YouTuberタイアップとは?費用相場や事例、効果について完全解説

「YouTuberタイアップって何?」「YouTuberに商品を紹介してほしいけどどうしたらいいか分からない……。」という方もいらっしゃるでしょう。この記事ではYouTuberタイアップとは何か、タイアップの依頼方法、企業のタイアップ事例までご説明します。
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目次
YouTuberタイアップとは?
まずYouTuberタイアップとは何かについて見ていきましょう。
YouTuberタイアップとは何か
YouTuberタイアップとは、YouTuberが企業から依頼を受けて商品やサービスの紹介を行うプロモーション方法です。
YouTube(ユーチューブ)の動画はX(旧Twitter)やInstagramの動画などと比べ長尺です。そのため動画の中で商品やサービスのイメージだけでなく、良さや使い方なども紹介することができます。
ファンが既にいることもYouTuberタイアップのポイントです。その人の言うことを信頼するファンは、YouTuberが商品のPRをすれば購入意向を高めやすいです。
ファンや動画の視聴者が商品を知ったり、商品理解をより深めて「欲しい!」と思うように促すことができるタイアップは、認知や興味、購買にも効果を発揮するプロモーション方法だと言えます。
プロモーション(宣伝)であることを明確にする
YouTuberタイアップの動画は「案件動画」「企業案件の動画」などと呼ばれることもあります。動画の冒頭に「プロモーションを含みます」という表示が入っていたり、概要欄に「提供:株式会社○○」などの文言が入っていたら、通常の動画ではなくタイアップの動画だと分かるでしょう。

このように表記する理由はステルスマーケティングになってしまうことを防ぐためです。
※ステルスマーケティング…企業から報酬を受け取っているにも関わらず、PRだと明記せずに商品やサービスを紹介すること
Youtuberとのタイアップに取り組むべき理由【メリット】
YouTuberタイアップに取り組むべき理由には「利用者層が幅広い」「購入意向を高められる」などがあります。それぞれについてご説明していきます。
利用者層が幅広い
タイアップに取り組むべき理由として、YouTubeの動画は利用者が多く年齢層も幅広いことがあります。Googleによると2020年9月の日本におけるYouTube月間利用者数は6,500万人を超えました。
また総務省によると、YouTubeの全年代の利用率は87.8%にのぼります。X(旧Twitter)やInstagramの全年代の利用率が約5割、Facebookの全年代の利用率が約3割ということを考えると、いかにYouTubeが多くの方に利用されているかが分かるでしょう。

出展:令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書
特徴的なのは中高年層のYouTubeの利用率です。40代以上になるとX(旧Twitter)やInstagram, Facebookの利用率は4割程度~5割程度にまで落ち込みます。一方YouTubeは40代, 50代の利用率が約9割、60代でも約6割と高い利用率を誇ります。他のSNSと比較しても様々な年代に幅広く利用されているメディアがYouTubeなのです。
子どもや若い世代だけでなく「購買力のある大人」が利用しているということは、それだけプロモーションの効果が見込めることを意味します。今後もYouTubeの利用者はさらに増え、利用者の年齢層も広がっていくでしょう。
⇒さらにYouTubeタイアップ・チャンネル運用のメリットを見てみる
購入意向を高められる
YouTuberタイアップは紹介する商品やサービスの購入意向を高めることができると言えます。
グーグル株式会社がYouTube視聴のきっかけについて取ったアンケートによると、気になる商品・サービスがあったときにYouTubeを視聴すると答える人は15%いました。

ITmedia:YouTubeを見る5つの動機と記憶に残る広告の条件――グーグル調査
さらに、他の調査結果では、「どのメディアがサービスや商品の購入につながっているのか」という観点から、YouTube、Instagram、X、Netflix、などのSNSや動画コンテンツを分析しているものがあります。その中で、「欲しくなったことがある」と答えた人の割合がもっとも高かったのはYouTubeで、77.0%という結果も出ています。

YouTubeが購入の動機になるといっても、イメージが湧きづらい方もいるでしょう。
たとえば気になる化粧品があるが購入を迷っている場面を想像してみてください。YouTubeで商品名を調べると、YouTuberが実際に化粧品を使用しながら使用感や使い方を解説する動画が公開されていることがあります。動画を見れば「こんな仕上がりになるんだ!」「使いやすそう!」など、購入後のイメージが湧くはずです。
さらにコメント欄を見れば「○○ちゃん(ユーチューバー)のオススメなら買います!」「買ってみた!使うのが楽しみ!」などのコメントもあるかもしれません。購入を迷っていても「やっぱりいい商品なんだな。買おう!」という気持ちになれば、動画を見た視聴者は購入に至るでしょう。また特に欲しいものがないときでも、YouTuberが動画の中で化粧品を紹介してるのを見て「この商品良さそう!」「買おう!」などと思うこともあるでしょう。
YouTubeは購買意思決定をする際にも視聴されることがあるのです。
では、YouTubeによって購入意向を高めた視聴者は本当に商品を購入しているのでしょうか。株式会社クロス・マーケティングが13~34歳の男女に行った調査によれば、約25%が最近1ヶ月にYouTuberに影響されて商品を購入したと答えています。
YouTubeの動画は、商品やサービスの購入意向を高められるといって良いでしょう。
YouTuberタイアップで得られる効果
ここまでYouTuberタイアップの概要や実施方法などをご説明してきました。ではタイアップを行うことで、どのような効果が得られるのでしょうか。
YouTuberタイアップの効果
YouTuberタイアップは、商材の認知から購買を促す訴求まですべてに効果があると言えます。
上述したようにYouTubeの動画は長尺のため、商品・サービスについて使用感や使い方などを説明することができます。そして商品やブランドのイメージを単に伝えるだけでなく、実際の使用感なども伝えることで、ユーザーの購入意向の後押しにも役立ちます。
また動画に視聴者がコメントできる点もポイントです。「買います!」などのコメントがあれば、購入を迷っている視聴者は背中を押されるでしょう。UUUM株式会社が行った、YouTuberタイアップの動画視聴における態度変容調査というものがあります。その調査では下記の結果が出ています。
こちらの事例では、視聴者は動画を視聴したことで「タカラトミー うまれて!ウーモワォ」に対する認知度が67.7ポイント、44.1ポイント、購入意向が46.2ポイント向上しています。

こちらの事例では、視聴者は動画を視聴したことで「SPINNS(スピンズ)」に対する認知度が31.1ポイント、好感度が35.3ポイント、利用意向が42.5ポイント向上しています。

出典:PR TIMES:YouTuberを活用したタイアップ動画の態度変容効果を検証
またYouTuberの影響力を示す例として、有名YouTuberが動画の中でポテトスナックを紹介後、商品が売り切れ状態になった事例もあります。
このように視聴者に商品やサービスの理解を促し、興味や購買を促すことができるのがYouTuberタイアップなのです。
YouTuberタイアップの流れ・方法とは
では実際にYouTuberとのタイアップはどのように実施すればよいのでしょうか。タイアップの流れと主な方法についてご説明します。
タイアップを依頼する方法は主に、キャスティング会社や代理店に依頼する方法、YouTuber事務所に依頼する方法、YouTuberへ直接依頼する方法があります。
YouTuberタイアップの流れ
外注や直接依頼以前に、YouTuberタイアップは基本的に下記の流れで行われることは、念頭に入れておきましょう。
- コミュニケーションプラン策定
⇒「誰に」「何を」「どのように」を決めること - 企画立案
⇒商品・サービスを紹介するタイアップ動画の企画を立案すること - キャスティング
⇒タイアップを依頼するYouTuberを探し、アサインすること - 動画制作
⇒タイアップ動画を制作すること - 分析・効果測定
⇒タイアップ動画の効果を分析し、測定すること
キャスティング会社・代理店
キャスティング会社とは、多くのYouTuberの中から商材・サービスに適したYouTuberを探してアサインをする会社です。代理店に依頼した場合もキャスティング会社と同じように、YouTuberを探してアサインや動画制作をしてくれるでしょう。
キャスティング会社や代理店は複数の事務所や個人のYouTuberから、幅広いYouTuberをタイアップ相手として提案することができます。そのためPRしたい商材やサービスに最適なYouTuberをアサインできる可能性が高いでしょう。
さらに優秀なキャスティング会社や代理店は、コミュニケーションプランの策定や分析・効果測定を手伝ってくれることもあります。
コミュニケーションプラン策定とは、「誰に」「何を」「どのように」を決めることです。言い換えれば、誰に向けてPRをするべきか、何をPRとして伝えるべきか、どのようにPRを行うべきかという戦略を考えるのが、コミュニケーションプラン策定です。効果的なタイアップを行うためは、まずコミュニケーションプランを策定し、動画の企画を立て、その企画に適切なYouTuberを選ぶ必要があります。また、分析・効果測定はタイアップ動画の公開後にその効果を分析し、測定をすることです。分析・効果測定を行わなければ、タイアップの効果がどうだったのかが分からずに終わってしまいます。施策を実行したら、認知や購買にどのような効果が見られたかを分析し、効果を測定することで次回以降の施策に活かすようにしましょう。
キャスティング会社や代理店に依頼する場合注意したいのは、マージンが高くなることがある点です。依頼するYouTuberから提案された値段に、キャスティング会社や代理店のサービス料金が上乗せされているためです。提供されるサービスに対して価格が見合っているかどうかは注意した方が無難でしょう。
YouTuber事務所
YouTuber事務所は、YouTuberのマネジメントを行っている会社です。依頼したいYouTuberが事務所に所属していた場合、事務所にその旨を伝えればアサインや動画制作をしてくれます。
YouTuber事務所はマージンがかからないため、キャスティング会社や代理店と比べて安い費用でYouTuberをアサインすることができます。特定のYouTuberに依頼したい場合は、その人が所属している事務所を調べて依頼をすると良いです。
一方YouTuber事務所は所属しているYouTuberの中からアサインする相手を決めることが多く、タイアップできるYouTuberの選択肢が限られる傾向にあります。
女性のYouTuberに力を入れている事務所や、大人向けのYouTuberに力を入れている事務所など会社によって得意なジャンルが違うこともあるため、依頼を検討する会社の特徴を見極めることも重要になるでしょう。
YouTuberへ直接依頼
事務所に所属せず個人で活動をしているYouTuberもいます。そのようなYouTuberには、直接依頼をすることができる場合があるのです。直接依頼をすれば、本来事務所やキャスティング会社がとっているマネジメント料や仲介手数料をかけずに安価でタイアップを実施することができます。
ただし直接依頼をする場合の注意点は、YouTuberを探し、交渉をするのに多くの時間がかかることです。また企画立案やコミュニケーションプラン策定なども自身で行わなくてはなりません。
ノウハウが必要とされるだけでなく多くの工数がかかるため、すでに自社でつながりのあるYouTuberがいる、などの場合以外には、基本的にキャスティング会社や代理店、YouTuber事務所に依頼することをオススメします。
YoutuberとYouTube広告の違い
YouTubeを活用したマーケティングでは、大きく分けて「YouTube広告」と「YouTuberタイアップ」があります。それぞれの特徴について理解をして、目的に応じて活用することが重要となります。
まず、YouTube広告とYouTuberタイアップの違いについて解説します。
YouTube広告とYouTuberタイアップとは?
YouTube広告は、Google広告を通して配信することが可能で、ターゲティングや予算の設定が比較的柔軟に行うことができます。広告主が直接広告を管理し、特定の視聴者層にリーチされるように調整して成果を出していきます。
一方、YouTuberタイアップでは、人気のYouTuberに自社の商品やサービスを紹介してもらう手法を取ります。YouTuberの影響力などを活用して、視聴者に対して自然に訴求することが可能です。
以下にYouTube広告とYouTuberタイアップの違いについてまとめます。
項目 | YouTube広告 | YouTuberタイアップ |
---|---|---|
配信方法 | Google広告を通して配信 | 人気YouTuberとの個別契約 |
ターゲティング | 年齢、性別など詳細設定可能 | YouTuberのファン層に依存 |
費用構造 | CPVやCPMなどの課金方式 | YouTuberへの支払い |
メリット | 広範囲へのリーチ、柔軟な予算設定 | 高い影響力、エンゲージメント向上 |
デメリット | 広告感強いのでスキップされる可能性がある | 調整や制作に時間がかかる |
Youtube広告の代表的な広告フォーマット
YouTube広告には、様々なフォーマットがあります。ここでは、代表的な広告フォーマットを紹介します。
インストリーム広告(スキップ可能)
動画の再生前後や途中に広告が表示され、5秒後にスキップすることができます。視聴者が30秒以上視聴するか、広告を操作した場合に課金がされます。
インストリーム広告(スキップ不可)
15秒以内の広告で、スキップをすることができないのが特徴です。ブランドの認知拡大・向上に向いています。
バンパー広告(スキップ不可)
6秒以内の短い動画広告で、スキップをすることはできません。短時間で強い印象を与えることができるため、ブランディング向上に向いているフォーマットです。
インフィード広告
YouTubeの検索結果や関連動画、ホームフィードなどに表示されます。ユーザーがサムネイルをクリックすると再生されます。
アウトストリーム広告
YouTube以外のGoogle動画パートナーサイトやアプリで配信される動画広告を指します。音声がミュートの状態で再生が始まり、ユーザーが画面をタップすると音声付きで視聴することができます。
マストヘッド広告
YouTubeのホームフィードの最上部に大きく表示される広告で、動画が自動再生されます。こちらはプレミアム広告枠となっており、ブランド認知に最適なフォーマットとなっています。
YouTubeショート広告
YouTube Shortsのフィード内に表示される縦型の短尺動画広告を指します。ユーザーのスマ-トフォンで視聴する際に表示されます。
Youtube広告の課金方式と配信の仕組み(CPV/CPMなど)
YouTube広告では、配信の目的や形式に応じて複数の課金方式が用意されています。課金方式を正しく知ることで無駄なコストの削減と広告の効果を最大化することにつながるでしょう。
以下では、代表的なCPV方式とCPM方式について詳しく解説します。
CPV(Cost Per View)方式
CPV課金とは、ユーザーが広告を実際に視聴・クリックした場合にのみ費用が課金される方式です。
■課金条件
- 広告を30秒以上視聴した場合
- 30秒以内の動画を最後まで視聴した場合
- 広告内のCTAなどをクリックした場合
■主な対象フォーマット
- インストリーム広告(スキップ可能)
- インフィード広告(検索結果や関連動画に表示)
■相場感
- 1視聴あたり5~15円程度
- 業種や競合状況により変動
この方式では、30秒以上もしくは最後まで視聴されないと費用が発生しないため、興味関心が高いユーザーに効率的にアプローチしたい場合に有効です。
CPM(Cost Per Mille)方式
CPM課金は、広告が1,000回表示されるごとに課金される仕組みで、ユーザーのクリックや視聴完了に関係がなく、課金がされます。
■課金条件
- 広告が1,000回表示された時点で費用発生
(アウトストリーム広告など一部は視認可能インプレッション vCPM)
■主な対象フォーマット
- スキップ不可のインストリーム広告
- バンパー広告(6秒以内)
- アウトストリーム広告(Webやアプリでの自動再生)
- マストヘッド広告(YouTubeトップページの最上部)
■相場感
- 1,000回表示あたり500~2,000円程度
- 予約型のマストヘッド広告などは数十万~数百万円規模になることも
CPM方式は、視認性が高いため、短期的な認知拡大を狙うことに向いており、テレビCMの補完として活用されることもあります。
ターゲティング設計とタイアップの相乗効果
YouTube広告では、正確なターゲティング設定により、「届けたいユーザーにだけ広告を届ける」戦略的な配信を行うことができます。さらに近年では、YouTuberとのタイアップ施策を広告と組み合わせることで、より高い効果を得ることができる可能性が高まっています。
ユーザー属性
年齢、性別、世帯収入などの情報に基づいた絞り込みが可能。例えば、「18〜24歳の都市部の男性」など、サービスや商材に応じた配信が可能です。
興味関心
アフィニティカテゴリやカスタムインテントを活用して、それに対する関心が高い層にピンポイントで訴求することができます。
コンテンツターゲティング
特定のキーワードやトピック、プレースメント(YouTubeチャンネル)を指定して配信することができます。たとえば、「旅行系やVlog系のチャンネルだけに広告を表示」などの設定をすることができます。
地域ターゲティング
国、都道府県、市区町村単位でエリアを限定することができます。特定の地域特化の商品やサービスとの相性が非常によく、広告効果を期待できます。
これらのターゲティング設定を活用して、YouTuberタイアップとうまく組み合わせることで、より効果的なマーケティング施策が実現できます。
たとえば、特定の地域や興味関心を持つユーザーに対して、関連性の高いYouTuberとのタイアップ動画を広告として配信することで、より高い広告効果を得ることができるでしょう。
YouTuberタイアップの注意点
上記で述べたように、YouTuberタイアップは商品やサービスのプロモーションに効果を発揮します。その一方で、YouTuberタイアップにはいくつか注意点もあります。
ここではタイアップを検討するうえで知っておきたい注意点についてご説明します。
依頼を断られることがある
企画や実施時期によってはYouTuberからタイアップの依頼を断られることがあります。YouTuberが他の案件を抱えていたり、提案された企画が通常公開している動画の企画と大幅に異なる場合などです。
YouTuber側にも都合はあります。依頼を断られる場合に備えて複数のYouTuberに実施の可否を取り、実施可能なYouTuberにアサインできるようにしましょう。
単発の実施では効果が分かりづらい
「単発の実施では効果が分かりづらい」ことも注意点として挙げられます。単発とは「1度のみタイアップを行うこと」です。
タイアップを行うのが1度のみの場合、本来商材に対して与えられる影響を測定することが難しくなります。思うような結果が出なければ「YouTuberタイアップは効果がない」と言わざるを得なくなってしまうかもしれません。複数回施策を行いながら最適化をしなければ、いつまでも最良の結果を得ることはできないはずです。
だからこそ他のマーケティング施策と同じように、YouTuberタイアップも複数回行うことで施策の最適化を図るべきなのです。予算が限られている場合には「予算を分配させて複数回タイアップを行う」ことが有効です。
たとえば300万円の予算があるとしましょう。予算を全て使いタイアップ費用が300万円のYouTuber1人に依頼をするよりも、
- 一般的に知名度がある150万円の有名YouTuber
- ジャンルの中で有名な100万円のYouTuber
- 知名度は高くないが濃いファンを抱えている50万円のYouTuber
の3人に依頼をして複数人に予算を配分することで、施策の最適化が期待できます。そのように予算を分配すれば、
- 150万円のYouTuberの動画では認知が獲得できた
- 50万円のYouTuberの動画では濃いファンが商品を購入したため、購買につながった
- その結果を踏まえ、購買数を増やすために50万円のYouTuberに視聴者層が近いYouTuberを次回も起用しよう
などの改善を行うことができるでしょう。また、予算を分配させて複数回タイアップを行えばリスクヘッジにも繋がります。高額な予算をかけてタイアップを行ったとしても、思うような結果が出ないことはあります。
しかし予算を分配させて複数回タイアップを行えば、すべて失敗するという自体は避けられるはずです。複数回行ったタイアップの中で非常に高い効果が出るものもあるかもしれません。単発ではなく複数のYouTuberを起用することで、より効果的なタイアップを行いましょう。
タイアップを成功させるポイント
YouTuberタイアップを成功させるポイントは、適切なYouTuberや企画を選ぶことです。これを失敗してしまうと、お金をかけたのにタイアップ動画の再生回数が伸びない、あるいは期待した結果が得られないという事態になってしまうことがあります。
適切なYouTuberや企画の選び方についてご説明します。
YouTuberの選び方
適切なYouTuberを選ぶポイントは、YouTuberの視聴者が商材やサービスのターゲットに合っているかです。YouTuberによってどのような視聴者を抱えているかは異なります。それぞれ視聴者が多い年齢層、ジャンルがあるのです。
たとえばメイク動画を多く公開しているある女性YouTuberは、20代でメイクに興味がある視聴者を多く抱えています。この女性YouTuberに化粧品のPR依頼をすれば、メイクに興味のある視聴者がその化粧品に興味を持つ可能性が高いでしょう。
一方エンタメ系の動画を多く公開しているある男性YouTuberは、視聴者の多くが13-17歳の男性です。もしこの男性YouTuberに「40代の男性向けの商品」のPR依頼をしたとしても、視聴者の多くが13-17歳では効果にあまり繋がらない施策になってしまいます。
YouTuberの視聴者層がPRをする商材・サービスのターゲット層に合っているかは必ず確認しましょう。特に年齢や性別、視聴者の属性には要注意です。
企画の選び方
タイアップ動画で適切な企画を選ぶポイントは自然な企画を立てることです。自然な企画とは、YouTuberのキャラクターや普段の主張に近いという意味です。
YouTuberタイアップでやってはいけないことは何でしょうか。それは不自然に商品説明をすることです。いくら商品について詳細に説明をした動画でも、普段YouTuberが公開しているような内容と違えば視聴者は見てくれないのです。
商品の良さや使い方だけを説明する動画ではなく、YouTuberの通常の動画と比べて違和感がない自然な動画になるよう企画を立て、その企画の中で、違和感なく商品のPRを行うべきです。
YouTuber・企画を選ぶコツ
より効果が高いタイアップを行うためにYouTuberや企画を選ぶ際のコツは、認知や購買など効果を得たいものによって企画を変えることです。
認知を増やしたい場合、
- 知名度の高いYouTuberを起用する
- YouTuberのファン以外にも視聴されやすい企画にする
などが効果的です。たとえば芸能人や有名YouTuberを使ったバラエティー企画などがその一例でしょう。
認知を増やすためには多くの人の目に触れるようにすることが重要です。企画を工夫し、YouTuberのファンでなくても「見たい!」「面白そう!」と思える動画にすることで、再生回数が伸び多くの視聴者に商品を知ってもらうことが可能になるのです。
購買を増やしたい場合はどうでしょうか。
購買を増やしたい場合には「濃いファンを抱えているYouTuberとタイアップを行う」などが効果的です。濃いファンは「YouTuberを応援したい!」という気持ちを強く持っていることも多く、紹介された商品を購入しやすい傾向にあります。特に購買を増やしたい場合は、そのようなYouTuberを起用することで高い効果を得やすくなるのです。
これらのコツを活かし効果的なタイアップを行った事例について後ほどご紹介します。
YouTuberタイアップの費用相場
ここまでYouTuberタイアップで得られる効果や注意点、YouTuberや企画の選び方について紹介してきました。では、実際にYouTuberタイアップを行うとなると、料金はどれくらいかかるのでしょうか。
YouTuberタイアップの費用相場
YouTuberとのタイアップの費用は、動画一本で数万円から数千万円と幅広く設定されています。これは、各YouTuberの影響力や動画のジャンル、投稿内容、ファン層、投稿形態など、多くの要因によって費用が左右されるためです。
特に近年では、登録者数だけではなく、動画の平均再生回数やエンゲージメント率などが重要な要素となっています。また、インフルエンサーマーケティングの市場成長に伴って、人気YouTuberのタイアップ費用も全体的に上昇傾向にあります。
以下にタイアップの費用相場をチャンネル登録者数ごとにまとめて解説します。前述したとおり、「登録者数が多い=費用が高い」とは言えないため、あくまで参考としてご覧ください。
登録者数 | 費用 |
---|---|
1万人未満 | 5万~10万 |
1万~10万 | 10万~50万 |
10万~50万 | 50万~100万 |
50万~100万 | 150万~400万 |
100万超え | 400万~1,500万 |
これらがYouTuberタイアップにおける費用の相場です。
費用相場はあくまで目安にすぎません。重要なのは、自社のサービスや商品のターゲットに合ったYouTuberとタイアップすることです。
Youtuberタイアップ費用の注意点
注意したいのは、再生回数があまり多くないにも関わらず料金が高額なことがある点です。中には再生回数が2万回程度にも関わらず費用が250万円ほどかかるケースなどもあります。これはYouTuberやYouTuber事務所側に価格の決定権があるためです。YouTuberがいくらで案件を引き受けたいかや、YouTuber事務所がいくらで案件を引き受けさせたいかなどに応じて価格が変わるのです。
効果に見合わない費用を払って損をしてしまわないためにも「再生回数に対して予算は適切か」を見極めることをオススメします。中長期的に見ればいずれ価格は適正化されるでしょうが、適正価格でないこともあるのがYouTuberタイアップの現状なのです。
適正価格かどうかご自身で判断することが難しければ、弊社にお問い合わせください。
YouTuberタイアップの事例5選
YouTuberタイアップを行った企業の事例をご説明します。成功しているタイアップには成功した理由があるのです。「なぜ成功したのか」「成功させるためにはどうしたら良いか」についても弊社の見解を紹介します。事例と合わせて参考にしていただければ幸いです。
※ここでご紹介する事例は当社の提供するサービスとの関連性はありません
【企業事例1】株式会社コナミデジタルエンタテインメント
まずはゲームのタイアップ事例をご紹介します。
このタイアップには下記の特徴があります。
- ターゲット層と相性の良いYouTuberを起用
- 約1時間30分に渡り実際にゲームをプレー
- 案件ながら再生回数は1,000万回を突破
ターゲット層と相性が良いYouTuberを起用し、実際に商品をプレーすることで案件ながらも多くの再生回数を獲得した事例だと言えます。2025年7月現在、再生回数は1,016万回再生されており、いいね数は5.1万回、コメント数は2,831件を獲得しています。
こちらの商材のターゲット層は幅広くライトにゲームをプレーする人が多いと考えられます。そのようなターゲットに人気YouTuberを起用することで、効果的に訴求を行うことができました。さらに商品をプレーして楽しむ様子を動画にすることで、商品の良さをファンや視聴者に伝えることにも成功しています。
「1時間半があまりにもあっという間だった」
「めちゃくちゃおもしろい!!本当に最後まで見てよかったー!!」
「はじめてYouTubeで長時間視聴した笑」
などのコメントがあり、視聴者がPRを好意的に受け入れていることが分かります。
また、この動画からは「企画立案」のヒントを得ることもできます。再生回数が伸びた理由には3人でゲームをプレーし、対決をする企画にしたこともあるでしょう。1人でゲームをプレーするのではなく、複数人で対決をすることで「誰が勝つか分からなくて気になる」という状況にしています。それにより視聴者に「動画を見てみよう!」「動画面白かった!」と思わせることができるのです。
【企業事例2】株式会社ディー・アップ
こちらは化粧品の企業タイアップ事例です。皮膜式ふたえコスメをYouTuberが実際に使用することで、商品の魅力や使い方が伝わる動画になっています。
このタイアップには下記の特徴があります。
- ファンとのつながりが濃いYouTuberを起用
- 好意的なコメントを多く獲得
2025年7月現在、再生回数は51万回、いいね数は6,732回、コメント数は227件獲得しています。
タイアップを行った水越みさとさんが「ファンとのつながりが濃い」と思われる理由には、その信頼度の高さがあります。彼女が公開している動画は手間をかけて制作したであろうものが多いです。参考動画以下。
- 【3000人に聞いた】2020年上半期ベストコスメランキング!買ってよかったお気に入りコスメ※プチプラ多め
- 【ベースメイク】リキッドファンデ30種類徹底比較!崩れにくいおすすめは?カバー力は?RMK/SUQQUなど全部検証◎水越みさと
このようなYouTuberがタイアップを行うことで、動画を見たファンや視聴者が「水越みさとさんの紹介なら信頼できる!購入しよう!」と思えるのです。
実際にコメントには
「おりしき試してみます」
「明日買いに行きます笑」
「本当に良いのかわからなかったので買わなかったんですけどみさとさんが紹介してて買ってみようと思いました!!!」
などがあり、視聴者がYouTuberを信頼しPRされた商品の購入意向を高めていることが分かります。
視聴者・YouTuber間のつながりが強い場合「○○さん(ユーチューバー)がおすすめしているから買いたい!」と好意的に受け止めるファンが多く、購買に繋がりやすい効果的なPRになる傾向があるのです。
【企業事例3】アサヒビール株式会社
こちらは飲料品の企業タイアップ事例です。
このタイアップには下記の特徴があります。
- タイアップの前から既に商材を利用しているYouTuberを起用
- 自然なタイアップ動画を作成
- 好意的なコメントを多く獲得
2025年7月現在、再生回数は341万回、いいね数は3.8万、コメント数は2,927件を獲得しています。
このタイアップが成功した理由として「タイアップ企画の前から既に商材を利用しているYouTuberを起用することで、視聴者にとっても納得感のある紹介動画となり、高いエンゲージメントを獲得した」ことが言えます。
YouTuberによっては、PRしたい商品やサービスを既に愛用している場合があります。そのようなYouTuberを選ぶとタイアップをより効果的に行うことができます。元々商品やサービスを使用していたYouTuberであれば商品やサービスの良さもよく分かっていますし、実際に自分が使用しているものをオススメすることになるので「不自然なPR動画」として視聴者に違和感を与えることも少ないでしょう。
実際この動画ではYouTuberが元々愛飲していた商品とタイアップを行ったため
「提供史上1番違和感ない動画」
「案件なのに、いつもと絵面全く変わらないの草生える😂次はテレビCM待ってます!」
「本当におめでとうございます🍺いつも応援しています!」
など、コメントも非常に好意的なものが寄せられています。
【企業事例4】株式会社SGGKグループインターナショナル
こちらは食品の企業タイアップ事例です。
このタイアップには下記の特徴があります。
- コロナ渦におけるニーズを活用
- 「おうち時間の贅沢」というベネフィットを訴求
- 通常動画よりも高い再生回数を獲得
2025年7月時点で、再生回数は41,000回、いいね数は603回、コメント数は59件獲得しています。商材をそのまま紹介するのではなく「おうち時間の贅沢」というベネフィットを訴求することで、通常動画よりも高い再生回数の獲得に成功しています。
コロナ渦において「おうち時間を楽しみたい」というニーズが高まったと言えるでしょう。そのような視聴者のニーズを捉え、おうちで本格的な牛タンを楽しむことを訴求したことが、通常動画よりも再生回数を獲得した理由だと考えられます。
コメントには
「美味しそう〜🤤食べたーい 柔らかくて美味しいならうちも購入してみたーい😋」
「この動画を見て家も早速厚切り牛タンを購入してみました。届くのが楽しみにです」
「牛タン凄く美味しそうですね!我が家も買ってみます!」
とあり、タイアップが購買につながっていることが分かります。
【事例5】OUTDOOR PRODUCTS
こちらは服飾雑貨の企業タイアップ事例です。
このタイアップには下記の特徴があります。
- YouTubeで人気の企画フォーマットを採用
- 通常動画よりも高い再生回数を獲得
2025年7月現在、再生回数は15万回、いいね数は1071回、コメント数は165件を獲得しています。
トレンドとなっているルーティン企画を動画に取り入れることで、通常の動画よりも高い再生回数を獲得することに成功した事例です。
ルーティン動画はYouTubeで人気の企画であり多くの視聴者に視聴されています。そのため他に公開されている動画よりも伸びやすく、実際のYouTuberの実力以上に視聴回数を伸ばせる傾向があるのです。実際に他の動画の再生回数が2.1万回や4.4万回などのなか、こちらの動画は案件にも関わらず15万回再生されています。
コメントには
「リュック型のエコバッグを探してて、試しに買ってみました❗今日使ってみたらすごく荷物が軽く感じました☺️教えてもらえて助かりました🍀」
「エコバッグ良いですね!買おうかなとAmazon見たら、YOUさんの写真が載ってるんですね❣️思ったよりお高め商品でしたが、欲しくなりました✨」
などとあり、タイアップが購買につながっていることが分かります。
弊社の事例2選
弊社、株式会社CINCではYoutubeに関連するコンサルティングを行っています。Youtuberとのタイアップもお任せいただくことがあり、最後に弊社の事例を2つ紹介します。タイアップ施策実施後の売上高が167%増加した事例や、CPVを30%以上改善した事例があります。
【事例1】日用品メーカー
日用品メーカーの商材の強みが活きる企画でタイアップを行った事例です。CPVは4.6円に抑えられ、タイアップ施策実施後1週間での売上高は、タイアップ実施前の1週間と比べて167%増加しました。
※CPV…Cost Per Viewの略で広告視聴1回あたりのコストのこと

【事例2】チルド食品
チルド食品のタイアップにおいて複数のYouTuberとタイアップを実施。効果改善を行った結果、CPVを30%以上改善することに成功しました。
- 6月:本格料理チャンネル
∟CPV 9.3円 - 8月:一人飲みチャンネル
∟CPV 7.6円 - 10月:大食いチャンネル
∟CPV 6.3円
複数のYouTuberと行ったタイアップで、最も効果が見られたタイアップの企画・YouTuberに絞って次回以降の施策を行いました。その結果、当初9.3円だったCPVを6.3円まで下げることができました。
また中期間施策を継続した結果、ブランドの認知率が向上し、指名検索数が130.1%増加しました(本結果にはその他施策効果も含まれます)。
※指名検索…商品・サービス名や企業名などの固有名詞をキーワードとして入力し検索を行うこと

まとめ
YouTuberタイアップはYouTuberのファンや動画の視聴者の認知や興味、購買意向を高めることができるプロモーションです。 その特徴を生かし、多くの企業様がYoutuberタイアップで高い成果をあげています。
プラットフォームが盛り上がっているタイミングで施策を行えば、さらに効果的にタイアップを行うことができるでしょう。
一方、上述してきたようにYouTuberタイアップには下記の注意点もあります。
- 不自然に商品・サービスの紹介をすると失敗することがある
- 適切なYouTuberをキャスティングするためにはコツが必要
- 単発での実施では仮説検証できない
- 施策実施後の効果測定があまり行われない
タイアップを実施される際は自然なPR動画を作成する点や、仮説検証を行う点、分析・効果測定を行う点などに注意してください。 効果的なタイアップを行うことでその特徴を最大限に活かし、成果を創出しましょう。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
YouTubeチャンネルを運用している・今後運用を考えている企業マーケティング担当者様へ
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