SEO対策のメリット・デメリットとは？Web集客においてSEOは必要なのか解説

公開日: 2023-10-23

SEO

公開日: 2023-10-23

SEO

Web集客においてSEO対策を実施するメリットは、他の集客方法と比べて費用対効果が高く、購買意欲の高い顧客を集められることです。同時にまだニーズをハッキリと自覚していないような潜在顧客までアプローチでき、ブランド力の向上にもつながります。

様々なメリットがある一方で、効果が得られるまでには時間と費用がかかる、確実に成果が出るとは限らない、Googleアップデートの影響を受けるといった点がSEO対策のデメリットです。

今回は、Web集客におけるSEO対策の必要性、実施するメリット・デメリット、具体的な方法について解説します。

集客におけるSEO対策の必要性
- SGEの台頭でSEOは不要になるのか
SEO対策のメリット
SEO対策のデメリット（問題点）
SEO対策が効果的な企業
SEO対策を強化する方法
まとめ

集客におけるSEO対策の必要性

Web集客においてSEO対策が重視されているのは、さまざまな集客方法に影響を与える施策であるためです。

Webサイトへ集客する流入経路には、主に以下の5つがあります。

オーガニック検索枠（GoogleやYahoo!など）
有料広告枠（リスティング広告・ディスプレイ広告・SNS広告）
SNS
リファラル（外部サイトからの流入）
ダイレクト（ブックマークなど）

SEO対策は、基本的に検索画面のオーガニック検索枠からWebサイトへ集客するための施策です。オーガニック検索枠とは、ユーザーが検索エンジンを使って検索した際に表示される検索結果の中で、広告を除いたWebサイトのタイトルやURL、ディスクリプションなどが表示されるスペースを指します。SEO対策はこのオーガニック検索枠に自サイトを表示させるために実施されます。

一方で、オーガニック検索枠からの集客を期待しない場合にはSEO対策が重視されていません。リスティング広告やディスプレイ広告、SNS広告などの有料広告を出稿している場合や、SNSアカウントを運営することでフォロワーを自サイトへ誘導する場合は、わざわざSEO対策を実施していなくても集客できるためです。

しかし、SEO対策の成果として自社の知名度やブランド力が向上し、ユーザーの興味を引くことができれば、有料広告やSNS経由の集客にも間接的に貢献すると考えられます。また、SEOを実施する過程で作成した品質の高いページは、SNSやメールマガジンで活用することも可能であり、外部サイトからリンクを貼ってもらえれば、外部サイト経由の流入も増加するでしょう。

つまり、SEO対策はWeb集客全般に対して成果を出すために直接的・間接的につながり、集客に欠かせない施策だと考えることができます。

SGEの台頭でSEOは不要になるのか

近年ではSGEの普及により「SEOはなくなる」という声もあるようです。

SGE（Search Generative Experience）とは、検索画面の上部に生成系AIによる回答が表示されるGoogle検索の機能です。日本では8月30日から試験版が実装されています。

SGEの実装によりゼロクリックサーチ（ユーザーが検索結果上でクリックせずにニーズを満たすこと。つまりWebページに遷移しないことを指す）が増加する可能性があるため、検索結果でユーザーがページをクリックしなくなるのではないか、SEO対策を実施しても効果が出ないのではないかと懸念されているわけです。

現状、Google検索における、ダイレクトアンサーやナレッジパネル、強調スニペットなどの検索機能によってページのクリック率が低下しており、SGEでも同様の結果になる可能性はあります。

しかし、検索するユーザーの悩みや疑問のすべてがSGEで解決するわけではなく、SGEが表示されたとしても、より専門的かつ信頼できる情報を探し、ページを閲覧するユーザーはいなくなるわけではありません。つまり、SEO対策を実施する意味がなくなるわけではなく、今後も実施する必要があると考えて差し支えないでしょう。

SEO対策のメリット

上記のようにWeb集客においてSEO対策は欠かせない施策ですが、リスティング広告やSNS、メールなどの集客方法ではなく、SEO対策を実施することでどのようなメリットが得られるのかについて、より詳しくみていきましょう。

Web集客におけるSEO対策のメリットは以下の5つです。

費用対効果が高い
購買意欲の高い顧客を集められる
潜在顧客までアプローチできる
ブランド力の向上につながる
サイト自体が資産になる

オーガニック検索以外の流入経路と比較した場合のメリットを解説します。

費用対効果が高い

SEO対策は他の施策と比較して費用対効果が高い傾向にあります。SEO対策を実施した結果、検索結果の上位に自社のページが表示されること、およびページがクリックされることに対して検索エンジンに費用を支払う必要がないためです。

一方、リスティング広告は広告がクリックされたタイミングで費用が発生する仕組みなので、予算がなくなれば、当然、広告が表示されなくなります。また、自社SNSアカウントから集客する場合、投稿したコンテンツは一定時間（早ければ数分から数時間）が経過すると他の投稿に流されてしまうため、一時的な集客効果しか期待できません。

SEO対策で制作・公開したコンテンツは、施策を実施している期間だけでなく、中止した後でも長期的に集客効果が続きます。

購買意欲の高い顧客を集められる

SEO対策には、購買意欲の高い顧客を集められるメリットがあります。SEO対策は特定のニーズを持って能動的に検索したユーザーに対してコンテンツを提供する施策なためです。

たとえば、「iphone15 値段」というキーワードで検索上位できた場合、iphone15の値段を知りたいユーザー、つまりiPhone15の購入を検討しているユーザーを集客できます。一方、自社SNSアカウントでiPhone15を紹介した場合、必ずしもiPhone15を購入するつもりのユーザーを集客できるとは限りません。なぜならSNSの特徴として、ユーザーは流れてくるコンテンツを閲覧するのが主流であり、あえて検索してまで情報を取得しない傾向にあるからです。

検索ユーザーがどのようなキーワードで検索するのか意識してSEO対策を実施することで、ニーズを持った購買意欲の高いユーザーだけを狙って集客することができます。これはリスティング広告を出稿する場合も同様です。リスティング広告では費用が発生するため、特に購買意欲が高いユーザーが使用するキーワードで広告を出稿するのが一般的です。

潜在顧客までアプローチできる

SEO対策を実施することで、潜在顧客までアプローチできます。

潜在顧客とは、自社の商品・サービスを購入してくれる可能性がある見込み顧客のうち、現時点では購買する意思がないものの、将来的に顧客になる可能性があるユーザーです。前述した購買意欲の高い顧客は顕在顧客と呼ばれます。

前述したようにSEO対策は特定の目的を持った検索ユーザーに対してコンテンツを提供する施策なので、顕在顧客と潜在顧客の両方にアプローチできます。たとえば、「iphone15 値段」というような購買行動に近いキーワードではなく、「iphone（iOS） android 違い」という、購買行動の前段階となるようなキーワードで対策することで、潜在顧客を集客することができます。

なお、潜在顧客はコンバージョンに直結するユーザーではないため、費用が発生するリスティング広告ではターゲットにするケースは少ないです。

ブランド力の向上につながる

SEO対策を実施することで、自社の社名や提供している商品・サービスの知名度が向上し、ブランド力の向上につながります。検索画面の上位に自サイトが表示され、ユーザーの目に触れる機会が増加するためです。

上記については、リスティング広告やSNSで集客した場合も同様に効果が期待できます。

サイト自体が資産になる

SEO対策を実施することで、サイト自体を資産としてWeb集客に活用できるようになります。SEO対策を実施する過程で作成したコンテンツは、リスティング広告の受け皿となるランディングページの資料になったり、ホワイトペーパー、SNSの投稿、メールマガジンから自サイトへ誘導するページにしたりするといった方法でも再利用できるためです。

オーガニック検索以外の流入経路から集客した場合でも、サイト内に豊富なコンテンツが用意されていれば、興味を持ったユーザーがサイト内を回遊してくれるかもしれません。

SEO対策を実施したばかりで検索上位表示できていない間はリスティング広告やSNSで集客を行い、上位表示されているページが増加して十分な集客が確保できた後は、オーガニック検索枠からの集客へシフトすると安定して集客できます。

SEO対策のデメリット（問題点）

Web集客におけるSEO対策のデメリットも理解しておかなければ、せっかく実施しても期待するような成果を得られなかったり、割いた時間や工数が無駄になってしまったりする恐れがあります。

以下のデメリットも理解したうえでSEO対策を実施するべきかを検討しましょう。

効果が得られるまでに時間がかかる
しっかり対策するには費用がかかる
確実に成果が出るとは限らない
Googleアップデートの影響を受ける

効果が得られるまでに時間がかかる

SEO対策を実施して成果が出るまでには、一定の時間（数ヵ月から半年）が必要になります。リスティング広告やSNSのように、施策を実施してすぐに集客できるわけではありません。

SEO対策の成果が実際に得られるようになるまでの時間は、上位表示を狙うキーワードによって異なります。

キーワードによる対策期間の違い

種類	KW例	対策にかかる期間
ビックキーワード	転職（検索ボリューム：201,000）	中長期間
ロングテールワード	転職探し方女性（検索ボリューム50）	短期間

ビッグキーワードは、さまざまな検索意図を包括したキーワードです。1語のみで構成されることが多く、検索ボリューム（月間平均検索回数）が大きい傾向にあります。ロングテールキーワードは、検索意図の幅が狭いキーワードです。3語以上で構成されることが多く、検索ボリュームが小さい傾向にあります。

ビッグキーワードはSEOを行うWebサイトが多いため上位表示難易度が高く、逆にロングテールキーワードは少ないため上位表示されるまでの時間が短い傾向にあります。

キーワード選定ツールを活用し、サイトの状況に応じた適切なキーワードでコンテンツを制作することで、実施したSEO対策の効果が出るまでの時間を短縮できます。

SEO対策は費用がかからないわけではない

SEO対策は費用対効果が優れたWeb集客方法ではありますが、費用がかからないわけではありません。

自社でSEO対策を実施する場合、基本的に人件費やWebサイトの維持費がかかります。ただし、SEO対策に関する十分な知識があれば、Googleが提供する無料ツールを活用するだけでも、自サイトを検索上位表示させることは可能です。

一方で自社にSEO対策の知識・経験があるスタッフがいない場合、さらに費用をかけて外注する必要があるでしょう。

SEO対策を外注する場合、以下のようなさまざまな費用が発生します。

Webサイトの制作・運用費
コンテンツの制作費
SEOのコンサルティング費

外注する費用は依頼する会社によって異なりますが、SEO対策に必要な作業をすべて外注すれば、ある程度まとまった費用が必要です。SEO対策の初期では、リスティング広告の方が低コストで実施できる場合もあるでしょう。

外注費用を抑えるためには、SEO会社へすべてを丸投げするのではなく、作業の一部を自社でまかなう必要があります。キーワード選定から競合調査、コンテンツ制作、広告最適化、検索順位計測まで、総合的な機能が搭載されたSEOツールを導入すれば、専門的な知識や経験がないスタッフでもSEO対策を実施でき、SEO対策にかかる費用を抑えることができます。

SEO対策でかかる費用については以下の記事で解説しています。あわせて参考にしてみてください。

SEO対策にかかる費用はどれくらい？外注と内製の平均相場と業務内容について

確実に成果が出るとは限らない

SEO対策を実施しても、確実に以下のような成果が得られるとは限りません。

検索結果の上位に表示される
ページがクリックされる
コンバージョンが獲得できる

SEO対策は検索エンジンのアルゴリズムを予測して施策を実施するためです。検索エンジンはアルゴリズムを公開していないので、どうすれば検索上位表示できるのかを正確に理解することはできません。そのためSEOは集客数の増加を確約するものでもありません。

Googleの検索アルゴリズムを正しく理解し、ユーザーにとって本当に役に立つコンテンツを作成することで、実施したSEO対策の効果が発揮される可能性が高くなります。

Googleアップデートの影響を受ける

SEO対策を実施しても、Google検索のアップデートの影響を受けて順位が低下してしまう場合があります。

Google検索のアップデートとは、Googleが定期的に実施している、検索アルゴリズムシステムの更新です。Googleはユーザーの利便性を高めるために、アップデートを実施することで検索画面にどのようなコンテンツが表示されるかを常に調整しています。

実際に、過去に実施されたGoogleアップデートでは検索順位が大きく低下したり、インデックスから場外されてしまったりするなど、Webサイトへの影響は大きい傾向にあります。

Googleアップデートで検索順位が低下しないようにするためには、実施されたGoogleアップデートの内容を精査し、自サイトが影響を受ける可能性があるか、検索順位が変動しているかを確認したうえで、適切なSEO対策を実施する必要があります。また、Googleアップデートの影響を受けないように、ユーザー目線でSEO対策を実施することも重要です。

Google検索のアルゴリズムについては以下で詳しく解説しています。あわせて参考にしてみてください。

Googleアルゴリズムとは？検索アルゴリズムのアップデートを網羅解説

SEO対策が効果的な企業

SEO対策はWeb集客に欠かせない施策ですが、すべての企業において効果的なわけではありません。

地域に密着したビジネスを展開している企業や、競合複数社のSEO注力度が凄まじい企業、集客に十分な予算をかけられない企業などは、SEO対策では期待するような成果が得られない可能性があります。

一方で、SEO対策が特に効果を得やすい企業は以下の通りです。

ネット上で比較検討しやすい商品・サービスを取り扱っている企業
競合他社がSEO対策にまだ取り組んでいない分野の企業
時間や費用を十分にかけられる企業

自社が上記の企業に該当するかを確認したうえで、SEO対策を実施すべきか検討しましょう。

ネット上で比較検討しやすい商品・サービスを取り扱っている企業

ユーザーが特定のジャンルに属する商品やサービスを比較・検討する場合、検索エンジンが利用されています。以前は企業からパンフレットを取り寄せたり、店頭で現物を眺めて比較・検討されていましたが、インターネットの普及により簡単に情報が入手できるようになったためです。

自社が取り扱う商品・サービスの名前やジャンル名に「おすすめ」というキーワードが合わせて検索されている場合、ネット上で比較検討しやすい商品・サービスに該当します。たとえば、以下のようなキーワードが該当します。

ペットフード　おすすめ
動画編集アプリ　おすすめ
勤怠管理ツール　おすすめ

一方、特定の地域にだけでサービスを展開している企業では、SEO対策よりもMEO対策の方が適しています。MEO対策とは、Googleマップや検索画面のローカルパックに、自社の情報を表示させる施策です。

たとえば、大阪の一部地域でリフォームを行っている企業の場合、「リフォーム会社おすすめ」というキーワードで検索上位表示し、ユーザーを集客したとしても、大半のユーザーは見込み顧客ではありません。

コストをかけてSEO対策を実施しても費用対効果が低いとい判断できる場合は、SEO対策がWeb集客の最適解ではないと考えられます。

競合他社がSEO対策にまだ取り組んでいない分野の企業

検索エンジンはインターネット上に存在するあらゆるWebページを相対的に比較して検索順位を決定する仕組みなので、競合サイトが多い場合より、少ない場合の方が検索上位しやすいです。

自社が関わる分野の競合のSEO的な強さは、競合サイトのドメインパワーから確認できます。ドメインパワーとは、サイトが検索エンジンからどのくらい評価されているのかを予想した指標です。

一方、検索上位に権威性が強いサイトが表示されている場合や、YMYLという上位表示難易度が高いジャンルに該当する企業の場合は、SEO対策で成果を得るのは難しい傾向にあります。

時間や費用を十分にかけられる企業

SEO対策は効果が得られるまでにある程度の時間がかかる長期的な施策であり、根気強く施策を積み重ねることでさらに効果を発揮するため、時間や費用を十分にかけられる企業におすすめです。

SEO対策で効果を得るには、数年単位を見越した視点で取り組むことが大切になります。数ヶ月だけSEOを実施したり、予算をかけずにSEOを実施したりすれば、効果が全く得られないまま頓挫してしまうことも往々にしてあります。また、SEO対策に取り組む社員を育成するには時間がかかりますし、専門業者へ依頼すればコストがかかります。

時間や費用を最小限に抑えたい企業は、SEO対策を完全に内製化したり、一部を外部に委託するなどしてバランスを取るのが良いでしょう。SEO対策を内製化する場合はキーワード選定から競合調査、コンテンツ制作、広告最適化、検索順位計測まで、総合的な機能が搭載されたSEOツールを導入することをおすすめします。