リスティング広告の競合調査手順を解説！キーワードや広告文を分析しよう

最終更新日: 2023-12-21

Webマーケ全般

最終更新日: 2023-12-21

Webマーケ全般

競合のリスティング広告の調査では、おもに競合が対策しているキーワードやその数（規模）、広告クリエイティブ（タイトル、ディスクリプション、バナー）、順位や想定アクセス数などパフォーマンスが対象に分析を行います。

成果を求めるのであればリスティング広告の競合調査は必要不可欠です。Google検索などの一般的なリスティング広告は入札制であることから順位が相対的に決まるため、競合調査をせずにリスティング広告を出稿してしまうと、広告が閲覧されなかったり、コンバージョンに結びつかなかったりする恐れがあるからです。

この記事では、リスティング広告を出稿している企業や広告運用担当者に向けて、競合調査の必要性、手順、活用法、ツールについて解説します。

実際に競合の広告を調査しながら記事を読み進めることで、具体的な改善に繋げることができるのでこの機会にKeywordmapをトライアルで利用してみましょう。

⇒競合のリスティング広告の出稿状況を見てみる。

リスティング広告の出稿で競合調査は必須

リスティング広告を出稿する際、競合調査が必須となります。主な理由は以下の2つに集約されます。

• 検索画面に掲載される順位や出稿費用は競合の影響を受ける。
• 競合より魅力的な広告・LPでなければコンバージョンを獲得できない。

リスティング広告は、自社と競合他社の入札単価や広告の品質を比較して相対的に掲載順位が決まる仕組みです。

掲載順位が競合他社より低い状況であれば、入札単価か広告の品質を高める必要があります。一方、広告が最上位に表示されている状況であれば、今より入札単価を高くする必要はありません。

リスティング広告は自然検索と同様に表示順位によって大幅にクリック率が変わってきます。つまり、リスティング広告をユーザーに見てもらうためには、競合の出稿状況を踏まえて自社の広告を調整する必要があるということです。

また、検索ユーザーのキーワードに合わせた広告が出稿されるため、検索結果には類似したカテゴリーの広告が表示される傾向にあります。競合の広告より広告文が魅力的でなければ、自社の広告をクリックしてもらえないかもしれません。

広告がクリックされてランディングページへ誘導できたとしても、内容が競合よりも魅力的でなければ、コンバージョンに結びつかないこともあるでしょう。

上記のことから、出稿したリスティング広告からコンバージョンを獲得するためには、競合他社の分析が欠かせないことが分かります。

リスティング広告の競合調査5つの手順

リスティング広告における競合調査の手順は以下の通りです。

1. 調査対象の競合他社をリストアップする
2. 競合他社の商品・サービスを調査する
3. 競合他社の広告の出稿状況を確認する
4. 競合他社の広告の内容を分析する
5. 競合他社のランディングページの内容を分析する

調査対象の競合他社をリストアップする

まず調査対象の競合他社をリストアップしましょう。

リストアップの対象となる競合他社は以下の通りです。

• 自社が出稿したいキーワードで既に広告を掲載している企業
• 自社と類似した商品・サービスを提供している企業
• 自社が提供している商品・サービスの代替品を提供している企業

リストアップする競合他社の選定方法は以下の通りです。

• 出稿する予定のキーワードで実際に検索する
• 自社が提供している商品・サービスのカテゴリー名で実際に検索する
• 営業担当に確認する

競合他社の商品・サービスを調査する

調査対象の競合他社をリストアップしたら、次は競合他社の商品・サービスを調査します。

調査する商品・サービスの項目は以下の通りです。

• 商品・サービスの価格
• 購入サイクル
• 類似商品との違い
• ターゲット
• 付加価値
• 販売実績
• 知名度
• 専門性・権威性
• 支払い方法
• ユーザーからの評価・評判

競合他社の商品・サービスと比べて優位にある要素はどれか、負けている要素はどれなのかを調査したうえで、どの要素を訴求すべきなのかを検討します。

競合他社のピックアップ方法や調査方法については、以下の記事で詳しく解説しています。

競合調査とは？調査方法や役立つフレームワークとツールを紹介

navigate_next

競合他社の広告の出稿状況を確認する

競合他社の商品・サービスを調査したら、続いて競合他社の広告の出稿状況を確認します。

▼競合他社の広告の出稿状況

出稿する予定のキーワードで実際に検索することで、競合他社の掲載順位が確認できます。すでに広告を出稿している場合は、オークション分析（Yahoo!広告ならオークションインサイト）から確認することも可能です。

また、Kerywordmapといった競合分析ツールを活用することで、競合が広告を出しているキーワードやその順位を、検索結果を調べずに、まるっと一括で調査することも可能です。

「インプレッションシェア」とは、出稿した広告が表示される機会があった回数に対する、実際に広告が表示された回数の割合です。インプレッションシェアは、オークション分析（Yahoo!広告ならオークションインサイト）から確認できます。

広告費が不足して広告が表示されなかった場合や掲載順位が原因で広告がユーザーの画面に表示されなかった場合は、広告が表示されなかったとみなされます。

競合他社の広告の内容を分析する

競合他社の広告の出稿状況を確認したら、次は競合他社の広告文の内容を分析します。

広告文の確認事項は以下の通りです。

• 広告の見出し
• 広告の説明文
• 広告表示オプション

競合他社が出稿している広告の見出しや説明文、広告表示オプションを確認することで、どのようなターゲットに向けた広告なのか、どのようなポイントを訴求しているのかが分かります。

ユーザーにクリックされるように競合とは訴求をズラす、もしくは同じ訴求の軸なのであればプラスアルファで訴求できるポイントはないか検討しましょう。

なお、Keywordmapのような競合分析ツールを使用することで、調査したい競合が出している広告文を一括で抽出します。競合がどんな訴求にフォーカスしているのか、どの広告にどれくらいのキーワードを出稿しているのかなど様々な角度から分析することが可能です。

▼Keywordmap：リスティング広告分析

競合他社のランディングページの内容を分析する

最後に、競合他社のランディングページの内容を分析します。

ランディングページの確認事項は以下の通りです。

• ページの内容
• 広告との関連性
• CV獲得の導線

ランディングページで紹介している商品やサービスは何か、コンバージョンを獲得するための導線はどうなっているのかを確認します。

前述した広告文の内容とランディングページの関連性が高ければ、広告の品質が高くなります。関連性とは「リスティング広告を見てランディングページを訪れたユーザーの期待を裏切っていないか」、あるいは「訪問前と後のユーザー期待値のギャップ」だと考えてください。ギャップが少なければ少ないほど関連性は高いと考えられるでしょう。

リスティング広告の調査・分析結果の活用法

競合他社が提供している商品・サービスを調査したり、出稿しているリスティング広告の広告文やランディングページを分析したりするだけでは何も変わりません。

リスティング広告の効果を高めるためには、競合調査・分析結果を活用し、自社の広告を改善する必要があります。

リスティング広告の競合調査・分析結果の活用法は以下の5つです。

• 広告の訴求内容の改善
• ランディングページの訴求内容の改善
• 出稿するキーワードの拡張の検討
• 入札単価・入札戦略の見直し
• 出稿する媒体の検討

広告の訴求内容の改善

リスティング広告の競合調査・分析結果を活用し、出稿している広告の訴求内容を改善します。

▼改善のポイント

• 競合が多用している広告表現を取り入れる
• 広告表示オプションを活用する
• 競合他社より優位なポイントをアピールする

リスティング広告の広告文はクリック率へ大きく影響するため、自社の広告の強みをアピールし、競合他社の広告との差別化を図る必要があります。競合が多用している広告表現を取り入れるのもいいでしょう。たとえば、競合が「○○%オフ」や「○○円」「○○日限定」といった具体的な数値や、「ランキング」「売れ筋」といった言葉を用いているのであれば、自社の訴求としても使える可能性があります。

また、広告表示オプションを利用し、見出しや説明文に盛り込めなかった情報を伝えることも効果的な手法です。

ランディングページの訴求内容の改善

リスティング広告の競合調査・分析結果を活用し、ランディングページの訴求内容を改善します。

▼改善のポイント

• 競合他社と同じポイントを訴求しない
• 自社より優れている機能・UIを取り入れる

ランディングページの訴求内容は、コンバージョン獲得に大きく影響する要素です。

たとえば、価格やサービスが競合と同程度、もしくは見劣りする場合、競合と同じような訴求をしてもコンバージョン獲得につながらないかもしれません。競合と比べて自社が優位にあるポイントをアピールし、訴求内容を差別化するようにしましょう。

一方、競合他社のランディングページに自社より優れた機能やUIが見つかった場合、参考にして導入することも有効な施策です。

出稿するキーワードの拡張の検討

リスティング広告の競合調査・分析結果を活用し、出稿するキーワードの拡張を検討します。

▼キーワードの拡張を検討したほうがいいケース

• 掲載順位・インプレッションシェアが低い
• クリック率が高くCVRが低い

出稿しているキーワードの掲載順位・インプレッションシェアが低い場合、入札単価を大幅に上げることで掲載順位を上げたとしても、費用対効果が低下してしまうかもしれません。

上記の場合、部分一致やフレーズ一致を活用し、広告を表示するキーワードの幅を広げてみましょう。

また、広告のクリック率が高いにもかかわらずCVRが極端に低い場合、除外キーワードを設定して広告が表示されないようにするのも効果的です。

入札単価・入札戦略の見直し

リスティング広告の競合調査・分析結果を活用し、入札単価・入札戦略を見直します。リスティング広告では、限られた広告予算を効率的に配分することが重要です。

広告が最上位に表示されているのであれば、入札単価を今よりも低く設定しても掲載順位を維持できるかもしれません。上位掲載できている広告の入札単価を抑え、掲載順位が低い広告の入札単価を上げることで、広告全体の顧客獲得単価を下げることができます。

自社と競合他社の掲載順位・インプレッションシェアを分析し、最適な入札戦略を計画しましょう。

出稿する媒体の検討

リスティング広告の競合調査・分析結果を活用し、出稿する媒体を検討します。前述した改善方法でも十分な効果が得られなかった場合、出稿する媒体を見直すことも戦略として重要です。

たとえば、Google広告のリスティング広告で競合が多い場合、広告予算をかけて順位を上げようとするより、Yahoo!広告に出稿したほうが費用対効果を高められるかもしれません。

また、リスティング広告ではなくディスプレイ広告やSNS広告へ出稿するのもおすすめです。

リスティング広告の競合分析に利用できるツール

リスティング広告の競合分析に利用できるツールは以下の5つです。

▼リスティング広告の競合分析ツール

• オークション分析レポート（Google広告）
• オークションインサイト（Yahoo!広告）
• Keywordmap
• Similar Web
• Semrush

それぞれのツールの概要から、リスティング広告に関して分析できること、メリット・デメリット、どんな場合に向いているツールなのか、他のツールとの違いについて解説します。　

オークション分析レポート（Google広告）

オークション分析レポートは、Google広告の管理機能の一つで、自社が出稿しているリスティング広告やショッピング広告と同じオークションに参加している広告主と、掲載結果を比較・分析できる機能です。Google広告管理画面から無料で利用できます。

▼リスティング広告に関して分析できること

• インプレッションシェア
• 広告の重複率
• 優位表示シェア
• 上位掲載率
• ページ上部表示率
• ページ最上部表示率

参照：Google広告ヘルプ｜オークション分析レポートでパフォーマンスを比較する

オークション分析レポートのメリットは、取得できるデータが正確であることです。GoogleアナリティクスやGoogleサーチコンソールと同様にGoogleが提供しているツールなので、他の競合分析ツールよりも信頼性の高い分析が行えます。

一方、オークション分析レポートはGoogle広告を出稿している企業向けの機能なので、Google広告アカウントを取得する必要があります。Yahoo!広告のみを出稿している場合は利用できません。

また、広告に特化した競合分析機能なので、オーガニック検索やSNSなど、Google広告以外の流入キーワードを調べることはできません。

オークションインサイト（Yahoo!広告）

オークションインサイトは、オークション分析レポートと同様に、自社が出稿している広告と同じオークションに参加している広告主と掲載結果を比較・分析できる、2023年1月に追加された機能です。

Yahoo!広告の管理画面から無料で利用できます。

▼リスティング広告に関して分析できること

• インプレッションシェア
• ページ上部表示率
• ページ最上部表示率
• 自社との重複表示率
• 他社との重複表示率
• 自社の優位表示率

参照：Yahoo!広告ヘルプ｜オークションインサイトについて

オークションインサイトの機能は、前述したオークション分析レポートとほぼ同じです。Yahoo!広告を出稿しているか、Google広告を出稿しているかの違いしかありません。

Keywordmap

Keywordmapは、webマーケティングにおける競合分析ツールです。国内企業である株式会社CINCが提供しているため、海外のツールと比べると説明が分かりやすく、安心して利用できます。

料金は、要望に応じて最適なプランを提案してもらえる仕組みです。7日間の無料トライアルがあるので、導入する前に使い勝手を確認できます。

▼リスティング広告に関して分析できること

• 競合の出稿キーワードや広告文を抽出
• 指定したキーワードでリスティング広告出稿の多いサイトを抽出
• 指定したキーワードの掲載順位・CPC・想定費用・入稿URL（LP）を抽出
• 指定したキーワードの競合状況を可視化
• より効果的な広告戦略の立案

参照：Keywordmap｜機能紹介

Keywordmapのメリットは、初心者にも分かりやすいUIです。競合分析の経験や専門知識がない方でも、直感的にツールを利用できるため、スムースに導入できます。また、ブラウザ上で稼働するツールなので、パソコンにソフトをダウンロードする必要はありません。

similarweb

similarwebは、自社だけでなく、競合する企業が運営するWEBサイトのトラフィックを確認できるツールです。イスラエルに拠点を置くSimilarWeb社が開発・提供している海外のツールですが、日本語版のページも用意されています。

無料でも利用できますが、データ取得期間や表示件数、ログインユーザー数に制限があり、利用できない機能もあります。

▼リスティング広告に関して分析できること

• 競合他社が利用しているパブリッシャーや広告ネットワーク
• 競合他社の広告クリエイティブ
• 競合他社の広告キャンペーン
• リスティング広告へ流入しているキーワード

参照：similarweb｜デジタル マーケティング インテリジェンス

競合他社の広告出稿状況が確認できるだけでなく、オーガニック検索から流入しているキーワードやソーシャルネットワーク経由のトラフィックなど競合サイトのトラフィックを分析することで、自社との比較・分析ができます。

一方、無料版では機能制限が多いため実質的に有料版を利用する必要があり、毎月コストが発生します。また、海外ツール特有のUIや不自然な日本語など、使い勝手が悪い点もデメリットと言えるでしょう。

Semrush

Semrushは、WEB広告やオーガニック検索、SNSなどさまざまな流入経路から競合分析ができる、コンテンツマーケティングツールです。アメリカに拠点を置くSemrush Inc.が開発・提供している海外のツールですが、日本語版のページも用意されています。

無料トライアルが用意されており、14日間はすべての機能が使い放題です。

▼リスティング広告に関して分析できること

• 競合が出稿しているキーワード
• 競合が出稿している広告文
• リスティング広告を出稿しているＷＥＢサイト
• 競合が出稿しているキーワードとの比較分析

参照：Semrush｜機能一覧

Semrushのメリットは、競合分析に必要な機能が網羅されていることです。他のツールを併用する必要がありません。

一方、similarwebと同様に海外製のツールなので、一部の機能が日本語に対応していない、マニュアルが分かりにくいという点はデメリットです。

また、機能が充実している分、広告の競合分析だけを目的に利用する場合は料金が高く感じられるかもしれません。

まとめ

今回は、リスティング広告における競合調査の必要性、手順、活用法、ツールについて解説しました。リスティング広告の効果を高めるためには、掲載順位や広告文、ランディングページで競合他社より優位に立つ必要があります。

この記事で紹介した競合調査の手順や活用法を参考にし、リスティング広告の改善に取り組みましょう。