502エラー（Bad Gateway）とは？意味や原因、対処法を解説
本記事では502（BadGateway）エラーについて網羅的に解説します。502エラーが起こってしまったサイト運営者の方、502エラーについて理解を深めておきたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
※502エラーが発生している場合、サーバー側の問題で、ユーザー側にできることはありません。したがって、502エラーに遭遇したら問題が解消されるまで待ちましょう。
目次
502（Bad Gateway）エラーとは？
502（Bad Gateway）エラーとは、Webサーバーが正しく応答しないことを示すエラーメッセージのことです。何らかの理由によって一時的にWebサーバーへのアクセスができないことを示しています。Webサーバーにアクセスできないため、Webページのコンテンツが正しく表示されることはありません。
502などの3桁の数字は「HTTPステータスコード」と呼ばれ、クライアント（Webブラウザ）とサーバー間で行われるHTTPリクエストに対し、サーバーから返されるレスポンスの内容を表しています。数字は100～500番台までさまざまな種類が存在しており、500番台はすべてサーバーのエラーを意味しています。（200番台が正常。）
502（Bad Gateway）エラーが発生する原因としてサーバーへの過剰な負荷、サーバーそのものの不具合、ネットワークの不具合などがあります。サーバーやWebサイト側の問題によって発生しているため、アクセスしたユーザー側では問題を解消することはできません。502（Bad Gateway）エラーが発生した場合は管理者側が迅速に原因を特定し、対処して解消することが必要です。
502（Bad Gateway）エラーの原因
502（Bad Gateway）エラーの原因はさまざまですが、代表的な6つの原因を紹介します。
- サーバーの負荷が大きい
- サーバーの不具合
- ドメインやIPアドレスの変更
- ネットワークの不具合
- ファイアウォールの設定ミス
- プラグインの設定ミス
- コードの記述ミス
サーバーの負荷が大きい
502（Bad Gateway）エラーはサーバーに大きな負荷がかかっていることにより、一時的に通信エラーが発生したときに表示されます。サーバーの負荷が原因による通信エラーの場合は通常「502 Service Temporarily Unavailable」が表示されますが「502 Bad Gateway」と表示されることもあります。
大きな負荷とは、Webサーバーに大量のアクセスが集中したり、複雑な処理を実行していたりすることで発生します。
また、Webサーバーは多くのアクセスが集中すると、負荷がかかったサーバーを安定させるためにアクセス制限やデータ転送量を制限することがあります。複数のサーバーを使用するなどで負荷を分散できますが、1台のサーバーで運用している場合は同時接続数の上限が低く設定されていることで、すぐにアクセスの上限を超えてしまうケースが珍しくありません。
このようなアクセス集中が502エラーの原因の場合は、大量のアクセスによるサーバーへの負荷が解消されるまでは待つことになります。
サーバーの不具合
502（Bad Gateway）エラーはサーバーそのものの不具合で発生することがあります。
主な原因はサーバーのスペック不足やサーバーがメンテナンス中であること、サーバー自身が攻撃を受けている場合などです。サーバーログ（サーバー上で自動的に作成されるログファイル）ではサーバーが正常であるかをステータスで確認することができますので、サーバーの不具合が疑われる場合はサーバーログをチェックしてみましょう。
サーバーのスペック不足が原因で502（Bad Gateway）エラーが発生した場合は、サーバーのスペックをアップグレードする必要があります。サーバーのメンテナンスが原因の場合はメンテナンスが終了するまで待つしかありません。
サーバーへの攻撃が原因ならサーバーの攻撃を防ぐ対策を講じる必要があります。
ドメインやIPアドレスの変更
IPアドレスを取得するために利用されるDNSサーバー（ネームサーバー）*でドメインやIPアドレスを変更した際に502（Bad Gateway）エラーが発生する場合があります
このケースは移行期間中であることが原因で生じる一時的な502（Bad Gateway）エラーのため、移行完了後に解消されます。
*DNSサーバー（ネームサーバー）とはドメインとIPアドレスとを紐付け、変換するサーバーのこと。
ネットワークの不具合
502（Bad Gateway）エラーはネットワークの不具合が発生したときに表示されることもあります。ネットワークの不具合が原因で502（Bad Gateway）エラーが発生する理由は、ネットワークの混雑やネットワークの障害、ネットワークへの攻撃などが挙げられます。
ファイアウォールの設定ミス
ファイアウォールの設定ミスによって502（Bad Gateway）エラーが発生する場合もあります。ファイアウォールとは、サイバー攻撃など、不正なアクセスを防ぐための設定です。
具体的な設定ミスとしては以下が考えられます。
ファイアウォールのルールが間違っている
範囲の広いルールを設定することで、一つ一つのアクセスを制限する手間はなくなりますが、必要なアクセスを拒否してしまうこともあります。
ファイアウォールが正しく設定されていない
誤った設定を行うことで、正常なアクセスを不正なアクセスだと誤認し、拒否してしまうことがあります。意図せず必要なサイトからのアクセスを拒否してしまうこともあります。
ファイアウォールがオフになっている
不正なアクセスのブロックが不十分となったり、セキュリティが弱まったりすることでエラーを起こすリスクが生じます。ファイアウォールはトラフィックの許可や制御するためのルールを持っているため、設定にミスがあると正常なトラフィックもブロックされてしまい、502（Bad Gateway）エラーが発生してしまいます。
プラグインの設定ミス
WordPressなどのCMSにおいて、Webサイトをカスタイマイズするために「プラグイン」を設定するケースは多いです。
プラグインの設定ミスで502（Bad Gateway）エラーが発生する場合があります。プラグインのバージョンが古い、プラグインが互換性のないバージョンのWordPressで使用されている、プラグインの設定が正しくおこなわれていないなどの可能性があります。
コードの記述ミス
HTML記述ミスによっても、502（Bad Gateway）エラーは発生します。成立していな構文や不正なタグ・属性を用いてしまうといった、コードのスペルミスなど単純なもので発生することが多いため注意が必要です。
502（Bad Gateway）エラーの対処方法
502（Bad Gateway）エラーはどのWebサイトでも起こり得ることです。調べるポイントは複数ありますが、502（Bad Gateway）エラーを放置したままにしておくとせっかく質の高いWebサイトであってもアクセスが減ってしまいます。
早急な対処ができるために、以下9つの対処方法を確認しておきましょう。
- サーバーを再起動する
- DNSサーバーの設定と状況を確認する
- ブラウザや端末の設定変更、キャッシュクリアを行う
- ネットワークエラーやメンテナンス、障害状況を確認する
- ファイアウォールの設定を確認する
- プラグインの設定を確認する
- PHPの設定ファイルを変更する
- サーバープランを変更する
- サーバーを変える
サーバーを再起動する
502（Bad Gateway）エラーはサーバーの不具合が原因であることが多いため、サーバーを再起動することでエラーが解決する可能性があります。サーバーの再起動によってサーバーの不具合が解消され、エラーの要因となっていたものが解消されるためです。
ただしサーバーの再起動は影響範囲が大きいため、実施する前によく確認し、バックアップを取っておくことが重要です。
DNSサーバーの設定と状況を確認する
DNSサーバーの設定と状況を確認すると、502（Bad Gateway）エラーを解消できるケースがあります。
サーバーやIPアドレスの変更によってDNSサーバーの変更や設定を誤っておこなってしまった場合、リクエストが正しく実行されずに502（Bad Gateway）エラーが発生してしまうためです。また、DNSサーバーの設定をし直したときに修正した内容がすぐに反映されず、エラーが返ってくるケースもあります。
DNSサーバーの設定変更は実際に反映するまで時間を要しますので、設定を間違えないように気をつけましょう。
ブラウザや端末の設定変更、キャッシュクリアを行う
502（Bad Gateway）エラーは基本的にサーバーに関するエラーであるものの、ブラウザや端末の設定が原因となる場合もあります。そのためサーバーにもネットワークにも問題がないにもかかわらず、502（Bad Gateway）エラーが解消されない場合はブラウザや端末を確認してみてください。
具体的な確認方法としては他の端末で問題が発生しているサイトにアクセスして状況を見てみます。もし問題なく接続できるなら、端末やブラウザの設定に問題があるということです。端末やブラウザの設定の問題だと判断したら、ブラウザのキャッシュや閲覧履歴を消去し、もう一度サイトにアクセスして正常に戻るかどうか確認しましょう。
ネットワークエラーやメンテナンス、障害状況を確認する
ネットワークのエラーやメンテナンス、障害が原因で502（Bad Gateway）エラーが発生している場合はまず現在の状況を把握しましょう。障害発生に関する情報は公式サイトに出ていたり、メールで通知されたりすることが多いため、まずは公式サイトやメールを確認してみてください。
検索サイトやSNSを使って情報を集めるのも効果的です。多くの人が同じ状況で困っているならネットワークエラーやメンテナンス、障害によって一時的にサーバーが止まっているとわかります。
ファイアウォールの設定を確認する
ファイアウォールは悪意のあるユーザーや分散型サービス拒否（DDoS）攻撃からウェブサイトを保護する防火壁です。しかしファイアウォールの設定に問題があると、本来は問題ないはずのところからのリクエストを有害な攻撃と誤って認識し、502（Bad Gateway）エラーが返してしまう恐れがあります。
ファイアウォールが原因による502（Bad Gateway）エラーの場合はファイアウォールの設定を見直さなければなりません。設定に問題がないかよく確認し、必要に応じて修正しましょう。日頃から定期的にバックアップを取っておくことで、このような問題発生時を最小限に食い止めることができます。
プラグインの設定を確認する
WordPressなどのCMSに設定したプラグインが問題であれば、以下手順で確認すると解消できる場合があります。
まず、プラグインのバージョンを確認し、必要に応じて最新バージョンにアップデートします。それで解決しない場合はCMSの最新バージョンとプラグインの互換性を確認します。互換性がない場合は、プラグインの作成者にサポートを求めるか、別のプラグインを検討してください。もしプラグインの設定が間違っている場合は、修正が必要です。
どれを行っても解決に至らない場合は、プラグインを一時的に無効にしてみてください。プラグインが原因である可能性がある場合、無効にすることでエラーが解決することがあります。
アクセスの集中を避ける
502（Bad Gateway）エラーの原因が「アクセスの集中」である場合は以下の対策を検討してみてください。
サーバーのスペックをアップグレードする
アクセスが集中したことで、現在のサーバースペックでは処理しきれないケースもあります。この場合は、サーバースペックをアップグレードすることで対応可能です。
CDN（Content Delivery Network）を使用する
すべてのユーザーがオリジナルのサーバーにアクセスするのではなく、オリジナルのサーバーからコンテンツを取得した複数のキャッシュサーバーにアクセスさせる方法も対策のひとつです。このようなキャッシュサーバーのネットワークのことをCDN（Content Delivery Network）と呼びます。
負荷分散装置を使用する
1つのサーバーにアクセスが集中し応答が遅れてしまっている場合には、負荷分散装置を使用することで、複数サーバーにアクセスを分散することが可能です。ユーザーは負荷分散装置に対してアクセスを行い、負荷分散装置がアクセス量に応じて、いくつかのサーバーにアクセスを分散させます。
アクセス制限を設定する
アクセスが集中することで、502（Bad Gateway）エラーが発生している場合には、ユーザーからのアクセスを制限する方法も対策の一つです。これらの対策を行うことで、アクセス集中による502（Bad Gateway）エラーを防ぐことが可能です。
PHPファイルを変更する
PHPとは、動的なコンテンツの作成に適したプログラミング言語です。動的コンテンツとは、Webサイトのお問い合わせフォームやECサイトのショッピングカードなど、同じURLであっても、ユーザーの入力・登録した内容によって表示・画面が変わるコンテンツを指します。この処理を行っているのがPHPです。
PHPのバージョンについてのエラーが原因なら、ファイルを再設定することで502（Bad Gateway）エラーに対処可能です。
PHPファイルの再設定はバージョンを切り替えた後にファイルを設定し直すことができます。レンタルサーバーの場合は管理画面から簡単にバージョンを切り替えられるため、一度以前のバージョンに戻して設定し、再度現在のバージョンに設定して直してみてください。
PHPのバージョン設定は影響範囲が大きいため、テスト環境で事前に確認しましょう。
サーバープランを変更する
サーバーのプランを見直すのも方法の一つです。レンタルサーバーを利用している場合、契約プランを変更することによってアクセス数の上限を上げられる可能性があります。
ただし契約しているレンタルサーバーによってはプランを変更できなかったり、プランが変更できたとしても上限は変わらなかったりするなど、プラン変更が502（Bad Gateway）エラーの解決につながるとは限りません。自社で現在契約しているレンタルサーバーの規約やプラン内容について確認しておきましょう。
サーバーを変える
どの方法を試しても502（Bad Gateway）エラーが解消されないようであれば、負荷に強いサーバーに変更しましょう。
専用レンタルサーバーはレンタル料が高いものの、負荷を気にせず運用できる、管理権限が広いため柔軟な運用が可能といったメリットがあります。
費用を抑えるならクラウドサーバーの利用も検討してみてください。クラウドサーバーとはオンライン上に構築された仮想サーバーを、インターネットを通して利用するものです。従量課金制なので使用した分だけの料金しか発生しません。早ければ申し込みが完了してすぐに使用でき、サーバーの規模変更が自由であるためアクセス数によって柔軟に変更できます。
502（Bad Gateway）エラーとSEOの関係
502（Bad Gateway）エラーが発生するとユーザーはWebサイトにアクセスできなくなるため、SEOにも影響があります。502（Bad Gateway）エラーのSEOへの影響は大きく分けて2つあります。
- 検索順位が下がる
- ユーザーの離脱
検索順位の低下
502（Bad Gateway）エラーの発生はサーバーの問題であるため、クローラーが巡回してきてもページの情報を読み取ることができません。サイトを分析するためのツール「Google Search Console」でもエラーとして表示されます。
検索エンジンは、ユーザーのニーズを満たすコンテンツを高評価する傾向にあります。502エラーの状態が続いていると、検索エンジンからユーザー利便性を妨げる（ユーザーニーズを満たしていない）サイトと判断され、検索順位の低下につながります。
ユーザーの離脱につながる
502（Bad Gateway）エラーによってユーザーがWebページにアクセスできなくなることで、離脱率が高くなってしまいます。自社サイトからの離脱率が高くなると、ユーザーにとって有益なサイトではないという評価を受ける可能性があり、間接的にSEOに悪影響を与えます。
ただし、502（Bad Gateway）エラーが解消されれば、例えば502エラーが原因で検索順位が落ちた場合、少しずつ元の検索順位まで戻ってくると考えられるため、Google Search Consoleで確認しましょう。
このような502（Bad Gateway）エラーの発生によるSEOへの悪影響を避けるためには、502（Bad Gateway）エラーが起きる前に対策をしておくことが重要です。以降では発生時の対処方法について解説します。
502（Bad Gateway）エラーを未然に防ぐ方法
502（Bad Gateway）エラーは可能な限り、発生しないように対処しておきたいものです。ここからは502（Bad Gateway）エラーを未然に防ぐ方法について解説します。
- サーバーの負荷監視とスケーリング
- サーバーの設定の最適化
- プロキシサーバーやロードバランサーの設定
- ソフトウェアのアップデートとパッチ適用
- 監視とアラートシステムの導入
サーバーの負荷監視とスケーリング
サーバーの負荷を監視して必要に応じて追加のリソースを割り当てることで、502（Bad Gateway）エラーを防ぐことができます。実現するには負荷が増加した場合に自動的にスケーリングする仕組みの導入が必須です。
自動スケーリングとは、サーバーへの負荷の度合いに応じて、自動でクラウドサーバーを増やす仕組みのことです。例えば、「AWS Auto Scaling」という自動スケーリングサービスでは、容量に合わせて、自動でリソースの追加・削除が可能です。
サーバーの設定の最適化
サーバーの設定を最適化してパフォーマンスを向上させることが重要です。最適化の内容には適切なバッファサイズやタイムアウト値の設定、最適なリクエストの処理方法などが含まれます。
プロキシサーバーやロードバランサーの設定
プロキシサーバーやロードバランサーを使用してトラフィックを分散させることで、サーバーへの負荷を均等に配分することができます。
プロキシサーバーは、ユーザーとサーバーの間に入って通信を中継するサーバーのことを指します。プロキシサーバーがあることで、ユーザーから同じリクエストが発生した際に、オリジナルのサーバーへのアクセスを誘導するのではなく、キャッシュ情報を返すことで、アクセスの集中を防止できます。ロードバランサーは負荷分散装置のことで、ユーザーからのリクエストを複数のサーバーにアクセスを振り分けることで分散させることができます。
サーバーへの負荷が軽くなると、アクセスが集中したときでも502（Bad Gateway）エラーが発生するリスクが軽減されます。
ソフトウェアのアップデートとパッチ適用
サーバーにインストールされているソフトウェアやアプリケーションが最新バージョンであるかを確認し、セキュリティパッチや修正プログラムを適用することで防ぐことができます。これにより、既知のバグや脆弱性による問題を回避することができます。
監視とアラートシステムの導入
サーバーとネットワークの監視を行うことで、問題が発生した場合でも状況が悪化する前にすばやく対応できます。そのためにはアラートシステムを導入し、異常なトラフィックやエラーレートの増加に対して適切に通知を受けられるようにしておきましょう。
まとめ
本記事では、ある502（Bad Gateway）エラーについて解説しました。502エラーはサーバーの通信状態に問題がある場合に表示されます。
また、502（Bad Gateway）エラーが起こる要因は以下です。
- サーバーの負荷が大きい
- サーバーの不具合
- ドメインやIPアドレスの変更
- ネットワークの不具合
- ファイアウォールの設定ミス
- プラグインの設定ミス
- コードの記述ミス
対処方法としては、以下があります。
- サーバーを再起動する
- DNSサーバーの設定と状況を確認する
- ブラウザや端末の設定変更、キャッシュクリアを行う
- ネットワークエラーやメンテナンス、障害状況を確認する
- ファイアウォールの設定を確認する
- プラグインの設定を確認する
- PHPの設定ファイルを変更する
502（Bad Gateway）エラーはサイト運営者にとって大きな問題です。このエラーが発生するとユーザーはサイトにアクセスできず、アクセス機会を失う可能性があり、またSEOとしてもサイトの評価を下げてしまう恐れがあり、できるだけ避けなければなりません。そのため502（Bad Gateway）エラーが発生した場合は、迅速に対処することが重要です。
ここまで説明してきました502（Bad Gateway）エラーの原因や対処、防ぐ方法についてよく理解し、安定したサイト運営ができるようにしましょう。
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