ポータルサイトとは?機能やメリット、種類を事例付きで解説

本記事では、ポータルサイトの役割や種類、ポータルサイトの構築方法や運用によって得られるメリットについて、具体的な例を交えて詳しく解説します。意外と勘違いされがちなポータルサイトの定義や仕組みをしっかりと理解し、ビジネスや情報収集に効果的に役立てましょう。
ポータルサイトとは
まずは、ポータルサイトの概要や特徴について押さえていきましょう。
ポータルサイトとは、「Google」や「Yahoo! JAPAN」のように多種多様なコンテンツをまとめ、インターネット上でユーザーが必要な情報にアクセスする際の起点となるWebサイトを指します。ポータルサイトの「ポータル」には入口や玄関という意味があり、ユーザーがインターネット上で情報検索する際の「入口」のような役割を果たすことからポータルサイトと呼ばれています。

インターネット普及開始当初は幅広い情報を取り揃える総合型ポータルサイトが注目を集めていましたが、現在では、特定の分野に特化した専門型ポータルサイトや特定の企業でのみ利用する社内ポータルサイトなど、ポータルサイトの種類も多様化しています。
ポータルサイトの代表例
代表的な例として、GoogleやYahoo! JAPANなどが挙げられます。Googleは検索機能を中心に据え、多彩な関連サービス(マップやメール、クラウドストレージなど)を併せて提供している点が特徴です。一方、Yahoo! JAPANは、トップ画面でニュースや天気、金融関連サービスなど、より幅広い情報を提供し、日本国内で長年にわたり広く利用されています。
これらのポータルサイトは、利用者に日々アクセスしてもらえるよう、幅広い情報や利便性を重視した設計になっています。ユーザーの「最初に訪れる場所」として定着することで、広告収益を含めたビジネスモデルを成立させています。
ポータルサイトとホームページの違い
ポータルサイトとホームページの違いは、運営目的と扱っている情報にあります。ホームページでは、自社の情報発信を行うことで広く認知してもらうことや成約に繋げることを主な目的としていますが、ポータルサイトでは、サイト内に幅広い情報を取り揃えることでより多くのターゲットを集客し、広告や有料コンテンツ等を閲覧・購入してもらうことで収益を得ることが主な目的です。
このように、ホームページは自社の認知や商材の購入を目的とし、主に自社に関する情報発信を行います。一方、ポータルサイトは収益化を目的としており、ターゲットを集客するために多種多様な情報を扱っています。ただし、ポータルサイトの種類も多様化しており、これから説明する「社内ポータルサイト」などは一般的なポータルサイトとは異なる目的や特徴を持っています。
ポータルサイトの種類
ポータルサイトにはさまざまな種類があります。本項では、ポータルサイトの種類とそれぞれの特徴を解説していきます。
総合型ポータルサイト
総合型ポータルサイトは、ニュース、検索、ショッピング、コミュニティ機能、メールサービスなど、多種多様な機能を一括して提供するWebサイトです。ユーザーは、多彩なコンテンツに簡単にアクセスすることができ、日々必要とするさまざまな情報をまとめて確認することができます。また、総合型ポータルサイトは幅広いユーザー層を抱え、大規模なアクセス数や広告効果が期待できるため、企業やメディアの集客・PRにも活用されています。
専門型ポータルサイト
専門型ポータルサイトは、特定の分野や業界に特化した情報を包括的に提供するWebサイトです。たとえば、不動産や転職、美容、教育など、特定のテーマに関心のあるユーザー向けに専門的なコンテンツやサービスを提供しており、ユーザーは自分が必要とする専門的な知識やアドバイス、商品情報を効率的に得ることができます。
例:SUUMO
口コミ型ポータルサイト
口コミ型ポータルサイトは、「ユーザーの体験や意見」(口コミ)を元にした情報交換の場を提供するWebサイトです。商品やサービス、店舗、旅行先などに関するレビューや評価が多数掲載されているため、ユーザーは、口コミを通じて商品の価値やサービスの質を知ることができ、他のユーザーのリアルな体験や意見を元に要否の判断することができます。
このように、口コミは消費者の意思決定に大きな影響力を持つため、企業側もマーケティングツールとして活用しています。
例:食べログ
地域型ポータルサイト
地域型ポータルサイトは、特定の地域に関する情報を集約したWebサイトです。地域の観光情報やイベント情報、商業施設や公共サービスなど、その地域に住む人々や観光に訪れる人々にとって役立つ情報を提供しています。また、地域の店舗や施設の紹介、求人情報や地域の掲示板など、その地域特有のニーズに応えるため、地元企業の広告や地域活動の促進にも活用されています。
例:【公式】広島の観光・旅行情報サイト Dive! Hiroshima
社内ポータルサイト
社内ポータルサイトは、企業の情報を集約し、社員間の情報共有や業務効率化を目的とした社内向けのWebサイトです。従業員が業務に必要な情報、ドキュメント、スケジュール、社内ニュース、連絡掲示板などに素早くアクセスすることができます。KintoneやMicrosoft SharePoint、IBM WebSphere Portalなどの専用のソフトウェアを基に構築されるケースが多く、セキュリティや権限管理の強化も重要なポイントです。
ブログ型ポータルサイト
ブログ型ポータルサイトは、個人や企業が書いたブログコンテンツを集約したWebサイトです。ユーザーは様々なテーマのブログ記事を閲覧することができ、特定の分野に特化した情報や体験談、意見を得ることができます。また、コメント機能を通じて読者と著者の交流ができる点も特徴です。分野別に人気記事を紹介したり、新着記事をまとめたりすることで、読者が興味のある記事に素早く到達できる仕組みを作っています。
ポータルサイトのメリット
ポータルサイトを構築・利用することで得られるメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。本稿では、ポータルサイトのメリットをユーザー側とサイト運営側に分けて解説します。
ユーザー側のメリット
まずはユーザー側のメリットについて見ていきましょう。
検索時間の削減
ポータルサイトでは、さまざまな情報が一か所に集約・整理されているため、ユーザーはいくつものサイトを探し回る必要がなく、欲しい情報にすぐアクセスすることができます。それによって、情報収集の手間暇を大幅に削減できる点がユーザー側のメリットです。また、社内ポータルサイトでは、社員同士が必要なファイルやマニュアルを即座に共有できるため、業務効率化にも直結します。
サイト運営側のメリット
つづいてポータルサイトを運営する側のメリットです。
ユーザーの集客
ポータルサイトが扱う情報やコンテンツは多岐にわたるため、さまざまな興味や目的を持つユーザーを集客することが可能です。総合型ポータルサイトであればニュースや天気予報、専門型ポータルサイトであれば業界特化のサービスや情報に特化することで、多様なニーズをもつユーザーから特定のニーズをもつユーザーまで幅広く集客することが期待できます。
収益化の可能性(広告収入など)
アクセス数が増えれば、広告掲載やアフィリエイトなどによる収益化のチャンスが広がります。大規模なポータルサイトほど広告効果が高くなり、広告主からの評価が上がるため、より安定した収益源として活用することができます。専門型ポータルであれば、特定の業界やユーザー層に特化した広告を展開しやすいというメリットもあります。
検索エンジン集客の強化
ポータルサイトは膨大な情報を保有しているため、検索エンジンからの評価を高めやすい側面があります。キーワードやカテゴリが豊富に存在し、内部リンク構造を整備することで、SEO面でも有利に働くことが期待できます。また、多くの利用者が集まりやすいポータルサイトは、自然と被リンクも増えることから、検索結果で上位表示される可能性が高まります。
ポータルサイトの事例と特徴
先述した通り、ポータルサイトには多くのバリエーションが存在します。ここでは、各ポータルサイトについてより理解を深めていただけるよう、具体例と特徴を種類別にご紹介します。
総合型ポータルサイトの例
総合型ポータルサイトは、多くの場合、多様なコンテンツとユーザー数の多さから広告収入を中心にビジネスモデルを確立しています。ポータルサイト利用者にとっては、普段必要とする情報が一度に手に入ることが大きな魅力となっています。
Yahoo! JAPAN

Yahoo! JAPANはニュース、金融、ショッピング、メールなど、多種多様なコンテンツを集約し、日本国内の幅広いユーザーに利用されている大手ポータルサイトです。コンテンツの量や質の高さはもちろん、Yahoo!検索など他のサービスとも連携を強化することで、回遊性を高めています。

Googleは、検索エンジンを核として、マップやメール、クラウドストレージなど多種多様なサービスを展開するグローバルポータルサイトです。シンプルなトップ画面が象徴的で、圧倒的な検索精度と使いやすさが特徴といえます。日常使いからビジネスまで幅広いニーズをカバーしています。
専門型ポータルサイトの例
専門型ポータルサイトは、特定領域にフォーカスすることでより専門的な情報を提供しています。ユーザーも専門性を期待するため、コンテンツの質や情報量、更新頻度がリピート利用につながる重要な要素になります。
doda

dodaは、転職活動を支援するポータルサイトで、求人情報の検索に加え、キャリアアドバイザーによるサポートや転職ノウハウを提供しています。求職者は希望条件に合った求人を探し、履歴書作成や面接対策も支援している他、企業からのスカウト機能もあり、転職希望者に総合的な支援を行っている点が特徴です。
SUUMO

SUUMOは、賃貸や不動産情報を専門に扱うポータルサイトで、物件検索機能だけでなく実際に住んでいる人の口コミ、地域コミュニティ情報なども盛り込んでいます。ユーザーが必要とする情報を徹底的に分析し、スムーズに住まい探しができる体験を追求している点が注目されています。
口コミ型ポータルサイトの例
口コミ型ポータルサイトでは、ユーザーが主体的に情報を投稿し合うため、リアルな意見や評価を得られるのが魅力です。企業や店舗に直接問い合わせる前に、利用者の声をもとに比較検討を進めることができるため、多くのユーザーを集めることに成功しています。
食べログ

食べログは、ユーザーが飲食店の情報や利用者の口コミ・評価を検索できる日本最大級のグルメサイトです。写真やレビュー数が多く、地域や食ジャンルごとにランキング化されているページもあるため、新しいお店探しにも役立ちます。
ITreview

ITreviewは、企業向けのIT製品やサービスに関する口コミを集めたポータルサイトです。ユーザーは実際に使用したソフトウェアやツールについて評価やレビューを投稿でき、他のユーザーがその情報を元に最適な製品を選ぶことができます。各製品の特徴や価格、機能なども比較でき、IT関連の意思決定をサポートする情報源として活用されています。
地域型ポータルサイトの例
地域情報を中心に観光スポットや飲食店、イベントなどを網羅したポータルサイトは、地元の人だけでなく観光客も訪れるため、情報の更新や地元企業との連携が成功のカギを握ります。
【公式】広島の観光・旅行情報サイト Dive! Hiroshima

Dive! Hiroshimaは、広島県観光連盟(HIT)が運営する広島の公式観光情報ポータルサイトです。定番の観光スポットだけでなく、グルメ、イベント、宿泊、交通情報、さらには体験アクティビティやモデルコースまで、広島旅行に必要な情報が幅広く網羅されています。
また、「Dive!」という名前が示すように、単なる情報紹介にとどまらず、広島の知られざる深い魅力やストーリー、地域ならではの体験に光を当て、訪れる人がより深く広島を探索(Dive)できるよう工夫されています。公式サイトならではの信頼性と最新情報に基づき、旅行者が広島の多様な魅力を発見し、より充実した旅を計画・体験できるようサポートする、頼れる情報源となっています。
ブログ型ポータルサイト
さまざまなジャンルのブロガーやインフルエンサーを集め、ブログコンテンツから様々な情報を提供するポータルサイトです。読者は気になる執筆者の他の記事も簡単に探せるため、一度サイトを訪れたユーザーが長時間滞在しやすい設計になっています。
Ameba

Amebaは、ユーザーが個人のブログや日記を作成・公開・閲覧できるポータルサイトです。ユーザー同士がコミュニケーションを取れるSNS機能や、スマートフォン向けのアプリゲーム、さらにはオンラインショップなども提供しており、エンターテインメントやライフスタイルに関わる幅広いサービスを展開しています。最近では、YouTuberやインフルエンサーなどのコンテンツ制作をサポートする機能も強化しており、ブログだけでなく、SNSや動画コンテンツの投稿・発信も可能となっています。
ポータルサイトを作成する2つの方法
ポータルサイトを作成する場合は、サイト全体の構成やカテゴリー設計が非常に重要になります。複数のコンテンツをまとめて発信するため、それぞれのカテゴリーやコンテンツを整理した上でサイトを作成する必要があります。また、運営を続けるうえでは、情報更新の頻度や正確性を保つための仕組みづくりも欠かせません。ポータルサイトは利便性の高さとコンテンツの多さで概ね成否が決まってしまいます。
なお、ポータルサイトを制作する際には、自社でCMSを活用して制作する場合とWeb制作会社に依頼する場合の2パターンが考えられます。上述した通り、サイト構造やカテゴリー設計が重要なので、そのノウハウがあれば自社で対応可能ですが、不足しているのであれば制作会社に委託することを推奨します。
自社でCMSを活用する方法
WordPressやDrupalなどのCMS(コンテンツ管理システム)を使うことで、比較的スピーディーにポータルサイトを構築することが可能です。多くのプラグインなども利用できるため、検索機能やユーザーのアカウント管理などの機能拡張も容易です。ただし、運用開始後のメンテナンスやセキュリティ対策まで考慮してサイトを構築する必要があります。
制作会社に依頼する方法
スピード感や完成度を重視するのであれば、専門の制作会社やシステム開発会社に外部委託するのも一つの手です。要件定義の段階で、サイトの目的やターゲットユーザー、必要な機能を明確に伝えることで、スムーズに開発が進行します。運用開始後のサポート体制や、継続的な機能アップデートに関しても事前に確認しておきましょう。
ポータルサイトを作成する際のポイント
ポータルサイトを作成する上であらかじめ考慮すべき重要なポイントを確認しましょう。
ポータルサイトは多岐にわたる情報を扱うため、構築の初期段階から明確な運営方針と目的を定義することが欠かせません。さらに、開発や運用にかかるコストを正確に見積もり、拡張性やセキュリティ面も考慮した設計をすることで長期的な成功を目指せます。
以下では、具体的に押さえておきたい主要な注意点を説明します。
目的に応じた計画と設計
ポータルサイトを立ち上げる目的、またどのユーザー層をターゲットとし、何を提供するサイトなのかを最初に明確化することが大切です。
まずは以下の項目を明確にしましょう。これらが明確になれば、おのずと提供すべきコンテンツが明らかになり、サイト設計も進みやすくなります。
- ポータルサイト運用の目的(最終目標)
- ターゲット・ペルソナ(誰を集客したいのか)
- ターゲット・ペルソナのどんなニーズを満たしたいのか
- 運営者としてポータルサイト上でターゲット・ペルソナに何をしてほしいのか
運営を軌道に乗せるには、開始前のプランニングが鍵を握ります。
なお、総合型ポータルサイトや専門型ポータルサイトなど、サイトタイプが異なれば必要となる機能やコンテンツの設計が大きく変わる点はあらかじめ頭にいれておきましょう。
費用対効果と管理負担への配慮
ポータルサイトは多くの情報(コンテンツや場合によってはユーザーのアカウント情報など)を扱うため、管理や更新に手間がかかりやすい側面があります。サイト規模に応じたスタッフ体制や予算を考慮し、必要に応じて外部リソースを活用することも検討しましょう。
重要なのは「定期的に更新し続ける」ことです。仕事量が増え、内製でカバーできなくなった場合は、外部リソースの活用など柔軟な対応を検討しましょう。
初期投資と継続的なランニングコストのバランスを把握し、予算内で最大の効果を得られる体制を整えることが重要です。
SEOと検索エンジンでの評価
現状、一般的にポータルサイトの流入チャネルとして最も効果的なのはGoogleなどの検索エンジンです。そのためポータルサイトの作成には、SEOを意識した取り組みが必要不可欠でしょう。
ポータルサイトの特性上、コンテンツ数やページ数が多くなる傾向がありますが、それらが雑多にならないようにサイト構造を整理する必要があります。適切なキーワード戦略や内部リンクの最適化を行い、検索エンジンから高評価を得られるようにしましょう。
SEOについては以下の記事で解説していますので、あわせて参考にしてみてください。
まとめ
本記事では、ポータルサイトの概要から作り方まで解説してきました。ポータルサイトは、多種多様な情報を集約・提供しているWebサイトで、ユーザーにとってはインターネット検索時の「入口」の役割を果たしています。現在はその種類も多様化していますが、様々な情報が一か所にまとめられているため、ユーザーは必要な情報に素早くアクセスし、効率的に情報収集を行えるというメリットがあります。
■ポータルサイトの種類
- 総合型ポータルサイト
- 専門型ポータルサイト
- 口コミ型ポータルサイト
- 地域型ポータルサイト
- ブログ型ポータルサイト
ポータルサイト運営者側にも、より多くのユーザーを集客し、広告収入やアフィリエイト収入を獲得できるというメリットがありますが、ポータルサイトの制作は簡単ではありません。本文でも言及したように、適切な計画を立て、ポイントを押さえて制作する必要があるでしょう。

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