Twitterの投稿時間はいつが最適なのか?アクティブ時間帯から逆算する拡散戦略
コンテンツが流れていくタイプのSNSであるTwitterは、ユーザーのタイムライン上にツイートが表示されるのは一時のみなので、見逃されやすい傾向にあります。そこで今回は投稿に最適な時間や、エンゲージメントを獲得するテクニックについて、定量的な実データにもとづいた分析結果を参考にして解説していきます。企業のTwitter担当者は必見です。
目次
Twitterの投稿に最適な時間帯とは
Twitterは、「いいね」や「リツイート」といった反応をユーザーから得ることによって投稿が拡散されていくメディアです。とくに日本では膨大な利用者数を誇るソーシャルメディアですが、それゆえに大量に投稿されるツイートに埋もれず、ユーザーからより多くの反応を得るための工夫が不可欠です。なかでも、もっとも重要な工夫の一つが、「ユーザーからもっとも反応を得られる時間帯に投稿する」ということです。
ユーザーから多くの反応を得るためには何時に投稿するのが良いか。一般的には、次のように、ユーザーが活発な時間帯(アクティブな時間帯)が良いと考えるでしょう。
- 出勤時間(7~8時台)
- ランチタイム(12~13時台)
- 帰宅後(20〜22時台)
これらの時間帯にアクティブなユーザーは多く、投稿するのに適した時間のように思えます。しかし、アクティブなユーザーが増えるということは当然、投稿数も増加します。結果として、よほど影響力がない限り、すぐにほかの投稿に埋もれてしまう傾向にあります。
それでは投稿にベストな時間はいつなのでしょうか。結論としては、アクティブな時間帯の1時間~2時間前を狙うのがおすすめです。
- 出勤時間を狙う→6時台
- ランチタイムを狙う→10時台
- 帰宅後の時間を狙う→18〜20時台
※ただし実際には、会社員に向けているのか、学生、主婦に向けているのかなど、「ターゲットユーザーやフォロワーの属性」によって狙うべき時間は異なります。つまり、運用しているアカウントの実際のフォロワーの傾向に合わせた投稿時間の設定が重要です。
この記事では、ユーザー・フォロワーの属性ごとに最適な投稿時間と、アクティブになる1時間~2時間前に投稿すべき理由を、ツイートが拡散されていく仕組みを踏まえながら具体的に解説していきます。
~フォロワーのアクティブな時間帯をチェックしたいならKeywordmap for SNS~
Twitterユーザーがアクティブな時間帯・曜日とは
まずは、一般的にユーザーがアクティブになる時間帯や曜日を知っておきましょう(投稿に最適ではなく、ユーザーがTwitterを利用している時間です)。どの時間帯に反応が集まりやすい傾向にあるのか、についてまだつかめていない場合には、以下で紹介する時間帯からテストしてみるのが良いかもしれません。
なおここでは、アプリの分析ツールを提供している「App Ape」が2020年2月に行った調査結果に基づいて解説します。
平日の通勤・ランチの時間帯にピークがある
App Apeは「Twitterアプリを1回以上起動したユーザーの数」を各曜日、1時間ごとに調査しました。その結果、平日には大きく次の3つのピーク帯が現れることが分かりました。
- 7〜8時:朝の通勤時
- 12〜13時:お昼休憩時
- 20〜22時:帰宅から就寝までの時間
想像通りかもしれませんが、通学や通勤の前後や、勤務時間の合間にTwitterを開くユーザーの様子が推測できます。
20時~22時は曜日関係なくアクティブな傾向
なお、20〜22時は、平日・土日ともにアクティブな傾向があります。平日は学校が終わる16時台ごろからアクティブになるユーザーが増えて深夜0時あたりまで高い利用率が続きます。朝の通勤時やランチタイムと比べると、裾野が広く、しかも大きな山型を描いていると言えます。
土日はアクティブ時間帯が多い
学校や会社が休みになる土日は、平日と比べてアクティブな時間帯が多い傾向にあります。12〜13時のランチタイムと20〜22時にピークが訪れる点は平日同様ですが、通勤や通学のない分、朝の時間にはピークが見られません。代わりに、10時台から夜にかけて比較的高いアクティブ率が続きます。
アクティブな時間はフォロワーの属性によって異なる
ここまでは、一般論的な投稿に向いている時間を紹介しました。もちろん上述で示した時間を参考に投稿していくのも悪くはありません。ただし、拡散を狙った効果的なTwitter運用を行っていきたいのであれば、さらに踏み込んで「フォロワー属性」にも注目しましょう。
ここで言う「属性」とは、年齢や性別、興味・関心などから「どんなユーザーなのか」を、抽象的に表したものを指します。本章ではその属性によってアクティブな時間が異なることを実際のデータを用いて解説していきます。
例えば、社会人と学生、あるいはビデオゲームとランニングが趣味の人では生活リズムが異なっていて、SNSを利用する時間も同一ではない可能性があります。
つまり、Twitterにおけるアクティブ時間はユーザーごとに異なり、当然、投稿に最適な時間も、様々なフォロワーを抱える企業アカウントごとに異なるということです。詳しく見ていきましょう。
アクティブ時間はアカウント毎に異なる
似たような属性のユーザーを抱えているアカウント同士でも、実際に比べてみると、フォロワーが一致するわけでもなく、アクティブ時間もまた異なります。つまり、これは、どんなアカウントにも当てはまるような、最適な投稿時間というのは存在しないことを示しています。
したがって、アカウントごとに、抱えるフォロワーの属性に適した投稿時間を探っていくことが非常に重要になってきます。
以下では、紹介する各属性に当てはまるユーザーをメインにフォローを獲得しているアカウントの、フォロワーアクティブ時間を提示しています。「どの属性のユーザーがどんな時間にTwitter上でアクティブなのか」、自社のターゲットユーザーを想像しながら参考にしてみてください。
※ただし、あくまでも参考にとどめ、効果検証しながら自身で運用するアカウントの最適な時間を探っていくことをお勧めします。たとえば、Twitterの調査・分析ツールを使えば、以下図のようにアカウント毎の最適な投稿時間を効果測定しながら探っていくことができます。
Keywordmap for SNS:運用アカウント分析機能
ビジネスマン向けは「6時~8時」が活発
朝の電車内やホームを見れば分かるように、通勤時にスマホを手にしているビジネスマンの割合は少なくありません。ビジネスマンは朝の利用率が高い傾向にあります。
例えば、マーケティング系の情報を発信し、多くのビジネスパーソンからフォロワーされている「マーケジン」というメディアのTwitterアカウントでは、6時~8時までの時間帯にアクティブなフォロワーが多い傾向にあります。
おそらく電車通勤中にTwitterを活発に利用するフォロワーの割合が高いのではないかと推測できます。
学生向けは「22時~23時」に集中
10代・20代を中心とした学生世代は、22〜23時にもっともよく利用していると考えられます。総務省が令和2年に行った調査では、「22〜23時にインターネットを利用しているユーザー層は平日休日ともに1位が20代、2位が10代」であることがわかっています。
この事実から、22〜23時にTwitterを積極的に利用している学生世代が増加することが推測できます。
実際に10代・20代の学生から絶大な支持を得ているYouTuber「コムドット」のTwitterアカウントでは、22〜23時にアクティブなユーザーが多い傾向です。
主婦向けは「12時台」にピーク
主婦といっても、兼業か専業、子育てや介護の有無などによってライフスタイルはさまざまです。ただ、それぞれに用事を持つ中で、スマホを手に休憩を取りやすい時間帯の一つはランチタイムだと推察できます。
例えば、主婦向けにファッション、美容、クッキングの情報を発信している「4yuuu!」のTwitterアカウントでは、12時台にアクティブなフォロワーが多いです。
投稿を拡散させるベストなタイミング
ターゲットユーザー、およびフォロワーのアクティブ時間を把握することで、投稿に最適なタイミングが見えてくることが分かりました。そして、冒頭で説明したとおり、結論としてはアクティブ時間帯の1時間〜2時間前に投稿するのが望ましいと考えられます。
- 出勤時間を狙う→6時台
- ランチタイムを狙う→10時台
- 帰宅後の時間を狙う→18〜20時台
上記は冒頭でも記載した、それぞれのアクティブ時間の1時間~2時間前の時間帯です。さて、なぜ1時間~2時間前なのでしょうか。その理由は、Twitterの「トップツイート」という仕組みにあります。
より拡散されやすい時間帯の戦略を築いていく上で「トップツイート」の仕組みを理解しておく必要があります。
トップツイートとは
トップツイートとは、Twitterのアルゴリズムによってユーザーの興味・関心に近いと判断されたツイートのことで、簡単に言うと、Twitterがそのユーザーにおすすめしているツイートのことです。
トップツイートとして表示されることで、通常よりも多くのユーザーにツイートが届くことになるため、インプレッション数・エンゲージメント数の増加が見込めます。
2022年2月現在、Twitterのタイムラインの表示形式は「最新ツイート」と「ホーム表示」の2通りがあり、前者は時系列順に、後者はトップツイートが優先的に表示されます。
どのような基準でトップツイートが選ばれるか、Twitter公式ヘルプは以下のように説明しています。
トップツイートは利用者が強い関心を持つであろうと考えられるツイートであり、利用者が普段からたくさんのやり取りをするアカウントや反応したツイートなど、多くの要素に基づき選択されます。
Twitterヘルプ
トップツイートは、検索内容との関連性が最も高いものです。Twitterでは、ツイートの人気(多くの人がリツイートや返信などを通じて反応したり共有したりしているなど)、含まれているキーワードをはじめ、数多くの要素に基づいて関連性を判断しています。
Twitterヘルプ
上記を言い換えれば、ユーザーの過去の行動やほかのユーザーからの人気度など、さまざまな要素に基づいて自動的に選ばれている、と考えることができます。
そのため、確実にトップツイートに選ばれるという方法はありませんが、投稿時間の工夫によって、トップツイートに選ばれた際の効果を最大化することは可能です。その理由を、以下で具体的に説明します。
トップツイートを考慮した最適な投稿時間
トップツイートに選ばれれば、通常よりも多くのユーザーに投稿が届けられ、かつ長い時間タイムライン上に表示され続けます。その結果、ユーザーからの反応(エンゲージメント)が非常に大きくなる傾向にあります。
トップツイートの拡散効果が最大化するのは、ユーザーがもっともアクティブな時間帯です。しかし、アクティブな時間帯に新規ツイートを投稿しても、短時間のあいだにトップツイートに選ばれるというのは困難です。ほかのユーザーが数多く投稿している中では注目を集めづらく、注目されないうちにアクティブな時間帯が過ぎてしまう可能性が高いからです。
そこで、アクティブな時間帯のピークの1時間~2時間前に投稿し、ほかのユーザーが投稿していないうちに「いいね」や「リツイート」などを獲得しておけば、トップツイートに選ばれる材料を集めやすくなります。その結果、ユーザーがもっともタイムラインを見ている時間帯にトップツイートとして表示されることができれば、最大の拡散効果が期待できると考えられます。
※ある一回の投稿でトップツイートになるのは至難の業です。有益なツイートを投稿し続けることで、ようやく選ばれる可能性が高まるため、日々の定期的な投稿・改善が重要です。
投稿を拡散させるコツ
投稿を拡散させるためには上述した投稿時間の工夫も含め、戦略的なTwitter運用を行う必要があります。本章ではそのコツを4つ紹介します。
- フォロワーのアクティブ時間を意識する
- フォロワー属性に合わせたコンテンツ作成
- セルフリツイートを使う
- 予約投稿を行う
フォロワーのアクティブ時間を意識する
ユーザー全般で見たときの利用率のピークは、前述のとおり「7時〜8時」「12時〜13時」「20時〜22時」でした。この時間帯を狙うというのはもちろん一つ王道的な戦略ではありますが、一般的な生活スタイルからある程度想定できることであり、この時間帯を狙うライバルはほかにも少なくありません。
可能な限り、自社アカウントのフォロワーにどのようなユーザー層が多いのかを調査し、自社のフォロワー属性に合わせてアクティブ時間帯を考えると良いでしょう。
アクティブ時間が判明したら、トップツイートを狙えるように1時間~2時間前の投稿がおすすめです。
フォロワー属性に合わせたコンテンツ作成
Twitter運用の効果を最大化させるためには、投稿時間のみならず、ツイートの内容ももちろん大切です。フォロワーが知りたい、楽しい、役立つと思えるような、有益な内容をツイートする必要があります。 言うまでもありませんが、有益なツイートの方がエンゲージメント率が高まり、トップツイートに採用される可能性が高まるので、フォロワー増加やインプレッション数の増加に寄与する傾向にあります。
有益なツイートを行うためには、フォロワーの属性(興味・関心)を把握しておく必要があります。フォロワーの属性を把握するためには、実際にフォロワーのアカウントを見にいってチェックするのが効果的です。プロフィールやツイートから判断することができます。
ただし、そのように人力で調査すると膨大な工数がかかるため、効率的にフォロワーの属性が知りたいのであればツールの活用をお勧めします。Twitter分析・運用ツール「Keywordmap for SNS」では、フォロワーがどんな事に対して興味関心を持っているのか調査することができます。
(Keywordmap for SNS:フォロワー属性分析機能)
上図はあるアカウントのフォロワー属性を調査したデータになります。ご覧の通り、写真やカメラについて関心のあるフォロワーが多いことがわかります。こうしたデータを参考にして、フォロワーを満足させられるようなコンテンツを発信していくことが重要です。
なお、ほかにもTwitter運用に役立つツールは数多く存在します。無料で利用できるものもありますので、詳しくは以下の記事を参考にしてみてください。
「Twitter分析ツールの選び方とおすすめ無料ツール9選」
セルフリツイートを使う
リツイートは、他者の投稿だけでなく自身の過去のツイートにも行うことができます。同じ内容であっても日時を変えることで、はじめてツイートしたときに投稿が届かなかった人にも表示させることができます。また、同じツイートを使いまわすため、工数削減にもつながります。
ただし、過剰なセルフリツイートは嫌がられる側面もあります。2〜3回程度に留めるのが良いでしょう。
予約投稿を活用する
Twitterの予約投稿機能を活用しましょう。
毎回、上記で述べたアクティブ時間に投稿するのは現実的ではありません。予約投稿を使えば、投稿したい時間帯にわざわざTwitterを開いて、投稿する手間が省かれます。
また、下書きをストックすることや予約した投稿を確認することが可能なので、一度作成したツイートは再度見返して、問題がないかチェックするようにしましょう。
なお、Keywordmap for SNSでは、投稿を作成者とは別の人間が承認する機能が搭載されています。事前に上長がツイート内容をチェックできる仕組みとなっているため、炎上を未然に防ぐことができます。
まとめ
当記事で紹介したTwitter投稿のコツは以下の通りです。
- 一般的なTwitterアカウントにおける投稿に最適な時間は6時台、10時台、19時台
- ただし、フォロワーの属性によってアクティブな時間帯は異なる
- アクティブな時間帯の1~2時間前に投稿し、トップツイート化することで反応が得られやすくなる
まずは、一般的に投稿に最適だと考えられている時間帯に投稿しながら、運用するアカウントのフォロワーがどの時間にアクティブになりやすいのか傾向をつかんでいきましょう。
実際に、フォロワーのアクティブ時間の傾向を把握したら、その時間帯にトップツイートになるように、1時間~2時間前に投稿することをお勧めします。ただし、トップツイートになるにはそのツイートが有益であることが条件であることは忘れてはなりません。
有益なツイートを作成するにはフォロワーの属性に目を向けます。どんな興味・関心を持っているのかチェックするようにして、それを参考に投稿をブラッシュアップしていきましょう。
詳しくは本文で解説した通りです。参考にしてみて、Twitterで反響を受けやすい投稿時間を意識して運用してみてください。
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