株式会社ヤマップ

1年でPV数が2倍!No.1登山アプリ「YAMAP」の品質・信頼性にこだわるオウンドメディア運用とは【Keywordmap活用術】

株式会社ヤマップ

目的

キーワード選定、サイト流入増加、内製化

業種

アプリ・Web開発

利用部門

プラットフォーム・エンゲージメントチーム YAMAP MAGAZINE

編集長

石田 礼 様

登山アプリ「YAMAP」を運営する株式会社ヤマップは、「地球とつながるよろこび。」をパーパスとして掲げ、登山やアウトドアを通じて人と自然のつながりを深めることを目指しています。同社が提供するアプリは、電波が届かない山中でも現在地が確認できる機能や活動記録の共有機能を備え、累計490万ダウンロード(2025年3月)を突破するなど、日本最大級の登山・アウトドアプラットフォームへと成長しました。

ヤマップでは、事業成長の一環としてWebマーケティング、とりわけコンテンツSEOに注力し、オウンドメディア「YAMAP MAGAZINE」において独自のアウトドア情報の発信を強化しています。その取り組みの中で、Keywordmapを活用し、キーワード分析やPDCAを推進。これにより、自然検索流入の比率を大幅に高め、PV数の圧倒的な増加を実現しました。

今回は「YAMAP MAGAZINE」で編集長を務める石田様にインタビューを実施。同社がどのようにしてオウンドメディアを運用し、Keywordmapの活用を通じてコンテンツSEOを推進しているのか、その秘訣を探ります。

(取材・文:Keywordmap事務局 、カスタマーサクセスチーム 撮影:永山昌克)

導入に至った経緯

  • ■導入前の課題

    社内リソースが十分ではなかったため、効率的にSEO記事の制作を進めたかった。

  • ■導入の決め手

    価格、機能面でのバランスがよかった。

  • ■導入後の成果

    前年同月比でPV数が2倍に増加。アクセス全体に対するオーガニック流入の割合が上昇。

インタビュー

定性的な価値を信じ、熱量を大切にする~オウンドメディア『YAMAP MAGAZINE』を運用する上で重要なこと

――ヤマップの事業内容と石田様の業務内容を教えてください。

ヤマップの主力事業は登山アプリ「YAMAP」の開発と運営です。「YAMAP」は電波の届かない山中でもGPSにより登山ルートが確認可能で、ほかにもユーザーが辿った登山ルートや活動記録の公開、山に関する様々な情報収集、および登山愛好家との交流などができます。ほかにもヤマップでは、登山・アウトドア用品を販売しているECサイト「YAMAP STORE(ヤマップストア)」や登山に関する情報を発信している「YAMAP MAGAZINE」の運営、日常からアウトドアまで補償する「YAMAPアウトドア保険」の販売など、多角的に事業を展開しています。

私は編集長という立場でオウンドメディア「YAMAP MAGAZINE」の運営に携わっています。記事コンテンツの編集作業はもちろんのこと、コンテンツの企画、原稿の構成作成、ほかにもライターやカメラマンのディレクション、そしてWebサイトの運用、ユーザー参加型キャンペーンの企画・実施まで、「YAMAP MAGAZINE」が運営するコンテンツ事業に関わっています。

株式会社ヤマップ様_インタビュー1

――ヤマップにおいてオウンドメディア「YAMAP MAGAZINE」は主要なサービスの一つに見受けられますが、なぜ注力するのか教えてください。

3点ありまして、ひとつが社会的な責任に基づく理由、二つ目がYAMAPサービスの認知拡大、三つ目が新規流入の獲得です。

ヤマップは、企業パーパスとして「地球とつながるよろこび。」を掲げ、登山やアウトドアを通じて、都市部の人と自然のつながりを深めることを目指しています。ただし、それを推進していく以上は、登山を楽しむユーザー、ひいては山や自然そのものに責任があると考えています。YAMAP MAGAZINEには「登山を文化にする」という主要テーマがありますが、登山の楽しみ方だけを提供しているわけではありません。人を山に誘う企業の社会的責任として、遭難やクマといった登山に潜む自然のなかのリスク、あるいは登山道の整備など環境保護や地域活性化という観点の記事の発信も含まれています。このような社会の企業的な責任を果たすという側面も「YAMAP MAGAZINE」というオウンドメディアの重要な役割の一つです。

もちろんオウンドメディア運用には実益的な面もあって、それがYAMAPブランドの認知拡大とアプリやEC事業への接続です。
膨大な数のユーザーが利用しているGoogle検索において、正しくコンテンツSEOを行えばターゲットに広くアプローチできます。しかも、広告のように費用をかけず資産として残るのは注力する十分な理由です。その上で、フローティングバナーなどを活用し、アプリ(YAMAP)のダウンロードやECサイト(YAMAP STORE)への遷移を増加させていくことも狙いのひとつです。

現段階では、認知拡大やコンバージョンに対して明確にKPIを引いているわけではありません。実際、YAMAP MAGAZINE経由で多数のコンバージョンが生まれていますが、定量的な成果だけでメディアの価値を測るのは悪手だと考えています。「社会的なコミットメントを果たす」のような定性的な価値など数字には表れにくい成果が確かに存在しており、実際にそこからメディアの取材依頼や大手出版社からの書籍発行などにつながった事例が多々あり、それがYAMAP MAGAZINEを運用する原動力になっています。

ヤマップ様インタビュー_YAMAP MAGAZINE
YAMAP MAGAZINE

――「YAMAP MAGAZINE」の記事は、書籍や雑誌といった紙媒体にも劣らないクオリティだと感じます。コンテンツを作るうえで何かこだわりがあるのでしょうか。

私も含めYAMAP MAGAZINE歴代の編集長が、もともと紙媒体出身というのは一つのこだわりかもしれません。読者の「ためになる」情報であることは当然必須ですが、その先に、しっかりとした「面白さ」「楽しさ」が存在しなければなりません。この「面白さ」や「楽しさ」が何に由来するのかというと、やはり「熱量」だと思います。YAMAP MAGAZINEに携わっている人間は漏れなく山や自然が好きで、その美しい景色を次世代の人たちに引き継いでいきたいと思っています。この「熱量」を伝えるために試行錯誤しながら妥協なくコンテンツを作るように心がけています。他メディアにはないオリジナリティがあって、紙媒体と遜色ないクオリティを担保できているとすれば、そこに一番の理由があるのではないでしょうか。
一方で、感情に訴えかけるような部分を追求するからには、情報の信頼性や正確性にもこだわるようにしています。

――情報の信頼性や正確性ですか。

先ほど述べた社会的なコミットメントを達成する上でも、発信する情報には気を付けています。情報の正確性が問われるようなトピックの記事に関しては、登山ガイドさんに執筆してもらったり、監修者として医師、気象予報士など、その道のプロに担当いただくようにして、読者に誤った情報を伝えないよう細心の注意を払っています。細やかな専門家の監修そのものが、他メディアにはないYAMAP MAGAZINEの独自性を示すことにもなりますし、またコンテンツのクオリティを磨くうえでも欠かせません。

――昨今の生成AIの台頭によって、情報の信頼性や正確性の重要度は増しているように見受けられます。

同感です。ChatGPTやGeminiといった生成AIの利用者が増えると、自然検索経由の流入が一気に減少するのではないかと危惧していたのですが、案外そんなこともないようです。
ChatGPTに「初心者にオススメの山を教えて」と質問すれば、端的でわかりやすい情報が出てくると思います。例えば、関東であれば「高尾山」「筑波山」「大山」みたいな山の名前が上がってくるでしょう。しかし、果たしてユーザーは、これらの山の名前と簡単な情報(標高や頂上までの所要時間など)だけで実際に山へ登りに行くでしょうか。大方の場合そんなことはなくて、結局のところ信頼できる情報源を探すはずです。特に、山というのは安全に関わる領域なので、その傾向が強いと考えています。

――YAMAP MAGAZINEのトラフィックは年々増加していると伺っていますが、コンテンツのクオリティもさることながら、専門家が記事を執筆したり、監修者が付いているという情報の正確性や信頼性に起因するところがありそうですね。

株式会社ヤマップ様_インタビュー2
(左:Keywordmapカスタマーサクセス 柳澤 右:YAMAP MAGAZINE編集長 石田様)

なぜYAMAP MAGAZINEは山名ビッグキーワードで上位を獲得できるのか~キーワード戦略に迫る

――「山」関連のキーワード領域には、官公庁サイトやドメインパワーの強い旅行・観光サイトがひしめいていて、上位表示難易度が高い傾向にあるように見受けられます。かなりシビアなキーワード選定が求められると思うのですが、何かポイントがあれば教えてください。

いわゆるトピッククラスター※に基づいてキーワードを選んでいます。
核となるピラーページに対応させるのは、「富士山」とか「高尾山」のような山の名前キーワードです。検索ボリュームが大きく、上位表示できればサイト流入数の大幅な増加が見込めます。一方、クラスターページには、ピラーページのキーワードから派生させたキーワードで対策します。「富士山」で言えば、「富士山 吉田ルート」や「富士山 プリンスルート」みたいなルートに関するキーワードが代表的でしょうか。よく言われることですが、こちらの方が検索意図が明確で、登山客を含む我々のターゲット層が検索する傾向にあります。

少し特殊かもしれないのが対策の順番ですね。我々の場合、まずピラーページのキーワードで上位を獲得して、その後に派生キーワードを狙いにいきます。普通、派生キーワードのクラスターページ群で高められた評価をリンクで集約してピラーページの順位を上げますよね。これまではその逆で対策してきました。

トピッククラスターとは
特定のトピックについての概要や全体像を幅広く解説するような内容のピラーページ、ピラーページに関連する個別のサブトピックについて掘り下げた内容のクラスターページ。ピラーページを中心に複数のクラスターページを内部リンクでつなぐことで、ユーザーと検索エンジン双方にとって理解、評価しやすいサイト構造(の一部)を構築するSEO施策をトピッククラスターと呼ぶ。

――つまり、ビッグキーワードを対策して、すんなり上位表示することができたと。YAMAPのドメインが検索エンジンから高く評価されているのはなぜだとお考えでしょうか。

単純に「山」に関する専門情報・ページが豊富というのが一番だと思います。UGC(ユーザー生成コンテンツ)の多さは特に評価されていると考えています。たとえば、「雲取山 日帰り 」「雲取山 日帰り きつい」みたいなキーワードは、YAMAPのユーザーが投稿している『活動日記』ページが1ページ目にヒットしています。キーワードの検索意図に合致する関連性の高いコンテンツであり、その内容もユーザーが投稿している生の声として有益だと判断されているからこそだと思うのですが、そのような『活動日記』が今のところゆうに1,000万投稿以上存在します。もちろん、そのすべてが公開されているわけではないのですが、「山」関連に強いドメインとして認定されるのには十分な量のページを資産として保持できていると思っています。

ヤマップ様インタビュー_活動日記
YAMAPのUGCである『活動日記』の一例:ある程度検索ボリュームのあるキーワードで1位など上位を獲得している

――うらやましい限りです(笑)。ドメインの強さもあって大胆にビッグキーワードから狙っていくのですね。

それに気づいたのはたまたまの部分があるのですが、本当に試しにという感じで検索ボリュームの大きいキーワードを狙ってみたら、わりとすんなりハマったというか(笑)。なので、その業界に関連する企業のオウンドメディアであれば、意外と試してみるのは大事ですし、一つのメディアとしてみると、主要なテーマのコンテンツがそろっていないのは、違和感がありますよね。

我々としてはこれが大きな自信になりまして、その後は積極的に対策するようにして、先ほど述べたトピッククラスター的なキーワード戦略で、とりあえず日本各地の登山者数が多く、検索ボリュームも大きい山から取り組んでいる最中です。

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Keywordmapで効果計測するようになってコンテンツの再活用に意識が向けられるようになった~YAMAP MAGAZINEのKeywordmap活用術

――Keywordmapを活用する前に抱えていた課題があれば教えてください。

先ほど述べた通り、編集部の面々が紙媒体出身ということもあり、記事コンテンツを制作することにかけてはプロ意識をもって取り組まれてきました。一方で、SEOに対する知見に関しては一定の課題があったと思います。

また、Keywordmapを導入する以前は、検索を意識していないフロー型のコンテンツが多かったこともあり、もっと効率的に集客できるような仕組みを作っていくためにも何かしらのSEO的なアクションが必要だと感じていました。リソースが十分ではない中、効率的に記事制作を進めたいというニーズも強かったと思います。

――SEOに関する知見の担保や集客の仕組み作りに関してはコンサルティングサービスに頼ることも可能ですよね。あえてSEOツールを選んだのには理由があるのでしょうか。

実務レベルでスピーディかつ着実にPDCAを回していくなら、コンサルティングではなくSEOツールで内製すべきだと考えました。

いくつかのSEOツールが検討されていたそうなのですが、価格と機能面でのバランスに一番納得できたこと、SEOに関する知見という課題をカスタマーサクセスで解決できると確信したこと、この2点でKeywordmapの導入を決めました。

――普段、Keywordmapのどの機能をどのように使っているのか教えてください。

「検索ボリューム調査」機能はよく使っています。キーワードの月間の平均検索回数を調べられたり、膨大な数の掛け合わせキーワードを一括で洗い出せるので、キーワード選定の調査・分析の際に活用しています。
また、検索ボリュームの大きさというのは、世間の興味・関心度と相似していると考えられます。「検索ボリューム調査」機能では検索ボリュームの年間の推移も見ることができるので、関心度やトレンドという観点から、広報や開発などの部署に検索ボリュームの情報を共有することもあります。興味・関心を目に見えるように数値化するというのは意外と難しいので、そういう価値ある情報を共有できるというのはありがたいですし、部署の垣根を越えた使い方ができるというのも重宝しています。 ヤマップ様インタビュー_Keywordmap1

他の機能だと、記事制作の一環としてAIの自動生成を活用することもあります。「記事作成タスク」機能では、対策キーワードを入力するだけで記事構成案や記事本文を短時間で出力できます。AIによって生成された見出しを、検索結果の上位10ページの記事構成を参考にしながら自由にカスタマイズできるのも便利ですね。

ただ、YAMAP MAGAZINEでは、基本的に登山ガイドさんなど専門職の方に記事を書いてもらっているため、あくまでもテーマやトピックに抜け漏れがないかチェックする参考指標として共有する使い方にとどめています。どんなにAIが優れていても、権威性という情報の質はないがしろにできません。

ヤマップ様インタビュー_Keywordmap2

――「検索順位レポート」もよくお使いになっていると伺っています。

たぶん、Keywordmapで一番使っている機能だと思います。

先ほど述べましたが、専門的にSEOに取り組んでいたわけではなかったことや、リソースが不足していたこともあって、公開したページに対する効果検証がやや疎かになっていました。本格的にPDCAを回していこうと本腰を入れたのが2023年の10月頃なのですが、対策するキーワード数を増やすと同時に「検索順位レポート」にも登録して効果検証にも注力するようになりました。

※「検索順位レポート」機能
登録したキーワードの検索順位を毎日計測する定点モニタリング機能です。 キーワード別のデイリー順位変動が把握でき、グラフでの順位推移もチェックできます。また競合サイトを登録することで、競合ドメインのキーワード順位もデイリーで計測します。コンテンツSEOの効果測定、リライトの判断、キーワード軸での競合調査に役立ちます。

ヤマップ様インタビュー_Keywordmap3

「検索順位レポート」で特に気に入っているのが、毎朝メールで対策キーワードの順位変動のお知らせが届くところです。時間がないときはメールの確認だけですが、無視できないレベルの順位低下が発生している場合は、Keywordmapで詳しくパフォーマンスをチェックするようにしています。

――順位が下がっているキーワード・ページはリライトするのでしょうか。

検索ボリューム・流入数が大きいような主要キーワードはリライト対象になります。とはいえ、1位~2位ぐらいの変動はほとんど気にしていません。「検索順位レポート」で検索ボリュームや想定流入数などの指標から絞り込んで、YAMAP MAGAZINEにどれくらい影響があるのか見極めつつリライトの判断を下しています。

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6位から10位、あるいは1ページ目に入りそうな11位から13位など、しっかりリライトすれば一気に流入数が増加するかもしれないキーワードやページを効率的に見つけられるのが便利ですよね。こういうのはGoogleアナリティクスやサーチコンソール単体では難しいので。実際、1ページ目の下位だった記事は、そうやって発見して写真素材の追加を中心にリライトを実施、「登山 日帰り 持ち物」で1位を獲得(2025年3月現在)しています。「検索順位レポート」をチェックするようになって、既存コンテンツの再活用に意識が向けられたのがYAMAP MAGAZINEの転機だったと今では思っています。

確かにメディアの価値は定量的に評価しづらい部分があります。とはいえ、それは数字を疎かにしていい理由にはなりません。我々はメディアの目に見えない定性的な価値を信じていますが、それでもSEOやメディア運用の成果を純粋な数字で社内外に示すということは、メディアを継続していく上で重要だと認識しています。獲得キーワードやその順位、想定流入数などをファクトデータに基づいて数字で示せるKeywordmapを重宝しているのも、そういう定量・定性の両面から正しくメディアの価値を測るためだと思っています。

――いかにして成果を定量的に示すかというのは、メディアを運用する人間の課題であり責任でもありますよね。

Keywordmapの使い方からは少しズレるかもしれませんが、カスタマーサクセスの方には本当にお世話になっています。これまで何人かにご担当いただいたのですが、皆さんとにかくサポートが手厚くて、初歩的な質問にも丁寧にすぐにslackで答えていただき、親身に付き合っていただいています。

特に今の担当の柳澤さんにはめちゃくちゃ感謝しているので、ぜひ御社内でその素晴らしさを広めてほしいです。それで仕事が増えて我々に構ってもらえなくなるのが怖いですけど(笑)。

――ありがとうございます(笑)。カスタマーサクセスのメンバーが聞けば喜ぶと思います。

ユーザー数が過去最高を更新、前年同月比でPV数が2倍に!Keywordmap導入による成果

――Keywordmapの導入による成果があれば教えてください。

一番大きな成果はPV数が大きく伸びたことです。月間のPV数を2023年7月と2024年7月を比較すると2倍以上に増加しています。詳しい数値は控えますが、そもそものPV数の桁は大きい方だと思うので、それが2倍に増えるというのは衝撃的な成果だと感じています。増え方としても、オーガニック検索経由の比率が2年前と比較して2倍近くになっているので、Keywordmapを活用したSEOの成果かなと思います。ちなみにPVと似た指標ですが、2024年の5月にはユーザー数が過去最高値、10月には単月の過去最高PV数を更新するという成果も出ています。

ヤマップ様インタビュー_導入成果

個人的に感動しているのが、YAMAP MAGAZINEに関わるメンバーが半減した中でも成果を上げられたことです。新規事業の立ち上げなどで大きな人事異動があり、2024年に入ってからはほとんど一人で運用しているような状態でしたが、ライターさんなどの外部の方の力を借りながらもこれだけの成果を挙げられたのは、やっぱりKeywordmapとカスタマーサクセスの方のおかげかなと。

――本当に最低限の工数で運用していたんですね。Keywordmapがお力になれて良かったです。認知拡大やコンバージョンに関してはいかがでしょうか。

トラフィック、特にオーガニック経由の流入が増加したことをふまえると、YAMAPというブランドの認知拡大にYAMAP MAGAZINEが寄与しているのは間違いないと思います。コンバージョンに関しては、先ほども述べた通り明確なKPIを引いておりません。しかしながら、GA4などで計測する限り、YAMAP MAGAZINE経由のコンバージョンが増加しているのはわかっています。

10期、11期の決算公告※で公開している通り、YAMAPアプリダウンロード数は順調に伸びており、また主軸事業であるYAMAPプレミアム会員数の増加とYAMAP STOREの伸長により売上高は前年同期で26.3%アップしています。もちろん、YAMAP MAGAZINEはCVを目的にしていないので、定量的にはあらわれないかもしれないですが、直接的に、あるいは間接的にYAMAP MAGAZINEが貢献しているとみられます。
YAMAP(ヤマップ)の現在地点とこれから 〜 第10期、第11期決算公告によせて 〜

――ありがとうございます。最後に、YAMAP MAGAZINEの今後の展望について教えてください。

YAMAP MAGAZINEをブランド認知の出発点としてしっかり機能させ、様々な事業へスムーズに誘導できるような状態を整備したいと考えています。そのために進めていかなければならないのが、長年培ってきた高品質なコンテンツを活用し、ユーザーがまだ明確に言語化していない潜在ニーズに合わせた情報発信です。

例えば「高尾山」の一つをとってみても、登山に積極的なユーザーと家族で気軽に楽しみたいユーザーとで求める情報が異なります。そこで、ターゲットごとに最適化されたコンテンツを、YAMAPが持つビッグデータを活用しながら適切なタイミングでこちらから提供することで、ユーザーの行動変容を促して、課題を言語化していただき、アプリのダウンロードやストア、保険といった多岐にわたる事業へと結びつける仕組みを構築したいです。

検索というのはすでにその人のなかに課題が言語化されているからこその行動であることが多いと思いますが、そもそもその課題意識を持っていない人であれば、あたりまえですが検索をしようと思う動機も発生しません。むしろ検索をしてくれているだけで、登山に対して積極的であることがわかります。もっと広い視野に立てば、検索の前段階から情報を発信をしていくことが大事です。どんなに優れたAIや検索ツールがあったとしても、使い主の課題が言語化されていなければ、それが活用されることはありません。登山の裾野を増やし、より多くの人に日本の自然の良さを知っていただき、それを次世代に残していくためにも、SEOからさらに先を見据えて情報を提供していくことが、コンテンツマーケティングでは大事なのではないかと思うようになりました。

最後になりますが、ヤマップという会社はビジネスという形で、持続的に社会に貢献することを目指しています。代表も社員も自己中心的な利益追求ではなく、登山客の安全や周囲の環境、および社会全体に良い影響を与えることを意識して仕事をしており、その考え方はYAMAP MAGAZINEの編集方針にも色濃く反映されています。とはいえ我々もボランティアではないので、それこそKeywordmapを効果的に活用するなどしてトラフィックを最大化し、事業としての持続可能性を確保していくことも大切にしたいです。

収益基盤を確保しつつ、信頼できる有益な情報を提供することで、多くのユーザーが山やそれを取り巻く自然・環境に興味・関心を持って、実際に足を運ぶよう行動変容を促していきたいと考えています。こうした取り組みが広く社会に良い影響を与えることに繋がると信じていますし、それがYAMAP MAGAZINEの使命だと思っています。

株式会社ヤマップ様_インタビュー4

企業DATA
株式会社ヤマップ
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株式会社ヤマップ

ヤマップは国内No.1シェア※の登山アプリ「YAMAP」を中心に、Webメディアやオンラインストアなどの事業を展開。「地球とつながるよろこび。」のきっかけを人々へ届け、人と地球環境がともに豊かになる世界の実現を目指しています。(※2024年10月 登山アプリ 利用者数調査 [App Ape 調べ] )

業種:アプリ・Web開発

https://corporate.yamap.co.jp/

Keywordmap事務局

株式会社ヤマップ

Keywordmap事務局 カスタマーサクセスチームです。
ツールを通してクライアントの成果創出を支援してきた経験豊富なメンバーが、ツールの活用から「事業成長の貢献」まで徹底的にサポートいたします。

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