インタースティシャル広告とは?意味や適切な表示のさせ方について解説
また、インタースティシャル広告の使用は場合によって、ユーザーの利便性が損なわれるだけでなく、「検索のパフォーマンスが低下する可能性」とGoogleが述べているように、検索順位が下がるというようなSEO上の悪影響もひきおこす可能性があります。
したがってインタースティシャル広告の取扱には注意が必要でしょう。
この記事ではインタースティシャル広告に関する基礎知識、表示例や実装する際のポイント、よくある質問について解説します。
目次
インタースティシャル広告とは
インタースティシャル広告とは、公式ホームページや公式サイト、もしくはアプリでコンテンツを表示するタイミング、あるいはコンテンツが表示されている状態でフルスクリーンの広告を表示する手法です。
特定のページやコンテンツを閲覧している最中、もしくはアプリの起動時などに広告を大きく表示することで、広告内容の視認性が上がり、ユーザーに認識してもらえる可能性が高まります。また、インタースティシャル広告は目的に合わせて情報を表示することで、ユーザーにアクションを促したり、売上への導線につなげたりすることも可能です。
なお、インタースティシャル広告は自社のサイトやアプリで利用するだけでなく、依頼することで外部メディアのサイトやアプリに表示することもできます。ターゲットやペルソナに合わせて広告媒体を選ぶことで、認知拡大やオンライン集客に高い効果を発揮するでしょう。
オーバレイ広告との違い
オーバーレイ広告は、公式サイトやアプリのコンテンツに重ねて表示する広告手法です。コンテンツの内容と広告の内容を切り分けて表示することで、コンテンツから「広告感」や「広告っぽさ」を軽減することができます。
インタースティシャル広告もオーバーレイ広告の一種であり、コンテンツを閲覧しているユーザーに対し、特定の情報を伝えたい時に効果を発揮する仕組みです。
オーバーレイ広告はコンテンツマーケティングとも相性がよく、コンテンツに満足したユーザーが期待するアクションをしてくれる可能性が高まります。
オーバレイ広告の種類
種類 | 仕組み |
---|---|
インタースティシャル広告 | コンテンツの閲覧中や閲覧後にフルスクリーンで表示 |
アンカー広告 | コンテンツの上部や下部に追従するような形で表示 |
ポップアップ広告 | コンテンツの閲覧中にポップアップで表示 |
上記は主なオーバーレイ広告の種類であり、簡単に仕組みを解説したものです。
インタースティシャル広告はフルスクリーンで表示されるため、ポップアップ広告よりも伝えられる情報量が多く、さまざまな用途で使うことができます。
アンカー広告はディスプレイの上部や下部に2、3行程度の枠で常に情報を表示する仕組みであり、問い合わせ先や電話番号などを表示するのに役立ちます。
ポップアップ広告はコンテンツの閲覧中にポップアップでウィンドウ枠が表示され、その中に情報を掲載できる仕組みであり、閉じるボタンを押すか、スクロールやクリックするまで表示されるのが特徴です。
それぞれ表示するサイズや場所が異なることを理解し、目的や伝えたい情報に合わせてデザイン・実装しましょう。
インタースティシャル広告の表示例
インタースティシャル広告を利用する際に注意したいのが、「適切な表示」と「不適切な表示」があることです。
インタースティシャル広告が適切な表示をされている場合は、ユーザーにポジティブな印象を持ってもらえる可能性が生まれ、目的に合わせた成果が得られることが期待できます。たとえばユーザーがコンテンツに満足したタイミングで表示されることで、商品の購入や有料サービスへの課金などにつなげることが可能です。
逆にインタースティシャル広告が不適切な表示をされている場合、ユーザーにネガティブな印象を与えてしまい、目的に合わせた結果を得ることはできません。たとえば、ユーザーがコンテンツを見ている邪魔をするようなタイミング、もしくはしつこく商品の購入を促すような表示をしてしまうと、ユーザーに嫌がられてしまい目的が達成できなくなってしまいます。
どちらの場合も目的に合わせて広告を設置しているものの、タイミングや表示の仕方次第で得られる結果が異なることを覚えておきましょう。
次にインタースティシャル広告の適切な表示例と不適切な表示例について簡単に解説します。
適切な表示例
インタースティシャル広告を適切に運用するためには、ユーザーの行動を妨げないことを前提にすることが大切です。
インタースティシャル広告の特徴は、コンテンツ自体に情報を記載していなくても、任意のタイミングや場所で情報を追加して伝えられる点にあります。
できる限り、ユーザーがポジティブな感情や状態である時に、そっと提案するという形で表示することを心がけましょう。下記はインタースティシャル広告の適切な表示例であり、ユーザーの行動を妨げないタイミングでもあります。
- ユーザーがコンテンツを見終わって満足した直後
- ユーザーが別のコンテンツを探している時
- ユーザーのニーズやコンテンツの内容に合致した内容を表示する
- ユーザーの行動を促す情報やアクションを提案する
- ユーザーが商品の購入やサービスへの課金をした後
ユーザーがコンテンツにアクセスしやすい状況が保たれていることから、他のコンテンツも見やすくなりますし、提案した情報や内容をポジティブに受け止めてくれる可能性が高くなるのです。
商品の購入やサービスへの課金の提案においても、タイミング次第で結果が異なってくることから、効果検証と改善によって適切なタイミングを追求していきましょう。
不適切な表示例
インタースティシャル広告が不適切な運用になってしまう理由として、企業側の利益や売上を優先していることが挙げられます。
現実問題として商品の購入やサービスへの課金へつながらなければ、広告効果が得られないために仕方なくプッシュしてしまうということも事実です。
そのため、ユーザーの行動を妨げたり、邪魔したりする形で強引に広告を見せようとして、ブロックされたり、「うざい」とネガティブな印象を持たれ、企業のイメージを下げてしまいます。
下記はインタースティシャル広告の不適切な表示例であり、ユーザーがコンテンツにアクセスすることを妨げる運用方法です。
- ユーザーがコンテンツのページを開いた直後
- ユーザーが閲覧している途中でしつこく何度も表示する
- ユーザーのニーズに合致しない広告を掲載する
- コンテンツの内容に無関係の広告を表示する
- 閉じるボタンが押しにくかったり小さかったりする
ユーザーがコンテンツに満足するためには、自分自身のペースを乱されないことが重要で、興味を持っているタイミングや集中しているタイミングで邪魔をされてしまうと、ネガティブな印象しか与えません。
同時に表示方法自体が意地悪な仕組みになっていれば、広告を閉じるつもりだったのにクリックやタップしてしまった、見たくない広告を見せられたとなれば、企業としてだけでなく、商品やサービス自体を嫌われてしまうことがあるので注意しましょう。
インタースティシャル広告を適切な表示にするためにも、ユーザーがコンテンツを楽しめるようにすること、コンテンツに集中できることを前提に設置することが大切です。
インタースティシャル広告のSEOへの影響
インタースティシャル広告そのものに、SEOに好影響を与える効果はありません。
ただし、適切に運用した場合のSEOへの影響として、ユーザーがコンテンツにアクセスしやすくなること、すなわちアクセシビリティが向上することで検索エンジンから評価を受けることがあるかもしれません。
ユーザーがコンテンツに満足し、他のコンテンツも見てもらえるようになれば滞在時間も必然的に増えてエンゲージメントが高まります。その結果、サイトやアプリにアクセスする頻度が増加すれば、アクセスするユーザーの分母も自然と増えていくでしょう。アクセス数の多さや、滞在時間・サイト回遊率といったユーザーの満足度の高さは、検索順位と一定の相関があると考えられます。
一方、インタースティシャル広告を不適切に運用した場合のSEOへの影響として、ユーザーがコンテンツにアクセスしにくくなることから、必然的に満足度が低下し、アクセス減や、直帰率の増加につながると考えられます。
実際、Googleは公式ページ上で以下のように述べています。
煩わしいインタースティシャルの表示は、ユーザーの不満、ひいてはウェブサイトに対する信頼の低下につながります。
煩わしいインタースティシャルやダイアログを避ける
煩わしいダイアログやインタースティシャルが表示されると、Google や他の検索エンジンによるコンテンツの把握が困難になり、検索のパフォーマンスが低下する可能性があります。同様に、サイトの使い勝手が悪ければ、ユーザーが検索エンジンなどを通じてそのサイトに再度アクセスする可能性も低くなります。
インタースティシャル広告の不適切な運用は、検索順位の低下や自動・手動ペナルティに繋がることもあるため、絶対に避けるべきでしょう。
インタースティシャル広告を実装する際のポイント
以下はインタースティシャル広告を実装する際のポイントです。それぞれ簡単に分かりやすく解説していきます。
▼実装する際のポイント
- ユーザーが見やすいサイズに設定する
- 広告をすぐに閉じられる設計にする
- 適切なタイミングで表示させる
ユーザーが見やすいサイズに設定する
インタースティシャル広告を実装する際のポイントとして、ユーザーが見やすいサイズに設定することが挙げられます。
インタースティシャル広告を見るのは基本的に閲覧するユーザーであるため、見やすいサイズに設定することで嫌がられず、ポジティブに受け止めてもらえる可能性が高くなるでしょう。
▼Google AdMobの推奨サイズ
対象のデバイス | サイズ |
---|---|
スマートフォン | 320×480、480×320 |
タブレット | 768×1024、1024×768 |
参照:キャンペーン イメージ広告|Google AdMobヘルプ
上記はGoogleの広告サービスであるGoogleAdMobで推奨されている画像サイズであり、コンテンツの上に重ねるインタースティシャル広告に適したサイズと言えます。同時に、表示される画像や文字においても、パソコン、スマートフォン、タブレットのそれぞれのディスプレイで見やすく表示されるようデザインすることも重要です。
大切なことは、ディスプレイに大きく表示される広告を不快なものにせず、数秒でもユーザーに見てもらう価値のあるものにすることでしょう。
広告をすぐに閉じられる設計にする
インタースティシャル広告を実装する際のポイントとして、広告をすぐに閉じられる設計にすることが挙げられます。
画面に大きく表示されたインタースティシャル広告がユーザーに不要だった場合、すぐに閉じられる設計にしておくことで、ユーザーがネガティブな感情を持つのを最小限にするための処置が必要不可欠です。
特に意地悪な形のインタースティシャル広告の場合は、一定時間閲覧しなければ消えなかったり、すぐに閉じるボタンが表示されなかったりすることもあるため(ずっと表示されないこともある)、ユーザーの貴重な時間を過度に割かないよう配慮しましょう。
インタースティシャル広告を設置する場合は、以下を押さえるようにしましょう。
- 具体的には閉じるボタンがすぐ見える位置にあること
- タップやクリックをしやすくすること
- 誤ってクリックやタップをしにくい設計にすること
- グレーアウトした部分をクリック・タップすると広告が消える仕様にすること
同様にユーザーがポジティブな感情で広告を見ている場合に備えて、その先のURLや機能へ遷移しやすい設計にしておくと、広告効果を高めることにつながるのでおすすめです。
適切なタイミングで表示させる
上述しましたが改めて、インタースティシャル広告を実装する際のポイントとして、適切なタイミングで表示させることを推奨します。
▼インタースティシャル広告の適切な表示タイミング
- ユーザーがコンテンツを完全に見終わったタイミング
- ユーザーがコンテンツの閲覧中に悩んだり、手が止まったりしている時
- ユーザーが入力作業の途中、もしくは閲覧中に離脱しようとした時
上記がインタースティシャル広告を適切なタイミングで表示する際の一例です。
ユーザーが快適にコンテンツを閲覧できることを前提とし、途中で邪魔しないということを徹底しましょう。たとえば、コンテンツを見終わったタイミングであれば、ユーザーは次のコンテンツを意識するため提案が通りやすくなります。
ユーザーが悩んだり、手が止まったりしているタイミングであれば、解決や改善につながる提案をすることで、ユーザーが行動することを後押しすることが可能です。ユーザーが離脱しようとするタイミングで表示すれば、コンテンツからの離脱を防ぐことにもつながります。
インタースティシャル広告をサイトやアプリの機能の一部として活用し、ユーザーのアクセシビリティの向上を目指すという考え方を持つといいでしょう。
インタースティシャル広告の禁止事項
インタースティシャル広告で広告収入を得ようとする場合、禁止事項に抵触しないよう十分に注意しましょう。禁止事項に抵触すればアカウントの停止、広告削除の処分を下される恐れがあります。
自社サイトに自社の広告を表示するケースでも、禁止事項に抵触することでGoogleからの評価を下げる可能性があるので、なるべく避けるべきでしょう。
■Google AdMobの禁止事項
- アプリの読み込み時や終了時の表示
- 過度の繰り返し
- 予期しないタイミングでの表示
※参照: 導入に関するガイドライン インタースティシャル広告の導入における禁止事項|Google AdMobヘルプ
アプリの読み込み時や終了時はディスプレイを見ている可能性が高いですが、GoogleAdMobでは許可されておらず、表示できません。また、過度の繰り返しや予期しないタイミングの表示が禁止されているのは、誤タップを避けるためです。
その他にも悪質なインタースティシャル広告の掲載を続けることで、GoogleChromeなどのブラウザからブロックされる恐れもあり、アクセスが激減するリスクも覚えておきましょう。
インタースティシャル広告に関するよくある質問
次にインタースティシャル広告に関するよくある質問として、広告の単価やクリック率について解説します。
広告の単価は?
インタースティシャル広告の単価の目安は、1円から20円前後とされています。
ただし、広告の効果測定を行う手法や、広告媒体によって異なる部分でもあるため、自社の商品やサービスを他のメディアやサイトに掲載したい場合は、しっかりと見積もりを取ったうえで契約することが大切です。
GoogleAdMobなどを利用して広告収入を得たい場合でも、サービス提供元に確認してどれぐらいの単価になるのか必ずチェックしましょう。
注意点として、インタースティシャル広告を掲載することで、サイトやアプリへのマイナスな影響が出る点が挙げられます。広告収入を得ようとしてサイトやドメイン自体の評価を下げてしまえばアクセスが減り、広告を見てもらうことができなくなるので、実装する場合は十分精査することをおすすめします。
クリック率はどれくらい?
インタースティシャル広告のクリック率は、表示するタイミングや位置、デザインによって大きく異なるものの、数%程度であり他の広告と比べると少々低い傾向にあるのは間違いありません。
理由としてはインタースティシャル広告の仕組み自体が、ユーザーの行動を妨げることが前提であるためです。
実際に悪質なインタースティシャル広告を経験したことがあるユーザーであれば、その経験にもとづいて、表示された時点でサイトを離れたり、アプリを削除したりする場合もあるので、実装する際は慎重に検討しましょう。
インタースティシャル広告のクリック率を向上させるためにも、コンテンツの質を良くすること、アクセス数を増やすこと、同時にポジティブにも受け止めてもらえるよう工夫することが大切です。
まとめ
今回はインタースティシャル広告に関する基礎知識、表示例や実装する際のポイント、そしてよくある質問についてお話ししました。
インタースティシャル広告は、確実に情報を伝えたい時に非常に役立ちます。ただし、半ば強制的に表示される仕組みであることから、使いどころが難しいのも事実です。
閲覧しているユーザーがポジティブに受け止めてくれるタイミングや場所を分析して、広告効果を最大限に高めるよう尽力していくことをおすすめします。
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