カスタマーサービスとマーケティングの両軸―KiralaがTwitterを運用するワケ

――まず、Twitterの公式アカウントを運用するにいたった経緯について教えてください。

当時、「Kirala Air」という空気清浄機の発売にあわせて、プロモーション目的でTwitterの運用が開始されました。そのプロモーション活動は外部に依頼していたのですが、それが終了すると、あとは何の投稿もされずに放置されているという状態だったんですね。それは、明らかにもったいないなと。活用しない理由がないし、ビジネス上プラスになることはわかっていたので、入社後すぐに手を挙げて、自由に運用し始めたという経緯ですね。

――入社後すぐにというのもすごいですね(笑)。そういう経緯で本格的に運用を開始したということですが、Twitterを運用していく上でのターゲットや目的は定めましたか。

ターゲットは空気清浄機やウォーターサーバーをご購入された、あるいはその見込みがある消費者です。弊社の製品は、家庭用・企業用ともに提供していますが、Twitterの特性を考えたときに最適だと考えたのはBtoC的な使い方です。したがって運用の目的としての、中心にあるのはターゲットとなるようなユーザーとコミュニケーションをとることです。

――いわゆるカスタマーサービス的な運用と、マーケティング的な運用の両軸ということですか。

正確に言えば、当初の目的としてはカスタマーサービスでした。というのも、購入していただいたお客様へのアフターケアが弊社における喫緊の課題だったからです。製品には自信があり、ある程度販路も持っていて、けれど販売後に顧客との関係性を構築する体制だけが欠落している。つまり、慢性的なそういう状態を改善するひとつの手段としてTwitterを活用していくという考え方もアリなのではないかと考えました。

もちろん、マーケティングとしての役割も期待していました。Twitterをきっかけに「Kirala」というブランドを知ってもらい、関心を持った方々とコミュニケーションをとりつつ、将来的にはWebサイト(ECサイト)を訪問してもらうような流れです。

――はじめはカスタマーサービスとして顧客とコミュニケーションをとる目的でスタートしながら、今は同時に「Kirala」というブランドの認知を広めていくマーケティングとしての役割も持っているわけですね。

ご存知の通り、Kiralaの主力製品である空気清浄機には競合が多いんです。しかも昨今は、時世的な要請もあって、巷には空気清浄機が溢れかえっていますよね。その中には誰もが耳にしたことのあるブランドも含まれています。単純に金額で比べたら、他社の方が安い、というような状況で、何も手を打たなければ他社製品に流れてしまうのは当然の結果でしょう。しかし、その一方でKiralaにしか提供できない優れたバリュープロポジションも数多くあります。つまり、製品としての差別化はすでになされているわけです。それならば、あとはどうすべきなのかというと、やはりマーケティングが担う部分が非常に大きいのではないかと考えています。

――その媒体のひとつがTwitterということですね。

その通りです。もちろん他のソーシャルメディア、たとえばYoutubeやInstagramなどの活用も同時並行で進めています。

――おっしゃるように、Twitter以外にもマーケティングに活用できるソーシャルメディアはいくつかあると思うのですが、Kiralaがマーケティングを行う上でTwitterと他媒体との違いがあれば教えてください。

当時、社内にはマーケティングの専門家がおらず、それもあってInstagramの運用は外部に委託しており、Kiralaブランドのコンセプトやイメージが伝わるような写真を掲載してもらっていました。Instagramは「Kirala」というブランドイメージを発信していく媒体であって、顧客とコミュニケーションをとるような目的では運用していません。似たような理由でTikTokはそもそも除外しており、Facebookは利用者にKiralaのターゲットとなるような層が少ない傾向にあったので活発な運用には至りませんでした。

そして何より、そもそもの前提として、私はマーケッターではありません!(笑)。

ですが、やりたいと考えていることに対して実現が可能であるかと考えたときに、十分な可能性を感じたTwitterに白羽の矢を立てたわけです。

Kirara様インタビュー

誕生日を暗記!? エンゲージメントを最大化させるための運用法とは?

――Twitter運用の戦略について教えてください。カスタマーサービスやブランド認知拡大といった目的を達成するために、どのように運用を行っていますか。

ユーザーの方に親しみを持っていただけるような投稿を心掛けて運用しています。いわゆる「中の人」の人柄みたいなところを知ってもらって、相互的なコミュニケーションが取れるようなアカウントです。そのために、製品の宣伝は必要なときにだけ挟むようにして、それ以外は企業色を排した親近感のある投稿をしていました。指標としてエンゲージメント、とくにリプライ欄が活発であるかは重要視します。

一方でブランド認知拡大のためには、多くのユーザーに投稿を届ける必要がありますが、それはフォロー&リツイートキャンペーンを適宜打っていくことで対応しています。ただし、キャンペーンツイートを定期的に行いつつも、フォロワーを増やすためだけに乱発するようなことを避けていました。プレゼントだけを目当てにしているユーザーがフォロワーとして増えても、キャンペーン期間が過ぎるとフォローを解除される傾向にあり、結局のところ目的には合致しない可能性が高いためです。ブランド認知を広めることを優先するあまり、Kiralaに全く関心のないユーザーを、コストをかけてまで集めるというのは賢明ではないと考えます。

――Kiralaのアカウントを拝見していると、他の企業アカウントに比べてエンゲージメント数が多いように見受けられます。先ほど述べられた相互的なコミュニケーションが奏功していると考えられるのですが、Twitterユーザーとある種のコミュニティを形成するに至るまで仲良くなるためのコツはありますか。

やはりユーザーは企業色を忌避する傾向にあるのは間違いないので、宣伝は控えめにしつつ、製品やブランドについて言及してくださった方には、しっかりと感謝を伝えるようなリプライは必ず行うようにしていました。ただ、仲良くなるにはもう一歩踏み組んで、Kiralaに関係のないトピックであっても、アカウントに反応してくださった方とは、等しくコミュニケーションをとるということが重要であると感じています。

――フォロワーさんの誕生日をお祝いしていたのを拝見して驚いたのですが、頻繁にコミュニケーションをとるフォロワーさんの誕生日は覚えてらっしゃったんですか。

そうですね(笑)。ありがたいことに、毎週、毎日という頻度でリプライを送ってくださるフォロワーさんが30人くらいいまして、ふとしたやり取りで誕生日だったり、結婚記念日を知る機会があるんですよね。そうなると、やっぱりもう友達の誕生日を覚えるような感覚で把握するようになるので、都度、お祝いを伝えているという感じです。

――すごい(笑)。となると、Twitter運用に割く時間が大きくなりそうですが、いかがでしょうか。

意外かもしれませんが、じつはそんなに長い時間をかけているわけではないんです。じっくり考えて投稿するものもありますが、概ね5分から10分くらいで投稿を作成します。ユーザーへのリプライも基本的には全員に返していますが、ひとつの返信に対して1分ほどなので、1時間もかからないくらいですね。

他社アカウントの調査・分析だったり、投稿の効果測定はKeywordmap for SNSがあるので、膨大な工数がかからないというのも寄与していると思います。

Kirara様インタビュー

Keywordmap for SNS導入の決め手は「データに基づいて運用方針が決められる」から

――Keywordmap for SNSの導入についてお尋ねします。ツール導入に際して、比較検討をしたと思うのですが、どのような点を重視していましたか。

Twitterアナリティクスで十分補えるようなツールであれば導入する必要はないと思っていたので、より利便性が高く、運用に効果的であることが確信できるものを探していました。もしかすると、わりとイレギュラー的な方法かもしれませんが、機能に関する要望ありきのツール探しではなく、複数ツールを比較して、必要だと判断して納得できたツールを導入しようと考えていました。その結果、Keywordmap for SNSが最も役立つと判断したわけです。

――決め手になったポイントはどこでしょうか。

検討段階ですと、ツイート数やインプレッション数、エンゲージメント数などが、グラフとして一覧化されている機能(=運用アカウント分析)は素晴らしいと思いました。私が知る限り、他社ツールにはどこも搭載していない機能だったので。次点で、他社アカウントを多角的に分析できる機能(=アカウント分析)も好印象でした。他にも様々な機能があって、どれも便利な機能だと感じました。ただ、一方で私がTwitterを専業にしているわけではなかったこともあり、機能を持て余すのではないかという心配もありましたね。おそらく使う機能は全体の5割くらいだなと。

――実際に導入いただいたのは、その心配を払しょくするくらい一部の機能が良かったということでしょうか。

おっしゃる通りです。いまの運用が正しいのか、正しい方向に進めているのか、という現状をデータに基づいてしっかりと分析できるツールであることが確かめられたので、もう迷いはなかったですね。あとは単純に、他社のツールには導入に至るほど運用に必要だと思える機能がなかったということもあります。

KiralaのKeywordmap for SNS活用法

――運用についての効果測定や、他社アカウントの調査・分析ができるということでKeywordmap for SNSを導入いただいたのち、実際にどの機能をどのように活用されたのか教えてください。

毎日使っているのが『投稿管理』で、頻繁にチェックしているのが『運用アカウント分析』ですね。投稿を作成したり、作成した投稿を予約するなどは概ね『投稿管理』で行っています。一方で、運用の効果測定の全般は『運用アカウント分析』を使っていますね。

運用アカウント分析で、一定期間のあいだに新しくフォロワーになったユーザーや、逆にフォローを解除したユーザーの属性(興味・関心)がチェックできますよね。解除したユーザーにターゲットが多かった場合、あるいは新規フォロワーにターゲットが少なかった場合は、投稿の方向性を変えるべきであり、それが効果的な運用に結びつくと思うのですが、その判断ができるので『運用アカウント分析』は重宝しています。ターゲットかつフォローを解除したユーザーをすぐに抽出できるので、実際にそのユーザーのアカウントを直接見にいって、運用の参考にしたりしていました。

Keywordmap for SNS機能紹介

ほかにも投稿の効果測定として、『全量ツイート分析』のバブルチャートはチェックするようにしていました。過去に投稿したツイートに含まれるフレーズとエンゲージメント数の相関性が一目瞭然なので、実データに基づいて効果的な投稿を作成するのに役立ちました。先ほど、Kiralaのアカウントはエンゲージメント数が多いとおっしゃっていただきましたが、これらの機能によるところが大きいと思います。

Keywordmap for SNS機能紹介

――運用アカウント分析や全量ツイート分析を組み合わせながら運用しているとのことですが、ほかにも組み合わせて活用している機能はありますか。

同じように効果測定として『フォロワー属性分析』を使っていました。この機能では、「ある指標」を1~100、101~500……10万以上といったレンジにわけて、フォロワー数を調べることができます。ある指標とは、「フォロワー数」、「投稿数」、「いいね付与数」などです。つまり、現在、拡散にポジティブな影響力を持つフォロワーをどれくらい獲得できているか調べることができるわけです。影響力を持った(フォロワー数が多い)ユーザーにフォローされて、リツイートしてもらえれば拡散に期待できますよね。そういう、ちょっと特殊な角度からも効果測定を行えるので良い機能だと思います。

Keywordmap for SNS機能紹介

――他社アカウントの調査も行っていると伺ったのですが、その際にも「フォロワー属性分析」を使っているのでしょうか。

フォロワー属性分析というよりは、『アカウント抽出』の方を活用していました。ベンチマークアカウントを探すときにも使えますし、ベンチマークアカウントの運用を調査・分析するときにも使えます。私は特に後者で使うことが多かったです。他社アカウントのフォロワー数の年間推移が見られて、かつフォロワー獲得に寄与しているツイートを同時にチェックできるので、ベンチマークアカウントが、どんなツイートでフォロワーを獲得しているのか参考にしていました。実際に投稿に反映したこともあります。

Keywordmap for SNS機能紹介

――ありがとうございます。存分にご活用されているようで、カスタマーサクセスチームとしてもうれしい限りです。

おかげさまで(笑)。ご担当いただいたカスタマーサクセスの方のご尽力があってだと感じています。本当にサポートが素晴らしくて。

――伝えさせていただきます。どのようなサポートが印象的でしたか。

各機能の使い方だけではなく、アカウント設計にはじまり投稿に対する反響からの「こういったカテゴリを増やした方が良い」みたいなアドバイスにいたるまで運用全般でフォローいただきました。特に印象に残っているのはキャンペーン施策ですね。先ほども申した通り、他に主業務があってのTwitter運用のため、主業務が忙しくなればなるほど、Twitterに割ける時間がなくなっていきました。でも手は抜きたくないし…というときに、担当者の方が他社のキャンペーン事例をいくつも用意してくださって、「こういうクリエイティブが入っているとユーザーの反応が良くなるんですよ」とか、「ここの文言は大きく見せましょう」みたいにアドバイスをくれたんですね。実際に参考にしてクリエイティブを作成した結果、反響も上々だったのですが、それ以上に、何とか私の工数を削減しつつもキャンペーンを成功させようという気持ちがすごく感じられて、本当にありがたいなと心から思いました。

SaaSツールにカスタマーサクセスがつくのは、いまとなってはもう当たり前ですが、だからこそ、質の差が目に付きます。導入当初だけのサポートだったり、必要のないサービス説明が多かったり。御社のカスタマーサクセスは、細かいところまで徹底的に寄り添ってくれて、そこがとにかく素晴らしいと思っています。

フォロワーが39人から16,000人に増加!実際に売上にも寄与!?

――Keywordmap for SNSをご活用いただいて、なにか具体的な成果はありましたか。

フォロワー数の伸長が一番大きな成果です。Twitterを本格的に開始したのが2021年の4月中旬で、その後すぐにツールを導入したのですが、当初39人だったフォロワーが、最大で16,000人まで増加しました。フォロワー数が伸びたのだから当然かもしれませんが、プロフィールクリック数も月間で15件から15,000件まで増えています。わりとポイントだと思っているのが、TwitterからWebサイトへの送客数で、4月と11月を比較すると20倍まで増加しています。

Kirala様成果

フォロワー数の増加は、直接的・間接的にリーチ数の増大につながりますから、そういう意味ではKiralaというブランドの認知拡大という成果もあると思います。

――フォロワー数だけではなくWebサイト送客数まで増加したということは、今後のマーケティング戦略、ひいては売上を作る媒体としての兆しもみえているわけですね。

そうですね。Twitterのアップデートでショップ機能が実装される見込みですので、将来的には売上に直結するような媒体にできればと考えています。ただ、一応これまでも、キャンペーン期間中に、「当選が待ちきれなくて、空気清浄機を買っちゃいました」というような声を数件いただいていたので、直接ではないかもしれませんが、すでに売上につながった成果もあるといえばありますね。

――素晴らしいですね。キャンペーン単体での成果というよりは、日々の投稿に裏打ちされたような、まさにファンマーケティングによる成果ですね。社内でのTwitterへの捉え方も変わりましたか。

徐々に変わってきているという感じです。会社全体というわけではなく一部ではありますが、たとえば経営陣がTwitterをチェックしており、フォロワーさんのリプライやUGCから「VOC(顧客の声)を拾って製品に活かせるといいね」、みたいな流れは生まれ始めていると思います。ほかにも、Twitter経由で顧客からの感謝が届くと、運用をサポートしてくれているメンバーを筆頭に、お客様の生の声が聞こえるTwitterは有益だという捉え方が、少しずつ社内に広まっているように感じますね。ちなみに、社長は毎日チェックするだけじゃなく、ときたま愛犬の写真なんかも提供してくれたりするので、プリン(愛犬の名前)のファンというフォロワーさんもいらっしゃるんです。

――ありがとうございます。最後になりますが、今後、どのようにTwitterをビジネスに活かしていきたいか、目標などがあれば教えてください。

必ずしもTwitterユーザーが、Kiralaのターゲット顧客というわけではないので、あくまでも参考としてですが、今後も「VOC」を拾いつつ、商品の企画や既存製品の改善に活かしていければと考えています。

ほかにもカスタマーサービスとしての活用を推進していきます。新たに≪お客様センター≫としてアカウントを立ち上げたので、そちらを窓口にして、お問い合わせも含めてユーザーの方々とコミュニケーションをとっていく予定です。ゆくゆくは、空気清浄機やウォーターサーバーに対する実際のお客様レビューを写真と一緒に公開して、製品の比較・検討をしている方々への参考になるような媒体としても活用したいなと考えています。

Kirala様インタビュー