SNSマーケティング

ソーシャルリスニングとは?消費者の生の声を拾う方法と分析ツールを解説

SNSが普及した昨今、情報の発信や収集をSNSで行うことが主流になりつつあります。日本でのSNS普及率も実に80%と言われています。そのようなトレンドの中で、人々のSNS上での生の声を収集・分析し、ビジネスに役立てる「ソーシャルリスニング」という手法が注目されています。

顧客の声を収集する方法としてアンケート調査もありますが、本音を発信しやすいというSNSの特徴から、ソーシャルリスニングの方がよりリアルな情報を集められるという利点があります。今回はソーシャルリスニングに関心のある方やこれから取り組もうと考えている方に向けて、ソーシャルリスニングで分かることや分析方法、活用事例などを詳しく解説します。

ぜひ参考にしてみてください。

ソーシャルリスニングとは

ソーシャルリスニングとは、Twitter・Instagram・FacebookといったSNSから、消費者の声を収集し、マーケティングに活用する手法です。

これまで、消費者の声を聞くための方法として、主にアンケート調査が使われていました。しかし、アンケートは、あらかじめ企業側で想定する回答に限られてしまうほか、マイナス要素の回答が書きづらいこともあり、正確に消費者の声を収集するのが難しいとされています。

一方、ソーシャルリスニングは、消費者の本音を聞けるのがポイントです。アンケート形式ではない生の声を聞ける場として、今後のマーケティングに活かすことができます。

ソーシャルリスニングが注目されている理由

情報媒体としてSNSが広がるなかで、ソーシャルリスニングが注目されるようになりました。それでは、具体的にどのような効果を持つのか、なぜ注目されているのかについて解説します。

ソーシャルリスニングが注目されている理由は以下の2点です。

  1. 消費者の生の声をリアルタイムで把握するため
  2. 購入の検討材料としてSNS上の口コミを参考にしているから

消費者の生の声をリアルタイムで把握できる

ソーシャルリスニングが注目されている理由は、消費者の生の声をリアルタイムで把握できる点です。従来行われてきたアンケート形式では、リアルタイムでの情報収集が難しいことや、回答項目が限られてしまうため、消費者の本音を探ることができませんでした。

ソーシャルリスニングは、SNS上でリアルタイムに流れる消費者の声を拾えるため、すぐに情報収集を行えるのが特徴です。また、自社製品・サービスに対して、必ずしも評判の良いコメントが発せられるとは限りませんが、消費者個人の考えや感じたことを参考にできます。消費者の本音を分析し、今後の商品・サービス開発や、カスタマーサポートの改善につなげられます。

購入の検討材料としてSNS上の口コミを参考にしているから

また、SNSは消費者にとって購入を検討する材料として用いられています。たとえば、高額商品を購入する前に、SNSをチェックし、イメージ通りの商品であるか、購入したことで目的を達成できるかといったことを調べる消費者も少なくありません。

このように、SNSは、レビューサイト同様の機能を有しているため、マーケティングを行う上で重視しなければならない媒体と考えることができます。また、SNS上でどれほど話題になったかで、マーケティング施策の成否、評価を定量的に判断することも可能です。

ソーシャルリスニングでできること:メリット

ソーシャルリスニングは、リアルタイムで消費者の生の声を探ることができたり、マーケティングを行う場として活用できたりと多くのメリットがあります。ここではさらに深掘り、商品・サービスを販売する企業にとって、ソーシャルリスニングを行うメリットをまとめてご紹介します。

具体的には以下の10点です。

  1. ブランドイメージを把握できる
  2. ユーザーの潜在ニーズを掴める
  3. プロモーション施策の効果を測定できる
  4. 業界のトレンドがわかる
  5. 競合他社の調査が可能
  6. リスク管理ができる
  7. 口コミ・評判がわかる
  8. イベント・キャンペーンの反響がわかる
  9. インフルエンサーを特定できる
  10. 購買決定要因がわかる

ブランドイメージを把握できる 

ソーシャルリスニングを活用することで、商品やサービス、あるいは企業そのもの対するブランドイメージを把握するのに役立ちます。

SNSでは、商品・サービスをリリースした段階で、実際に購入した消費者の投稿をもとに、分析が行えるようになります。どのようなブランドイメージを持たれているか、それがポジティブなのかネガティブなのかなどを分析し、実際にアプローチすべきターゲットは誰なのか明らかにしたり、消費者の立場を意識した商品・サービス開発が可能です。

ユーザーの潜在ニーズを掴める

ユーザーである消費者の潜在ニーズを掴める点も、ソーシャルリスニングのメリットです。たとえば、「このような機能があればよかった」という消費者の声があれば、今後の商品開発に反映させ、新たな顧客を獲得できる可能性を高められます。SNS上の投稿には、消費者が求めていることがリアルタイムで発信されているため、ポジティブ・ネガティブに関わらず、それらの声を集約して参考にしましょう。

プロモーション施策の効果を測定できる

ソーシャルリスニングは、プロモーション施策の効果測定を行うのに便利です。自社でマーケティングを行ったあとに、SNS上で、消費者からの反応を素早く確認し、次回のプロモーション方法の改善に役立てることができます。また、実際に反応が多かった消費者の属性(年齢・性別など)を踏まえたうえで、ターゲティング広告の配信効率を高められるのもメリットだといえるでしょう。

業界のトレンドがわかる

消費者の忖度のない素直な反応をチェックしていくと、業界全体のトレンドを把握するのにも使えることに気が付きます。SNS上でコメントとして流れる消費者の期待を押さえることで、新たな市場の開拓や、今後どのような商品・サービスがトレンドになるか、動向調査を行えるのもメリットです。

競合他社の調査が可能

ソーシャルリスニングは、自社の製品・サービスだけでなく、競合他社の調査も可能です。たとえば、自社が販売している商品と、競合他社の類似商品とのプロモーション方法、ターゲットの属性、商品開発の狙いなどをある程度把握することができます。競合が行っていて自社が行っていない施策があれば、参考にしてマーケティングに活かすことができます。

消費者の選択肢が広がるなかで、競合他社の分析を行うことは、マーケティングには欠かせません。

リスク管理ができる

SNS上の消費者のコメントを参照することで、リスク管理を行えます。たとえば、自社の商品に対して誤った情報が流れている場合、公式から発表することで拡散を防ぎやすくなります。マーケティング観点としてソーシャルリスニングを活用するだけでなく、リスク管理目的で利用することも大切です。

口コミ・評判がわかる

Twitter・Instagram・FacebookなどのSNS媒体における口コミや、評判が重視される時代となりました。上記でも述べたように、商品やサービスの購入を検討している消費者は、SNSでの口コミや評判を調べてから購買行動に移るような流れが一般的になっています。

企業のマーケティング領域を支援する株式会社アライドアーキテクツが行った「企業のTwitter活用実態調査2021」では、「企業の公式Twitterアカウントをフォローしているユーザーのうち、およそ60%がTwitterを見て商品を購入したことがあると回答した」と報告されています。

アライドアーキテクツの調査
出典:【2021年最新版】Twitterユーザーによる企業公式アカウント利用実態調査

また、同社の別の調査ではFacebookユーザー1,312人にアンケートをとったところ、44.4%の方がFacebookの情報を参考に初めて利用するお店に足を運んだことがあると回答した」という結果が出ています。

さらに、企業のEC事業の支援などを行う株式会社マージェリックは、インスタグラムを利用している10代~35歳の女性に調査を行ったところ、「45.8%の方がインスタグラムで見つけた商品を購入したことがあり、そのうち70.7%の方はインスタグラムの投稿を見て衝動買いをしたことがある」ということがわかったそうです。

株式会社マージェリックの調査のグラフ
出典:Instagramのショッピング機能に関する調査を行いました MERGERICK inc.|株式会社マージェリック

このように、ソーシャルメディア上の投稿は、消費者の購買行動を促す効果があります。そのため、企業側にとっては、SNS上での口コミや評判をもとに、商品開発や顧客が求めるものを把握するのに役立ちます。

イベント・キャンペーンの反響がわかる

ソーシャルリスニングを行うことで、自社で実施したイベント・キャンペーンなどのPR効果を可視化しやすくなります。オフライン・オンラインに限らず、マーケティング施策を行った結果が、SNSのユーザーの反響として表れ、効果を確かめられます。同時に、アンケート形式ではなく自由なコメントが発信されるため、リアクションとして消費者のリアルな声を聞ける機会として重宝されます。

インフルエンサーを特定できる

SNS使ったマーケティング施策を行う上で、インフルエンサーが重要な存在となります。インフルエンサーとは、ほかの消費者に大きな影響を与える人物であり、自社商品・サービスの投稿をしてもらうことで、認知度や、売上アップを狙えるのがメリットです。SNSでのプロモーション効果を高めたい場合には、ソーシャルリスニングを行い、ターゲット領域に発信力の強いインフルエンサーを探し出すようにしましょう。

購買決定要因がわかる

ソーシャルリスニングでは、SNS上のコメントを参考にし、消費者の購買決定要素を分析できます。たとえば、「類似商品よりも機能性が豊富」、「コストパフォーマンスに優れている」、「既存商品との親和性」といったさまざまな理由を抽出し、今後の商品・サービスの開発、マーケティング施策に役立てられます。

ソーシャルリスニングのやり方・分析方法 

ソーシャルリスニングを実施する際には、やり方や分析方法を把握する必要があります。次にご紹介する以下の4つの方法を用いて、SNSマーケティングの効果を高めましょう。

  1. 調査対象・キーワードを選定
  2. UGCの抽出
  3. UGC分析
  4. エンゲージメント調査

調査対象・キーワードを選定 

まずは、調査対象やキーワードの選定です。実際の検索に入る前に、まず企業側で、「どこで」、「何を知りたいか」、「何を分析するか」をまとめ、調査対象とキーワードを明確にしましょう。

たとえば、新発売の清涼飲料水のマーケティングの場合、ソーシャルリスニングの対象として考えられるプラットフォームは、ユーザー数が多く、リアルタイム性が強いTwitterを選び、キーワードは、清涼飲料水の名前やその略称、シリーズのブランド名、あるいは企業名などが候補になるかもしれません。

UGCの抽出

次に、UGCを抽出します。UGCとは、User generated contentの頭文字を取った用語で、SNSユーザーである消費者が投稿した口コミやレビュー、画像・動画などを意味します。自社商品・サービスに対する消費者の声を聞くために、いかにノイズを排除し、適切な情報をだけを抽出することがポイントになります。

新発売の清涼飲料水であれば、Twitterにおいて上記のようなキーワードで検索した際に抽出される投稿がUGCになります。

UGC分析

必要なUGCを抽出したあとは、分析を行います。投稿内容の口コミやレビューの数やポジティブ・ネガティブについての分析、さらに投稿主であるユーザー(アカウント)の年齢・性別・嗜好などの情報を収集し、自社商品・サービスがどのようなユーザーに評価を受けているかを知ることが大切です。潜在顧客の新規開拓や、既存顧客の満足度向上を図るためにも、UGCの分析が求められます。

エンゲージメント調査

最後に、消費者に対するエンゲージメント調査です。

UGCだけが「反響」ではありません。たとえば、Twitterであれば、ツイートをする人は、全体の約半数だといわれていますが、ツイートをしない人が全くアクションを行っていないかというとそうではないためです。

投稿はしないが、エンゲージメントはするというユーザーも一定数存在します。積極的に情報発信は行わずとも(UGCは生まずとも)、このようなユーザーのエンゲージメントが拡散を発生させる要因となるため、ソーシャルリスニングにおいては、UGCとそれに対するエンゲージメントの両方が分析対象となります。

「新発売の○○おいしい」というツイートとその投稿主の分析、さらにそれに対し「いいね」や「リツイート」、「返信」を行っている人の数や属性などもしっかりと分析しましょう。

ソーシャルリスニングを行うポイント 

ソーシャルリスニングの分析は、ポイントを押さえておくことで、さらなる効果を期待できます。どのような点に気をつけるべきか、以下の2つのポイントを把握しましょう。

  1. 適切なキーワード・調査対象を選定する
  2. 分析結果を開発や戦略に活かす

適切なキーワード・調査対象を選定する

1つ目のポイントは、適切なキーワード・調査対象の選定です。SNS上に溢れる無数の投稿から闇雲に情報収集を行うのではなく、あらかじめリサーチ対象を設定し、効率的に調査を行う必要があります。リサーチ対象を決める際には、情報を発信するユーザーの信頼性に加え、関連性の高い内容であるか、および情報源のタイムリー性などを考慮することが重要です。

分析結果を開発や戦略に活かす

2つ目は、分析した結果を開発や戦略に活かすことです。ソーシャルリスニングで行う消費者の口コミやレビューの分析はあくまでも手段であり、分析した結果を適切に活用しないと目的は達成できません。消費者が求めていること、改善してほしいことなど、集まった多くのデータは、今後の商品・サービス開発に反映させ、最大の効果を得られるようにマーケティングを実施しましょう。

おすすめツール 5選

ソーシャルリスニングを行う際には、専用ツールの利用をおすすめします。TwitterやInstagramといったSNS上で、直接、消費者の投稿内容を分析できますが、ツールを用いることで工数を大幅に削減し、効率的に情報収集を行えるようになります。それぞれの特徴を理解し、自社でどのように活用できるかを考えてみましょう。

  1. Social Insight
  2. Brand Watch
  3. 見える化エンジン
  4. Boom Research
  5. Keywordmap for SNS

Social Insight

Social Insightの画像
出典:https://sns.userlocal.jp/

1つ目のおすすめツールは、「Social Insight」です。Social Insightは、調査したいキーワードが、誰に・どんな内容で話題となっているかを可視化します。特定キーワードに関する口コミ・レビューを独自エンジンで素早く分析するため、時間をかけずに調査を行えるのが特徴です。また、TwitterやInstagram、Facebookだけでなく、近年、利用者が増加しているYou TubeやTikTokなどさまざまな媒体に対応しています。

Brand Watch

Brand Watchの画像
出典:https://sns.userlocal.jp/

次にご紹介するのが、「Brand Watch」です。Brand Watchは、Twitter社のオフィシャルブランドであり、1.4兆以上に及ぶリアルタイムに発信されるデータを活用できます。また、Brand Watchには、AI機能が備えられており、瞬時にデータを分析できるほか、カスタマイズ可能なレポートの出力にも対応しています。

見える化エンジン

見える化エンジンの画像
出典:https://www.mieruka-engine.com/

3つ目のツールは、「見える化エンジン」です。見える化エンジンは、共通したニーズを有する顧客層のグループ分け、投稿内容に基づき、ポジティブ・ネガティブ・中立にマッピングを行える分析力に特徴があります。また、分析結果をまとめたレポートを簡単に出力できるほか、社内で活用しやすいようにレイアウトを自由に変更することも可能です。

Boom Research

Boom Researchの画像
出典:https://boomresearch.tribalmedia.co.jp/

「Boom Research」は、SNS媒体だけでなく、インターネット掲示板や400種類以上のニュースサイトから消費者の声を抽出できるツールです。ユーザーの性別・年代・地域といった属性分析、出現度の高いキーワードの分析など、計80種類以上の分析メニューを用意しています。また、専属のカスタマーサクセス担当者によるサポート体制が充実しており、サービス導入時のKPI設定、活用アドバイスなどを参考にすることができます。

Keywordmap for SNS

Keywordmap for SNSの画像
出典:https://keywordmap.jp/sns/

5つ目のおすすめツールは、「Keywordmap for SNS」です。Keywordmap for SNSは、Twitterに特化した総合分析ツールです。キーワード、あるいはハッシュタグなどからツイートを一括で抽出し、独自AIによって感情分析を行うことが可能です。また、自社アカウントや競合アカウントの分析、フォロワーの分析や、Twitter上で人気のある流行語の抽出、強い影響力を持つインフルエンサーの特定および調査などを行えます。

また、ソーシャルリスニングの活用方法や、KPIの設定などを一括してサポートする体制を有しており、成果を出しやすい環境が整っています。

ソーシャルリスニングの活用事例

最後に、企業がどのようにしてソーシャルリスニングを活用しているかを確認してみましょう。オンライン動画配信サービスを行う「Netflix」と、スマートウォッチメーカーの「Fitbit」を例に活用事例を解説します。

Netflix

NetflixはTwitterをメインとするソーシャルリスニングを実施しており、自社サービスへのコメントを収集する中で、ユーザーの多くがコンテンツを視聴している途中で眠ってしまっているという問題を発見します。そこから、ユーザーが居眠りしていることを検知し、動画を一時停止する機能を開発するに至りました。具体的には、ユーザーが「Netflix Socks」というセンサー付きの靴下を穿くと、眠ってしまった際に、取り付けられたセンサーからデバイスに信号が送られ、動画が一時停止される仕組みです。

NetFlixへのUGCの画像

Fitbit

Fitbitでも、消費者の声をSNS上から抽出し、今後の商品開発における参考材料を得るためにソーシャルリスニングを活用しています。たとえば、「移動リマインダー」という、長時間座り続けているユーザーに対してアラートを鳴らし、立ち上がって軽い運動を促す機能を取り付けています。これは、健康に悪影響を与える「長時間座りっぱなしの状態を改善したい」というユーザーニーズをソーシャルリスニングから発見し、開発したものです。

まとめ

ソーシャルリスニングが求められている背景や、行うメリットといった基本事項から、実際のやり方やコツといった応用知識まで解説しました。

SNSが普及している現代において、非常に有効なマーケティング手法であるといえます。

ソーシャルリスニングを活用して、よりユーザーニーズに沿った施策を打ち出しましょう。

本記事がその手助けになれば幸いです。

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この記事を書いたライター
Keywordmap編集部
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