ブラックハットSEOとは？避けるべき理由ややり方・手口を解説

最終更新日: 2024-01-18

SEO

最終更新日: 2024-01-18

SEO

ブラックハットSEOとは検索エンジンのアルゴリズムの穴を見つけて、不正な手法で順位上昇を狙う技術のことです。かつて、すぐに成果が出やすいと評判になりブラックハットSEOを実施するサイトが横行しましたが、ユーザーのためにならないような検索結果になってしまうため現在ではGoogleが対策をしています。

主なブラックハットSEOの施策

キーワードの詰め込み（キーワードスタッフィング）
リンクスパム（リンクの購入）
隠しテキストや隠しリンク
クローキング（検索エンジンを騙してコンテンツを表示する）

今では、上記のようなブラックハットSEOは通じなくなっており、検索結果に表示されなくなるといったペナルティの対象となる可能性もあるため十分に気を付ける必要があります。

とはいえ知らず知らずの間に、ブラックハットSEOを行ってしまっている場合もあるため、どのようなものなのかを詳しく知っておく必要があります。当記事では、ブラックハットSEOのやり方や、ホワイトハックSEOとの違い、ブラックハットSEOを使わず成果を出す方法について解説します。

ブラックハットSEOとは
- ブラックハットSEOは利用すべきではない
ブラックハットSEOのやり方・手口
ブラックハットSEOとホワイトハットSEOとの違い
- ホワイトハットSEOとは
ホワイトハックSEOを進める前に読んでおくもの
ブラックハットSEOをGoogleに報告する方法
まとめ

ブラックハットSEOとは

ブラックハットSEOとは、検索エンジンのアルゴリズムの裏をかくような悪質なやり方で検索結果を操作して、順位上昇を図る手法です。

ブラックハットSEOはページの質を問わず上位表示させることを狙っているため、横行してしまうことでユーザーにとって有益な情報が得られない検索結果を生み出す危険性を孕んでいます。このことはGoogleの掲げているユーザーファーストの方針とは大きく反するため、Googleはこれを取り締まり、今では、ブラックハットSEOに当てはまる行為を行っているサイトにはペナルティを与えています。

ブラックハットSEOは利用すべきではない

Googleのユーザーファーストの方針に背いてしまうことにより、Googleからスパムサイトとみなされペナルティを受ける可能性があるため、ブラックハットSEOは利用すべきではありません。

ペナルティの影響範囲は以下の通りです。それぞれどのような影響を受けてしまうのか具体的に見ていきましょう。

特定のページへのペナルティ
サイト全体へのペナルティ
サイト自体がインデックスから外される

特定のページへのペナルティ

ペナルティの対象が特定のページのみの場合、そのページで獲得しているキーワードの順位が下落します。検索結果の圏外まで落ちるケースもあります。

サイト全体へのペナルティ

ペナルティの対象がサイト全体の場合、サイト全体で獲得していたキーワードの順位が下落します。検索結果の圏外まで落ちるケースもあります。そのため、サイト全体の流入数が大幅に減少する可能性があります。

サイト自体がインデックスから外される

昨今はあまり見かけなくなりましたが、過去にはサイト自体がインデックスから除外されるという厳しいペナルティも存在しました。

ブラックハットSEOのやり方・手口

どのような行為がブラックハットSEOに当てはまるのか、そのやり方・手口をしっかりと理解しておけば、万が一、偶然にもブラックハットSEOに手を染めてしまうということもないでしょう。

本章ではブラックハットSEOとみなされる具体的なやり方を解説していきます。当然ですが、ここで紹介するブラックハットSEOは絶対に行わないようにしましょう。

キーワードの詰め込み（キーワードスタッフィング）

キーワードの詰め込みとは、対策キーワードをWebページのコンテンツやメタタグ、alt属性やnoscriptに過度に詰め込む手口です。キーワードスタッフィングとも呼ばれます。

※noscriptとは：JAVAScriptが動作しないブラウザを利用しているユーザーに代わりに表示させる内容を指定するHTMLタグになります。

とくに本文内に不自然にキーワードを詰め込むのは控えるべきでしょう。コンテンツが読みづらくなりユーザーの利便性が極度に下がります。具体例としては、対策キーワードが「SEO」の場合、以下のようなものがキーワードの詰め込みに該当します。

SEOは、検索エンジン最適化の意味し、SEO対策などとも呼ばれます。SEOは外部SEO、内部SEO、コンテンツSEOといった3種類のSEOに分かれています。過去には、ブラックハットSEOというSEOの手法が横行しましたが、Googleの方向性に背くようなSEOは現在淘汰されつつあり、ホワイトハットSEOという健全なSEO手法がSEOの主流になっています。

このように、ページ内に特定のキーワードを多く詰め込み、キーワードとの親和性を高めることを狙い、順位上昇を狙う手法として有効だった時期もあります。ただし、現在ではGoogleは文脈をきちんと読み取るためキーワードを過度に入れても評価が上がるわけでもなく、むしろユーザーにとっては読みづらい文章になってしまうためデメリットが多いです。

リンクスパム

外部リンク(被リンク)を購入するといった、検索順位を操作する目的で行われるリンクに関する施策はブラックハットSEOに当てはまる可能性があります。

Googleは外部からリンクが貼られていることによって、人気であることから有益なサイトと認識する傾向がありますが、その仕組みを利用して自社サイトへの外部リンク(被リンク)を増やすことで、Googleから高評価を受けることを狙った手口がリンクスパムです。

リンクスパムの例としては次のようなものになります。

ランキングを上げることを目的としたリンクの売買。次のようなものが挙げられます。
リンク自体やリンクを含む投稿に関して金銭をやり取りする
リンクに関して物品やサービスをやり取りする
特定の商品について記載してリンクを設定してもらうのと引き換えにその商品を送る
過剰な相互リンク（「リンクする代わりにリンクしてもらう」）や、相互リンクのみを目的としてパートナーページを作成する
自動化されたプログラムやサービスを使用して自分のサイトへのリンクを作成する
第三者のコンテンツ所有者に対し、アウトバウンドリンクに修飾属性を適用するかどうか選ぶ権利を与えずに、特定の利用規約や契約、または同様の取り決めの一部として、リンクを義務付ける
ランキングクレジットをブロックしないテキスト広告またはテキストリンク
ランキングクレジットを転送するリンク、または他のサイトで配布されている記事、ゲスト投稿、プレスリリース内の作為的なアンカーテキストリンクを含む記事に対して支払いが行われる記事広告やネイティブ広告。たとえば次のようなものです
市場には多くの結婚指輪が流通しています。結婚式を挙げるなら、最高の指輪を選ばなければなりません。花やウェディングドレスの購入も必要になります。
質の低いディレクトリやブックマークサイトのリンク
さまざまなサイトに配布されるウィジェットに埋め込まれている、大量のキーワードを含む非表示のリンクや低品質のリンク
さまざまなサイトのフッターやテンプレートに埋め込まれて広く配布されるリンク
フォーラムでのコメントにおいて、投稿や署名の中に含まれる作為的なリンク。たとえば次のようなものです
引用：Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー

検索エンジンのアルゴリズムであるペンギンアップデートやパンダアップデート（現在はコアランキングシステムに包含されている）により、このような関連性のない低品質な被リンクを獲得する手口はGoogleによって是正されています。

隠しテキストや隠しリンク

隠しテキスト・隠しリンクはGoogleには読み取られる一方で、ユーザーからは目に見えない状態でテキストやリンクを設置する手口になります。Google検索セントラルでは具体的に以下の行為が該当すると言及されています。

白の背景で文字の色を白にする
テキストを画像の背後に置く
CSS を使用してテキストを画面の外に配置する
フォントサイズまたは不透明度を 0 に設定する
目立たない 1 文字（段落の中頃にあるハイフンなど）のみをリンクにすることで隠す
引用：Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー

ただし、昨今ではデザインの都合上、コンテンツの表示・非表示を制御することでユーザーの利便性を高めるようなWebページも存在するため、以下の項目はポリシーに違反しないということになっています。

追加コンテンツの表示 / 非表示を切り替えるアコーディオンやタブ形式のコンテンツ
複数の画像やテキスト段落を切り替えるスライドショーやスライダー
ユーザーが要素に対してなんらかの操作をしたときに追加コンテンツを表示するツールチップや類似のテキスト
スクリーンリーダーを使用するユーザーのエクスペリエンスを高めることを目的として、スクリーンリーダーのみがアクセスできるテキスト
引用：Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー

コメントスパム

コメントスパムとは、自社サイトとは関係のない掲示板やブログのコメント欄に自社サイトのURLを載せてリンクを貼ることにより外部リンク(被リンク)を集める手口です。ユーザー生成スパムとも呼ばれています。

ブログサイトなどに代表されるユーザーがコンテンツを投稿できるWebサイトの普及によって、このような手法を行う会社が増えたため、ブログサイトや掲示板の運用者はnofollw※を入れるなどの対応を取るようになりました。その結果、現在はコメントスパムで被リンクを獲得してもSEO効果は得られなくなっています。

※注意※

コメントスパムは、スパム投稿が行われた側のWebサイトがペナルティを受ける場合があることに注意が必要です。ユーザーがコンテンツを投稿できるWebサイトの運用者は、上述したようにnofollowを設定したり、コメントを承認制にするなどの対処を行うようにしましょう。

コメントスパム対策についてはGoogleが以下のページで詳しく解説していますので、あわせて参考にしてみてください。
「ユーザー生成スパムからサイトを守るには」

クローキング

クローキングとは、検索ランキングを操作したりユーザーに誤解を与えたりすることを目的にユーザーと検索エンジンに異なるコンテンツを表示する手口です。

以下Google検索セントラルで挙げられている例です。

検索エンジンには旅行の目的地に関するページを表示しながら、ユーザーに対しては薬の割引に関するページを表示する
ページをリクエストしたユーザーエージェントが人間のユーザーではなく検索エンジンである場合にのみ、ページにテキストやキーワードを挿入する
引用：Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー

クローキングは、違法サイトがペナルティなどから逃れるために用いられた手法です。

例えば、ユーザーの訪問時には規則違反のサイトを表示させる一方で、クローラーの巡回時は違反のない情報を表示する設定にします。その結果、Googleからペナルティをうけることなく違反サイトを運営することができます。

自動生成でページを作成する

プログラムを用いた自動生成でページを大量に作ってインデックスさせ評価を上げる手法は、生成されたコンテンツの品質が低い場合、「スパム行為のある自動生成コンテンツ」として違反の対象となります。

昨今ではChatGPTなどの生成AIによって、簡単にコンテンツを作成できるようになりましたが、GoogleはこのようなAIで生成したコンテンツを問答無用で規制するわけではありません。量産された低品質なコンテンツに対してペナルティを課すだけです。

したがって、生成AIを用いる場合は、自動生成したコンテンツをそのまま公開するのではなく、人間の目で内容をチェックし、独自性や専門性、情報網羅性を担保できるよう加筆・修正を行ってからページをアップするようにしましょう。

参考記事：「AI 生成コンテンツに関する Google 検索のガイダンス」

ブラックハットSEOとホワイトハットSEOとの違い

ブラックハットSEOの対となるのが、Googleが認めている正しい検索エンジン最適化である、「ホワイトハットSEO」です。上述している通りブラックハットSEOはユーザーに価値をもたらさず、ペナルティを受けるリスクが高いため、絶対に避けるようにして、以下で紹介するホワイトハックSEOを実践していきましょう。

▼ブラックハットSEOとホワイトハットSEOの違い

項目	ホワイトハットSEO	ブラックハットSEO
検索エンジンのガイドライン	遵守	違反
長期的な効果	期待できる	期待できない
ユーザーへの影響	有益	有害

ホワイトハットSEOとは

ホワイトハットSEOとは、Googleのガイドラインを遵守して、ユーザーに有益なコンテンツを提供するといった健全な施策を行って検索順位の上昇を狙う方法です。

具体的な手法には以下のものがあります。

価値のあるコンテンツの作成
Googleにわかりやすくサイト構造を伝える
高品質な外部リンクの獲得

価値のあるコンテンツの作成

価値のあるコンテンツとはユーザーのニーズ（検索意図）に答えている有益なコンテンツを作ることです。そのためには、ユーザーの検索意図を深堀し、ユーザーの課題を解決できるようなコンテンツを作成することが重要です。

Google検索セントラルで良質なコンテンツについて言及しているため、合わせて参考にしてコンテンツ制作を行いましょう。

「質の高いサイトの作成方法についてのガイダンス」

Googleが理解しやすいサイトを作る

前述している通り、良質なコンテンツを作成することは非常に重要です。ただし、いくら良質なコンテンツを作成してもGoogleに発見してもらいインデックスされなければ元も子もありません。したがって、Googleが理解しやすいようなサイトを作って、クローラーの巡回を促し、インデックスされやすい状況を作る必要があります。

以下のような施策を行って、Googleが理解しやすいサイトを制作しましょう。

サイト構造の最適化
内部リンクの最適化
パンくずリストの設置
XMLサイトマップの作成・設置
URLの正規化
重複コンテンツのcaononical付与
不要ページのnoindex付与
リダイレクトの設定
robots.txtの設置

以下の記事で具体的な対策方法を詳しく解説しているので、あわせて参考にしてみてください。

「SEOの内部対策マニュアル！基本から実践方法まで徹底解説」

高品質な外部リンクの獲得

高品質な外部リンクとは、関連性も高くサイトの評価自体も高いサイトからの被リンクをさします。このような被リンクを獲得することで、Webサイト全体の評価を上げることができます。

外部リンクの獲得方法としては以下のようなものがあります。

良質なコンテンツの作成
プロモーション(SNS)
リンクアーニング

高品質な外部リンク(被リンク)の具体的な獲得方法については、以下の記事で詳細を解説しているため、この機会に参考にしてみてください。

「SEOの外部対策とは？内部対策との違いや被リンク獲得対策まで解説！」

ホワイトハックSEOを進める前に読んでおくもの

ホワイトハックSEOは上述している通り、Googleのガイドラインに遵守してSEO施策を進めていくことが重要です。

ここでは、遵守する必要のあるガイドラインや、ホワイトハットSEOを行う上で特に役立つGoogleの公式コンテンツを4つ紹介します。SEOに携わるのであれば是非頭に入れておくようにしましょう。

Google 検索の基本事項（旧ウェブマスター向けガイドライン）
Google 公式 SEO スターターガイド
Google検索品質評価ガイドライン
質の高いサイトの作成方法についてのガイダンス

Google 検索の基本事項（旧ウェブマスター向けガイドライン）

Google検索の基本事項は、ウェブベースのページ、画像や動画などのコンテンツをGoogleの検索結果で上位に表示させるための要素について言及している、Google公式のポータルページです。

Google検索の基本事項に掲載されているリンク先ページは、ホワイトハットSEOを行う絵でどれも重要なので、必ず目を通しておくようにしましょう。

Google 検索の基本事項（旧ウェブマスター向けガイドライン）

Google 公式 SEO スターターガイド

Google公式SEOスターターガイドとは、名前の通りGoogleが公式ブログでSEOのために知っておく必要がある基本的な内容について解説しているコンテンツです。

本格的にSEOを進めていくのであれば、必ず目を通し、それぞれ理解しておきましょう。

Google 公式 SEO スターターガイド

Google検索品質評価ガイドライン

Google検索品質評価ガイドラインとは、Googleが採用した外部評価者が検索結果の品質を評価するためのガイドラインです。Googleの検索アルゴリズムは様々なアルゴリズムシステムを利用して検索順位を決めていますが、アルゴリズムだけではユーザーの検索意図に合致するWebページを全て返すことができない可能性があります。そのため、定期的に人間の目で検索結果を評価することにより、検索エンジンそのものの品質を向上させています。

検索品質ガイドラインはGoogleの検索アルゴリズムの考え方に基づいて作成されており、検索結果の品質を評価するための基準を定めているため、サイト運用者はこの基準に沿ってサイトを運用することで、Googleから高く評価されるようになると考えられます。

※英語ページ

Google検索品質評価ガイドライン