Twitterのインプレッションを増やす方法! 匿名アカウントで調査した結果を公開
そこで、今回はインプレッションを増加させる方法について、わかりやすく解説していきます。なお、この増加方法は、「フォロワー200人ちょっと」の「匿名アカウント」を用いて実証しています。曖昧で抽象的な方法論でなく、具体的な枠組みと定量データに基づいていますので、twitterマーケティングを始めたばかりのアカウントにも十分参考になるでしょう。
目次
Twitterのインプレッションとは
Twitterにおけるインプレッションとは、他のユーザーのタイムライン上にツイートが表示されたことを意味します。したがって、インプレッション数が1,000であれば、ツイートがユーザーの目に1,000回触れたことを示しているわけです。
確認方法は簡単で、Twitterが公式で提供しているツール「Twitterアナリティクス※」で各ツイートの表示された回数=インプレッション数をチェックすることができます。(以下図参照)
※Twitterアナリティクス
Twitterユーザーなら誰でも利用できる分析ツールです。自アカウントが投稿したツイートやそのインプレッション数、いいねやリツイート、プロフィールへのアクセスといったエンゲージメント数などを確認できます。PCのブラウザであれば、左メニューの「もっと見る」からアナリティクスを選択できます。モバイルも同じ(アプリを除く)。
詳しくはTwitterの公式ページをご覧ください。
なお、Twitterにおけるインプレッション数ですが、フォロワーのタイムライン上に表示された回数だけを示しているわけではありません。Twitter上のキーワード検索やハッシュタグ検索によってツイートが表示された回数、あるいは誰かの「いいね」によってユーザーのタイムライン上に表示された回数も、インプレッション数に含まれます。
インプレッション数を増やすためにはここがポイントであり、フォロワーのタイムライン上だけを狙った施策では、インプレッション数の最大化を見込むことは難しいでしょう。
一方で、外部Webサイトへのツイート埋め込みや、外部ツール上でのツイートの表示は回数に含まれません。あくまでも、Twitterというプラットフォーム上でのみカウントされることには注意しましょう。(外部でツイートを露出するのであれば、Twitterへ誘導させる導線が大切ということを意味しています。)
一般的なインプレッションを増やす方法
当記事では、インプレッションを増やす具体的な方法論を紹介していますが、一般的には以下の方法で増加しやすいと考えられています。
ツイートを増やす
単純な話で、ツイートが増えれば、それだけフォロワーの目に留まる可能性が高くなります。また高品質であることが前提ですが、エンゲージメントされやすくなるので、トップツイートに表示されやすくなり、結果的にインプレッション数に好影響を与えます。
いいね、RTする
本稿でも詳しく語りますが、対象アカウントのアクション次第では積極的にいいねやリツイートすることで、インプレッションが高まる可能性があります。
リプライする
やや力技かつ属人的な施策ではありますが、インプレッション数が多く、エンゲージメント率の高いツイートにリプライをすることで、多くのユーザー(FF外)にそのリプライをインプレッションさせることができます。ツイート内容が有意義、あるいは面白ければ、プロフィール閲覧、フォローへとつながります。
ハッシュタグを活用する
多くのユーザーが使用するハッシュタグを用いることで、インプレッションを高めることができます。したがって、ツイート数が多いハッシュタグを調査し、積極的に用いることが重要になります。なお、ハッシュタグはひとつのツイートに対し2個までにすることがTwitter社により公式で推奨しています。
以下で解説していく本記事のテーマも、上記をベースにしています。まずはTwitterを日々利用して、様々なアプローチを行っていくことが基本であることは間違いありません。
Twitterのインプレッションを増やす方法:概要
結論から述べます。
「フォローするアカウント」と「画像(動画)コンテンツ」、「投稿時間」だけでインプレッションは2倍以上になります。
SNSマーケの基本フレームワークは、
「Target」×「Contents」×「Timeframe」
このフレームワークに対し、誰でもいますぐ始められる施策を当てはめるだけで、インプレッションは増加します。検索エンジンマーケティング(SEM)との明確な違いが以下の図からもわかるように、時間軸が加わっている点です。
匿名アカウントを用いて実証実験
冒頭でも触れましたが、今回は、この「Target」×「Contents」×「Timeframe」によってインプレッションが増加することを実証するために、フォロワー数約200名匿名アカウントを運用して調査してみました。結果、Twitterマーケティングをはじめたばかりの企業アカウントについては、十分に再現できると判明しました。伸び悩んでいる中規模アカウントであっても同様です。
調査に際して、スムーズに匿名アカウントを運用、効果検証するために以下のツールを使用しています。
・Buffer
予約投稿が可能であれば必ずしも使わなくても良いですが、今回の調査ではレポート形式のデータと複数アカウント運用が必要だったので利用しています。
・whotwi
アカウント分析のために利用しています。
・Keywordmap for SNS
ターゲットを定量的に割り出すために利用しています。ベンチマークアカウントの洗い出しや抽出を人の手だけで行うのは難易度が高いので、ツールを利用できるのであれば使うのをお勧めします。
Twitterのインプレッションを増やす方法:実践手順
さて、それでは本題にはいりましょう。実際にインプレッションを増やす方法の実践手順についてです。
実践手順としては、おもに以下の流れになります。
- 「Target」:コミュニティのインフルエンサーを特定
- 「Contents」:インプレッションの取れるコンテンツを発信
- 「Timeframe」:コミュニティのホットタイムにコンテンツを投下
それぞれ、具体的に見ていきましょう。
Twitter企業アカウント運用に必要なすべてがここに―Twitter分析ツールの決定版
「Target」:コミュニティのインフルエンサーを特定
まず行うべきは、ターゲットとなるベンチマークアカウントを特定するところから始めます。ターゲットは、自身が参入すべき領域・コミュニティで影響力を持ったアカウント(インフルエンサー)が望ましいです。たとえば、カラーコンタクトを販売する企業のアカウントであれば、10代、20代に人気のある雑誌のモデルや、有名なコスプレイヤーが当てはまるかもしれません。今回の調査では筆者の所属でもある、インサイドセールス領域で影響力のあるアカウントを対象としました。
影響力を持ったアカウント(インフルエンサー)を見つけるには、単純にそのコミュニティのキーワードで検索するのが一般的です。今回の調査では、「インサイドセールス」というキーワードで検索しました。
そこから影響力のあるインフルエンサーを選びます。後述しますが、インフルエンサーを選ぶ際に注意すべきなのは、日常的にエンゲージメント(いいねやRT、リプライなど)を行うアカウントであるかどうかです。
対象アカウントが決定したら、そのツイートに対して、こちらからエンゲージメントをします。これで「Target」は完了です。
なぜインフルエンサーが自アカウントのインプレッション増加につながるのか?
ターゲットとするアカウントの選定基準や、インプレッションに及ぼす影響について補足説明を行っておきましょう。なぜインフルエンサーがインプレッション増加につながるのでしょうか。それはTwitterに、FF外のアカウントが、RT以外であってもタイムラインに出現するアルゴリズムがあるためです。
FF外:F(フォロー)F(フォロワー)とは関係のない(外)アカウント
FF関係にあるかないかにかかわらず、自分のツイートに対し、他のアカウントAが「いいね」を押してくれた場合、アカウントAのタイムラインに自分のツイートが表示されます※。
その中で、もしインフルエンサーが自分のツイートに対し、「いいね」や「RT」をしてくれた場合、自身のコンテンツが対象アカウントやそのフォロワーのTLに出現しやすくなることを意味します。(「おすすめユーザー」への表示も含め)
※アメリカの大統領選の影響で、期間中、一時的にアルゴリズムが変更され、タイムラインに表示されないことがありました。詳しくはこちら(英語)
対象アカウントはインフルエンサーでなければならない
前述で少し触れましたが、対象アカウントはインフルエンサーである必要があります。というのも対象アカウントの「自身のTLに対するエンゲージメント率」が重要だからです。エンゲージメントを繰り返し、仮に対象アカウントのTLに自身のツイートコンテンツが表示さたとします。しかし、対象アカウントが全くエンゲージメントしてくれなければ効果は生まれません。
対象アカウントはインフルエンサー(影響を拡散するアカウント)でなければならないのはこのためです。
対象アカウントの選び方
簡易的な指標として「エンゲージメント数/ツイート数」で選定アカウントを決定します。
手作業で行うと膨大な工数がかかってしまうので、今回は代替手法としてwhotwiを使用し、
「(両思い+片思い)/ツイート数」
の指標が高いアカウント(影響力のあるアカウント)を抽出することにしました。
こうして抽出したインフルエンサーをフォローし、いいねorRTしておくだけで、参入したいコミュニティに対し、自分のコンテンツを効率良くリーチさせることが可能となります。
上述したように、Keywordmap for SNSなら影響力を持ったインフルエンサーを瞬時に抽出できます。トライアルでも抽出できますので、ぜひお気軽にお試しください。
「Contents」:インプレッションの取れるコンテンツを発信
画像、あるいは動画コンテンツを投稿すると「エンゲージメント率があがる」という定説があります。事実、Twitter社によると動画(gifを含む)ありのツイートは、無しに比べると10倍以上エンゲージメントする傾向にあると報告されています。
しかしながら、これはTwitterマーケティングにおける本質ではないといえます。厳密にいえば、ほとんどのケースで「詳細のクリック数」が伸びているだけで、「共感性」を意味する「いいね」や「RT」、「リプライ」が増えてるわけではないことが往々にしてあるのです。
しかしながらその上で、画像や動画コンテンツだと言えるでしょう。
実験で判明! 画像or動画ありコンテンツはインプレッションに効果的
以下のTwitterアナリティクスのデータをご覧ください。
【2号くん】
【4号くん】
TwitterマーケのA/Bテストのために実験的に開設したアカウントの「2号くん(画像コンテンツ無し)」と「4号くん(画像コンテンツ有り)」です。両アカウント共、ツイート時間もテキストコンテンツも同じでありながら、1点だけ異なるのは「画像コンテンツの有無」です。
注目すべきは、倍近く差が出ている「インプレッション数」もそうですが、「エンゲージメント率」です(赤枠で囲ってある箇所)。実はエンゲージメント率、そこまで差があるどころか、画像or動画つきの4号くんの方が低い水準になっているのです。
▼インプレッション
4号君>2号君
▼エンゲージメント率
4号君≦2号君
Twitterは、Twitter検索結果において、画像コンテンツや動画コンテンツを上位に掲載したり、TLに優先的に表示させたりするアルゴリズムとなっています。そのため、全く同じテキストコンテンツであっても、画像があるか無いかだけで、TL上に表示される可能性が倍近く変わってきます。
「画像コンテンツの質関係なくリーチ力が倍近く変わってくる」ということなので、今すぐ試しても露骨に効果が出るのではないかと思います。
「Timeframe」:コミュニティのホットタイムにコンテンツを投下
株式会社AutoScaleのTwitter運用支援ツールを使っているユーザーの100万ツイートを分析して、Twitterで拡散されやすい時間帯を調べた調査した結果を、以下の記事で紹介しています。
※Twitter(ツイッター)投稿は朝5時がおすすめ!100万ツイートの分析で判明した拡散(RT・リツイート)されやすい時間帯
簡潔に要約すると、
アクティブユーザーが多いゴールデンタイムは、ツイート数が膨大で、タイムラインの流れが早いため、自社の投稿が埋もれてしまう可能性が高い。必ずしもユーザーが多い時間が投稿に最適ではなく、逆に早朝などのユーザーとツイート数が少ない時間帯の方がバズりやすい。実際に投稿することで、効果の高い時間帯を探るのがベストだが、調査の結果、平日は5時・11時・15時・20時のツイートが最もリツイートされるのに対して、休日は8時・12時・14時・16時のツイートがリツイートされやすい傾向があることが判明した。
というものです。
基本思想として、これは効果的で正しい戦術だと考えられます。拡散を狙うのであれば、確かにこのロジックを踏襲するのが好ましいでしょう。
しかし、この方法論だけでは「再現性」までは担保できないと考えています。(というよりも私のセンスでは再現できませんでした)
参入するコミュニティのホットタイムにコンテンツを集中的に発信する
なぜなら、「RTされやすい時間帯」というのは、「誰がRTしているのか」がポイントとなるからです。つまり、フォロワーなのか、フォロワー以外なのか、ということです。プレゼンスのあるアカウントはフォロワーが多いため、上記の手法で拡散を狙ってインプレッションを稼ぐことは可能ですが、プレゼンスの無い小規模なアカウントにとって、フォロワーの少なさからこれは難易度が非常に高いといわざるを得ません。
FF外のインプレッションを増やし、エンゲージメント基点を獲得する必要があります。その上で、プレゼンスに依存しないインプレッション獲得手法として、
「参入するコミュニティのホットタイムにコンテンツを集中的に発信する」
ことが重要だと考えます。
こちらについても実際のデータを分析しました。匿名アカウント「3号くん」と「4号くん」を用いた調査結果が以下図です。
「3号くん」と「4号くん」のTimeframeの違いは以下の通りになります。
- 「3号くん」は朝6時から翌日0時まで2時間おきにツイート。
- 「4号くん」は「インサイドセールス」と「BtoBマーケ」のコミュニティの投稿が活発な時間にツイート。
※両アカウント共、画像コンテンツ有り
若干、4号くんのインプレッションに波がありますが、全く同じコンテンツであるにもかかわらず、5.7%程度のインプレッション数の差が見られました。投稿内容(質)によっては、この差はさらに広がるでしょう。
なお、Timeframe3号くんと4号くんの投稿時間の違いをビジュアライズすると以下の図のようになります。
- whotwi:「Target」の際に選定したインフルエンサーが最もツイートしている時間帯を調査。(ベンチマークアカウントは3つ設定)
企業のTwitter運用を支援するツールに関しては、以下の記事で解説していますので参考にしてみてください。
「Twitter分析ツールの選び方とおすすめ無料ツール9選」
インプレッション数の増加がフォロワー数の増加につながる
当記事をここまで読んで、「結局のところ、フォロワー数が増えないとプレゼンス強化されないし、自転車操業になるだけではないか?」という疑問を持つ方もいるでしょう。
しかしながら、弊社副社長の平のツイート(上)からわかる通り、結局、「フォロワー数」というKPIを因数分解したら、「インプレッション数」からは逃げることができない、点には注意が必要です。
プレゼンスの低いTwitterアカウントが常に念頭に置くべきは、バズを狙ったTwitter運用は極力避け、ファンマーケティングに基づいた継続的なエンゲージメント獲得しに行くことです。フォロワー数が少ない小規模アカウントは、プレゼンスのあるインフルエンサーたちの提唱する手法を鵜呑みすると、空振りに終わることがほとんどです。
届けたいターゲットに、最適なコンテンツを、見てもらえる時間帯に投稿し、インプレッションを追うようにしてください。これを大前提に、自分のコンテンツをデリバリーしていくことで、初めてSNSマーケの醍醐味である「共感」が獲得できるようになります。
今回ご紹介した手法は、比較的難易度が低く、精度がそこまで高くなくとも一定効果が出るかと思いますので、ぜひ試してみて、結果をご共有いただけますと幸いです。
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