リードとは?マーケティングや営業における意味や種類、管理方法まで網羅的に解説

マーケティングにおけるリードという概念は、企業が見込み顧客と信頼関係を築き、最終的な購入や契約に導くために欠かせないものです。
本記事では、リードの定義からマーケティング手法の目的、具体的なツールや実際の活用事例までを網羅的に解説します。
これらを通じて、マーケティング、営業活動の効率化と売上最大化のヒントにしてください。
目次
リードとは
リード(Lead)とは、見込み顧客のことを言います。マーケティング活動を通して獲得した氏名、会社名、メールアドレス、電話番号、部署・役職などといった顧客の情報を指すことも多いため注意が必要です。なお、見込み顧客とは、自社の商品やサービスに関心があり、将来的に購入の可能性がある顧客のことを指します。
上記のようなリードは、SEO、広告、SNS運用、外部メディア活用、イベント開催・参加などさまざまなマーケティング手法を通じて生成されます。
潜在的にしろ顕在的にしろ自社製品を買う可能性があるリードの存在は、企業の売上向上に直接寄与するため、その獲得方法や管理方法をしっかりと理解しておくことが非常に重要です。
リードには複数の種類・フェーズが存在しており、それぞれ担当する部署が異なります。リードを管理する際は種類・フェーズに沿って最適なアプローチが必要不可欠であるため、まず種類・フェーズについて適切に理解しておくようにしましょう。全体のイメージは、下記のようになります。

リードの種類
リードは獲得の仕方によって主にMQL、SQL、CSQL、TQLという4つの種類に分けることができます。
各種類のリードが、どのようにして営業活動に影響を及ぼすのか、具体的な例を含めながら見ていきましょう。それぞれのリードの特性を理解することで、より効果的なマーケティングや営業の戦略が立てられます。
MQL(Marketing Qualified Leads)
MQL(Marketing Qualified Leads)とは、「マーケティング活動によって獲得された一定の基準を満たしたリード」のことを指し、原則的にマーケティング担当が取り扱います。
企業ごとに売上見込みがあるかどうかの基準は違うため、「一定の基準」を定義することが重要です。例えば、マーケティング施策によって購買意欲を高め、潜在的な状態から商材の検討を行う状態に移行したと判断されるまでがMQLの一定の基準のひとつです。
企業によってはツールを活用しながら顧客の行動をスコアリングし、一定の基準を満たしたタイミングでマーケティング担当から営業活動のために営業担当へ引き継がれるというスキームが組まれます。
SQL(Sales Qualified Leads)
SQL(Sales Qualified Leads)とは、「営業担当が対応すべき(営業活動を行うに値する)と判断されたリード」を指します。
なお、SQLは「SGL」「SAL」に分類されます。
SGL(Sales Generated Lead)は、営業担当により生み出されたリード、「引き合い」と呼ばれることが多い顧客を指します。例えば飛び込み営業やテレアポ、展示会での名刺交換など、営業担当が自ら生み出したリードが該当します。
一方、SAL(Sales Accepted Lead)は、営業がマーケティング部門から受け入れたリードです。前述したMQLの中から生まれたもので、マーケティング施策によりニーズを引き上げられ購買意欲が高まっているため、営業活動が行われるべき状態になっています。
SGLとSALを効果的に活用することで、販売効率を高めて、成約率を向上、売上を最大化することができるようになります。
CSQL(Customer Success Qualified Lead)
CSQL(Customer Success Qualified Lead)とは、「カスタマーサクセスの活動から生まれたリード」のことを指します。
カスタマーサクセスとは、導入したSaaSなどの製品が効果的に使用できるよう支援のほか、顧客の事業における売上増加へ寄与するべく支援したり、あるいは、その上で自社サービスのクロスセル / アップセルへ繋げていく担当者・組織を指します。
CSQLでは主に既存顧客がアプローチ対象となり、自社商品のアップセルやクロスセル、および追加購入などが主な目的です。CSQLは既に自社商材を契約していることが前提となるため、一般的に成約率が高くなる傾向にあることが特徴として挙げられます。
なお、一部、新規顧客になり得るリードの創出も目的となります。例えば、既存顧客の知り合いの企業の紹介や、大手企業であれば子会社の紹介などが挙げられます。
TQL(Teleprospecting Qualified Leads)
TQL(Teleprospecting Qualified Leads)は、「電話でのやりとりが最適なフェーズの顧客」を指します。MQLに対して電話にてアプローチを行うため、インサイドセールスが担当するリードとなります。
MQLへのアプローチを行う際、電話で直接リードに接触し、製品の詳細な説明や深堀ったヒアリングを実施することで、具体的なニーズの有無の確認や、潜在的な課題の顕在化を促すことができます。
リードのニーズや購買意欲を正確に見極めることができることから、TQLは商談化した後の成約率の向上に寄与します。
リードのフェーズ
リードのフェーズは、顧客との関係性を深めるために設定された段階・プロセスです。各フェーズを理解し、適切に対処することで効果的なマーケティング戦略・営業活動を構築することができます。
ここでは、リードジェネレーション、リードナーチャリング、リードクオフィリケーション、およびリードリサイクルの4つについて解説します。
それぞれがどのように機能し、どのようにしてリードを効果的に管理するかを学びましょう。
リードジェネレーション
リードジェネレーションとは、見込み顧客を生み出すフェーズを指します。「リードジェン」「リード獲得」と言われることもあります。
展示会やイベントなどでの名刺交換のようなオフラインマーケティング施策、SEOやWeb広告などのオンラインマーケティング施策を通して、自社製品を購入する可能性がある見込み顧客を獲得します。
商材の認知度、リソース、工数、予算や目標の獲得単価などによって行うべき施策は異なります。下の記事ではリードジェネレーションの施策一覧、それぞれの予算感、事例などを解説しています。
リードジェネレーションとは?見込み顧客獲得のための7つの実践
リードナーチャリング
リードナーチャリングは、「顧客を商談や受注まで繋げるための活動」をいいます。「ナーチャリング」とは育成を意味し、そのまま(リードを略して)用いられる場合もあります。
リードジェネレーションによって獲得した見込み顧客は、まだ商材に対するニーズが希薄な場合も多いです。そういう層に対しては、購入意欲を引き出すまで育成するような段階的なマーケティング施策を行って関係を築くことが必要です。
例えば、定期的なメールマーケティングやウェビナーで価値のある情報を提供し続けることで、見込み顧客と信頼関係を構築しつつ、購買意欲を醸成することなどが挙げられます。実際に弊社(株式会社CINC)においても、リードナーチャリング目的のウェビナーを週に一度以上のペースで開催しており、それをきっかけに問い合わせ、営業、受注に至るケースがあります。
ナーチャリングの種類や具体的な方法については、以下の記事でも解説しているのであわせて参考にしてみてください。
リードクオリフィケーション
リードクオリフィケーションは、「営業担当に引き継ぐことができるかどうか見極めること」を指します。
具体的には、見込み顧客の購買意欲や予算の時期などの情報を収集したり、過去に受注した企業の共通項を探し出し、それを当てはめて選別するといった絞り込みが挙げられます。また、場合によっては、ツールを活用しながらリードの行動履歴をチェックし、メールの開封率やサイトの閲覧回数などを元に見極めが行われ、営業担当に引き継がれます。
なお営業担当に引き継ぐ際は、これらの結果を総合的にスコアリングして、リードへアプローチする際の優先順位を決定する場合があります。
リードクオリフィケーションを徹底することで、リソース配分が効率化され、受注しやすい企業に優先的にアプローチすることが可能になるため、非常に重要なフェーズだと言えます。
リードリサイクル
リードリサイクルとは、インサイドセールスやフィールドセールスが過去に失注したリード(案件)に対して再度アプローチして、受注に向けた営業活動を再開することを指します。
過去に電話でのヒアリングや商談を行っていると、予算消化のタイミングや組織課題などを把握しているケースが多いため、再度アプローチするタイミングや条件などが明確です。例えば、以前に予算の都合で購入を見送ったリードに対して、特別なキャンペーンや安価な新製品情報を提供することで、ふたたび商談の俎上に載せるなどの活動が挙げられます。
然るべきタイミングでアプローチを行うべく、以下のような項目をヒアリングし、継続的に売上に繋げています。
- 施策開始時期
- 次のサービス検討時期
- コンペ負けしたサービスの契約期間
- 予算組のタイミング
- 自社のサービスに不足していた要素
リードリサイクルによる効率的な営業を行わなければ、リード獲得のみに頼る自転車操業的な状態が延々と続くことになります。マーケティング部署が新たな施策に疲弊したり、リード獲得単価の高騰に繋がる危険性を孕みます。
過去のアポイントや商談など既存の顧客データを活用し、定期的なフォローアップを実施することで、各部門の工数、予算の観点で効率的なマーケティング活動を実現しましょう。
リードジェネレーションの2つの方法
リードジェネレーションは、見込み顧客を獲得するための初めの一歩です。
リードジェネレーションには、リードの獲得方法の観点から大きく分けてアウトバウンドとインバウンドの2種類に分けることできます。それぞれの特徴について見ていきましょう。
アウトバウンド
アウトバウンドとは、企業側から見込み顧客になり得る対象(企業リスト)に営業活動を行ってリードを獲得する手法を指します。具体的には、営業リストに対する電話営業、飛び込み営業、ダイレクトメール、展示会での直接対話などがアウトバウンド手法に当たります。
企業側から顧客へアプローチする点では、自社のことを認知していなかったり、興味のない層も含まれるため、リードを見極めながら成果に結び付けていく必要があり、成約率はインバウンドに比べて下がる傾向にあります。しかし、自社で企業を選びながら営業やマーケティング活動ができる上、インバウンドより母数を多く確保できる点では、やり方次第で大きな成果が残せると言えるでしょう。
インバウンド
インバウンドとは、見込み顧客側から企業へ問い合わせてもらうことによってリードを獲得する手法を指します。顧客が自発的に情報を求めていることから、営業アプローチに対して忌避感を抱かれづらい特徴があります。
検索エンジン、YouTubeやXといったSNSでの発信やメールマガジンなど、様々なチャネル経由でWebサイトに集客してリードを獲得します。なお、リード情報を獲得する具体的なポイントとしては、顧客によるお問い合わせ、サービス資料のダウンロード、(ツールの場合)無料トライアルの申込、メルマガやサロンの会員登録、ホワイトペーパーのダウンロードなどが挙げられます。
関心の高い見込み客を効率的に引き寄せることができるだけでなく、手法としてはWebメディアやSNSを通してお役立ち情報などの発信を行うパターンが非常に多いため、自社ブランドの認知度向上や信頼性の構築にも寄与します。
また、インバウンドでリードを獲得する際の最大の特徴は、自社の何らかのコンテンツを拝見して自ら問い合わせてくるため、顧客のニーズ顕在度が高いことが挙げられます。オウンドメディアやウェビナーなど、しっかりターゲティングを行い集客に成功すると、商談化した際の成約率が高まることがあるでしょう。
リードジェネレーションの施策一覧
BtoBマーケティングにおいて新規顧客を獲得し、事業を成長させるための基盤となるのがリードジェネレーションです。
なお、リードジェネレーションには様々な施策があり、その選択肢によって成果が大きく変わります。また、実施するタイミングも重要になってくることから、各施策への深い理解が必要不可欠です。
ここでは、リードジェネレーションの代表的な施策をいくつか具体的に紹介し、それぞれの特徴と効果について解説します。最適な手法を見つけ、リードジェネレーションを効果的に進めていきましょう。
オウンドメディア
オウンドメディアは、一般的に自社で管理・運営するWebサイトやブログのことを指します。オウンドメディアで情報発信を行うことで、検索エンジンやSNSなど様々なチャネル経由からリードを集客できるほか、信頼性の獲得や製品・ブランドの認知度を高めることが可能です。
見込み顧客になりそうなターゲットのニーズに合わせたコンテンツの発信、顧客の成功事例などを定期的に発信すると同時に、自社のサービスに関連するコンバージョン導線を設置しておくことで問い合わせへ繋げてリード獲得が可能です。
オウンドメディアを立ち上げる際には社内リソースが必要であり、成果が出るまでには時間がかかりますが、一度軌道に乗れば安定したリード獲得を行うことが可能になります。
本Webサイトである「Keywordmap Academy」もオウンドメディアとして運用しており、月間100件程度のリード獲得を実現しています。詳しくは以下で解説していますので、合わせて参考にしてみて下さい。
Web広告 / SNS広告
Web広告とSNS広告は、GoogleやX、YouTubeなどのプラットフォーム上で表示される広告のことを指します。
Web広告は、GoogleやYahoo!のリスティング広告やアドネットワーク、外部メディアの純広告であり、一方SNS広告はFacebookやX、Instagramなどに出稿する広告です。種類が豊富で、それぞれの特徴やターゲティングの仕方によって効果が変わります。
一般的にはプラットフォーム上のデータに紐づけたターゲティングが可能なことや、ユーザーにとって目に触れやすい箇所に広告が表示されるため、クリックされることが多く、費用はかかるものの、成果が早く出る特徴があります。
例えば、Googleのリスティング広告を利用すれば検索エンジン上で特定のキーワードを使用するユーザーにアプローチできます。また、Facebook広告は基本的に実名登録のためビジネス利用が多く、BtoBの企業が活用している事例が多く見られます。弊社(株式会社CINC)でもセミナーの告知やホワイトペーパー、あるいはサービス説明資料などをFacebook広告で出稿し、リード獲得を行っています。
予算がかかるため、広告施策を中心にリードジェネレーションを行った場合、各社競争が激しくなる繁忙期などの際には費用が高騰しやすいことが挙げられますが、特定のターゲットに対してアプローチを行い、短期的な成果が上がる可能性の高い施策です。オウンドメディアの効果が悪い時や短期的に顕在層のリードを獲得したい際に試したい施策と言えるでしょう。
イベント・展示会への出展
イベントや展示会とは、企業間の情報交換や自社サービスの営業活動を目的とし、オフラインで開催されるものを指します。(※オンラインの場合もありますが、ここではオフラインに限って解説します。)
イベントや展示会への出展は見込み顧客と対面でのコミュニケーションが可能であり、商品やサービスの魅力を直接伝えることができる点で、効果的なリードジェネレーション手法です。
展示会への参加を例に挙げると、業界イベントでブースを設けて自社製品のデモンストレーションを行うことで、来場者の関心を引き、名刺交換やアンケートを通じて見込み客の情報を収集できます。
展示会はアウトバウンド施策の代表格であり、リード獲得の量を担保する施策として大変優秀です。弊社でも毎年定期的に展示会へ出展し、平均1人あたり平均で一日250~300枚ほどの名刺を交換しています。
※展示会に出展した際のブースの様子

イベントや展示会の参加者は、情報収集の目的が多いため潜在的な顧客がほとんどです。しかしながらイベントや展示会を通して顧客をより多く獲得し、続くフェーズのリードナーチャリングを適切に行うことができれば、未来の売上に大きくヒットさせることができます。
リードナーチャリングの施策一覧
リードナーチャリングの「ナーチャリング」という単語は育成を意味し、リード獲得した後の顧客を購買へ導くための重要なプロセスを指します。
具体的な施策を理解することで、より効果的なリードナーチャリング戦略を実践することができます。この章では最低限押さえておくべき代表的なナーチャリング施策であるセミナー(ウェビナー)、メールマーケティング、ホワイトペーパーについて見ていきます。
セミナー(ウェビナー)
セミナーとは、特定のテーマに基づき知識や情報を提供する企業向けの講義形式のイベントを指します。オフライン、オンラインどちらでも行うことが可能です。セミナーは、直接的なコミュニケーションを通じて、サービスを分かりやすく訴求したり、顧客との信頼関係を築きやすいことから、リードを育成するのに役立ちます。
セミナーを通して、顧客の課題解決や成功事例を具体的に示すことで、潜在ニーズを顕在化させることが可能です。信頼感を醸成しつつ製品・サービスの有用性を認識させ、購買意思を高めることができるでしょう。
株式会社CINCで開催しているセミナー一覧

成果に繋げていくためには、すでにニーズが顕在しているリードに対しては自社の新製品紹介ウェビナー、潜在層向けには自社サービスに関わる情報提供や学習に関わる内容、あるいは複数企業の共催セミナーを開催したりと、顧客の関心度に合わせてテーマを変えることが鍵となります。
テーマ選定やそもそもセミナーへ登壇する社内メンバーのアサイン、準備する事項がいくつかあるため企画段階に最も工数がかかります。しかし、質問や疑問にその場で答えることができるため、リードのエンゲージメントも高まり、信頼関係を構築しやすいのがメリットです。ウェビナーの活用により、リードとの関係性を強化し、商談化率や成約率を向上させることができます。
メールマーケティング
メールマーケティングとは、獲得したリードに対して定期的にお役立ち情報や製品のリリース情報などを送付する施策です。比較的施策を実施する際のコストやハードルが低く、多くの企業が取り組んでいます。
メールマーケティングで重要なのが、実施するタイミング(・頻度)とパーソナライズ、送付リストのセグメント分けの3つです。一般的に、メールを全て開封して目を通している顧客は少ないと言われています。そのため、「いつ送るか」「どんな内容を送るか」「誰に送るか」がポイントになります。
過去に受注した企業に共通する業界や、役職レイヤーなどを鑑み、それに合わせて送付内容を決定、予算消化のタイミングを見極めるなどが考えられる一例です。
なお、メールの開封率やクリック率の効果検証を行いつつコンテンツのテコ入れを定期的に行いましょう。その上でタイミング・パーソナライズ・セグメントを調整し、自社のターゲットに合ったメールマーケティングの方法を確立していきます。
特定の条件のリードに送付し続けていると開封率や企業への信頼を下げてしまうリスクもありますが、適切な頻度・情報を送付していると効率良くリードの育成・商談の創出へ繋げられるため、効率的な施策といえるでしょう。
ホワイトペーパー
ホワイトペーパーとは、特定のテーマに関するお役立ち情報などが記載された資料のことを指します。
専門的な知識や情報を提供することで、発信元が信頼できる情報源だと感じてもらえるようになると、問い合わせが増えたり、製品やサービスへの興味を持ってもらいやすくなります。その結果、顧客との関係が深まり、リードナーチャリングにつながります。
例えば、新しい業界トレンドや技術解説を詳述したホワイトペーパーを提供することで、リードにとって価値ある情報源として認識されます。弊社でも毎月配信している「月刊SEO」をはじめ多くのホワイトペーパーを公開しており、多くの方からの好評を得ています。
株式会社CINCが公開しているホワイトペーパーの例

ホワイトペーパーのメインテーマが商材説明寄り・情報提供寄りなど、顕在層/潜在層向けに種類を分けることで、ダウンロードしたリードの興味・関心度を測ることが可能です。それぞれの関心度に合わせてアプローチの頻度やメールマガジンの内容を変更したりできるため、将来的な売上構築のための顧客リストを作ることができます。
ホワイトペーパーを作成するには予算も時間もかかることが多く、ダウンロードされなければコスパの悪い施策となってしまうことがありますが、適切に取り組めば顧客との関係性の構築ができる効果的な施策となります。
リードクオリフィケーションの施策一覧
リードクオリフィケーションとは、集めたリード(見込み顧客)を評価し、営業に引き渡す価値があるかどうかを判断するプロセスです。この施策を正しく行うことで、営業活動の精度が向上し、効率的なリード管理が可能となります。
それでは、具体的なリードクオリフィケーションの施策について見ていきましょう。これらの施策を活用することで、リードの質をさらに高め、効率的な営業活動を実現します。
MAツールを活用したスコアリング
MAツールを活用したスコアリングとは、見込み顧客の行動や属性に基づいて数値を付与することで購買意欲や関心度を可視化し、優先的にフォローすべきリードを特定することを指します。
MA(マーケティングオートメーション)は、リード獲得後の顧客情報を管理し、行動データや属性データを自動で収集・分析してスコアリングを行うツールです。これにより、営業チームが優先的にアプローチすべきリードを迅速に特定できます。
例えば、MAツールはウェブサイトの訪問回数、メールの開封率、コンテンツのダウンロード状況など、多様なデータポイントをもとにリードのスコアを算出します。これにより、購買意欲が高いリードを自動的に見極めることができます。MAツールのスコアリング機能を導入することで、営業効率の最大化を実現しましょう。
弊社(株式会社CINC)で直近有効だと考えているのが、すでに商談を終えているリードが、その後にサービスページを閲覧しているタイミングで通知が来るように設定し、営業担当が架電するという施策です。これにより、エンゲージメントが高い状態で商談を設定することが可能になります。
MAツールの活用には、仕組みづくりやスコアリングのためにメイン担当者がいることが推奨され、工数を必要としたり運用に乗せていくために時間がかかります。しかし一度構築すれば、圧倒的にマーケティング / 営業活動において効率化が図れるため、マーケティングから営業へ戦略的にリード送客を行いたい場合は導入を強く推奨します。
電話によるヒアリング
電話によるヒアリングは、直接架電により、リードのニーズや関心を確認することを指します。また、現在のリードの状況を確認することで、それ以後のアプローチを視野に入れた分類を行うのも役割の一つです。
電話ヒアリングのメインはセールスメンバーよりもインサイドセールスのような、いかに確度の高い商談創出ができるかをミッションとするメンバーが担当することが多くなります。
電話を通じて顧客と直接対話を行うことで、生の声としてニーズについて聞くことができ、より具体的な情報や感情を把握することが可能です。単純なフォームアンケートやメールでの回答では得られない深層心理や具体的な意見を収集することができるでしょう。
例えば、市況の変化があったタイミングに電話でのヒアリングを行うことで、その時にしか触れられない顧客が抱えている具体的な課題や、担当者の新鮮な感情的な反応を直接聞き取ることができるでしょう。
電話でのヒアリングは、大量の架電が必要になるため、大きな工数がかかることで担当者が疲弊してしまう恐れがあります。しかし最も正確に、且つ迅速にリードの状態の確認、分類ができる効果的な施策でもあるため、リソースや体制の状況と照らし合わせつつ、積極的に導入したい施策だと考えられます。
リードの管理方法
リードの管理はマーケティング活動の成功に欠かせない重要なプロセスです。適切なリード管理を行うことで、営業活動の効率化や成約率の向上が期待できます。
リードの管理方法にはいくつかの選択肢があります。ここでは、代表的なリード管理方法としてExcelやスプレッドシート、MAツール、CRMツールの3つを取り上げ、それぞれの特徴と利点について詳しく解説していきます。
Excelやスプレッドシート
Excelやスプレッドシートは、リード管理の基本的かつ手軽なツールとして有効です。費用をかけずに始めたい場合は、この方法がおすすめです。多くの企業が既に使用しており、使い慣れているため導入の障壁が低く、カスタマイズ性が高いです。
Excelを使用してリードの情報を整理し、フィルタリングやソート機能を活用して必要なリード情報を簡単に検索するなどして用います。たとえば、セミナーの参加者や獲得したインバウンドリードに対して、セールスメンバーが架電する際の営業リストにして用いる、などが一般的な使い方です。
ただし、大量のリード管理には向かないため、リード数が増加した場合は下記で紹介するMAツールがおすすめです。
MAツール
MAツール(マーケティングオートメーションツール)は、リードの管理及び、マーケティング施策の自動化を実現します。リードの管理や施策の実行を人手をかけずに行えるため、企業の効率を大幅に向上させることが可能です。
例えば、MAにはメールマーケティングにおいて、特定の条件を満たしたリードに対して自動的にフォローアップメールを送信するといった機能があります。これにより、顧客の興味関心・検討度合いに合わせて適切な内容のコミュニケーションが可能となるため、アプローチタイミングの最適化が可能となります。
適切なMAツールを選ぶことで、企業はマーケティング戦略の最適化を実現し、より高い成果を上げることができるでしょう。
CRMツール
CRM(顧客関係管理ツール)は、顧客の情報や行動履歴を一元管理し、営業やサポート、マーケティング活動を効率化するツールです。問い合わせ対応や商談管理、フォローアップなどに活用できます。
見込み顧客の中でも、特に既存顧客に対してのクロスセルやアップセルに繋げるために使用されることが多くなります。顧客満足度を向上させ、長期的な信頼関係を築くことができます。
例えば、顧客の行動や問い合わせの履歴をCRMツールで管理することで、購買意欲が高いリードを特定するためのスコアリングが容易になり、クロスセルやアップセルの機会を逃すことがありません。さらに、顧客からのフィードバックを取り入れて製品やサービスの改善点を見つけることも容易になります。
最適な顧客対応を実現するために、CRMツールを積極的に活用しましょう。
リードに関するツール一覧
リードの管理や育成には、それぞれのフェーズ・施策に合ったツールが存在しているため、適切なものの使用が不可欠です。ここでは、リードの各フェーズに最適なツールをいくつか紹介します。
リードジェネレーションのためのツール
リードジェネレーションには様々な施策がありますが、それだけにリソースや工数が膨れがちです。とはいえ、各施策において効率化および属人化を解消すべきポイントがあります。
たとえば、効果的なツールを活用することで、人が行わなくていい作業を無くしたり、経験値を遥かに越える量のデータから戦略が立てられるなど、成果へ最短で近づくことが可能です。
ここでは、リードジェネレーションのためにどのようなツールがあるのか、それぞれの特徴や具体的な活用方法について詳しく解説します。
ツールを紹介する上で、対象となる具体的な施策を挙げると以下となります。
- オウンドメディア
- Web広告
- SNS(ソーシャルメディア)
- セミナーの開催
- 資料ダウンロードサイトを利用する
- 電話
- 展示会に出展する(イベントに参加する)
オウンドメディア/ Web広告:Keywordmap
オウンドメディアの運用ではコンテンツSEOを推進していくのが一般的であり、そのためには検索市場や競合サイトの分析、キーワード選定、記事執筆、効果測定を行う必要があります。
Keywordmapはオウンドメディア集客の施策を最適化するために有用です。キーワード分析や検索市場分析など、SEO対策に必要なデータを提供し、広告やオウンドメディアの戦略を効果的に設計するのに役立ちます。

また、Keywordmapは競合分析に強みを持っています。そのため、自社のデータのみを活かして運用するのではなく、既に上手く施策を行なっている他社のデータを生かしたり、有利に戦える市場はどこなのか調査することができるため、効率的にリード獲得が可能です。
株式会社CINCでも、本メディアの運用のためにKeywordmapを使用しており、セールスメンバーのほか、インターン生やアルバイトが執筆し、月間の問い合わせ数を70倍に伸ばした実績があります。
- 料金:要お問い合せ
- 無料トライアル:有り
- サービスサイト:https://keywordmap.jp/
イベント:Eventhub
マーケティングイベントを行う際は招待や当日の運用管理、参加者(リード)情報の管理などを行う必要があります。
Eventhubは、イベントやセミナーの開催時に顧客情報の管理とマーケティング活動を一元化するためのプラットフォームです。

Eventhubを活用することで、一元管理によってイベント運営の効率化と参加者データの詳細な解析が可能です。
例えば、事前登録者のデータ管理や参加者のフィードバック収集、リアルタイムの参加状況のモニタリングが簡単に行えます。これにより、イベントの成功率を高めると同時に、マーケティング活動の効果を最大化することができます。
- 料金:要お問い合わせ
- 無料トライアル:なし
- サービスサイト:https://eventhub.jp/
テレアポ:Pickpon
テレアポの際にクラウドコールシステムを導入する企業が増えています。
電話代が削減できるだけではなく、MAツールとの連携を行って、自動でコールログを残せたり、テレアポのスキル向上のための分析を行うことで、効率的にテレアポの組織力向上に繋げることが可能となります。
Pickponは、効率的なテレアポを支援するツールです。このツールではテレアポ業務の効率化と、架電の属人化防止が期待できます。

ワンクリックでコールができたり、録音の自動文字起こし機能が搭載されていたりと、インサイドセールスなどの架電業務が中心のメンバーの業務効率化、マネージャーの業務管理ができるため、再現性のある組織構築が可能です。
Pickponを活用することで、テレアポ作業の効率が上がり、より多くのリードに迅速に対応できるようになります。
- 料金:要問い合わせ
- 無料トライアル:なし
- サービスサイト:https://pickupon.io/
リードナーチャリング / クオリフィケーションツール
リードナーチャリングとリードクオリフィケーションは、見込み客を最終的な購入につなげるための重要なステップです。それぞれ、スコアリングや適切なタイミングを図るための分析などが非常に重要となりますが、人力のみで行うのは不可能に近いため、効率化できるツールの使用を推奨します。
特に有効なリードナーチャリング / クオリフィケーションツールには、顧客管理のためのCRMやマーケティング活動のためのMAツール、営業活動のためのSFAツールなどがあります。
項目 | MA | SFA | CRM |
---|---|---|---|
対象 | 見込み顧客 | 営業プロセス | 既存顧客・見込み顧客 |
目的 | 見込み顧客の育成と獲得 | 営業活動の効率化と成果向上 | 顧客関係の維持と向上 |
主な利用部門 | マーケティング | 営業 | 営業・カスタマーサクセス |
マーケティングオートメーションツール:Hubspot
マーケティングオートメーションツールは、リード管理やコミュニケーションを自動化し、効果的にリードを育成できます。
特に、リードの管理、メールマーケティング、キャンペーン管理、セグメント化、パーソナライゼーションなど多様な機能を提供します。

HubSpotは、マーケティングオートメーション(MA)ツールとして、企業のマーケティング活動を効率化し、顧客エンゲージメントを向上させるための包括的なプラットフォームです。
マーケティングを効率化したい企業の導入が推奨され、リード管理、メール配信の自動化、CRMとの統合を通じて、マーケティング戦略の最適化を支援します。ユーザーは、ドラッグ&ドロップのエディターを使用して、コーディングスキルなしでランディングページや魅力的なメールを作成でき、A/Bテストや詳細な分析機能を活用して、キャンペーンの効果を最大化できます。
また、SNSなどのソーシャルメディア管理、SMSマーケティングなどの機能も提供し、マルチチャネルでの一貫したマーケティング活動をサポートします。
- 料金:要お問い合せ
- 無料トライアル:有り
- サービスサイト:https://www.hubspot.jp/
顧客関係管理(CRM)システム:Salesforce
CRMシステムは顧客データを一元管理し、特定のリードに対して適切なフォローアップやマーケティング活動を行うために使われます。これにより、リードの育成とクオリフィケーションが効率化されます。
代表的なツールとしてSalesforceを紹介します。

Salesforceは、世界で最も利用されているCRM(顧客関係管理)プラットフォームであり、営業、サービス、マーケティングなど、企業のさまざまな業務を効率化するための包括的なツールです。
Salesforceの特長といえば、なんといっても多機能性とカスタマイズ性です。各企業の業務フローに合わせて柔軟にカスタマイズ可能で、多様なアドオンや他システムとの連携も魅力的です。
一般的なCRMのほか、問い合わせ管理やAIによるチャットボットなどを通じて迅速な顧客対応を実現しています。
- 料金:Starter: 3,300円(基本的な顧客管理機能)~Einstein 1 Sales: 66,000円(AIアシスト機能を含むすべての機能)
- 無料トライアル:有り
- サービスサイト:https://www.salesforce.com/jp/
実際の企業による応用例
実際にリードの各フェーズに合わせて施策の実施、それに伴う売上増加のために株式会社CINCが行ったリードマーケティングの事例を記載します。
継続的な売上の維持を行うべく、弊社ではリードに対するアプローチを各フェーズごとに検討し、実践してきました。

リードジェネレーションの観点では当初、展示会、WEB広告がメインの施策となっていましたが、獲得単価の高騰を受けて、オウンドメディアの運用がスタートしました。その結果、今に至るまでオウンドメディアはメインの集客施策となり、月間で数百件のリードを生んでいます。
リードナーチャリングは各営業もしくはマーケティング担当が行なっています。
具体的には営業担当は前述した電話によるアプローチやホワイトペーパーの適切なタイミングの送付などを行い、マーケティング担当はそれぞれのリードへスコアリング付けを行いながら、関心度に合わせたメールマーケティングの送付などを行っています。
株式会社CINCでは特にデータ活用に重きを置いているため、リードの行動データや対象企業サイトの流入状況、広告費などを確認し、受注に近いリードを見極めるべく営業活動を行なっています。
まとめ
本記事では、リードの定義からその種類、フェーズ、および活用のためのツールについて詳しく解説しました。
それぞれまとめると、以下の通りです。
リードの種類
- MQL(Marketing Qualified Leads)
- SQL(Sales Qualified Leads)
- CSQL(Customer Success Qualified Lead)
- TQL(Teleprospecting Qualified Leads)
リードのフェーズ
- リードジェネレーション
- リードナーチャリング
- リードクオリフィケーション
- リードリサイクル
実行すべき施策や効率化のために導入すべきツールに関しては、本文で言及した通りです。
リードを正しく管理し、ツールを駆使しながら適切な施策を実行することで、効果的なマーケティング戦略を構築することができます。この記事を参考に、まずは自社のリード管理の実態を見直し、適切な施策を実施することを検討してみてください。

詳しくはこちら
Keywordmapのカスタマーレビュー
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