強調スニペットとは?表示させる方法や非表示対策を解説
強調スニペットが生成される手順は、Googleが検索されたクエリを分析、もっとも関連性の高いWebページを探索、関連するテキストをWebページから抽出、検索結果上部に表示となっています。
ユーザー側は知りたい情報を素早く手に入れられるというメリットがある一方で、サイトの運営側も自社ページが検索結果の一番上に目立つ形で表示されるため、ユーザーとの接触回数やサイト流入数を増やせるという利点があります。
本記事では、そんな「強調スニペット」の種類やメリットといった基本知識から、実際に強調スニペットに表示させるためのノウハウまで幅広く解説します。
目次
強調スニペットとは
強調スニペットとは、ユーザーが知りたい質問に対する簡潔な回答を、検索画面の最上部に表示させる仕組みのことです。英語のまま「フィーチャードスニペット」とも言われます。強調スニペットに表示されることによって、よりユーザーの目につきやすくなったり、強調スニペットからコンテンツに興味を持ったユーザーのアクセスを集めたりといったメリットがあります。
Google公式ヘルプによると、強調スニペットには、以下の情報が記述されます。
- 第三者のウェブサイトから引用された情報
- ページへのリンク
- ページのタイトル
- ページのURL
たとえば、以下は「コンテンツseo」と検索した際に表示される強調スニペットです。検索クエリに対するぴったりな回答と、引用されたWebページ内に含まれる画像、タイトル(コンテンツSEOとは?手法やメリットを事例とともに紹介)が表示されています。
なお、SEO分析ツールを提供する『Ahrefs』が2017年に行った調査によると、検索クエリ全体のうち12.3%で強調スニペットが表示されることが分かっています。
強調スニペットはアンサーボックスの一種
強調スニペットは、「アンサーボックス」の一つです。アンサーボックスとは、ユーザーが知りたい質問への回答を簡潔に示したもので、以下の3種類があります。
- 強調スニペット
⇒上位表示されている記事から「回答」となる部分を抜粋して表示。当記事で紹介。 - ライブリザルト
⇒天気やスポーツの試合結果など、その時点でのライブ情報を表示。 - ナレッジパネル
⇒ナレッジグラフと呼ばれる、10億以上の情報が蓄えられたGoogleが持つデータバンクから抽出した情報を表示。
強調スニペットとナレッジパネルの違い
強調スニペットは、ユーザーに簡潔な回答を表示する「アンサーボックス」の一種ですが、強調スニペットと非常に混同しされやすいアンサーボックスの一つに「ナレッジパネル(knowledgePanel)」があります。
強調スニペットとナレッジパネルは、次の2点で異なります。
- 表示される場所
- 表示内容を決める仕組み
強調スニペットは、ごくまれな例外を除いて検索順位の最上部に現れ、ユーザーには実質的に「1位表示の記事」のように表示されます。また、強調スニペットに含まれる内容は、基本的に検索結果の1ページ目(1位~10位)のコンテンツの中から抜粋されて表示されます。
一方ナレッジパネルは、多くは検索結果の右側に、検索順位とは区別されて表示されます(デスクトップで検索した場合)。上述したようにナレッジパネルに表示される内容は、Googleが所有してしている「ナレッジグラフ」と呼ばれる巨大なデータベースの中から抽出されます。
簡潔な回答(ベストアンサー)を表示するという点では共通していますが、それぞれ表示内容に上のような違いがあります。
強調スニペットの種類
強調スニペットが具体的にどのような形式で表示されるかを知っておくことは、強調スニペットに表示させる方法を考える上で役立ちます。
強調スニペットには4つの種類があります。
文章と画像
もっとも多く見かけるタイプの強調スニペットです。
文章と画像の強調スニペットは、いわゆるKnowクエリの検索結果として表示されることが多い傾向にあります。
※Knowクエリ:「何かを知りたい」といった意図がある際に検索されるキーワード。「~とは」に代表されます。
ここでは「新幹線 料金 東京 大阪」と検索しましたが、東海道新幹線で東京~新大阪駅を移動した場合の運賃が簡潔に説明されています。
このタイプの強調スニペットは、タイトル部分をクリックしてWebページに遷移すると、強調スニペットとして取り上げられた箇所が黄色でハイライト表示されます(以下図参照)。
テーブル(表)
表が強調スニペットに採用される場合もあります。
価格表など、表示させたい回答が単一ではなく複数ある場合によく見られます。ここでは、「都道府県 面積」と検索しましたが、「ランキング順位」「都道府県名」「面積」がそれぞれテーブル(表)になっています。
順序リスト・順不同リスト
リスト形式で表示される強調スニペットです。
リスト形式の強調スニペットは、いわゆるDoクエリの検索結果として表示されることが多い傾向にあります。
※Doクエリ:「何かをしたい」「何かってどうやるのか知りたい」といった、方法や手順に関する疑問が意図されたキーワード。
下記は「消火器 使い方」と検索したときに表示された強調スニペットですが、1番から5番まで手順に沿った使い方が表示されています。また、リストの上にある見出し部分は、<p>要素の「消火器の使い方」を引っ張ってきています。
以下の強調スニペットもリスト形式という点は同様ですが、箇条書きの先頭には順番ではなく、黒丸が振られています。リストの上の見出しですが、こちらは<h3>要素から引っ張ってきています。
リスト形式には、順番を区別するものと、順番に意味を持たないものがあります。
<li>タグの中においては、<ol>タグで囲まれた中にある箇条書きには順番が振られ、<ul>タグで囲まれたものは丸い点などが振られます。
上図もそうですが、検索キーワードによっては、<li>タグ(<ul>、<ol>)でマークアップされた箇所が優先的に表示されますので、リスト形式の情報に対しては、必ず<li>(<ul>、<ol>)タグでマークアップするようにしてください。また、リストの真上に表示される見出し部分ですが、<p>タグや<strong>タグであったり、<h2>や<h3>といった<h>要素であったり、選択される箇所は様々です。とはいえ、基本的に「何のリストであるかを説明したテキスト情報」であることが必須のようです。
※必ずしも<li>タグでマークアップしたものだけが、リスト形式の強調スニペットに表示されるというわけではありません。<h>タグや<p>も強調スニペットのリスト形式に表示されることもあります。
動画
テキストなどでは情報を正しく伝えにくいものについては、動画が強調スニペットに表示されます。
こちらは「ラジオ体操」と検索した画面です。体操の動きや曲を視聴したいと考えているユーザーに対する回答として、テキストではなくYouTube動画が表示されています。
強調スニペットに表示させる方法(ヒント)
検索順位の最上部に目立つ形で表示させられるため、流入を増やしたり露出を増やしたりと、強調スニペットに表示させることには大きなメリットがあります。
そこで強調スニペットに表示させる手掛かりとなる方法やヒントを具体的に見ていきましょう。
- 表示されやすい検索語句を見つける
- 検索上位に表示させる
- キーワードに対する簡潔な回答を用意する
- HTMLタグで正しくマークアップする
- Googleのポリシーに準拠する
- 表示されている記事の傾向を分析
- 検索クエリの回答となる見出し配下
表示されやすい検索語句を見つける
強調スニペットへの表示を狙う上で、そもそも強調スニペットに表示されやすいキーワードを選べているかという点は非常に重要です。表示されやすさの基準は次のとおりです。
- 質問への回答があるキーワードか
- すでに強力な競合サイトが強調スニペットに表示されていないか
- 検索結果の上位を狙えるか
Googleが強調スニペットとして表示する必要がないと考えているキーワードや、すでに質の高い回答が採用されておりそれ以上質の高いコンテンツの作成が難しい場合は、強調スニペットへの表示は難しくなります。
表示させやすい検索語句で強調スニペット表示を狙うのがおすすめです。一般的には、「富士山 高さ」や「青汁 効果」といったような「Knowクエリ」が当てはまります。「Knowクエリ」とは、検索したキーワードについて知りたいという場合に打ち込まれる語句を意味します。
検索結果の上位に表示させる
Ahrefsによると、強調スニペットのうち99・58%は、検索結果の1ページ目(1位~10位)にある記事から抜粋されているといいます。SEO対策で上位表示を狙うことは、同時に、強調スニペットに表示させる上でも役に立ちます。1ページ目に入ることで、強調スニペットに抜粋される可能性は高くなります。
キーワードに対する簡潔な回答を用意する
強調スニペットは、読者の質問や疑問に対して簡潔な回答を表示するものです。そのため、回りくどい説明よりも、明確で簡潔に回答を提示できている(文字数は100~200文字程度)コンテンツの方が採用されやすくなります。
たとえば「SEO とは」という検索クエリに対しては、「SEOとは、検索エンジンに上位表示させるための対策のこと」などと明確な定義を記述することで回答が簡潔になり、強調スニペットに採用されやすくなります。
HTMLタグで正しくマークアップする
コンテンツの中身をGoogleのクローラーに正しく読み取ってもらうことも重要です。ユーザーの質問に対する回答を用意できていても、それが「回答部分である」と認識されなければ意味がないからです。
段落には<p>、表には<table>タグ、リスト形式には<li>(<ol>、<ul>)タグを用いるなど、HTMLで正しくマークアップを行うことで、強調スニペットに採用されやすくなります。
ただし、「この箇所にこのタグを記述すれば強調スニペットに表示される」といった小手先のテクニックには効果がないことはGoogleも言及しています。大切なことは、Googleにとってもユーザーにとっても構造が分かりやすいように、正しくマークアップをすることです。
Googleのポリシーに準拠する
どのようなコンテンツを強調スニペットに表示させるかに関して、Googleはポリシーを公開しています。以下に該当するコンテンツは、強調スニペットに表示されない仕組みになっています。
- 露骨な性表現
- 差別的である
- 暴力的である
- 有害で危険である
- 公共性の高いトピックにおいて広く合意が得られていない
表示されている記事の傾向を分析
すでに表示されている強調スニペットを分析するのが、もっとも実践しやすい方法かもしれません。Googleがその回答を実際に評価していることの証拠だからです。どのような回答が評価されているのかを参考にすることで、自社コンテンツの評価を上げることが期待できます。
強調スニペットは、次の2つの観点で分析すると良いでしょう。
- そのキーワードで表示されている強調スニペットの傾向
- 類似のキーワードで表示されている強調スニペットの傾向
表示させたいキーワードで強調スニペットに採用されている回答のほかに、似ているキーワードで採用されている強調スニペットを見ることも傾向分析に役立ちます。
たとえば、「東京 夜景 おすすめ」と検索したとき、順不同型のリスト形式で強調スニペットが表示されますが、「大阪 夜景 おすすめ」「札幌 夜景 おすすめ」としても同様にリスト形式で表示されていることが確認できました。この場合、スポットを紹介する回答として、Googleはリスト形式での表示を評価する傾向があるという見当をつけることができます。
クエリの回答が記載されている見出し配下
文章と画像タイプの強調スニペットは、検索クエリの回答となっている見出し配下から抽出される傾向にあります。たとえば、「コンテンツseoとは」というキーワードで表示される強調スニペットは、当該ページの見出し(h2)直後から抽出されています。
複数のKnowクエリで調査してみましたが、上記のような傾向がかなり強いように見受けられました。当然といえば当然ですが、強調スニペットへ表示させたい場合は、検索クエリの回答とは関連性の薄い見出し配下に、検索クエリの回答を書かないようにすることをお勧めします。
強調スニペットのSEO効果やメリット
強調スニペットは、ユーザーにとってもサイト運営者にとってもさまざまなメリットがあります。強調スニペットのメリットを理解することで、サイトの露出やトラフィックを増加させる施策が打てることはもちろん、その他にも多くの場面で役立てることができます。
ユーザーが知りたい情報をすぐに入手できる
強調スニペットは検索順位の最上部に表示されるため、ユーザーは、知りたい情報が書かれた記事を最短で見つけることができます。さらに、「回答」となる部分が簡潔に抜粋されて表示されるため、場合によっては、記事をクリックすることもなく情報を入手できることもあります。
サイト流入数が増える
検索画面の最上部に目立つ形で表示させられることで、サイトへの流入数を増加させることが期待できます。厳密には異なりますが、検索ユーザーにとっては実質的には、「検索1位の記事」として表示されるからです。
音声検索の回答として出力される
強調スニペットの情報は音声でも出力されます。Googleの公式ヘルプを見ると、以下のように説明されています。
Google アシスタントで検索すると、強調スニペットが音声出力されることもあります。
(引用元:https://support.google.com/websearch/answer/9351707?hl=ja)
ユーザーは端末画面を手にすることも、見ることもなく回答を知ることができます。2013年のハミングバードアップデート以降、Googleが音声の出入力機能を強化していることを踏まえても、強調スニペットが音声で出力される利便性は今後も拡大すると推測できます。
無料でブランド露出できる
通常、検索結果画面の最上位に表示させようとすれば、高額なリスティング広告を払ったりSEO対策にかかる費用が必要になったりしますが、強調スニペットに採用されれば、1位よりも上の位置に目立たせて表示させることが無料で可能になります。
一般的な検索結果における1位よりも上の位置であることから「検索順位0位」などともいわれます。
ユーザーに信頼される
強調スニペットの直接的な効果ではありませんが、検索結果のトップにいるということは、ユーザーからの信頼を得るために一役買います。
一般的に、検索ユーザーは検索結果の上から順にページを閲覧することが多いです。同時に、上位にあるページに対し情報源として正確であると考える傾向にあります。そのため、同領域・同テーマのキーワードで強調スニペットを多数獲得できれば、それだけユーザーの信頼を獲得できる可能性が高まります。
コンテンツアイディアに用いる
すでに表示されている強調スニペットを参考にすることは、自社サイトコンテンツの質を上げることにも役立ちます。
例えば、表の形式をした強調スニペットが現在表示されているとしたら、その検索クエリにおいて、Googleは表形式での回答を大きく評価していることが推測できます。その場合、自社サイトコンテンツ内にも表形式の文章を加えることで、自社のコンテンツを向上させることが期待できます。
強調スニペットを非表示にする方法
強調スニペットには注意点もあります。強調スニペットに採用されることでかえってクリック率が下がってしまったり、強調スニペットよりも、その直下にある記事の方が、クリック率が高くなったりする場合もあるためです。記事の全文あるいは一部分を強調スニペットに表示させないように設定しておくことも考慮に入れましょう。
強調スニペットを非表示にするには、HTMLを用いた3つの方法があります。
「nosnippetタグ」 をページに設定
ページ全体が強調スニペットに表示されないようにするには<head>タグ内に、次のメタタグを書き入れます。<head>内のどこに記述するか迷う場合は、閉じタグ</head>の直前の行に貼り付ければ問題ありません。
<meta name=”robots” content=”nosnippet” />
「data-nosnippetタグ」で表示させたくないテキストを設定
ページ全体ではなく、一部分だけを非表示にしたい場合は、data-nonsnippet属性を付けたタグで囲います。<p><span><div>など数種類のタグで使用できます。
<span data-nosnippet>強調スニペットに表示させたくない部分</span>
「max-snippetタグ」を短く設定
強調スニペットに採用される回答の文字数を制限することもできます。例えば最大文字数を10字としておくと、あなたのコンテンツ内に10文字以下の回答がない場合には、強調スニペットに採用されづらくなります。
指定する場合は、一つ目の記述同様、<head>内に、メタタグとmax-snippetを記述します。下記では20字を最大文字数としているため、21字以上の抜粋はされません。
<meta name=”robots” content=”max-snippet:20″>
強調スニペットの注意点
検索1位よりも上の位置に目立たせて表示できるなどメリットがある一方で、強調スニペットにはデメリットや注意点も存在します。サイトやコンテンツによっては、工夫が必要です。
通常の検索結果に表示されなくなる
強調スニペットに採用される記事は、通常の検索順位からは除外されます。露出自体が減るわけではないのですが、広告を嫌って上部にある記事を避ける傾向のあるユーザーもいるため、通常の検索結果とは区別されてクリックしてもらえない可能性があります。
ページの入れ替わりが早い
強調スニペットの入れ替わりは、非常に頻繁に行われています。一度強調スニペットに採用された後は安定した流入が見込めるというわけでもないため、強調スニペットを表示させることだけにリソースを割き過ぎるのはおすすめできません。
ただし、「ユーザーへの回答を用意する」「構造を明確にする」といった方法は、強調スニペットだけでなくSEOやUX向上にも通じるため、強調スニペットへの採用で一喜一憂する必要はないかもしれません。
仕様が変わることがある
強調スニペットは比較的近年から使用されるようになった機能であるため、定期的にアップデートや仕様変更がなされています。アップデートがあった際には、強調スニペットに採用されやすい傾向や表示している内容に変化がなかったかと確認するようにしましょう。
ゼロクリックサーチの一因である
強調スニペットは、回答を表示するものであるため、ユーザーによっては、強調スニペットの内容だけで検索が完結する場合があります。検索にクリックを伴わないため、「ゼロクリックサーチ」とも呼ばれます。
ゼロクリックサーチは、ユーザーからすると、最小のアクションで回答が入手できるというメリットですが、サイト運営者からすると、クリック率を下げ自社サイトへのトラフィックを下げるデメリットにもなりえます。
なお、海外のWebマーケティング企業SparkToroによりますと、2020年のゼロクリックサーチは、全体の約65%にも上ったそうです。
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まとめ
強調スニペットの基本事項から、表示させる方法などの応用知識まで解説しました。
検索結果の一番上に、目につきやすい形式で表示されるため、ユーザーとの接点を増やしやすく、当然サイト流入数も増加する傾向あります。
SEO対策の一貫として、強調スニペットを念頭におき、Webコンテンツの作成に取り組んでみてはいかがでしょうか。
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