パンダアップデートとは?ペンギンアップデートとの違いやSEOへの影響を解説
Webサイト・ページの品質に焦点を当て、低品質なコンテンツを検索結果から排除することを目的としていることから、WebサイトのSEO戦略を考える上で、このパンダアップデートについて理解することはとても重要です。
現在、パンダアップデートはGoogleのコアアルゴリズム(コアランキングシステム)に組み込まれており、「パンダアップデート」という単体のアップデートは行われていません。つまり、コアアルゴリズムのアップデートが実施された際に、パンダアップデートに加え、他の更新も同時に行われているということです。
本記事では、代表的なGoogleアルゴリズムアップデートであったパンダアップデートの概要と対策について紹介します。パンダアップデートを理解し、より良質なコンテンツを作成していきましょう。
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目次
パンダアップデートとは?
パンダアップデートとは、ユーザーが求めている良質なコンテンツを上位表示し、ユーザーの満足度を上げる目的で行われた、Googleの検索アルゴリズムのアップデートです。英語圏では2011年、日本では2012年に実施されました。
パンダアップデートを解説する前に、まずはGoogleの「アルゴリズム」について説明します。そもそもGoogleのアルゴリズムとは、200以上もの要素から、Webページの掲載順位を決める計算方法のことを指します。Googleは良質なコンテンツを検索上位に掲載するために「アルゴリズム」を活用し、日々アップデートを図っています。
その中でも有名かつ検索アルゴリズムに大きな影響を与えたのがパンダアップデートです。
現在はコアアルゴリズムに組み込まれている
先述した通り、パンダアップデートは、Googleのコアアルゴリズム(コアランキングシステム)に組みこまれています。そのため、パンダアップデートは単体でアップデートされるのではなく、コアアルゴリズムがアップデートされた際に、他の要素と一緒に更新される形になっています。
Googleのコアアルゴリズムアップデートについては、以下の記事で詳しく解説しています。
「Googleコアアップデートとは?最新情報と傾向や対策方法について解説」
パンダアップデートの名前の由来
パンダアップデートの名前の由来は2つあると言われています。
1つ目は、悪いサイトと良いサイトを白黒はっきりさせるためのアップデートだったため、白と黒の代表的な動物である「パンダ」からその名がつけられました。
2つ目は、Googleのアルゴリズム開発の中心者であるNavneet Panda氏(ナヴニートパンダ氏)から名づけられたという説もあります。
パンダアップデートの目的
パンダアップデートが行われた目的は、低品質なコンテンツを検索下位に表示し、高品質なコンテンツでユーザーの検索満足度を上げるためです。
パンダアップデートが実施される前のGoogle検索エンジンは、ユーザーに何の益もないような低品質なコンテンツが、ページに含まれるキーワードの多さだったり、Webサイトの規模、ドメインパワー、といった非常に単純な指標によってのみ評価されて、検索上位に表示されるようになっていました。
※ドメインパワーとはWebサイトの規模や知名度、被リンク数など、ドメインとしての強さを示す指標です。Googleが公式に発表している指標ではなく、一部のSEOツールで使われています。
このような事態を重く捉えたGoogleは、アルゴリズムの大規模なアップデートを行いました。その結果、低品質なコンテンツの順位が下がり、専門性や独自性が高くユーザーに良質な情報を届けるコンテンツが検索上位に表示されるようになりました。
パンダアップデートによるSEOへの影響
パンダアップデートの目的から推察されるとおり、アップデート実施後は、低品質なサイトが検索順位を落としました。
パンダアップデート後に検索順位を落としたサイトには次のような傾向があります。
- キーワードが詰め込まれたコンテンツ(キーワードスタッフィング)
- 無断で複製されたコンテンツ
- 自動で生成されたコンテンツ
- 販売だけを目的としたアフィリエイトコンテンツ
逆をいえば、上記のようなコンテンツではなく、人の手で作られたユーザーのニーズを満たすような良質なコンテンツは、相対的に検索順位が上昇します。
パンダアップデートとペンギンアップデートの違い
Googleの検索アルゴリズムアップデートでは、それぞれのアップデートの特徴にちなみユニークな名前がつけられています。その中でもパンダアップデートと比較されることの多いペンギンアップデートについて紹介します。
ペンギンアップデートとは
「ペンギンアップデート」はパンダアップデートとよく比較されるアップデートの名称です。
ペンギンアップデートとは、検索順位を上げるために悪質なSEO(ブラックハットSEO)を行っているサイトの順位を下げ、ユーザビリティが高く、良質なコンテンツを提供している(ホワイトハットSEO)サイトの検索順位を上げる目的で実施されたアップデートです。
例えばGoogleは今も昔も、外部サイトから多くの被リンクを集めているサイトを高く評価する傾向にあります。それを逆手にとって、ペンギンアップデート以前のGoogle検索エンジンでは、自社のコンテンツを上位表示するために、アルゴリズムの穴をついた「リンクを意図的に大量に張るサイト」が検索上位を占めていました。(これがブラックハットSEOの1つです。)
低品質でユーザーにとってメリットのないサイトが上位表示されることに危機感を募らせたGoogleは、ペンギンアップデートを行い、リンクを意図的に大量に貼ったサイトの検索順位を下げたと言われています。また、パンダアップデート同様、ペンギンアップデートもGoogleのコアアルゴリズムに組み込まれています。
パンダアップデートとペンギンアップデートの違い
パンダアップデートとペンギンアップデートについて解説してきましたが、両者の違いについて改めておさらいしておきましょう。
パンダアップデートは「コンテンツの質」を評価対象とするのに対し、ペンギンアップデートは、主に「リンク操作」を対象とする違いがあります。「コンテンツの質」とは、文章を長くしたり、キーワードを盛り込んだり、といった小手先のテクニックではなく「ユーザーのニーズを満たす内容について解説されているかどうか」で判断されます。
また、ペンギンアップデートは「不正に多くの被リンクを受けていないか」など「リンク操作」を中心に、ブラックハットSEOが行われていないかどうかを確認するアップデート(システム)です。
パンダアップデートの対策方法
パンダアップデートによって、低品質なサイトの検索順位が下がったことを解説しました。では、パンダアップデート以降のGoogleにおいて、Webサイトの運営者は具体的にどのような対策を行えば良いのでしょうか。
Googleは一般ユーザー向けにアルゴリズムでどのようにコンテンツを評価しているのかが分かる「質の高いサイトの作成方法についてのガイダンス」を公開しています。「検索品質ガイドライン」がアルゴリズム評価を示すものだと間違われる方が多いですが、検索品質ガイドラインは、コンテンツを評価する”レイター(評価者)”のためのものです。したがって、検索品質ガイドラインに書かれている内容を網羅するコンテンツを作成したところで、検索上位に表示されるとは限りません。
Web担当者やSEOコンテンツ制作者は「質の高いサイトの作成方法についてのガイダンス」を読むことをお勧めします。今回は、「質の高いサイトの作成方法のガイダンス」から良質なコンテンツの特徴と押さえるべきポイントを解説していきます。
質の高いコンテンツを作成する23の指標
「質の高いサイトの作成方法についてのガイダンス」は、ウェブマスター(サイト運営者やコンテンツ作成者など)向けに、Google検索上で評価するサイトの基準を掲載しています。中でも質の高いコンテンツを作成するには、以下の23項目をとても重視しています。
①記事に掲載されている情報は信頼できるものであるか。
(引用元:https://developers.google.com/search/blog/2011/05/more-guidance-on-building-high-quality?hl=ja)
②記事は、トピックに関して明らかに充分な知識を持つ専門家や愛好家によって書かれているか。あるいは、内容の薄いものであるか。
③サイトに、同じトピックや類似のトピックに対してキーワードのバリエーションをわずかに変えただけの、重複している記事や冗長な記事が含まれているか。
④サイトにクレジット カード情報を登録することに抵抗はないか。
⑤スペルや文体の間違い、事実誤認がないか。
⑥トピックは、サイトの訪問者が本当に求めるものを提供しているか。検索エンジンで上位に表示されることだけを狙って作成されていないか。
⑦独自のコンテンツや情報、独自のレポート、独自の調査、独自の分析内容が記載されているか。
⑧検索結果に表示された他のページと比較して、より実質的な価値を提供しているか。
⑨コンテンツの品質管理はどの程度行われているか。
⑩記事は公平に書かれているか。
⑪サイトは、そのトピックの専門家として認知された機関が運営しているか。
⑫コンテンツが多数のクリエイターへの外部委託によって大量に制作されているために、または複数サイトの大規模なネットワークに拡散されているために、個々のページまたはサイトのプレゼンスが低下していないか。
⑬記事は適切に編集されているか。急いで制作されたような印象を与えていないか。
⑭医療関連のクエリの場合、サイトの情報が信用できるものであるか。
⑮サイトの名前を見て、信頼できるソースから提供されていると認識できるか。
⑯特定のトピックについて包括的または詳細に説明しているか。
⑰自明のことだけでなく、洞察に富んだ分析や興味深い情報を提供しているか。
⑱自らブックマークしたり、友人と共有したり、友人にすすめたくなるようなページか。
⑲主要なコンテンツから注意をそらす、またはコンテンツの妨害となるほどの大量の広告が掲載されていないか。
⑳印刷物としての雑誌、百科事典、書籍に掲載または引用されるような価値があるか。
㉑記事は、長さが短くないか、不完全でないか、有用な詳細情報が不足していないか。
㉒ページに、細部まで注意を払ったコンテンツと、注意を払っていないコンテンツが混在していないか。
㉓サイトのページを閲覧するユーザーからの不満が想定されないか
これらは「ユーザーファースト」を目指す、Googleの指標です。検索上位を狙うためには上記の指標を理解し、コンテンツを作成することが大切です。
実際に、パンダアップデート終了後、Googleにどのようなコンテンツが検索上位に表示されるのかと問い合わせが増加したそうです。その際、Googleは公式的な回答として「特定のGoogleアルゴリズム向けに最適化を行うのではなく、質の高いコンテンツを開発することに集中すること」と回答を出しています。
SEOを優先し、検索上位だけを狙うのではなく、ユーザーが本当に求めている情報なのかという視点でコンテンツ制作をすることが求められています。
Googleの検索アルゴリズムアップデートはいつ起きる?
Googleは、ユーザーに良質なコンテンツを届けるため、パンダアップデート以外にも大小問わず検索アルゴリズムのアップデートを繰り返しています。
検索アルゴリズムアップデートは自社のコンテンツに大きな影響を与えるため、SEOコンテンツ制作者やメディア担当者は常に情報をキャッチアップする必要があります。
定期的に行われるコアアルゴリズムのアップデート
Googleは日々アルゴリズムを更新していますが、定期的にパンダアップデートやペンギンアップデートが組み込まれたコアアルゴリズムのアップデートを行っています。
コアアルゴリズムのアップデートは、日常的なアップデートよりも検索順位の変動が大きい傾向にあります。(そのため、慣習として事前にGoogleからコアアップデートを行う旨がアナウンスされます。)
直近数年間では、以下のタイミングでコアアルゴリズムアップデートが行われました。
(いずれも開始された日時。期間はおよそ2週間)
- 2023年3月15日
- 2022年9月12日
- 2022年5月25日
- 2021年11月17日
- 2021年7月1日
日々繰り返されるGoogleの検索アルゴリズムアップデート
Googleが1997年(日本語は2000年)に検索サービスを開始して以降、毎年のように検索アルゴリズムアップデートが行われてきました。アップデートが繰り返される背景には、Googleがユーザーにとって常に検索しやすい検索エンジンになるため、社会の動きを汲み取りユーザーが何を求めているかを把握して、サービス提供をしていく姿勢が伺えます。
大規模なアップデートは無くとも、日単位で検索アルゴリズムを見直し、アップデートを図っています。
KeywordmapからわかるGoogle検索アルゴリズムアップデート
Googleの検索アルゴリズムアップデートにより、検索結果上では日々、順位変動が起こっています。しかし、毎日順位変動を確認するのは、非常に手間がかかります。
Keywordmapでは、自然検索順位変動推移を測定し、順位変動の結果をツール内で確認できる機能を実装しています。
アルゴリズムの変動に関して、常に情報をキャッチアップしながら、適切にアルゴリズムのアップデートに対応していく必要があります。
まとめ
日々のSEO対策に活用できる「パンダアップデート」について解説しました。
パンダアップデートとは、低品質なページの検索順位を下げ、検索ユーザーのニーズに基づいた良質なコンテンツを高評価し、検索順位を上げるためのアップデートです。上位表示させたいキーワードを過度に盛り込んだり、文字数を無駄に多くしたりといった、ユーザーのニーズを度外視したコンテンツは、順位が下げられる傾向にあります。
パンダアップデートによって、マイナスな影響を受けないようにするためには、ユーザーの検索意図を理解し、それに応えることを第一優先に考えたコンテンツを作成する必要があります。同時にページ表示速度などユーザビリティの高いサイトにすることも求められます。
当記事を参考に、パンダアップデートを考慮したコンテンツ作りを実践してみましょう。
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