Twitter監視で企業の炎上対策!SNS監視ツールから方法について解説
SNS監視と聞くと特定の対象を粘着質に見張る行為のことを想像する方もいらっしゃるかもしれません。本記事での「監視」とはSNS上を事前にパトロールし、ネット炎上の火種となる投稿をモニタリングすることを指します。
SNS運用の際に気を付けなければならないこと、特に対策のいるSNSであるTwitterに焦点をあてながら、実際の監視の方法や炎上してしまった際の対応までを解説していきます。
目次
SNS運用に「監視」が必須な理由
では、なぜSNSを監視する必要があるのでしょうか。まずは、その理由から考えていきます。
万が一のリスクを最小限にとどめるためのSNS監視
一個人での利用の範囲では、あまりSNSを監視することは選択肢として思い浮かばないかもしれません。しかし、誰もがスマートフォンを手にし、気軽にSNSに投稿できるようになったため、悪意のある投稿でなくともすぐに拡散され炎上に発展するようになりました。リスク管理の観点から影響力の大きいアカウントや、企業が運用するSNSでは監視体制を整えることは必須といえるでしょう。
諸刃の剣、”拡散力”の高いTwitter
Twitterはリツイート機能によって、他のSNSに比べてシェア、拡散が行われやすい特徴があります。利用者数が最も多いLINEや、Twitterの次に多く利用されているInstagramは、公式にはTwitterのリツイートのようなシェア機能は実装されていません。また、Twitterはアカウント開設のハードルが低く、複数アカウント所持が可能なことから、利用するユーザーは匿名アカウントが多く、そのためよりユーザーの本音に近い投稿(生の声)がされやすい特徴もあわせもっています。
マーケティングを行うプラットフォームとして、Twitterは非常に有用なSNSであることは間違いありません。
しかし一方で、光が強ければその分影も大きくなります。強みである拡散性がネガティブな方向に向かうと、人の感情を刺激して一気に「炎上」してしまいます。数年前までは5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)が炎上の中心地となっていましたが、現在ではユーザー数の多いTwitterをきっかけとして炎上するケースが圧倒的に多いです。プラットフォームの特性から誹謗中傷も起こりやすく、重大な問題に発展するケースも目立ってきています。
炎上事例
SNS炎上の火種は、極々些細なことから、人によって意見が大きく分かれるセンシティブな問題まで様々です、中でも政治やジェンダー、人種などのセンシティブな話題は細心の注意が必要です。
ここでは炎上によって被害を被った企業の事例について簡単に見ていき、監視の必要性について改めて考えます。
事例①洋服の青山
2020年6月、洋服の青山が「#透けハラあるある」というハッシュタグをつけてツイートを投稿した人の中から抽選でプレゼントを送るというキャンペーンを展開しました。
※透けハラとは夏場にシャツが汗ばみ、中に着ている下着が薄っすらと見えることに対して他者が不快感を抱くことを指すそうです。
しかし、「安易にハラスメントという言葉をマーケティングの道具として使うな」といった趣旨の批判が相次ぎました。意図せず想定とは違った方向に炎上が広がってしまった例といえます。このキャンペーンはその日のうちに一時停止されましたが、Twitterに投稿された謝罪文の内容が不誠実だとしてさらに批判が集まってしまいました。
事例②ウォルト・ディズニー・ジャパン
2015年8月9日(日)ウォルト・ディズニー・ジャパン公式アカウントが「A VERYMERRY UNBIRTHDAY TO YOU!」のメッセージが入った、アリスの画像と意訳した「なんでもない日おめでとう」というメッセージを投稿し、炎上しました。
8月9日は長崎原爆記念日であり、特に2015年8月9日は原爆投下から70年の節目の年でした。原爆の日に、国民感情を逆撫でするようなツイートをしたとして、批判が相次ぎました。
ウォルト・ディズニー・ジャパンの公式アカウントは該当ツイートを削除し、謝罪を行いました。
SNSを監視するには
SNSを監視する方法は大きく分けて「目視」「外注」「ツール」の3つです。この3つのいずれか、または複数を併用することになります。それぞれ見ていきましょう。
目視でパトロールする
まず1つ目の目視についてです。読んで字のごとく人の目で企業名や商品・サービス名など、監視したい特定のキーワードがSNS上で言及されているのかどうかについて、いわゆるエゴサーチをして調べていきます。
目視でSNS監視するメリット
目視での監視のメリットは簡単に始められることです。以下で解説する無料で監視する方法を学べばすぐにでも監視を始めることができます。また、自社内だけで監視体制を完結させることができるため、監視する際の情報共有や実際に炎上を引き起こしそうな投稿を見つけた際の連携など、コミュニケーションを比較的スムーズに行うことができます。
目視で監視する際のポイントと限界
目視だけで監視を行うことはメリットが少なく、デメリットの方が大きいことも事実です。外注、ツールのどちらかと併用しなければ強固な監視体制を敷くことはできないでしょう。SNS運用担当者には通常の業務に加えてさらに監視のリソースが割かれてしまいます。また、SNS監視専属の人員を自社内に配置することは、おそらくほとんどの企業にとってコストの面からも現実的ではありません。複数人をアサインし、分担して監視にあたったとしても、膨大な投稿量であるTwitterにおいては、監視の目が届かないという状況は容易に想像できるでしょう。
ただし、その中でもポイントを絞って対策できれば、何もやらないよりは効果的です。その際、絶対に押さえておくべきキーワードを決めることが重要です。目視でできる限界を見定めながら、何ができて、何ができないのか、「選択と集中」の範囲をしっかりと言語化しておくことが求められます。
SNS監視を外注する
2つ目の外注についてです。外注することによってSNS監視を専門の業者に任せることができます。
SNS監視を外注するメリット
外注するメリットの1つ目は、まさしく先ほど目視の監視で挙げたデメリットを解消できる点です。自社内のリソースを余分に割くことなくSNS監視をすることができます。
2つ目は監視を専門にしている業者だからこそ、豊富な運用知識から自社に適した体制を築いてもらうことも可能な点です。万全な体制を築きたい際にはぜひ検討してみましょう。
外注先を選ぶポイント・注意点
とはいえ、目視での監視だけで済ませるよりも余分な予算がかかることは間違いないです。サービスが適切なものか、予算に見合うのか、目視監視でできないことができるようになっているかなどのポイントは確認が必要です。
ツールを使って監視をする
最後にツールについてです。現在、SNSやWebサイトを監視する様々なツールが提供されています。ツールを用いることで、人間の目で確認することができない膨大な数を常時監視することができます。
ツールを使うメリット
ツールを用いることで、人間が見逃してしまうような些細な点からもアラートを検知することが可能です。また、監視を専門としている業者の多くは有人の24時間監視と、ツールでの監視を組み合わせたサービスを展開しています。
ツールを選ぶポイント・注意点
外注の際にも述べましたが、ツールの導入が費用対効果があるのかというポイントは外せません。明らかに目視でできないことが可能となっていない場合、ツールの特性を活かせていないといえるでしょう。
無料でできるTwitter監視の方法
さて、ここまで説明してきたSNS監視に関する前提知識を踏まえて、Twitterを無料で監視する方法をみていきましょう。
無料でできる方法はTwitter検索、Yahoo!リアルタイム、Googleアラートの3つです。これらをしっかりと活用できるようになるだけでも、炎上リスクを低減させることができます。
Twitter検索
Twitter監視に役立つ検索コマンド
Twitterには検索コマンドが用意されているのはご存じでしょうか。膨大な投稿の中から炎上の火種を見つける作業には、それなりの時間がかかります。その際、調べる範囲を絞って監視するのに役立つのが検索コマンドです。
WebブラウザからTwitterを開くと「高度な検索」という機能を使うことができます。この機能は検索コマンドの知識がなくても、検索コマンドを使った状態と同様に検索することができます。(ただし、現在モバイルアプリではこの機能は実装されておりません。)
このような画面が表示され、「高度な検索」をクリックすると、
このような画面が表示されます。監視したい対象に沿ってキーワードを入力していきましょう。監視の観点から特に役立つコマンドは以下の8つです。(モバイルアプリの場合は、検索窓に打ち込むことで、高度な検索を実現できます。)
▼ AND検索
複数のキーワードを検索することができます。ただし検索コマンドを使わなくとも、複数キーワードを入力した際にはデフォルトでAND検索になっています。
▼ OR検索
キーワードとキーワードの間に半角スペースをあけORと入力して検索すると少なくともどれか1つを含むツイートを調べることができます。
▼ -検索
対象となるキーワードを除外したい場合、キーワードの前に「-」を付けることで省くことができます。
▼ 完全一致検索
「“”」ダブルクォーテーションを付けて検索するとキーワードに完全一致しているものだけが表示されます。AND検索、OR検索、-検索では、検索結果が想定とブレた状態で表示されてしまう可能性があります。確実に対象キーワードを狙って調べられるため便利です。
▼ アカウントの指定コマンド
「from:ユーザーID名」を入れて検索すると、対象のアカウントが投稿したツイートだけが検索結果に表示されます。ユーザーIDを入力する際は、@を含まなくとも検索結果に影響しません。
▼ 日付指定のコマンド
「since:年-月-日」を入れて検索すると指定した期間から最新のツイートを表示します。
「until:年-月-日」を入れて検索すると、過去から指定した期間までのツイートを表示します。なお、since検索とuntil検索を組み合わせることも可能です。その場合より細かい期間に絞って調べることができます。
▼ lang検索
調べたいキーワードにアルファベットが含まれる場合、外国語のツイートがノイズになってしまいます。その際「lang:ja」と入力することで日本語で投稿されたツイートだけに絞ることができます。
反対に言語コードの部分を入れ替えることで英語などその他の言語に絞って検索することも可能です。
これらの検索コマンドは忘れずに覚えられるようにしましょう。さらに検索コマンド同士を組み合わせて使うこともできます。例えば、特定のユーザーが対象期間内(2021年1月~2月)に監視キーワードを含んだ投稿をしているかを調べたい場合、from:と 日付指定コマンドを駆使し、このように入力します。
「from:○○(アカウント名 ) since:2021-1-1 until:2021-2-1 ○○(監視キーワード)」
日付指定する際、日にちまで指定して入力しないと検索結果がうまく表示されないので注意してください。
これらの検索コマンドを組み合わせて調べるだけでも膨大な検索結果の中から数件の投稿に絞って見つけることができます。
Yahoo!リアルタイム検索
Yahoo!リアルタイム検索でできること
キーワードが含まれるツイート数の推移に関するデータを見ることができます。期間はタブを切り替えることで直近6時間、24時間、7日間、30日間の中から選択することができます。
またYahoo!リアルタイム検索ではポジティブ・ネガティブ比率をチェックすることもできます。言及されている投稿数が多く、ネガティブな投稿の割合も多いとなると要注意です。後述する「炎上の対応」に入る準備の要否を検討する必要があります。
Yahoo!リアルタイム検索とTwitter検索をうまく組み合わせた活用が望ましいです。
注意点としてはYahoo!リアルタイム検索では30日前より遡って調べることはできないので、その場合は先ほどご紹介した検索コマンドや高度な検索を活用してTwitter内で調べてみましょう。
Googleアラート
Googleアラートは任意でキーワードを設定すると、Google検索結果上でそのキーワードを含む特定のトピックがインデックスされた際に、メールで知らせてくれる機能になります。
自社やブランドの名前、商品・サービスの名前などをキーワードで設定すれば、検索結果上にそれらが見つかった際、わざわざ探さずに、いち早く把握することができます。これを炎上対策にも活用します。
Googleアラートの設定方法
まずは、フォローしたいトピック(キーワード)を入力しましょう。そのあと、下記の項目を選ぶことで、Googleアラートを設定します。
- 頻度
- ソース
- 言語
- 地域
- 件数
- 配信先
頻度は「その都度」「1日1回以下」「週1回以下」の3つから選択できます。ソースはアラートを検知する際に必要となる情報収集源のことを指し、「自動」「ニュース」「ブログ」「ウェブ」、「ビデオ」「書籍」「ディスカッション」「金融」の8つから選択できます。
言語「すべての言語」、日本語はもちろんのこと45の言語から選択できます。件数は「すべての結果」「上位結果のみ」から選択肢します。
配信先は「Gmailのアドレス」または「RSSフィード」から選択します。多くの場合はメールアドレスでよいでしょう。
選択するとどのような通知が実際にくるかプレビューが表示されます。
これで設定が完了し、選択したオプションに沿って通知が来ます。
より本格的なTwitter監視の方法
無料サービスのみでは把握できる情報に限界があります。監視体制に不足や不満を感じた場合は有料サービスの導入を検討してみましょう。
24時間体制のTwitter監視サービス
常時監視体制のサービスに外注することで、24時間365日、Twitterのみならず、複数のSNSをモニタリングし異常を検知してくれます。プロの目線から抜け漏れなく監視キーワードを選択し、精度高くソーシャルリスニングを行い常に包囲網を強固にすることができます。
これらのサービスは、炎上後の対応についてもサポートしてくれる場合もあります。また炎上対策だけでなく、風評被害や情報漏洩などを監視するにも効果的となります。
もしも炎上してしまったら
まずは落ち着いて対応しましょう。
そのためにも、事前に運用ガイドラインを作成し、普段から炎上時の対応フローを整備していることが重要です。
前提としてTwitterやその他SNSを常に何らかの方法でモニタリングしている、ということを踏まえて対応について説明していきます。
炎上の火種を発見したときの対応方法
監視体制の中で、自社にとって不利益を被るような炎上の火種を見つけた場合、まずは状況を正確に把握することに努めましょう。その上で、炎上が広がらないようにするためには対応のスピード感がとても重要になります。上述したように自社のアカウント名や関連キーワードをGoogleアラートに登録しておくと、早期に発見できる可能性が高まります。
まずは、炎上の火種となっているユーザーに対してコメントを返すといったアクションが必要かどうか判断していきます。問題がないようであれば、即座に処置を行うことで炎上の芽を摘みましょう。
具体的には、明らかに虚偽の投稿を行っていた場合、ツイートの訂正や削除を求めたり、こちら側の不手際が発覚した際に丁寧な謝罪を行うなどです。
炎上が広がってしまった場合には1人1人に対してコメントすることは物理的に不可能です。一方、炎上が早期段階であればまだ間に合います。一歩でも遅れてしまうと、拡散のスピードの速さから炎上はすぐに広がっていきます。何度も繰り返すようですが素早い対応を心がけましょう。
炎上が広がってしまった場合の対応方法
炎上が自分たちでコントロールできる範疇を超えてしまった際の対応についてです。
まず確実に自社に落ち度がある場合は、即座に誠実な謝罪を行うことが最重要です。素早い対応が評価され、逆に称賛される例もあります。
炎上によって普段リーチしない層からの注目も集まっている状況であるため、対応次第ではネガティブな状況から、真摯な対応が評価され良い意味で注目を集められる可能性も考えられます。(とはいえ、炎上マーケティングはリスクが大きすぎるため推奨はできません。自ら炎上を起こすのは控えましょう。)
では、即座の謝罪を行っても収まる気配がない場合はどうすればいいでしょうか。多くの場合、時間が解決してくれます。静観することも一つの手かもしれません。
嬉々として炎上を燃え広げている人たちは常に次の炎上ネタを求め、新たな炎上を引き起している場所に群がって行きます。興味本位で炎上に関わっている人たちはいつか興味をなくし、離れていきます。それでもネガティブな反応を続けている人がいれば、その相手こそ本当に対応すべき相手といえるでしょう。
さらに炎上の対処方法や防止策について知りたい方は以下の記事で詳しく解説しております。
まとめ
いかかがでしたでしょうか。日々のビジネスを推進するうえで、守りを固めることの重要性は言うまでもありません。
炎上してから、「あのとき対策していれば」となってしまっては悔やんでも悔やみきれないでしょう。莫大な不利益を被ってしまえばなおさらです。
Twitter監視をまだ本格的にしたことがない方は、無料で簡単に始められる方法から。そして万全を期したい方は有料サービスやツールの導入も検討してみてはいかがでしょうか?
この記事を読むことが被害を抑えるためのご参考にになれば幸いです。
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