アクセス解析ツール8選!できることや選び方、解析の方法を解説
ただし、アクセス解析ツールがあるから効果的にアクセス解析ができるかというと、必ずしもそうでありません。正しいアクセス解析の方法についても知っておく必要があります。
本記事では、アクセス解析ツールの概要と役割、おすすめツール8種類の紹介します。また具体的なアクセス解析のやり方についても解説します。ぜひ参考にしてみてください。
目次
アクセス解析ツールでできること
アクセス解析ツールとは、自社サイトやブログにアクセスしているユーザー(訪問者)の属性や行動、利用している環境を解析するツールのことです。
あくまで一例ですが、アクセス解析ツールを使用すると、次のようなWebサイトを訪問したユーザーの次のような事柄・行動がわかります。
- 属性:性別や年代
- 流入経路:どこからサイトへアクセスしてきたか
- 離脱・回遊:ページからの離脱やサイト内での動き
- 環境:使用しているデバイス
- 成約:資料請求やダウンロードにつながっている件数
なお、アクセス解析ツールを活用することで非常に多くの指標を分析できるため、以下3点のような、Webサイト運用では必要不可欠な情報を取得することができます。
- サイト内ユーザー行動の可視化
- サイト外ユーザーの行動の可視化
- 競合メディアの現状分析・モニタリング
本章では、アクセス解析ツールでできる、上記3つの分析について解説します。
サイト内ユーザー行動の可視化
もっとも大きな役割が、サイト内でのユーザーがどのような動きをしているのかを可視化する役割です。コンテンツを作成して公開しているものの、目標にしたコンバージョン数を達成できていなければ意味がありません。
ユーザーはサイト内のどのWebページで離脱しやすいのか、あるいはWebページのどのあたりで離脱しやすいのか、これらを情報はコンテンツを改善するヒントになります。またコンバージョンが多いページにおけるユーザーの行動はCVR改善のヒントになります。
サイト内でユーザーがどのような動きをしているのか可視化することで、自社サイトの弱点や強みを発見できますが、それらの情報を集めるためには、アクセス解析ツールが必要不可欠です。
▼Microsoft クラリティを活用して、クリック率の高い箇所を可視化した図
サイト外ユーザー行動の可視化
サイト外のユーザーの動きも可視化できるのがアクセス解析ツールを活用するメリットです。
自社サイトにアクセスするユーザーはどこから来ているのかがわかれば、その流入元からのアクセスが増加している理由を調べることができます。例えばSNSからの流入が多ければ、自社や自社商材に関するメンション(言及)やWebサイトへのリンクを掲載したコンテンツがシェアされていること、あるいは自社アカウントで発信している内容に興味や共感を持ったユーザーが増えていることなど様々な仮説を立てることができます。
このような仮説に基づいて実際に効果検証を行えば、アクセス数の増加や新たな流入経路の確保のための施策を導くことが可能になるでしょう。
■Webサイトへの代表的な流入元
- オーガニック検索:広告を除外した自然検索による流入
- ソーシャル:ソーシャルメディアからの流入
- 有料検索:検索連動型広告による流入
- リファラル:別のサイトからユーザーが流入したケース
- ダイレクト:ブックマークやURLの直打ちなど、流入元が不明なケース
競合サイトの現状分析・モニタリング
競合サイトがアクセスに関する情報(ユーザーやキーワード)、SEO対策を施しているコンテンツは何かを明確にすることができます。検索エンジンにおける順位や想定流入数のモニタリングも可能であるため、競合サイトの動静を観察できるのもアクセス解析ツールを利用するメリットです。
Googleなどの検索順位は相対的に決まります。したがって、競合他社がいるのであれば、どのようなキーワード・コンテンツで流入を獲得しているのかを調べることがとても重要です。自社サイトの戦略の参考にできるほか、他社が行っていない自社独自のアプローチ方法を見出すこともできるため、同じ領域において検索上位を争って勝つには、競合サイトのアクセス解析は必要不可欠でしょう。
すぐに使える無料アクセス解析ツールおすすめ5選
アクセス解析ツールには無料で使えるものと有料で使えるものの2種類があります。無料版のものは機能が限定されているものもありますが、ずっと無料で使えるものもあります。代表的な無料で使えるアクセス解析ツールは次の5つです。
- Google Analytics
- Google Search Console
- Ubersuggest
- similarweb
- Microsoft クラリティ
それぞれ強みやできること、分析できる内容に違いがあります。どのような違いがあるのか、詳しく見てみましょう。
Google Analytics
(引用:Google Analytics)
Google Analyticsは、Googleが提供している無料アクセス解析ツールです。高性能でありながら無料で利用でき、多くのWeb担当者やメディア担当者が活用しています。
【このツールでできること】
- リアルタイム分析
- ユーザーの基本属性
- ユーザーの流入経路
- サイト内のユーザーの動き
- 達成したCV数
分析でわかることは、訪問者数やPV数のほか、平均滞在時間や直帰率などです。ほかにもユーザーの属性として、年齢や性別の他、使用言語や使用しているOS・ブラウザまでわかるという高機能な解析ツールなのです。
非常に便利なアクセス解析ツールですが、2023年7月1日をもって従来のユニバーサルアナリティクスからGoogleAnalytics 4(GA4)と呼ばれる最新版に完全移行しました。
Google Search Console
(引用:Google Search Console)
Google Search Consoleは、Google Analyticsと同じくGoogleが無料で提供しているアクセス解析ツールです。もともとクローラーと呼ばれるGoogleの検索エンジンに搭載されているロボットとやり取りするためのツールですが、アクセス解析ツールとしても広く使用されています。
【このツールでできること】
- 検索キーワード
- クリック数(ページ、キーワード)
- 平均検索順位(ページ、キーワード)
- ページが抱えている問題
- セキュリティ・手動ペナルティの問題の確認
- 被リンク調査
アクセス状況などのサイト内の動きを数値化してくれるGoogle Analyticsに対し、Search Consoleはアクセス前のユーザーの情報を集めることに長けています。表示される数値も、検索キーワードのクリック回数やページの表示回数などのパフォーマンス部分が中心です。
また、「ページの表示速度が遅くないか」や「モバイル検索でも閲覧しやすいサイトになっているか」など、ユーザビリティの観点で、サイト・ページに問題がないか確認することもできます。
さらに、自社サイトがどの外部サイトから被リンクを受けているのかもチェック可能です。
Similarweb
(引用:Similarweb)
Similarwebは、イスラエルの企業が提供しているアクセス解析ツールです。主に競合調査に用いられることが多く、日本語にも対応しています。有料版もありますが、一部機能は無料で使うことが可能です。法人利用の料金は公開されていないため、気になる場合は見積もりをしてみましょう。
【このツールでできること】
- サイト分析
- サイトパフォーマンス分析
- トラフィック調査
- オーディエンス分析
- サーチトラフィック分析
- リファラルトラフィック分析
- ディスプレイ広告トラフィック分析
- ソーシャルトラフィック分析
- コンテンツ分析
- 広告分析
- アプリ分析
競合調査に強みを持っており、ターゲットの属性を分析できるほか、スマホアプリの状態まで調査できます。最大の強みはGoogle Analyticsと接続できることで、単体で使用するより精度の高い情報が獲得できるでしょう。
また、競合サイトとの比較が簡単にできる比較機能を搭載しているため、専門知識がなくても分析が手軽にできる強みも持っています。まずは無料版から、アクセス解析を行ってみましょう。
忍者アクセス解析
(引用:忍者アクセス解析)
忍者アクセス解析は株式会社サムライファクトリーが提供する、アクセス解析ツールです。ID・パスワードを発行することで、無料で使用することができます。
【このツールでできること】
- Webサイトのアクセス数の推移調査
- Webページごとのアクセス分析
- 訪問ユーザーの属性・閲覧デバイス
- 新規ユーザー・再訪問者の割合調査
Webサイト全体のアクセス数の推移や、ページごとのアクセス数を調査することができます。また、訪問したユーザーの属性(性別・地域)や閲覧デバイスなど、詳細なデータまで確認可能です。
Microsoft クラリティ
(引用:Clarity)
Microsoft クラリティは株式会社Microsoftが提供している、サイト内アクセス解析ツールです。「無料で使用できる」、「Google Analyticsと連携できる」などのメリットがあります。
【このツールでできること】
- クリックエリア分析
- 熟読エリア分析
- ユーザー行動のレコーディング
具体的には、訪問ユーザーの何割がWebページのどの部分までスクロールしたのか、特に関心を寄せた(クリックされた)箇所はどこなのか調査できます。
また、ページ内におけるユーザー行動を録画できるため、ユーザーのどのような行動を起こしたのか把握することが可能です。熟読エリアやクリックエリアを分析し、そのデータを基にCTAを設置するなど工夫することで、CVRの改善に役立てることができます。
有料アクセス解析ツールおすすめ3選
続いて有料版のアクセス解析ツールを紹介します。短期間の無料トライアルなどもありますが、基本的には一定の費用を支払わなければなりません。
無料アクセス解析ツールよりも精度の高いデータを得られ、工数削減や成果に結びつきやすいため、ぜひ活用したいツールです。代表的な有料アクセス解析ツールは、以下の3つです。
- Keywordmap
- Ahrefs
- AIアナリスト
こちらも無料アクセス解析ツールと同じく、できることがツールによって異なります。詳しく見てみましょう。
Keywordmap
(引用:Keywordmap)
Keywordmapは、株式会社CINCが提供しているアクセス解析ツールです。競合調査に長けており、その機能性からオウンドメディア運営会社や制作会社など、幅広い企業で採用されています。
【このツールでできること】
- 検索順位計測
- 自社・競合Webサイト分析
- コンテンツ制作支援
- 検索意図・ニーズ調査
- 検索市場調査
- リスティング広告分析
- キーワード分析
自社や競合Webサイトの想定流入数、流入キーワード、検索順位、コンテンツに対する幅広い調査・分析が可能です。また、リスティング広告の調査も可能であるため、検索エンジンマーケティング全般に対応したツールだといえるでしょう。
GhatGPTと連携した独自のAIによるコンテンツ制作サポート機能も搭載しているため、Webサイトの運用観点での活用も可能です。
7日間の無料トライアルで、まずは自社や競合サイトのアクセス解析を行ってみましょう。
プラン(費用) | 要問合せ(プランはライト、スタンダード、エキスパートの3つ) |
トライアルの有無 | あり |
Ahrefs
(引用:Ahrefs)
AhrefsはAhrefs社が運営するアクセス解析ルールです。競合サイトのアクセス分析が可能な点、被リンク調査が優れている点が特長となっています。
【このツールでできること】
- 流入キーワード調査
- リスティング広告分析
- 自社・競合Webサイト分析
- 検索順位調査
- 被リンク調査
自社だけでなく、競合サイトの流入数や流入キーワードを調査できる強みがあります。そのため、競合サイトとの差分や、流入につながっているキーワードの違いなどを把握することができます。
また、リスティング広告でクリックされているキーワードや、特定のサイトがどの外部サイトから被リンクを受け、アクセスを獲得しているか確認することが可能です。
プラン(費用) |
|
トライアルの有無 | なし |
AIアナリスト
(引用:AIアナリスト)
AIアナリストは、アクセス解析を自動で行い、問題点や重要なポイントを明示してくれるアクセス解析ツールです。
【このツールでできること】
- サイト分析・改善提案
- レポート作成
- 効果検証
AIによる分析でわかるのは自社サイトの伸びしろです。CVを増やすための改善方針を、運営元の会社が保有しているビッグデータから算出して提示してくれます。また、サイトのトラフィックに関する変化に対しても、変化の要素・要因を提示する機能を搭載しています。
改善した施策がどのような効果を生んでいるのかを1クリックで検証できるのもAIアナリストの強みの一つです。料金は未公開であるため、導入を検討する場合は公式サイトから問い合わせてみましょう。
プラン(費用) | 要問合せ |
トライアルの有無 | 要問合せ |
アクセス解析ツールの選び方
アクセス解析ツールを選ぶ際は、以下の3つのポイントを意識して選ぶようにしましょう。
- 目的に合った機能が搭載されているか
- 現場担当者が運用できるUIかどうか
- 費用は適切かどうか
目的に合った機能が搭載されているか
アクセス解析ツールを導入する理由は、目的やあげたい成果によって異なります。競合他社サイトの分析をメインで行いたい場合もあれば、コンバージョン率改善を重点的に行うために導入を検討する場合もあるでしょう。導入前には必ず目的とする機能を有しているかを確認してから導入するようにしましょう。
ひと口にアクセス解析ツールと言っても、強みやできることはツールによって異なります。自社がアクセス解析ツールを導入してやりたいことは何なのか、あげたい成果から逆算して導き出し、どのツールを導入するか決めましょう。
目的にあったツールを選ぶためには、無料トライアルを利用したり、問い合わせをして納得いくまで比較・検討を行うことが重要です。
現場担当者が運用できるUIかどうか
現場担当者とは、実際にWebサイト運営に携わる人物のことです。アクセス解析ツールは、UIが製品ごとに異なるため、現場担当者が使いやすいかどうかで決定することが重要です。
例えば、担当者がWebマーケティングを勉強し始めたばかりにもかかわらず、専門用語だらけで欲しいデータを得られないようでは元も子もありません。その結果、ツールを全く使わないということになれば、予算を無駄にかけただけです。
現場担当者のレベルや使い勝手に応じて、アクセス解析ツールを選択することも重要です。
サポート体制は整っているか
「サポート体制が整っているか」もツールを選ぶ上で重要なポイントです。ツールを利用する上で、使い方が分からない箇所があったり、何らかのバグやトラブルが起こることがあります。
そのような場合、すぐに解決に向けてサポートしてくれるのか、事前に確認しておきましょう。
費用は適切かどうか
有料版のアクセス解析ツールを導入する際は、初期費用や月額の料金などにも注目しましょう。高機能で月額料金が高いものを選択しても、使わない機能が多かったり、使いこなせなかったりしては本末転倒です。
また、高いもの=高機能と言うわけではなく、搭載されている機能によって得られる成果はまちまちです。トライアルでの実際の使用感や機能を良く考慮したうえで、費用が妥当かどうかを判断してから契約に踏み切りましょう。逆に費用を抑えようとしすぎて、機能が少ないアクセス解析ツールを契約しないように注意する必要もあります。費用だけではなく、機能や使い勝手なども加味したうえで選択してください。
ツールを使ったアクセス解析のやり方
アクセス解析ツールを活用すると、サイト改善の具体的な情報が集められます。
ツールを使うことでどこに課題があるのか明確になるので、具体的な改善策を立てやすくなるでしょう。その一方で、ツールを用いた正しいアクセス解析方法への理解がないと、課題や改善点を上手くみつけることができません。
正しいアクセス解析のやり方ついては、こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
「アクセス解析とは?やり方やおすすめのツールを紹介」
なお、あくまで一例ですが、アクセス解析ツールを使うことで、次のような事象を改善することができます。
- アクセス数が少ない
- 直帰率・離脱率が高い
- CVRが低い
- 滞在時間が短い
ただし、一度に複数の問題が浮かび上がっても、同時進行で施策を実施しないようにしてください。同時進行にしてしまうと、施策の成果が何によって生まれたのかがわからなくなってしまうためです。時間はかかりますが、判明した課題を解決するには、ひとつずつ対応していくべきです。
アクセス解析ツール まとめ
アクセス解析ツールは、自社サイトの改善やコンテンツ作成のヒント、競合サイトの状況把握をするために必須のツールです。アクセス解析ツールなしでWebマーケティングを実施するのはほぼ不可能であり、何らかの解析ツールを導入する必要があるでしょう。最低でもGoogleアナリティクスやサーチコンソールの導入は不可欠です。
無料版・有料版がありますが、導入に際してもっとも重要なことは自社サイトの成長に寄与するツールかどうかです。難易度や費用なども重要ですが、自社サイトをグロースさせるための機能やサポートが揃っているかどうかは、注意深く見極めるようにしましょう。
詳しくはこちら
Keywordmapのカスタマーレビュー
ツールは使いやすく、コンサルタントのサポートが手厚い
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