サブドメインとは?メリットやデメリット、作り方からサブディレクトリとの違いを解説!
本記事ではサブドメインとは何か、その詳細について深掘りしていきます。
サブドメインが使われている理由や活用することで、SEOやWebマーケティングにおいてどのようなメリット・デメリットがあるのかについても説明します。
取得・作成方法についても解説していますので、もしこれからサブドメインの活用を検討しているなら、当記事を参考にしてください。
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サブドメインとは
サブドメインとは、本ドメイン(ルートドメイン)の前に特定の文字列を付け加えて形成されるドメインのことを指します。例えば、「○○.co.jp」という本ドメインを持っている場合、「□□□.○○.co.jp」といったように直前に文字列を追加したドメインがサブドメインとなります。一つのブランドが複数のサービスを展開する際に、目的や用途別にサブドメインが活用され、本ドメインとは別のドメインとして扱われます。
具体的な例を挙げると、Yahoo!の本ドメインは「yahoo.co.jp」で、これに対してYahoo!知恵袋は「chiebukuro.yahoo.co.jp」というサブドメインで構成されています。
Yahoo!は、本ドメイン(検索エンジン)とは別サービスを提供しているため、サブドメインを用いて各サービスのWebサイトを区別しています。
■本ドメイン
- Yahoo! JAPAN : https://www.yahoo.co.jp
■サブドメイン
- Yahoo!知恵袋:https://chiebukuro.yahoo.co.jp
- Yahoo!ショッピング :https://shopping.yahoo.co.jp
- Yahoo!ニュース :https://news.yahoo.co.jp
ドメインとサブドメインの違い
ドメインとサブドメインの違いは以下になります。
ドメイン | サブドメイン | |
---|---|---|
定義 | インターネット上にあるコンピュータを識別するために使用される文字列 | 既存のドメインに文字列を追加することで作成される、新しいドメイン |
取得方法 | ドメイン取得サービスで取得 | 本ドメインを取得している場合、無料または安価で作成できる |
所有権 | ドメイン所有者 | 本ドメイン所有者 |
管理 | ドメイン所有者が行う | 本ドメイン所有者が行う |
費用 | 取得時に費用がかかる | 本ドメインの契約に含まれている場合は無料 |
検索エンジンで評価 | 本ドメインの評価に影響を受ける | 基本的には本ドメインの評価とは別に評価される |
サブドメインのメリット
サブドメインを利用することで、大きく以下の5つのメリットがあります。
- 運営元が同じというブランディング効果を得られる
- 追加のドメイン費用がかからない
- 独自ドメインの評価をそのまま引き継げる
- 複数のWebサイトを同じドメインで管理できる
- ユーザーエクスペリエンスが向上する
運営元が同じというブランディング効果を得られる
サブドメインを活用することにより、サービス提供元が同一であることを明示し、強力なブランディング効果を引き出すことが可能です。URLに本ドメイン名が含まれているため、ユーザーに対してそのサービスが同一の企業からリリースされていることが明確に伝わります。
たとえばYahoo!は、以下のようにサブドメインを使用し、そのブランディング効果を最大限に引き出しています。
サービス | サイト名 | ドメイン |
---|---|---|
Q&Aサイト | Yahoo!知恵袋 | chiebukuro.yahoo.co.jp |
不動産サイト | Yahoo!不動産 | realestate.yahoo.co.jp |
ショッピングサイト | Yahoo!ショッピング | shopping.yahoo.co.jp |
天気サイト | Yahoo!天気 | weather.yahoo.co.jp |
ニュースサイト | Yahoo!ニュース | news.yahoo.co.jp |
上記のようにサブドメインを使うと同じ企業が提供しているサービスだということが分かりやすくなるので、ブランディング効果が得やすいでしょう。ブランド効果を最大限に利用したいと考えているのであれば、サブドメインが有効でしょう。
追加のドメイン費用がかからない
サブドメインの利用には、追加のドメイン費用を必要とせずにサイトを拡充できるという利点があります。サブドメインは基本的に元のドメインから派生させる形でWebサイトを作成するので、新たにドメインを購入する必要がありません。
新しい独自ドメインを取得すると通常はコストがかかるため、サブドメインを用いることで経費を節約できます。たとえ一つ一つは少額に思えても、運営するサイトが増えるほどそのコストも積み重なっていくでしょう。
独自ドメインの評価をそのまま引き継げる
サブドメインの利用は、本体となるオリジナルドメインの評価が継承される傾向にあるというメリットがあります。本ドメインが長期間運用され評価が高い場合、サブドメインで構築したサイトも同様に高い評価を受ける傾向にあります。
ドメインの評価を向上させるには被リンクの獲得など、時間と労力がいる作業が多く含まれます。しかしサブドメインを活用すれば、本ドメインの評価を引き継ぐ傾向にあるためサイトの評価を早く高めることができる可能性があります。
高評価を持つ企業ドメインなどを保有している場合、新しいドメインを契約してサイトを立ち上げるよりもサブドメインを使用して評価を素早く向上させることが可能です。
複数のWebサイトを同じドメインで管理できる
サブドメインを利用することで、異なるテーマや機能を持つコンテンツを整理しやすくなります。
サブドメインでは1つのドメインを分割してコンテンツを作成できるため、色々なドメインを使い分ける必要がありません。
多くのサイトを管理するのが大変だと感じているのであれば、サブドメインを活用することで工数を削減できるでしょう。
ユーザーエクスペリエンスが向上する
サブドメインによって関連性のあるコンテンツをまとめることで、ユーザーが求める情報にたどり着きやすくなりユーザーエクスペリエンスが向上します。特に複数のサイトを運営している場合、本ドメインから分割したサブドメインを利用したほうがユーザーが情報を探す際にも分かりやすくなるでしょう。
例えばYahoo!の場合にも、本ドメインである検索エンジンからサブドメインである不動産サイトやショッピングサイトへのリンクが掲載されているような形です。
ユーザーが使いやすいサイト構造を目指している方にとっても、サブドメインでのサイト運営が効果的だと言えるでしょう。
サブドメインのデメリット
サブドメインのデメリットについてもしっかり理解しておかないと、サブドメインを作っても想定していた効果を得られず、かえってビジネスに悪影響を与えてしまうことになりかねません。
以下の4パターンのデメリットについては、あらかじめ念頭に入れておきましょう。
- 1つのサイトのペナルティをサブドメインも受ける
- サブドメイン用のSSL証明書費用がかかる
- 独自ドメインのSEO評価が低いと順位が上がりにくい
- セキュリティリスクが高まる可能性がある
1つのサイトのペナルティをサブドメインも受ける
本ドメインがGoogleのペナルティを受けてしまった場合、それがサブドメインにも影響を及ぼす可能性があります。
ペナルティを受けると、検索キーワードの順位が大幅に下落するため、サイトへのアクセスが減少する傾向にあります。
サブドメイン用のSSL証明書費用がかかる
サブドメインの取得に際し、サブドメイン専用のSSL証明書の費用が別途発生するというデメリットがあります。SSLはウェブ上の通信を暗号化して送受信するための仕組みで、サイトのセキュリティのためSSL証明書を取得することが強く推奨されています(常時SSLであることは、SEO的にも好影響がある)。
サイトをサブドメインに分けると、サブドメインごとにSSL証明書の発行費用が必要となるのがデメリットと言えます。もし多数のサイトをサブドメインで運営している場合、SSL証明書の発行費用だけでも相当なコストがかかることになります。
しかし近年では複数のサブドメインに一つのSSL証明書を適用できるワイルドカード証明書というオプションも存在するので、その利用も検討してみてください。
独自ドメインのSEO評価が低いと順位が上がりにくい
本ドメインのSEO評価が低い場合、その評価がサブドメインにも引き継がれサブドメインの評価も低くなってしまうという欠点が存在します。サブドメインは本ドメインの評価を継承する性質があるため、本ドメインの評価が低い場合、サブドメインの利点を活かすことが難しくなります。
たとえば本ドメインの運用歴が短く、コンテンツが少なく、他のサイトからのリンクが少ない場合、サブドメインの評価は新規ドメインと変わらない可能性があります。
セキュリティリスクが高まる可能性がある
サブドメインを利用する場合、各ドメインごとにセキュリティ設定が適切に行われていないと、情報漏えいなどのリスクが起こる可能性があります。
サブドメインの数が増えるごとに管理するサイト数も増えるので、どれか1つでもセキュリティの脆弱性があればそこから不正アクセスされてしまうかもしれません。サブドメインを利用する際には、各ドメインごとのセキュリティ対策をしっかりと行うようにしてください。
サブドメインとサブディレクトリはどっちの方がおすすめなのか?
サブドメインと似たような言葉に「サブディレクトリ」があります。両者を混同してしまっている方は多いのではないでしょうか。
本章では、それぞれの違いと使い分ける方法を解説します。
サブドメインとサブディレクトリの違い
サブドメインは1つのドメインを区分けしたものですが、サブディレクトリは1つのドメイン内で階層を切って構築します。
例えば、当メディア「Keywordmap ACADEMY(https://keywordmap.jp/academy/)」は、弊社・株式会社CINCで提供しているツール「Keywordmap」のサービスサイト(https://keywordmap.jp/)の後に文字列が続いているため、サブディレクトリとなります。
サブドメインはメインWebサイトの影響が比較的少ない一方で、サブディレクトリはメインWebサイトの影響を比較的受けやすい特性があります。
URLの違いについては下記の表でまとめてありますので、それぞれの特性についてまず理解しておくことが重要です。
サブドメイン | サブディレクトリ | |
---|---|---|
作られ方 | ドメインの前に文字列を追記して作成 | ドメインの後にスラッシュを切って作成 |
SEO上の違い | 比較的メインサイトからの影響を受けにくい | 比較的メインサイトからの影響を受けやすい |
URLの違い | △△.〇〇.com | 〇〇.com/△△ |
サブドメインとサブディレクトリのおすすめな使い分け
サブドメインとサブディレクトリの効果的な使い分けについて見ていきましょう。
タイプ | おすすめなケース |
---|---|
サブドメイン | メインサイトとテーマが大きく異なる場合 |
サブディレクトリ | メインサイトのテーマが近い場合 |
サブドメインは本ドメインとテーマが大きく異なる場合に、サブディレクトリは本ドメインとテーマが近い場合に使うことが有効です。
「必ずサブドメインを使わなくてはいけない」という決まりはありませんが、傾向として上記のような使い分けがされている点は覚えておきましょう。
サブドメインの作り方・取得方法
サブドメインの作成方法についても見ていきましょう。実際に取得する際の参考にしてみて下さい。
サブドメインを取得するためには、大きく以下のステップを踏む必要があります。
- 本ドメインとなる独自ドメインの取得(既に取得している場合は除く)
- サーバーに1のドメインを本ドメインとして設定
- サーバーでサブドメインのフォルダを作り、設定
なお、サブドメインを取得する際は、本ドメインを取得したレジストラを利用する必要があるので、注意しましょう。
本章では、「お名前ドットコム」というレンタルサーバー(兼レジストラ)で独自ドメインを取得した場合のサブドメインの設定方法を解説します。なお、上記でも触れましたが、本ドメインさえ取得していれば、サブドメインの登録や維持には一切費用がかかりません。
具体的には以下の4ステップです。
- サーバーのドメイン管理メニューをクリック
- 「+サブドメイン」をクリック
- サブドメインの文字列を入力する
- サブドメイン追加設定を行う
①「ドメイン」を選択
まずはレンタルサーバーの管理画面にログインし、画面左のメニュー欄から「ドメイン」をクリックします。
②「+サブドメイン」をクリック
続いて、サブドメインを作成したい本ドメインの欄に表示されている「+サブドメイン」をクリックします。
③サブドメインの文字列を入力する
次に、サブドメインとして設定する文字列を入力します。
④サブドメインを「追加する」をクリック
入力内容を確認したら、「追加する」をクリックすると作成完了です。より具体的な手順に関しては各サーバー会社のマニュアルを参考にしてください。
サブドメインに関するQ&A
最後に、サブドメインに関する良くある疑問について紹介します。下記のような疑問を持っている人は、ぜひチェックしてみてください。
- サブドメインとマルチドメインの違いとは?
- サブドメインは無料で設定できる?
- サブドメインがSEOに与える影響は?
- サブドメインとマルチドメインの違いとは?
- サブドメインの階層はいくつまで?
- サブドメイン「www」の有無の違いは?
サブドメインとマルチドメインの違いとは?
サブドメインとマルチドメインの違いについて、下記の表にまとめました。
サブドメイン | 1つのドメインを細分化させて作るドメイン |
マルチドメイン | 1つのサーバーで複数のドメインを割り当てること |
サブドメインは1つのドメインを細分化させたドメインであり、サーバーも契約しているドメインも1つです。対してマルチドメインは、1つのサーバーで複数ドメインを割り当てることであり、複数のドメインが存在します。それぞれ言葉は似ていますが意味は異なります。
サブドメインは無料で設定できる?
独自ドメインとサーバーがあれば(契約していれば)、サブドメインは無料で設定することができます。複数のサブドメインを作成しても追加費用はかかりません。通常複数のサイトを運営するためにはドメインの契約が必要ですが、サブドメインを利用することでドメイン費用を抑えられるのがメリットだと言えるでしょう。
運営サイトを増やす際にできるだけドメインコストをかけたくないと考えているのであれば、サブドメインでのサイト作成を検討してみてください。
サブドメインがSEOに与える影響は?
サブドメインは本ドメインに対する内部リンクだと認識されるため、サブドメインから本ドメインへのリンクを送ることでSEO評価を高めることにつながります。
実際にSearch Consoleで確認してみても、サブドメインは本ドメインへの内部リンクだと認識されていました。本ドメインの評価を高めるためにサブドメインを活用するという手もありでしょう。
サブドメインの階層はいくつまで?
サブドメインの階層に制限は設けられていないため、「aaa.bbb.example.com」のようにサブドメインを複数階層にすることも可能です。ただし階層レベルが多すぎるサブドメインは管理が難しくなってしまうため、基本的には1階層で設定したほうが良いでしょう。
また、1つのドメインに設定するサブドメインの数も20程度までにしたほうが管理がしやすくなります。サブドメインの階層に制限はありませんが、管理の手間を考えて階層を作りすぎるのは避けるようにしましょう。
サブドメイン「www」の有無の違いは?
URLに「www.example.com」のようなサブドメインが付いているのは、Webサーバーを利用してサイトを公開していることを示す慣例です。最近ではURLに「www」を付けていないサイトもよく見るようになりました。
ただ、過去に運用歴がある中古ドメインを使用する場合には「www」の有無で評価が変わってしまうことがあります。過去のドメイン評価を引き継ぎたいのであれば、過去に「www」を付けて運用していたのかどうかを確認するようにしてください。過去の運用歴で「www」を付けているのであれば、「www」を付けて運用したほうが評価を正当に引き継ぎやすくなります。
まとめ
サブドメインの意味やメリット・デメリット、作成する方法について解説してきました。サブドメインのメリットとして以下が挙げられます。
- 運営元が同じというブランディング効果を得られる
- 追加のドメイン費用がかからない
- 独自ドメインの評価をそのまま引き継げる
- サイト構成を整理できる
- ユーザーエクスペリエンスが向上する
一方で下記のようなデメリットもあるので注意が必要です。
- 1つのサイトのペナルティをサブドメインも受ける
- サブドメイン用のSSL証明書費用がかかる
- 独自ドメインのSEO評価が低いと順位が上がりにくい
- セキュリティリスクが高まる可能性がある
当記事の内容を参考に、サブドメインについて理解を深めてみてください。
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