X(旧Twitter)の企業アカウント運用に失敗しないための「5つの分析ポイント」

最終更新日:

SNSマーケティング

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Twitter企業アカウントアイキャッチ

近時、X(旧Twitter)上では「フォロワーの増やし方」や「共感を得るポストコンテンツとは」といったX運用の方法論が数多く発信されています。しかし、発信されている情報の多くが、「抽象的すぎる」「属人的すぎる」「CVに帰結しない」といった問題を抱えており、企業アカウントの、いわゆる「中の人」が業務として取り組むには、いささか再現性に欠く方法論だといわざるをえません。

当記事では「共感を得る内容を」とか「ポスト量を増やす」などといった、そういった大前提の領域ではない、定量的なマーケティング思考に則ったXの運用方法をご紹介します。

以下を守って運用するだけで、X運用の効果を大幅に高めることができます。それぞれ見ていきましょう。

  • KPIをフォロワー数だけにフォーカスしてはいけない
  • ベンチマークアカウントは必ず設定する
  • エンゲージメントはキーワードで分析する
  • フォロワーの増減で一喜一憂しない
  • カテゴリに分けてポスト(ツイート)を効果検証する

KPIをフォロワー数だけにフォーカスした運用をしてはいけない

なぜフォロワー数にフォーカスした運用をしてはいけないのでしょうか。

それは、企業のXアカウントの運用にあたって、運用に対する効果が往々にして不明瞭であることが大きな理由となります。

企業のX運用担当者が一番避けるべきは、フォロワーは増えているのに売上に全く繋がっていないという状況です。Xを活用したマーケティング手法自体確立されていない中、幸か不幸かバズによってフォロワー数だけが先行して急増したとします。そのフォロワーが自社サービスと親和性の高いペルソナが中心であれば問題ないでしょう。一方で、自社サービスと親和性の低いアカウントでフォロワーが構成されていたとしたらどうでしょうか。

X運用が売上に繋がるのか懐疑的な経営陣は次のような判断をするでしょう。

「Xはやっぱりフォロワー数ばかり増えて売上に繋がらないチャネルだ。これ以上リソースを投下するぐらいなら別のチャネルを開発した方が賢明なのでは?」

そうなってしまうと、担当者としては継続的な運用が難しくなってしまいます。X運用においては必ず「フォロワー数」だけでなく「フォロワー属性」にも着目しなければなりません。言い換えれば、「自社のアカウントは自社サービスに興味を持ってくれるアカウントにフォローされているのか」ということです。

これは、マーケティング業務の基本である「質×量」です。BtoB企業の検索エンジンマーケティング(SEM)においては、

  • ページ流入数(セッション数)
  • フォームアクセス数
  • CV数(リード数)
  • アポ数
  • 商談数
  • 受注数

といった各中間KPIにより定量的な質と量の管理が可能です。

対して、X運用においては、その運用効果の多様性から、SEMと異なり「Xが貢献したページ流入数」の計測が非常に困難であるケースが多いです。X運用によりブランディングによる指名検索の増加は勿論、サイテーション等の間接効果が生じてくるためです。

そういった事情により、質を定量的に定義することが難しいことに起因し、ネット上では抽象的な運用方法論ばかり喧伝されている状況になっています。

以降はこの質の部分を定量的に評価しつつ、CVに繋がるフォロワーを増加させるアカウント設計と運用フローについて具体的に説明していきます。

ベンチマークアカウントを設定し競合を分析する

企業のXアカウントの運用方法自体に正解はありません。

したがって、当記事で解説するのは正解ではなく、「成果までの最短ルートを走る方法」です。そのためには目指すべきアカウント像が必要となります。まず成功を収めていそうなベンチマークアカウントを設定するところから始めましょう。

着目すべきは「フォロワー数」「フォロワー属性」「いいね付与数」

ベンチマークアカウントの基準はフォロワー数だけではありません。上述したように、フォロワー数だけ追ったX運用で成果を出すのは難しいため、ベンチマークアカウントの設定といえども「フォロワー属性」と「いいね付与数」が非常に重要な判断指標となります。

フォロワー属性について

フォロワー属性については、

  • フォロワーのプロフィール欄
  • フォロワーのポスト内容

の2点に着目し、どの属性のアカウントが多いのか分析する必要があります。ようするに、対象アカウントがターゲットとしているテーマ領域を明らかにします。

方法としては、フォロワーのプロフィールを1件ずつ調査するのがオーソドックスです。ツールを使えばフォロワー一覧でプロフィールや名前などを確認することができます。しかし、自動分類やワードマッピングなどの機能は非対応となっているため、基本的には手動で行う必要があります。

フォロワー属性を、フォロワーのプロフィール欄とポスト内容の両軸で分析し、当該アカウントが自社サービスと親和性を持っているか十分に検証した上で、ベンチマークアカウントを設定することで最適な運用方針が固まります。

フォロワーのいいね付与数

また、ベンチマークアカウントの「フォロワーのいいね付与数」も非常に重要な指標となります。以下の図は、とあるアカウントのフォロワーのいいね数をツールによってグラフ化したものです。(「いいね」を1000~5000ほど付与しているユーザーが多い)

仮にフォロワー数が多くても、いいね付与数が少ないフォロワーを多数抱えたアカウントは、拡散力に乏しく、フォロワー数の割にターゲット市場にリーチしづらいという状況が発生します。そのため、ベンチマークアカウントを設定する際には、そのフォロワーの拡散性に着目しなければなりません。

Twitter企業運用

フォロワー数だけでなく、

  • フォロワーの属性
  • フォロワーのいいね付与数

これらのポイントを押さえなければ、「フォロワー数の数しかリーチしない弱いXアカウント」ができあがってしまうリスクがあるので注意が必要です。

ベンチマークアカウントのフォロワーのアクティブ時間を考える

Xは拡散性が最も高いソーシャルメディアである一方、タイムラインの流れが圧倒的に早いソーシャルメディアでもあります。そのため、ポストコンテンツを投下するタイミングは「最も見てもらえる時間」に調整しなければ効率が上がりません。

つまり、フォロワーのアクティブ時間です。
∟フォロワーがXを利用している(ポストしている)時間。

フォロワーのアクティブ時間の調査方法

では、どうやってフォロワーのアクティブ時間を出せばよいのでしょうか。詳しく書くと非常に長くなってしまうため、また別の機会に記事化しますので、ここでは簡単に紹介します。

  1. ベンチマークアカウントのフォロワーを無作為に100件(任意だが多ければ多いほど良い)ほど抽出する
  2. 各フォロワーのプロフィールや投稿内容を目検で一件ずつ確認して、直近の投稿時間を明らかにする
  3. Excelにフォロワー情報と投稿時間を張り付ける
  4. グラフ化して成形する

以上のような手順でフォロワーのアクティブ時間を可視化することができます。しかし、お気づきのように手動で行わざるを得ない手順が多く、実際に試してみたところ、10時間以上かかってしまいました。毎日・毎週確認するには工数が重い領域となりますので、月に1回程度、ベンチマークアカウントのフォロワーのアクティブ時間を分析しておきましょう。

エンゲージメントを軸にキーワード(≒市場)を分析する

キーワード軸での調査をする際には、キーフレーズ単位でのエンゲージメント率を算出すると、よりエンゲージメントの獲得効率が向上します。

言い換えれば、「エンゲージメントされやすいキーワードを見つけ、それを軸にポストを作っていく」ことでX運用の効果が高まります。

こういったキーワード軸のエンゲージメント傾向を把握することで、エンゲージメントの獲得しやすいポストコンテンツを戦略的に運用することが可能となり、より自社アカウントのポストコンテンツの拡散性が底上げされる形となります。

フォロワーの増減で一喜一憂しない

分かっていても一喜一憂するものではありますが、フォロワーの増減にあたって重要なのは、

  •  どんなフォロワーが増えたのか
  •  どんなフォロワーが減ったのか

という2点です。

もし、増えたフォロワーの多くが、自社サービスと親和性の低いフォロワーだと意味がありません。逆に減ったフォロワーの多くが、自社サービスと親和性の高いフォロワーだとポストコンテンツの方向性を見直す必要があります。

フォロー解除されたアカウントについては、定期的にプロフィールやポスト内容をウォッチし、本来増加させるべきフォロワー層から解除され始めていないか確認をしつつ、運用していく必要があります。

ポスト投稿の内容を複数のタイプにカテゴライズして効果検証を行う

企業のXアカウントの運用とはいえ、毎回キャンペーン系のポストをしているとは限りません。Tips系のテキストポスト、日常系のポスト、キュレーション系のポストや画像ポスト等のリッチコンテンツ。カテゴライズの定義も様々であれば、カテゴリの種類も様々かと思います。

一方で、企業のXアカウントの運用においては、定量的なPDCAの実施が求められるため、「どの類のポストがどのような効果なのか」ということは常に検証し続ける必要があります。

Excelや投稿管理ツールを使用し、ポストコンテンツをカテゴライズすることにより、

  • 自社のポスト傾向のうち、どのカテゴリのポストが一番多いなのか
  • どのカテゴリのポストが最も効果が高いのか

といったデータを定量的に可視化することで、自社アカウントの現在の状況が見えてくるので、しっかりとPDCAを回すことができるようになります。

ポストコンテンツのカテゴライズのコツについて

そもそも、ポストコンテンツのカテゴリ定義が難しいという場合は、自社が参入したいコミュニティ単位(ターゲット領域)でポストコンテンツをカテゴライズするのが、成果に紐づきやすく運用価値が高いかと思います。

例えば、チョコレートのブランドとアニメキャラクターのタイアップキャンペーンをX上で展開するケース。この場合、狙わないといけないコミュニティは「チョコレート」と対象のアニメキャラクターの2つとなります。

そのため、ポストコンテンツもそれぞれのコミュニティ内に親和性の高いキーフレーズを意識し、投下していく形となります。

その際にポストカテゴリを定義していた場合、コミュニティ単位でのエンゲージメント率の検証が可能となるため、ポストコンテンツの精度が高まる形となります。

以上を踏まえ、ポストのカテゴリ定義は運用上非常に重要な要素となります。

まとめ:Xは抽象的な概念ではなくデータで分解できる

企業のX運用における基本的な分析ポイントについてまとめさせていただきました。

重要なポイントを改めてまとめさせていただくと以下の通りです。

  • ポストコンテンツのリーチ力は「ターゲット×コンテンツ×時間軸」
  • エンゲージメントが獲得できるポストコンテンツによりリーチは加速する
  • フォロワー数だけでなくフォロワーの質にも注視する
  • ポストとエンゲージメントの相関をデータで可視化しPDCAを回す

X上で、フォロワー数を増やす手法の中で語られる「共感性」という抽象的な概念の解像度が少しでも上がったようであれば幸いです。

Xはその拡散性から、成功事例が一過性のものと捉えられがちですが、上記のデータの通り、エンゲージメント率が高いポストコンテンツについては一定の法則が認められます。Xアナリティクスや無料ツールだけでは可視化しづらい部分も多くありますが、当記事を参考に、定期的に自アカウントや競合アカウントの投稿・フォロワーをチェックして、現状の最適なX運用を模索することをお勧めします。

この記事を書いたライター
Keywordmap編集部
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