投稿し、炎上しました。

8月9日は長崎原爆記念日であり、特に2015年8月9日は原爆投下から70年の節目の年でした。原爆の日に、国民感情を逆撫でするようなツイートをしたとして、批判が相次ぎました。

ウォルト・ディズニー・ジャパンの公式アカウントは該当ツイートを削除し、謝罪を行いました。

Dove(ダブ)

公式Facebookに掲載した動画広告が人種差別的だと、非難が殺到しました。

黒人女性が茶色いTシャツを脱ぐと白人女性になり、再度ベージュのTシャツを脱ぐと3人目の女性が登場するという内容で、ダイバーシティーをテーマにした広告でした。この広告を見た著名人がTwitterでスクリーンショットを共有したことで、炎上しました。

なお、Doveは該当の広告を停止とSNS上で謝罪文を投稿しています。

弊社が最近Facebookに投稿した画像は、有色人種の女性を思慮深く表現する上で、非常に的外れなものでした。弊社としましては、今回不快感を与えてしまったことに対し深く反省しています。

マクドナルド

人気モデル、ジジ・ハディットのInstagramアカウントが炎上しました。
ジジが自身の公式アカウントに音楽フェスでマクドナルドのフライドポテトを頬張る写真を投稿したことが原因とされています。

これはマクドナルドとのタイアップ投稿で、しっかりと記載もありましたが、非難を浴びました。マクドナルドはアメリカ国内で、「不健康食」「ブラック企業」と認識されており、人気を集める国民的モデルがその企業を推奨したことで非難されました。

少なくともこの件に関して、企業側に全く非がないにもかかわらず、ネガティブなイメージが先行してしまうと、このような飛び火で炎上に至ることもあるので、念頭に入れておく必要があります。

ボストンマラソン

2017年4月17日に開催されたボストン・マラソンで参加者へ送ったメールがきっかけでアディダスの北米子会社アディダス・ノースアメリカが炎上しました。

参加者2万6492人に対して、「おめでとう。ボストン・マラソンを生き延びた!」という件名のメールを送信。2013年に4月開催されたボストン・マラソンで起きた、爆破テロを連想させる内容だとして、多くの人がSNSでスクリーンショットを投稿し、メールを非難しました。

アディダス・ノースアメリカは公式Twitterで即座に謝罪して対応にあたりました。

楽天トラベル

シンガーソングライター柴田淳さんの投稿に対して、Twitter上の楽天トラベル公式アカウントで「ぶさいく」とリプライを送り炎上しました。リプライを受けた、柴田さんがスクリーンショットとコメントを付けて、ツイートしたことをきっかけにネット上で急速に拡散、楽天トラベルに避難が殺到しました。これを受け、楽天トラベルは柴田さんに対して公式アカウントで謝罪しています。

まるか食品

人気商品ペヤングソース焼きそばの異物混入が発覚し、SNSを中心に炎上しました。

消費者の投稿から発覚した事例で、調理前のペヤングにゴキブリが絡まっている写真がTwitterにて投稿されると。ネット上で瞬く間に広がり、炎上。12月~翌年の5月まで、40万食/日あったカップ焼きそばの生産を中止する事態に追い込まれました。

企業の不適切な発言という例ではなく、商品・サービスに問題がある場合も、このように消費者のソーシャルメディア上での投稿を機に、大きく炎上してしまうケースが多々あります。

ドン・キホーテ

総合ディスカウントストア大手のドン・キホーテが、Instagramの公式アカウントで「みんなはドンキで何盗んだことある?」などと投稿。ハッシュタグには「#これは大喜利です」「#万引きは犯罪です」と補足が加えられていたものの、不適切だとしてネット上で物議をかもしました。

ドン・キホーテを展開するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングスは、J-CASTニュースの取材に対し、

「社会性に反する投稿はしないといった一定のルールを定めておりましたが、今回ご指摘頂きました投稿につきましては、これに反するものと判断し、削除しております」

J-CAST

として、当該投稿の削除を行ったと報告し、

「弊社の日々の安全な店舗運営を守ってくださる関係者の皆様におかれましては、大変ご迷惑をお掛けしたことをお詫び申し上げるとともに、本投稿により不愉快な思いをされた方につきましてもお詫び申し上げます」

J-CAST

と謝罪しています。

まとめ:炎上させない運用が大前提

ソーシャルメディアは気軽に始められ、消費者や顧客とのコミュニケーション手段、あるいはプロモーションとしても活用できます。一方で、ユーザー数やプラットホームも増加し、社会に与える影響力が大きい媒体であるのも忘れてはいけません。Twitterの一投稿で、これまで積み上げたお客様からの信頼がなくなってしまうことも、当然あると認識する必要があります。一度の炎上で失った信頼を取り戻すには時間が掛かります。そのため、企業で運用する目的を確認し、運用を行うことが大切です。

事前に運用体制やルールを構築し、炎上を未然に防ぎましょう。特に、自社アカウントが触れてよい話題や担当者の裁量などを曖昧にせず、何を発信すべきか明確にしてから運用することが大切になります。ユーザーと適切なコミュニケーションを取りながら、ソーシャルメディアでの関係を構築していきましょう。

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この記事を書いたライター
Keywordmap編集部
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