PAA(People Also Ask)とは?仕組みや表示されるための対策、取得ツールを紹介
本記事では、PAAの概要と表示されるメリット、取得できるツールと対策について解説します。自社のコンテンツ作成にぜひ役立ててください。
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目次
PAA (People Also Ask)とは?
PAA(People Also Ask)とは、ほかのユーザーが行った質問という意味のGoogle検索の機能です。ある検索キーワードの検索結果上に、そのキーワードに関連する質問と回答を表示する機能で、日本では「ほかの人はこちらも質問」、「関連する質問」などと表示されています。
アコーディオンメニューとして表示された質問を選択すると、その質問に対する回答と回答が掲載されているWebページへのリンクが表示され、ユーザーの検索を補助します。
キーワードによっては表示されない場合もありますが、関連する質問へ手軽にアクセスできるため、ユーザーの検索をサポートする機能として重宝されています。
サイト運営者側にとっても、PAAに自社のコンテンツを表示させられるようになったことで、トラフィック獲得につながるようになりました。検索者にとってもサイト運営者にとっても大きなメリットがある機能です。
株式会社エイチームライフデザインの調査によると、日本におけるGoogle検索では、PAAの表示率が50%以上であると報告されています。つまり、2回検索すると1回はPAAが表示されることになります。表示率が高いということは、その分利用率も高いと考えられます。
また、質問に対する回答と共に、引用元のWebページが掲載されるため、Webサイトにとって貴重な流入元になり得ます。
PAAが表示される仕組みと表示場所
PAAは、Googleの公式見解で以下のように定義されています。
ユーザーが元の検索を拡張して、より関連性の高い結果を表示するために役立つ機能。
(引用:Google検索セントラル「Google 検索の視覚要素ギャラリー」)
PAAは検索者が検索窓に入力したキーワードから抱くであろう疑問をAIで予測して質問を自動生成し、質問に対応する回答を表示しています。PAAの表示場所はキーワードによって異なりますが、おおむね検索結果の上部に表示されます。
格納されている質問を開くと、質問に対する回答とその掲載先WebページのURLが表示されます。また、ひとつ質問を開くことでさらに新しい質問がアコーディオンメニューに追加される仕様になっています。
このように、検索ユーザーの欲しい情報が先回りされて、検索結果上で早くたどり着けるようになっています。
PAAのデータ元は実際のコンテンツの一部
PAAの質問は、実際のユーザーの検索行動を基にGoogleのAIによって生成されますが、回答にあたる部分は公開されているコンテンツからの抜粋です。そのため、回答には掲載元のWebページタイトル名とURLが記載されています。詳細を知りたい場合は、そのURLをクリックすると該当のコンテンツへアクセスできる仕組みです。
表示される文字数に制限が設けられているというルールはGoogleから公表されていませんが、概ね50~150文字程度となります。どの部分が表示されるかはGoogleが判断するため、サイト運営者が指定することはできません。
傾向として、PAAの回答に表示されるためには、以下の条件が満たされていると表示されやすいと言われています。
- 端的にまとめられた回答
- 定義の説明(~とは など)
- 箇条書きによる具体例の列挙
- 料金や性能などを比較する表
- 手順などを示した画像・動画
必ずしも説明の文章だけがPAAの回答として選ばれるわけではありません。検索者の抱きそうな疑問に対する適切な回答であると判断されれば、上記のような内容も回答として表示されることを覚えておきましょう。
PAAの表示数は固定されていない
PAAは、検索当初は3~4個の表示のみですが、ひとつの質問をクリックすると新たな質問がAIによって生成されます。生成される質問の数には上限がなく、下部にどんどんと追加されます。
【通常時】
【質問をクリックしたあと】
このように、特定の質問だけを表示しているのではなく、柔軟性をもって多くの質問とそれに対する回答を表示しています。
「強調スニペット」と同じ内容が表示される傾向にある
PAAとよく似たものに強調スニペットがあります。強調スニペットとは、Google検索で「~とは」などの質問クエリを検索した際に、本文の一部が抜粋されて検索結果の一番上に表示される機能です。
2023年現在、PAAと強調スニペットで表示されるものは同じです。例えば「SEO 難易度」で検索した場合、PAAと強調スニペットは次のように表示されます。
【「東京都 最低賃金」で表示されるPAA】
【「東京都 最低賃金」で表示される強調スニペット】
表示される場所や形式が異なるものの、どちらも検索ユーザーの利便性を高めている点に変わりはありません。また、表示される仕組みに関しても、PAAと強調スニペットでは同じアルゴリズムである可能性があります。
PAAと強調スニペットの違い
仕組み上、PAAと強調スニペットはほぼ同じものです。そのうえで両者の違いとして挙げられるのが表示される場所です。
強調スニペットは検索0位と呼ばれ、検索結果1ページ目の最上部に表示されます。対してPAAは検索1ページ目の途中に表示されます。表示される場所はキーワードによって異なるため一概に特定の場所とは言えません。ただし、PAAの多くは1ページ目の1~3つ目のコンテンツ直下です。
また、強調スニペットはキーワードに応じた回答がひとつだけ表示されるのに対し、PAAは関連する質問を含めて複数表示されます。アルゴリズムなどは共通していると考えられますが、細かく見ると両者にはこれらの違いがあります。
PAA (People Also Ask)に表示されるメリット
PAAに表示されると、Webサイトへのアクセスが増加するメリットがあります。ユーザーが入力したキーワードや関連するキーワード群での流入が見込めるためです。
上述したとおりWebサイト運営者の意思で表示される部分の指定はできないものの、ユーザーが検索したキーワードと自社WebページがGoogleによって関連性があると判定されれば、今まで想定していなかったようなキーワードからアクセスが発生することも考えられます。想定していなかったキーワードで流入を狙うことができるのは大きなメリットです。
表示されるための対策は次の「PAA(People Also Ask)に表示されるための対策」で解説しますが、基本的なコンテンツSEOとほぼ同じです。
PAA(People Also Ask)に表示されるための対策
PAAの表示されるコンテンツを作成するポイントは、以下の5つです。
- 検索ボリュームが大きいKnowクエリ系を狙う
- SEOキーワードで上位表示を狙う
- PAAに表示される内容を見出し・本文に含める
- 簡潔な記述を行う
- HTMLタグを使ったマークアップを行う
- Googleのポリシーに準拠する
大まかな内容は強調スニペット表示を狙う対策と同じです。しかし、PAA特有のポイントやコツがあることも押さえておいたほうが良いでしょう。詳しく解説します。
検索ボリュームが大きいKnowクエリ系を狙う
検索ボリュームが大きい、かつ何かを知りたい場合に検索される「Knowクエリ」系のキーワードで検索された際に、PAAが表示される傾向にあります。
株式会社エイチームライフデザインの調査では、以下グラフの通り、検索ボリュームの大きいキーワードほど、PAAが表示されやすいことが報告されています。
(引用:https://ld-note.a-tm.co.jp/n/nd3120a4e7600)
また、同社の調査では、意味や目的、時期や期限など「何かを知りたい」場合に検索されるキーワード(Knowクエリ)のほうが、何か行動を起こしたい場合に検索されるキーワード(Doクエリ)や、何かの商品・サービスを購入したい場合に検索されるキーワード(buyクエリ)よりもPAAが表示されやすいことが分かりました。
(引用:https://ld-note.a-tm.co.jp/n/nd3120a4e7600)
「Knowクエリ」をはじめ、検索クエリの種類や特徴について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてみてください。
「検索クエリとは?調べ方や種類、検索キーワードとの違いを解説」
キーワードで上位表示される
「「強調スニペット」と同じ内容が表示される傾向にある」でも触れた通り、強調スニペットを狙うことでPAAにも表示されやすくなる可能性が高くなります。
キーワードにもよるため一概には言えませんが、10位以内の上位表示になることで強調スニペットに選ばれやすくなる傾向にあるため、つまりPAAに選ばれる可能性も高まると考えられます。
Googleに評価されていないと考えられる検索順位が低いページは、PAAに選ばれにくいため、まずは上位表示されるような良質なコンテンツを制作するようにしましょう。
PAAに表示されるキーワードの回答を見出し・本文に含める
AIによって生成されているものの、表示される内容は過去の膨大なユーザーの検索結果をもとにしているため、PAAはユーザーのニーズを反映しています。そのため冒頭でも述べた通り、PAAはコンテンツSEOにとって重要な情報の一つだと考えられます。
したがって、PAAの質問と回答を記事内の見出しや本文に含めるとこで、ユーザーのニーズを満たすページであると評価され、上位表示に貢献し、その結果PAAに表示される可能性も高まります。もちろん、一言一句同じ状態ではGoogleによって評価されないため、ニーズを把握してその傾向に合わせた見出し・本文の作成を行わなければなりません。
記述を工夫する
PREP法などを用いて、簡潔な記述を行うことでPAAに表示されやすくなります。強調スニペットも含めて、PAAは50~150文字程度で記載されていることが多いため、だいたいこの文字数に収まる形の簡潔な回答を記載しましょう。
また、PAAはWebページの口語や疑問文で記載された部分がPAAに抜粋される傾向があります。そのため、口語や疑問文を上手く活用することも、PAAに採用されやすくなるポイントです。
検索意図によって、強調スニペットやPAAに表示されやすい書き方は異なります。以下は、主な強調スニペットおよびPAAで表示されやすい表現方法です。
検索意図 | 表現方法 | 備考 |
特定の物事や単語について知りたい |
| 「~」の部分にキーワード・単語を、「…」にテキストによる簡潔な説明を記載 |
手順や方法について知りたい |
| 番号付きリスト(リストタグ)や、画像・動画を用いて解説を記載 |
費用や性能を比較したい |
| 一覧表(テーブルタグ)を作成して可視化する |
丁寧に解説することも重要ですが、長くなりすぎるとユーザーが欲しい情報にたどり着けず、離脱してしまう原因になります。ユーザビリティ向上のためにも、簡潔な記述を意識してください。
HTMLタグを使ったマークアップを行う
HTMLタグを適切に使用したマークアップも、PAA対策では重要です。
Googleのクローラーは実際にコンテンツの内容を見ているのではなく、HTMLによって記載されたページの情報を読み込んでいます。そのため、HTMLタグに誤りがあったり、ソースコードが複雑で理解しづらいと、情報を正しく読み取れず、正しく評価されない恐れがあります。
基本的なタグであるh2やh3などの見出しの他、「list」や「table」をはじめとするタグを正しくマークアップしましょう。画像には必ず「alt」を記述するなど、細かい設定も怠らないようにしてください。
他にも、構造化データでマークアップすることでGoogleにページ情報が正確に伝わるため、PAAに採用されやすくなるという主張もあるようです。コンテンツのタイプによりますが、余裕があれば構造化データによるマークアップも行いましょう。
Googleのポリシーに準拠する
Googleには、以下の条件に当てはまった場合、スニペット表示をさせないというルールがあります。
危険なコンテンツ不正行為ハラスメントコンテンツヘイトコンテンツ操作されたメディア医療のコンテンツ露骨な性的描写を含むコンテンツテロに関するコンテンツ暴力や残虐行為下品な言葉や冒とく的表現
(引用:Google検索ヘルプ「Googleの強調スニペットの仕組み」)
強調スニペットとアルゴリズムが同じであると考えられるPAAも、上記のポリシーを準するようにしてください。これらのポリシーに違反すると、強調スニペットやPAA表示だけではなく、検索順位に対しても悪影響を及ぼす可能性があります。コンテンツの中身がポリシーに違反していないかを確認し、問題がある個所はリライトや削除などの対処を取りましょう。
PAA(People Also Ask)を取得できるツール
Webコンテンツを作成する際、PAAを調査することで、検索ユーザーのニーズを把握しやすくなります。
ただし、PAAをいちいち手作業で調べるのは非常に手間がかかります。そのため、ツールを活用して効率良く取得することが重要です。そこで本章では、PAAを取得できるツールを紹介します。
- AlsoAsked
- GetKeyword
GetKeyword
(引用:GetKeyword)
GetKeywordは、PAAも取得できるキーワードの調査・分析ツールです。無料で利用できますが、事前にパスコードを発行する必要があります。
検索窓に調査したいキーワードを入力すると、以下の4つについての詳細なデータを抽出します。
- サジェストワード
- 再検索するワード
- 質問や知りたい事
- 同時に検索ヒットするワード
PAAは「質問や知りたい事」から調べることができます。質問文と出現回数が表示されるため、優先的に対策を打つ内容も一目でわかります。使い方を解説したYouTube動画も公開されているため、参考にしてコンテンツ制作に生かすことをおすすめします。
AlsoAsked
(引用:AlsoAsked)
AlsoAskedは、海外で多くのユーザーを持つPAA対策ツールです。無料で利用できるほか、表示は英語であるものの日本語での検索も可能です。
使い方は検索窓にキーワードを入力するだけと非常にシンプルとなっています。結果が表示されるキーワードのみPAAクエリが表示されます。主に海外ユーザーが活用していますが、日本でのPAA対策でも活用可能です。
ただし、無料版では1日3回までの利用制限がかかっています。連続して使用したい場合には、有料プランへの申し込みが必要なことを覚えておきましょう。
PAA(People Also Ask)まとめ
PAAは、検索ユーザーにとって利便性を高める機能です。コンテンツ制作者にとっては流入が期待できるのはもちろん、今まで考えていなかった流入経路を見出すことができる要素でもあります。ツールを使ってわかった検索ニーズをもとに見出しや本文内で行い、PAA対策を進めていきましょう。
PAAに採用されるためには、具体的に以下の対策が重要です。
- 検索ボリュームが大きいKnowクエリ系を狙う
- SEOキーワードで上位表示を狙う
- PAAに表示される内容を見出し・本文に含める
- 簡潔な記述を行う
- HTMLタグを使ったマークアップを行う
- Googleのポリシーに準拠する
当記事を参考に、PAAについて理解を深めていただければと思います。
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